「石渡写真クラブ」カテゴリーアーカイブ

石渡写真クラブ月例会(2月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(2月)作品&講評
 日本海沿岸を中心に「あちこちで最多積雪」のテレビ画像を見ていると、嘘のような話に。本格的な雪かきはたったの一度で、なぜこの長野市は?でも、立春、雨水と過ぎたのに寒さだけは厳しい毎日です。 
 確実に昼間が長くなり、陽光も日増しに強くなってまいりました。間もなく3月弥生。スプリングエフェメラル、春の妖精と呼ばれる春一番に咲くセツブンソウ、フクジュソウなどが待ってましたと花を咲かせます。
 春を待ちわびるのは私たちも同じ。陽気がよくなったら、カメラ片手に野に山に出かけましょう。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品・講評の順番は、会員の氏名を「あいうえお」順に、月ごとに逆にして紹介しています。

【宮澤 一成】

「頭隠して尻隠さず」(御宝田遊水池=安曇野市)=2024年12月25日
コメント:二羽の鴨が同時にエサを取っている様子を見ていたら、思わずあの「ことわざ」が浮かんできました。
講評:越冬にやってくるコハクチョウやカモでにぎわう明科の池で、カモが水の中に頭を突っ込んでいる瞬間ですね。瞬間と言っても、餌をあさるため何回も何回も繰り返すしぐさで、初めて見ると滑稽にも見えます。ふと浮かんだことわざをタイトルに表現しています。
「願う」(善光寺)=1月13日
コメント:真剣におみくじを結ぶ女性、「良き一年でありますように」と、祈るばかりです。
講評:やや離れた光景を望遠レンズで撮影しましたが、手振れ?ややフォーカスが甘く惜しまれます。合わせるピントは、手前のおみくじ、それと女の子の目と2つどちらかです。どちらの方が主題をより強く表現できるかは分かれるところですが・・・。いずれにしろ、女の子の目にキャッチライトが入るとか、目が生き生きとしていると主題がさらにグレードアップしたと思います。

【牧内 二郎】

「夕暮れの空き地」(運動公園東側空き地)=2月3日
コメント:日課のウオーキングで運動公園の近くを通った時に、夕暮れの濃紺色の空に浮かぶ運動公園の木が綺麗だったので撮りました。カメラ設定をワイドにしたら両サイドが少しカーブするように歪んで、流れる空の雲の影響もあって動きのある感じになりました。夜間モードで割と明るく撮れています。
講評:昨年まで区の「どんど焼き」でお世話になった空き地。今は運動公園整備で工事中ですが、まだ雑草などが残り空き地の面影がたっぷり。薄暮からもう少し進んだ時間帯。まだ青空の余韻が残る空に早くも輝き始めた宵の明星金星と月がコラボ。それに負けじと流れる雲。各家では夕食の団らん、やがて暗闇へと移る時の流れを感じさせてくれます。
「夜明け前の空き地」(運動公園東側空き地)=2月5日
コメント:同じく、夜明け前の白くなり始めた空に浮かぶ運動公園の木。この日は少し雪が降って薄っすらと白く雪化粧した朝でした。ノーマルで撮影したので歪みがなく、動くものも一切なく静寂な世界の雰囲気が出ていると思いました。
講評:上の作品と同じ場所ですが、今度は暗闇が支配する夜からしらしらと明け行く朝へと移り行く時間帯を狙っています。何もかもが眠りにつく夜の「静寂」さが感じ取れます。上作品が「動」とすると、こちらは「静」。せっかくなので二枚を組みにして一枚のボードに表現する「組み写真」で表現してみる手法もあります。

