「輝いてー私・仲間」カテゴリーアーカイブ

輝いてー私・仲間(第4回)

折り紙の世界へ 平塚賢次さん(71歳)

多彩な趣味

折り紙や細密画、神楽、そしてバイク…。3常会の平塚賢次さんは多彩な趣味の持ち主です。いまは、折り紙の中でとても難しい立体折り紙づくりに熱中しているといいます。「没頭して時間を忘れるから楽しい」と話す平塚さん。自分が楽しくなる時間、それをとても大切にしています。

平塚さんがこれまでつくり貯めた作品の数々。これは一部といいます。
折り紙との出合い
平塚さんがいま取り組んでいるカニの立体折り紙。最も小さいのは指に乗っている作品で1㎝足らずです。
自慢の大きな立体作品。下の段は直径30㎝。648枚の折り紙を使った6段重ねになっている。3日間かけたという。
キラキラした折り紙でつくった飾り花。裏にピンをつけて腕や胸に付けられます。

20代、生まれた子どもに作品を見せたいと始めました。本を何冊も買って取り組みました。そのうち本に載っているものは平凡で面白くないと、専門書を探し、よりクオリティーの高い作品を目指すようになりました。

そんな中YouTubeで立体折り紙を見つけたといいます。定年を迎えたのを契機に本格的に立体折り紙を始めました。取り組んだのは縦横1.5㎝の折り紙でつくるわずか1cm足らずのカニの折り紙。ピンセットでハサミや脚などを集中して仕上げます。

一方で、キラキラ折り紙で花の飾りや金銀の折り紙でつくる勲章なども手掛けています。毎年区民文化祭に出品して関心を集めており、抱負として、アートとしての折り紙をもっともっと高めていきたいとのことです。

カニの立体折り紙に取り組む平塚さん。時間の経つのを忘れるほど熱中します。
カニの立体折り紙の最終段階。ピンセットで脚やハサミを丁寧に形作っていきます。
そして細密画へ
これまでに取り組んできた細密画の「歴史」。一番上が最初の白黒の絵。下へ採色した絵、コンパスで同心円を描いて鮮やかな色彩で描いた作品。一番下が現在取り組んでいる幾何学模様の昨品。

立体折り紙と並行して、細密画にも興味を持つようになりました。これもYouTubeで見つけたといいます。スケッチブックに何本も直線を描き、その間をボールペンでさまざまな絵柄を描いて埋めていきます。初めは白黒、そしてカラーのボールペンを使いました。続いてコンパスで幾重にも同心円を描き鮮やかな色彩で埋めていき、最近はより高度な幾何学模様に取り組んでいます。

細密画の画像をクリックすると拡大できます
平塚さん愛用のボールペン。何本あるか数えたことがないという。珍しい白いボールペンもあります。
神楽とバイク
石渡神楽保存会の練習日。太鼓の練習の合間に仲間と話す平塚さん(右)。とても楽しいそうです。
時折、ツーリングを楽しんでいる愛用のバイク。12台目になるという。後ろに見えるのはこれまでのバイクの一部。大切に保存している。

40年前に先輩に誘われて石渡神楽保存会に入り、舞いと太鼓を始めました。長老の一人になりましたが、練習には出るようにしています。いまは太鼓が中心。「リズムに乗って打っていると気持ちが高揚する」と話します。

バイクは50年前、職場の仲間10人とチームをつくって東北や佐渡など泊りがけのツーリングを長い間楽しんできたといいます。しかし20年ほど前に人事異動でばらばらになってチームは解散。いまは天気のよい日に125㏄のスーパーカブで買い物や野尻湖などへのミニツーリングを楽しんでいるとか。

趣味は生きてきた証、生きてゆく力

平塚さんは言います。「折り紙にしても細密画にしても、次は何をつくろうか、どんな形や色がいいか、あれこれ考えて出来上がった作品を見るのがとても楽しい」と。「でも、10個つくって気に入るのは2,3個です」と笑う。こうしてつくり貯めたたくさんの作品の数々が、平塚さんの生きてきた証であり、つくり続けることがこれからも元気で生きていく力になっているようです。

