石渡写真クラブ月例会(7月)作品&講評
梅雨が明け、一気に熱中症アラートが発出され、危険な暑さが連日続きました(22日現在)が、26日(日)に久々のお湿りがあり少しだけ涼しくなりました。が、暑さはこれからが本番、対策を万全に撮影は朝夕の涼しい?時間帯を狙っていきましょう。移動時の交通事故、体調管理に万全を期し決して無理しないようにお願いします。
今回は、前回に1、2作品が出品されましたが、6月14日の「苗名の滝撮影会」の作品が主となりました。「撮影会」は同じ場所、同じ被写体を狙いますが、各位それぞれの個性、感性の違いが表れて興味深いです。
とくとご鑑賞ください。
講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品の掲載順は「あいうえお」順、一回ごとに逆に紹介しています。
【小池 公雄】
「咆哮する名瀑」(妙高市苗名の滝)=6月14日
コメント:U形に窪んだ滝口から、きれいな柱状節理を伝わって、豊富な水量と大きな落差を得て、腹に響くような咆哮をあげています。滝に観光客を入れて、滝のスケール感を狙いました。
講評:滝のスケールが、コメント通り対象物として人物を入れて比較、一目で分かります。滝上部を入れ、水を吐き出す山裾の感じが表現できました。
「楽園静寂」(妙高市いもり池)=6月14日
コメント: いもり池に浮かぶ睡蓮の花に照準を合わせてみました。陸から見れば小さな花ですが、これにつかまっている蜘蛛。花弁が彼の目にはどうみえるのかな?ただの白い壁?なんて想像です。
講評:一面に咲き誇っていたヒツジグサ。その数に圧倒され、どうやって撮るか迷いましたね。よくある手は、花に昆虫か何かがとまっている光景ですが、クモの点景をよく見つけました。昼前後のお天道様が真上からの光線ですが、花びらの立体が白飛びせず良い感じで描かれ、その右にある1枚の小さな葉が詩的です。背景を単純化、四隅を少し「ケラレ」状に加工したことも詩情を盛り立てました。
【小島 真由美】
「ヤドリギ」(軽井沢)=5月5日
コメント:春先、葉が生い茂る前にヤドリギを撮影しました。中央の丸い葉っぱの集まりがヤドリギになります。枝に丸い玉がついているようでかわいいです。 講評:主幹から分かれた枝の先に数個の丸い球、ヤドリギが素材。ほかの木にくっついて成長するので「宿り木」が名の語源です。ただそれだけでは図鑑的な写真になってしまいますが、手前に「ホタルの光」のように見える芽吹きをあしらい“芸術性”を醸し出したところがいいですね。
「先人の技術に圧巻」(皇居)=4月25日
コメント:上の写真が江戸城「寛永度天守」の模型です。1/30のスケールで再現されており実物の天守は石垣の天守台を含めて高さ約60メートル(ビル20階)だったそうです。下の写真が天守台の実物です。高さが11メートルあるそうです。人や車が小さく見えます。当時は今のような機材がない状況で先人達の技術・労力のすごさを感じることができました。
講評:模型と実物を並べ、大きさがよく分かり(想像でき)、写真ならではの世界ですね。下写真の実物は左下に人物を入れ、コメントにあるように「小さく見え」石垣の高さ、大きさが一目瞭然です。この上に、上写真の模型にある天守を想像すると、「見上げる」ほどの大きさ・・・。細かいことですが、下写真の青空にある雲が点景となって画面全体のバランスがいい感じです。
【後藤 祥子】
「写真クラブ野外活動」(新潟県妙高市)=6月14日
コメント:天気にも恵まれてクラブの活動です。写真の撮り方を学んだり、クラブの方々と交流したり、昨年は公民館役員でクラブ野外活動は参加できなかったので、楽しみました。