【廣澤 一由】

「アア 美味しかった!」(自宅庭)=1月24日
コメント:去年に続き、今年もりんごを樹に置いたところ早速ヒヨドリが飛び降りてきて満足げに食べてくれた。地味な色の野鳥だが、撮りながらよく見ると可愛さを感じた!
講評:餌を食べにやってきたヒヨドリ。つついたりんごのご馳走の残り?がまだくちばしに残った瞬間をタイミングよく捉えました。枝とのバランス、背景もぼけて主題が浮き立ちました。
「人形たちの菜園」(自宅)=2月5日
コメント:野菜の残りを水栽培してみました。立派に成長する生命力に感動しました。人形達とコラボしてメルヘン調に仕上げました。
講評:写真の対象物は、顕微鏡でないと見えない極小のものから宇宙の銀河まで神羅万象、何でもです。ごく身近、繰り返される日々の生活の中で見つけた素材ですが、残った野菜から新たな命が芽生える姿に感動した作者の気持ちが伝わってきます。

【中島 弘】

「雪の高井橋」(高山村)=1月26日
コメント:雪が降っている時の高井橋を撮りたかったが、雪道の運転に自信がないので、降雪後の撮影としました。雪と神秘的な雰囲気を出すようRAWデータを現像しました。
講評:よく紅葉と対比させた作品は見かけますが、白一面の銀世界は初めて見ました。手前、橋下のC構図の川の様子が単調な中にリズム感を表出、上部の立ち込めた雲(霧)も臨場感を助長しています。白一色の中の赤色が際立って見えます。
「深度合成」(長野市)=1月19日
コメント:大寒波到来で外での撮影が厳しいので、「深度合成」処理にトライしました。今後はマクロ撮影等で作品作りに挑戦したいと思っています。また「比較明合成」もトライしたいです。
講評:本来、被写体の大小に関わらずにどこかにピントが合い、ほかはぼけるというのが写真です。中でも、手前から奥の方までピントが合っている範囲がたくさんある写真を「深度」がある(深い)といいます。深度を稼ぐ(深くする)には絞り値を数値の多い方にします(絞ります)。望遠系よりワイド系レンズの方が効果的です。従来はこの方法で深度を深くしていましたが、近年ではカメラ内やパソコンソフトで「合成」なるものが簡単にできるようになりました。この作品も、鳥を手前から尾に向けてピントを少しずつずらしながら「20数枚撮影」(中島さん)し、それを合成し1枚に仕上げたものです。従来の方法、絞りを最大に絞ってもこれだけ立体的なものですと限度がありぼけてくる部分が少なからず出てきます。しかし、このように「合成」するとものの見事に隅々までピントが合った作品となります。中島さんが手法解説写真=写真上=と完成写真=写真下=を作ってくれましたのでそのまま掲載します。
 ちなみに野鳥やチョウ、トンボ、カブトムシなどの昆虫の写真では、頭部、とりわけ「目」にピントを合わせるのが常套的です。と、このような写真とは反対に、絞りを開放(数値の少ない値)にした「ぼけ」の世界が写真表現としてあることも頭に置いてください。

【高山 三良】

「よりそう」(付属小学校北=南堀)=1月18日
コメント:電線に寄り添ってとまり寒さをしのいでいます。電線が1本の太い線に。
講評:子育てが終わった秋ごろから、ムクドリやスズメは集まって行動します。その数は数えきれないほどに膨らみ圧巻です。よく電線に一列、横並びに止まっているところを見かけますが、この写真を見ると電線だけでなく変圧器やそのほかいたる所に所狭しと止まっていてすごみを感じます。スズメだそうです。
「伝統とコラボ」(信大付属特別支援学校)=1月14日
コメント:特別支援学校新年会でのハプニングです。アトラクションで石渡神楽の獅子舞を披露しました。舞が始まると獅子舞が好きな生徒3人が隣で舞い始めました。手作りの獅子頭に幌を付けて。
講評:手作りの獅子と歴史ある石渡の獅子が並んで舞う。神様が出合わせてくれた珍しい場面で、三枚の組み写真でまとめました。これを機に、もっともっと交流が深まり、神楽の歴史に新たな展開が訪れるといいですね。