(了)

輝いてー私・仲間 第3回

風とともに走ろう!! 爺さんライダーズ

誕 生
最初のツーリング(2015年10月9日)
新潟中越方面(2018年4月17日)
白馬方面(2019年5月6日)

名前の通り高齢者がバイクでツーリングを楽しんでいる4人のグループです。全員が70歳以上で、しかも4人のうち3人が75歳以上の後期高齢者!。
個々にバイクを楽しんでいましたが、2015(平成27)年にたまたま集まった時、一緒に走ってみようとの話になりました。
最初のツーリングはその年の10月。石渡を出発、上越~糸魚川~白馬~石渡というルートで205kmの行程でした。「面白かった。また行こう」。こうして爺さんライダーズが生まれました。

その後

以後、毎年1~3回のツーリングを行っています。安曇野、佐久、美ヶ原、志賀高原、秋山郷、高瀬ダムなどなど。
直近は2023(令和5)年8月に信州の鎌倉といわれる上田、塩田平方面を周遊、神社仏閣や戦没画学生の絵画を展示した無言館を見学、信州の薫り高い文化に触れたとのことです。

塩田平ツーリング記録
上田市の生島足島神社で全員集合。左から中島弘さん(77歳)、水越渉さん(77歳)、高山三良さん(75歳)、廣澤一由さん(74歳)(年齢は令和6年2月現在)
安楽寺の国宝八角三重塔を仰ぎ見て「すごい技術だ」と感心しきり
4人中3人は石渡区写真クラブのメンバーです。珍しい石仏を盛んにカメラに収めていました(国宝大法寺参道で)
無言館の前で。夭折した画学生の悲しみや苦しみに触れました
楽しみのランチタイム! 腹が減っては走れません(道の駅:あおき)
修那羅峠石仏群のある安宮神社はまた、オートバイ神社でもあるとのこと。ツーリングの無事故を祈願しました
ツーリング記録
仲間とのツーリングの楽しさ

メンバーに仲間と走る魅力を聞きました。

高山三良さん
「風を切る心地よさとコース取りの楽しさ。行く先々の名物食」                      

廣澤一由さん
「皆で行けば怖くない、楽しさ倍増! 風圧を直接感じながらの走りは最高!二輪車運転は脳細胞の活性化が図れるとのこと、ボケ防止にも!」

中島弘さん
「エンジンの音、振動、排気ガスの匂いを体で感じながら自由に走る楽しさを仲間と共有できることですかね」

水越渉さん
「何かあっても助けてもらえる安心感と、冗談を交わしながらの会話の楽しさかな」

爺さんライダーズのメンバー紹介

高山 三良さん
(75歳 2常会)
弓道5段の腕前。趣味は写真。令和6年度の石渡長寿会会長
バイク歴25年

廣澤 一由さん
(74歳 9常会)
福祉自動車の運転ボランティア、GSでのアルバイト、趣味は脳トレ麻雀、家庭菜園、ウォーキング等、多忙な日々を送っています。
バイク歴20年

中島 弘さん
(77歳 5常会)
乗っているこのバイクは海外からも部品を取り寄せ、分解組み立てで復活生き返らせました。趣味はバードカービング(野鳥彫刻)、サイクリング、カメラなど。
バイク歴18年

水越 渉さん
(77歳 8常会)
趣味は家庭菜園。去年はイモ類とエダマメがほぼ全滅。気候のせい?それとも腕? 今年はリベンジに燃えています。
バイク歴12年

これからどうする

悩みは、4人の体調や都合がなかなか合わなかったり、予定日の天候が悪化するなど。でも、みなさん元気で春の訪れを待ちわびています。「バイク、サイコー。動けなくなるまで走るぞ」と意気盛んです。これまでは日帰りばかりだったが、一泊のツーリングもやってみたいといいます。