講評:苗名の滝、滝を撮影する仲間、いもり池のヒツジグサ、池畔で何やら談笑する会員・・・と「楽しかった」撮影会の一日が読み取れます。いい感じの組み写真ですが、欲を言えばどれか1枚、1番印象的なものを大きく、ほかはその分小さく、というように写真のサイズに大中小の変化をつけることと写真同士の中で関連性を持たせるレイアウト(並べ方)を工夫すると深みが増した組み写真になります。
「季節外れの蓮根畑で・・・」(三才)=6月4日
コメント:去年蓮根畑の蓮の写真を撮りましたが、現在どうなっているのかと見に行きました。カメラを向けていると水の中から鳥が現れました。花の季節外れでも色々な生きものが生きている現状に出会い自然の動きの面白さに触れました。
講評:中央のカットはハスの葉が丸まっていて面白く、上は突然水中からカワウが飛び出した驚きの感じが表現、下は小さめながらアメンボが2,3匹。蓮池を舞台とする生き物たちの姿を生き生きとまとめました。アメンボは小さめで分かりにくく、もう少しアップだとよかったです。
【高山 三良】
「苗名の滝」(妙高市)=6月14日
コメント:前作はスローシャッターで滝を白い帯にしました。今回は滝の近くから1/8000秒で流れを止めています。
講評:人間の目は、早い速度で流れ落ちる水の表情は残念ながら見ることはできません。それが、カメラという機械を通すとそのメカニックなものから“止まって”、表情を垣間見ることができます。超高速シャッターで止めた水は、空中に放たれた後の水の一瞬の表情を捉えています。拡大して見ると、自由自在に四方八方に飛び散る水しぶきが確認できます。滝つぼに一旦落ち着いた水はさらに岩の間をぬうように流れ下りますが、ここでも右に左に、上下にうねりながら下る水の表情を見て取ることができます。まるで生き物のようです。写真ならではの世界です。前回のスローシャッターの世界とともに。
「湖畔に咲く」(飯綱町霊仙寺湖畔)=7月6日
コメント:ズームレンズに慣れていると単焦点はこんなに動かないとダメなのと思います。パナライカ25ミリF1.4開放で撮りました。
講評:右側の花はぼけ、フォーカスの効いた花が主題、向こうにいくにしたがってぼけてゆく。カメラのセンサーがMFT(マイクロフォーサーズ)で25㎜レンズはセンサーが倍の焦点距離になり、換算すると50㎜。つまり「標準レンズ」で、昔から「見た目通り」(人が普通に物を見た感じ)に素直な距離感を持って迫ります。さらに開放、F1.4という絞りで前後のぼけ具合が顕著に現れました。絞りの加減でさまざま表現が可能なレンズです。いろいろとお試しください。
【単体レンズとズームレンズ】=解説
昭和46年、入社したころ。社からの貸与レンズは35㎜、50㍉、105㍉の単体レンズ、機種はニコンFでした。まだ単体レンズが主流で、ズームレンズが出始めたのは数年後。初期のものは、ピントが甘くあまり写真部でも関心を寄せなかったものです。それが、精度があがり、さまざまな焦点距離のものが出回るようになり、徐々に単焦点から切り替わっていきました。
言うまでもなく、単焦点レンズは、被写体に対峙した時、大きさを決定するには自分自身が前へ、あるいは後ろへ動かざるを得ません。ところが、ズームですと“ズーミング”するだけで大きさが立ちどころに決まる。つまり、極端に言えばワイド、望遠など単体レンズの交換なしで速やかにお気に入りの画格でシャッターが押せる便利この上ないレンズです。
レンズを揃えるには、何を主に撮るかによって決まりますが、昔ならワイド系の24㍉、35㍉、50㍉、105㍉、200㍉(300㍉)がオーソドックスなところ。今では、小生のレンズ群を紹介すると、20㍉(単体)、24~85㍉(ズーム)、80~200㍉(ズーム)、80~400㍉(ズーム)、200~500㍉(ズーム)。で、24㍉のワイドから500㍉の望遠まで空き隙なく連続した焦点距離を網羅しています。プラス、昔ながらの単体、50㍉、55㍉マクロ、105㍉、150㍉マクロなどは後生大事に捨てないで持っています。これらは近年「オールドレンズ」と呼ばれ、開放の描写感がマニアによっては好まれ楽しむ人がいます。
