石渡写真クラブ月例会(3月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(3月)作品&講評
 桜も開花が宣言。長い冬から春へと季節が移りました。新年度もスタート、地域に学校に職場にフレッシュな気分が漂います。        被写体はネイチャーものばかりではありません。身近なところの、例えば区内の行事やイベント、畑仕事、スポーツ、趣味などなど。ともに暮らす仲間にも目を向けてみましょう。貴重な歴史を刻むひとコマにもなります。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【高山三良】

「誕生カード」(自宅ほか)=2023年~2024年
コメント:長寿会の誕生会は年4回。出席できない人(40人)に誕生カードを贈りました。各季節の写真で組みました。
講評:写真は見る人の心を揺さぶります。長寿会の誕生会に足を運べなかった方にせめてものプレゼント。花鳥風月、身近なところで目にする花や鳥、お月さんなどがカラフルでにぎやかです。とりわけ外出もままならない方にとっては、さぞかし癒されたプレゼントかと思います。
「星の瞳」・別名(長野運動公園)=3月8日
コメント:春の訪れを一番に知らせてくれる可憐な花。花言葉は忠実・信頼・清らか。一つだけ花弁が紫がかっていました。「貴女がヒロインだよ」と声をかけながらシャッターを切りました。本名については先生にお任せ。
講評:花の名前はオオイヌノフグリ。2月、3月でも南向きの陽だまりで、いち早く花を咲かせてくれる春告げ花です。桜の咲くころともなると満開を迎え、畑の脇で鮮やかな空色の群生が見られます。この作品は群生というより、あっちを向いたり、こっちを向いたり、つぼみだったり、ぱっと満開のものも。それぞれが個性的で一律でないところがいいですね。その中でも紫色の花弁を見つけ、中央にどんと配置した「日の丸」構図でまとめました。

【竹内 一郎】

「石の上にも3年(何年)」(朝陽支所向かいの北八幡川沿い)=3月12日
コメント:北八幡川朝陽支所向かいのフェンス際にアスファルトに育った何の木か分かりませんが大きく育っていました。頑張れ!
講評:数年前の廣澤さんのころぼっくる園芸店前のツツジを思い出しました。電柱の支線を覆う黄色のカバーの途中、穴が開いたところからきれいな花が顔を出した作品でした。近年、新聞報道でも目にする「ド根性」作品ですね。写真を拡大してみると、用水のコンクリートとフェンスの間、根はアスファルトとの隙間で、まあ、よくこんなにも大きく育ったものですね。樹種はピラカンサと思われますが、ひっそりと静かな“人生”を過ごしてきたものです。いいものを見つけました。鋭い観察眼と写真に撮ったことが素晴らしいですね。

【中島 弘】

「春を待つ」(長野市信更)=2月18日
コメント:白馬連峰は深い雪の中。ジーッと春を待ちわびる山間地の集落の様子を撮りました。
講評:右から白馬、杓子、白馬鑓の白馬三山と唐松岳。北ア北部を代表するピークが残雪を抱き、手前の雪の消えた山とは対照的です。欲を言えば、朝一のモルゲンロートとか霧や雲があると迫力が出ますが、現実的には手間暇がかかります。無理はしないでおきましょう。
「待ちきれず」(千曲市の千曲川河川敷)=2月29日
コメント:前日降った雪が冠着山に残るなかマレット愛好者が、寒さもどこ吹く風仲間と楽しんでいるところを撮りました。
講評:こちらは、うっすらと降り積もった雪が残る冠着山を背景に河川敷でマレットゴルフを楽しむお年寄り。このころはまだ風が冷たく、スポーツもひと苦労です。冠着山の雪がやや目立ちにくい のが惜しまれます。光線状態のいいタイミングだともっと浮き出たかと思います。

【早川 球喜】

「元日の日出」(石渡八幡神社)=1月1日
コメント:石渡神社で元旦祭が始まる頃、赤い光を帯びながら太陽が顔を出そうとしています。
講評:午前7時35分の撮影(ファイル情報より)。冬の日の出は遅いですね。まだ祭りが始まる前、しらしらと明るくなってきた東の空が徐々に赤みを帯びてきました。厳粛な感動を味わえる瞬間です。ストロボ一発。右の御柱や街灯、松の木、灯篭の向こうの桜並木をシルエットにした微弱な赤い光が印象的です。

【廣澤 一由】

「花と一緒に日向ぼっこ」(自宅庭)=2月18日
コメント:・福寿草と孫が作った人形が、春の訪れを示す福寿草とのコラボ!実は鳥が福寿草を食べに来るので、その対策も兼ねて!
講評:庭先でいち早く春を告げるフクジュソウが横並びにきれいに咲きました。ただ、そのものを撮っても面白くもおかしくもない。そこで、孫が作った人形を点景に創作したところがいいですね。人形は案山子の役目も兼ねているようですが、さらに、ここに鳥とか猫とか来るとおかしさが増しますね。
「いよいよ工事調査開始!」(長野運動公園東の空き地)=3月10日
コメント:・地下に調整池、上に駐車場の工事の為の調査ボーリング工事が開始した。水害対策と駐車場増設が待ち遠しい!
講評:長くどんど焼きでお世話になった場所です。造成され、さらに住宅が増えるのかと思っていましたが、アクアウイング東のグラウンドのように地下は貯水施設、上は駐車場に変身予定とか。一見何の変哲もない一枚の写真ですが、貴重な時の流れを記録した写真です。

【宮澤 一成】

「輝く春を待つ」(自宅庭)=3月13日
コメント:かなり膨らんだ梅の蕾に、開花を遅らせるかのように雪解けの滴が付いていました。
講評:春の淡雪が梅のつぼみにかかり、滴となっている様子です。右下から左上に伸びる枝が斜め構図でアクセントというか、流動感が出ました。水滴で潤い、きれいな花を咲かせる序章が表現できました。
「気早だね」(ぱてぃお大門)=2月28日
コメント:善光寺大門付近を散策していたら、「ぱてぃお大門」内に数輪の桜の花を発見、2月末としては珍しく思い撮影しました。
講評:桜の種類は300を超すそうですが、寒い時期に咲くと珍しかったり、春への期待が込められ、見る人を一喜一憂させてくれます。確かにこの桜は2月28日に咲いたものに間違いないと思いますが、背景に何か寒さを表すものを入れ込むと対比できて一層、寒中の桜として引き立ったかと思います。

【吉田 幹男】

「寒さに耐えて」(自宅)=3月7日
コメント:雪割草の花が、今年は室内に置いたため一足早くさきました。                                                                      
講評:雪を割って花をつけるところから「雪割草」と呼ばれます。ミスミソウやオオミスミソウ、スハマソウなどを指し、地域によってはフクジュソウを指すこともあるようです。参考までに、過去小生が書いた関連記事を参考までに掲載しますのでご覧ください=下。吉田さんの雪割草は、葉が丸いところからスマハソウではと思いますが、記事にあるように野生種の花の色は白が多いそうです。レンズの最短距離のためか、元画像はやや周辺に余裕があり過ぎなのでトリミングしてみました。

週刊長野=2018年4月21日。講師の連載企画「北信濃の動植物をたずねて」より