新企画「輝いてー私・仲間」について

石渡区には、仲間たちと語り合ったり、趣味に熱中している人など、いきいきと人生を楽しんでいるグループや個人が数多くいらっしゃいます。そんな方々を紹介する企画です。読む人の励みや参考になればとの願いを込めて…。昔の人は言いました。「遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけん」。

(了)

輝いてー私・仲間 第2回

鋳造に魅せられて 竹内一郎さん(74歳)

竹内さんが最初のころにつくった「リンゴ」。右がアルミで、左が真ちゅう製です。本物のリンゴで型をつくったとのことです

 鋳造は、銅や真ちゅう、アルミなどの金属を高温で溶かして型に流し込んで固め、目的の作品をつくる金属加工のひとつです。
 2常会に住んでいる竹内一郎さん(74歳)は、この鋳造による作品づくりに魅力を感じて、さまざまな作品をつくっています。令和5年の石渡区文化祭に初めて24点を出品したところ、大きな関心を集めました。

きっかけ

 令和5年の春先、夜中にYouTubeの動画に目を留めました。アルミ缶を溶かしてインゴット(塊)をつくっていました。「面白そう。俺にもできそう」。しかし道具はないので、YouTubeを参考にしてほとんどを手づくりしました。

ここで鋳造についてのおさらい

 鋳造とは作りたい形と同じ形の空洞部を持つ砂の型に、溶けた金属を流し込み、それを冷やして固める加工法です。

作品の制作

 令和5年12月のある日、友人に頼まれた重しの制作現場を見せてもらいました。竹細工をつくるときの重しに使うとのことです。

最初は木型づくりから STEP-1
彫刻刀で彫ります
木型の完成、この型と同じものを鋳造でつくります
砂型づくり STEP-2
木枠に砂を詰めます
木型を砂に埋めその上に砂を入れます

 縦15cm、幅8cmの木の板に縁起のよい「壱萬両」という文字を掘りました。これが原型になります。木枠の中に入れて、周りを鋳物砂でしっかり固めて取り出すと砂の型ができました。

体重をかけて砂型を固めます。メタボが役に立った瞬間
いよいよ鋳造作業 STEP-3
炉の中に炭を入れる。着火材の役目をします

 炉の中に炭とコークスを入れてガスバーナーやドライヤーを使って燃やし、真ん中に坩堝(るつぼ)を設置して真ちゅうの破片を入れました。

続いてコークスを投入。高温で燃えて真ちゅうを溶かします
ガスバーナーを吹きかけて着火させます
さらに火を盛んにするためにドライヤーとパイプを組み合わせた手づくり送風機で風を送ります
コークスに着火したら炉の真ん中に坩堝(るつぼ)を置きます
坩堝に穴の開いたふたをかけ、真ちゅうの破片を入れて溶かします
やがて真ちゅうがドロドロに溶けだします
溶けた真ちゅうを木枠に流し込みます
冷めたころで木枠をはずすと「壱萬両」が姿を現しました
取り出した「壱萬両」です
最後に研磨機にかけて仕上げました

  出来上がりました。向かって左が完成した「壱萬両」の重し。右が原型の木彫りの「壱萬両」。竹内さんもにっこりです。

さまざまな手づくり道具

 炭やコークスを入れて高温で金属を溶かす炉は、オイル缶の内側に厚さ3~4cmの耐火セメントを塗りました。
 材料の金属を入れて炉の中で溶かす坩堝はセラミック製のものを手に入れ、炉の中のコークスを燃えやすくする五徳は配管部材を溶接しました。
 炉に風を送る送風機はドライヤーを利用、真っ赤になった坩堝を取り出して型枠に流し込む取っ手も手づくりです。
 さらに作品の型を鋳物砂で固める30cm四方の木枠もつくりました。竹内さんの仕事は配管設備業です。自宅には道具や工具類などがいっぱいあり、これらを利用してつくったといいます。

坩堝の中の金属が出ないようにつくった「押さえ棒」
右は配管部材。これを溶接して五徳をつくりました
高熱の坩堝をはさんで木枠に流し込む「つかみ棒」
中央が炉。高熱に耐えられるように厚さ3~4cmの耐熱セメントを張りました。左はパイプとドライヤーを組み合わせた「送風機」
作品
石渡区文化祭に出品した竹内さんの作品です
ものづくりは楽しい!