【中島 弘】
「夏がキター」(妙高市苗名滝)=6月14日
コメント:新緑に包まれ雪解け水が豪快に流れ落ちる滝を目の前にして静かに見つめる人、子どもが怖がっているのか家族連れ、それを遠くから撮影する人、それぞれ楽しんでいる様子を写真にしました。
講評:滝を10分の1秒とスローシャッターで撮影、水が雲というか白い布切れというか、人の見た目とは違うイメージで表現。コメントにあるように、つり橋の人々、手前左のカメラウーマンと点景の人物配置、各々の動きなど細かな観察、配慮が感じられる一作となりました。
「スイレンの通り道」(妙高高原いもり池)=6月14日
コメント:スイレンの群生が対岸に渡る通り道のように見え新緑鮮やかな初夏のいもり池を撮りました。
講評:いもり池のヒツジグサは密生した箇所、まばらな箇所、白赤の花が混生した箇所などさまざまでした。その中で、一筋の群生に目を付けたところ、そしてその向こうに一本だけの白樺の木を配置し作画したところがいいですね。写真は、前、中、奥、さらに遠方と漠とした景色のどこをどう切り取るかがキーポイントです。
【広澤 一由】
「渓谷への架け橋」(鬼無里奥裾花ダム)=6月5日
コメント:いつもの仲間と奥裾花へのツーリングに出掛けた。初夏のような陽射しと青い空、緑の山々が重厚な鉄橋に映えた。
講評:お伴のバイクを手前にダムサイトを横切る鉄橋が連なる山々、雲浮かぶ青空とともに渓谷の様子が映し出されています。欲を言えば、少し高い位置から裾花川の渓谷(ダム)の水辺が少しでも垣間見えると、スケールに拍車がかかったかと思います。
【牧内 二郎】
「苗名滝=その1」(苗名滝)=6月14日
コメント:吊り橋は揺れるし東屋からは木が邪魔だったので、川へ降りて撮影しました。デジカメでも連続撮影した30枚をGIMPで合成して、絹布のような滑らかな川の流れを表現できました。
「苗名滝=その2」(苗名滝)=6月14日
コメント:同じく30枚合成です。手前の川の流れがドライアイスの煙のようで面白い写真になったと思います。
講評(その1,その2):30枚合成とのことですが、1枚のデータを見ると、それぞれ350,2000分の1秒という高速シャッターでした。高速で、先に紹介の高山さんの作品のように、一枚一枚は飛び散る水しぶきは「点」の集まりですが、その点も30枚というものを重ねると「点」ではなくなってしまいます。微妙な水しぶきのわずかな位置関係が、「しぶきとしぶきの間を相殺してしまった」ことかと推測します。従って、高速シャッター画像でも数枚以上のデータを重ねることで、「本質的な技法の違いはあるが、超スローシャッターで水を流した場合と同じ効果が得られる」という結論かと思います。30枚をもっと枚数を重ねれば重ねるほどその効果は顕著になるものと思われます。旧来のシャッタスピードの可変によって水流のイメージを創出する手法から、近年の加工ソフトを駆使すると類似の効果が・・・。
びっくりしました。
【宮澤 一成】
「何を狙う」(苗名滝=妙高市)=6月14日
コメント:写真クラブのセミナーで訪れた苗名滝、一度見たかった所ですが、滝を撮るのはなかなか難しいです。
講評:稜線、山懐、そして一気に流れ落ちる滝、右に巨岩るいるいの河川敷、左に点景人物。滝を遠目、ロングでの画面設定で、距離感(遠近感)をもって主題の滝に迫り、スケールがでました。タイトルとともに、難しい素材を個性たっぷりに表現できたと思います。