 竹内さんは言います。「道具を自分でつくり、それを使って作品をつくり上げていく過程は本当に楽しい。これがものづくりの楽しさで、楽しいからやっている。ストレスや体の痛みを忘れます。これからもっと腕を磨いて仏像の顔や立体像に挑戦したい」。笑いながらこう話す竹内さんの顔がずいぶん若返ったように見えました。

新企画「輝いてー私・仲間」について

 石渡区には、仲間たちと語り合ったり、趣味に熱中している人など、いきいきと人生を楽しんでいるグループや個人が数多くいらっしゃいます。そんな方々を紹介する企画です。読む人の励みや参考になればとの願いを込めて…。昔の人は言いました。「遊びをせんとや生まれけむ、戯れせんとや生まれけん」。

輝いてー私・仲間 第1回

石渡八寿喜会

令和5年の秋祭り、石渡八幡神社では整列して木遣り歌を歌いながら行列を迎えます

 そろいの半纏(はんてん)に黒の腹掛け、鉢巻をきりっと締め、半開きの扇子を口元にかざしながら、声高らかに木遣りを歌う・・・石渡八寿喜会会員の晴れ姿です。

ことの始まりは安来節

 石渡八寿喜会は、区内の数人がたまたま安木節に合わせた「どじょうすくい」の踊りを見て興味を持ち練習を始めたのがきっかけです。安木節に因んで「八寿喜会」と名付け平成21年に発足しました。

平成23年(2011)公民館文化祭で「安来節・どじょうすくい」を踊る「八寿喜会」のメンバー
御柱祭に合わせて木遣りを

 翌年の平成22年は御柱祭。それまで祭りには善光寺木遣りを招いていましたが、「おれたちでやろう」と木遣りに方針転換、猛練習を重ねて御柱祭で本格的にデビューしました。

平成22年(2010)石渡八幡神社の御柱祭で木遣りを初披露
ボランティア活動も
朝日ディサービスで安来節と木遣りを披露 (H28.6.19)
令和4年石渡八幡神社御柱祭で大活躍
令和4年(2022)石渡八幡神社御柱祭で

石渡八幡神社御柱祭動画

現在の活動
練習は月2回。全員が順番に歌い、何回か繰り返します
練習は約2時間。みなさん真剣な面持ちです
順番に歌うことで、上手な人の歌い方を学んでいくとのことです

 現在は月2回、公民館で練習を続けています。会員は15人。春祭りと秋祭りが普段の練習の成果を披露する場です。会長の倉澤利雄さん(3常会)は「いちばんの課題は60代から80代の会員の若返りと会員の増加。なんとかしたい」と話しています。

練習後の慰労会。「仲間との会話が何といっても楽しい」「これがあるから八寿喜会を続けているんだ」などの声が聞かれました
コロナが収まり出動再開
令和5年(2023)秋祭り、区長や氏子役員などの行列の先頭を進みながら木遣り歌を歌って先導する八寿喜会の会員のみなさん
令和5年(2023)11月の区文化祭演芸大会に登場。力強い木遣り歌を披露しました
新企画「輝いてー私・仲間」について

石渡区には、仲間たちと語り合ったり、趣味に熱中している人など、いきいきと人生を楽しんでいるグループや個人が数多くいらっしゃいます。そんな方々を紹介する企画です。読む人の励みや参考になればとの願いを込めて…。昔の人は言いました。「遊びをせんとや生まれけむ、戯れせんとや生まれけん」。