【後藤 祥子】

「雲のじゅうたんを広げて・・・」(ケーズタウン若里)=2022年9月25日
コメント:雲(空)を見ることは好きです。雲はいろいろな姿になっていたりと楽しみを感じます。買い物に行き空を見上げ、楽しい様子を写しました。
講評:趣味?の雲見。いい雲を見つけ、すかさずカメラに収めたところがすごいです。いい被写体に出合う(見つける)➡シャッターを押す、という心掛けを忘れないようにしてください。ケーズ電機の屋上とのことですが、やや画面が右下がりに傾いていますが、この場合雲の切れ間の斜めの線となぜかマッチングしてそんなに苦にならないです。むしろ、この傾きが不安定感を醸し出し作品に躍動感みたいなものを表出しています。
「だるまの行列 役目を終えて」(南堀ホクト駐車場)=1月19日
コメント:公民館役員のため準備に参加していました。だるまが列をなし、役目を終えて準備されてゆく姿がとてもおもしろく写真をとりました。この行事(どんど焼き)やるのか、やらないかとの話がありますが、私は続いてほしい思いです。
講評:長く連結されただるまが“面白い”と感じたところが素晴らしいですね。たまたまか、今年の干支「へび」のように長く捉えられました。一年間の見守り役を終えいよいよ最後を迎えるだるまさん。「ご苦労様。ゆっくりお休みください」。そして、この作品も極端に傾いていますが、なぜか苦になりません。

【小島 真由美】

「彩られた松本城」(松本市)=1月11日
コメント:いろいろ彩られてどの柄のところで写真を撮るのがいいか悩みまし板。一回(5分)見てから2回目で構図を考えながら撮りました。
講評:うまく撮れましたね。まず、撮る前によく被写体を観察したことが結果に結びついたと思います。よく「(写真は)シャッター以前・・・」ということを昔から言いいます。撮ろうとする被写体に対峙したらまずじっくり観察することは写真の基本、第一歩です。「何を自分は表現したいか」「何を第3者に伝えたいか」。被写体に語り掛け対話をすることです。次に、表現を手助けする機材の選択、設定、操作・・・と進んで行きます。
「ビッグバーガー」(87カフェ)=1月26日
コメント:友人とランチデート。テレビで(バナナマンせっかくグルメ)放送されたハンバーガーを食べてみました。大きさをひきたてる撮り方が難しかったです。
講評:どこかで見たことのある物体は、脳がおおよその大きさの見当を推し量ってくれます。が、写真に収めた場合大きさがよく分からないことがままあります。具体的にぱっと見で分かってもらう方法は、画面内に見た人が大きさを想像できる物、例えばはしとかスプーンとか・・・(このバーガーの場合)。一番手っ取り早いのは手に持ってもらうことです。手の大きさは大人、子どもの違いこそあれ、おおよその見当はつくはずです。もう一つ、ワイド系レンズ(20㎜・24㎜)、あるいは度を超すかもしれませんが魚眼レンズ(16㎜)でバーガーに近づいて撮ることです。ややデフォルメ(歪曲)されますが、この世のものか?と思うほど画面手前いっぱいに大きく写り、おまけに背景も写り込みます。

【小池 公雄】

「息災祈願」(石渡「どんど焼き会場」)=1月19日
コメント:青空にくっきりと頂を見せる飯縄山を背に、大勢が見守る中、三九郎に火が放たれ見事な火柱になりました。コロナもインフルエンザもこの火で焼いてくれ!!無病息災を祈りました。
講評:松本地方では「三九郎」と呼ぶ「どんど焼き」。めらめらと燃え上がるやぐらを望遠レンズで狙い、バックの取り巻きの区民、飯縄山が重なるように見えて、望遠レンズの「引き付け効果」がよく表れた作品となりました。
「頭上注意」(戸隠スキー場)=2月3日
コメント:今年は数年に一度の大寒波、スキー場の軒に下がるツララも、見事に成長して迫力がありました。
講評:最初にできた太めのつららが屋根の上の雪の落下に伴い内側にぐんと曲がり、さらに後続のつららが垂直にその姿を太らせている。2つの曲がり方が背景のカラマツの垂直と対比的でリズム感が出ました。
「灯明に染まる古寺」(善光寺)=2月10日
コメント:22回目を迎えるという、灯明祭りを見に行ってきました。石井幹子先生によると今年のテーマカラーは「紫」とのことでしたが、私の撮り方では・・・・・。違う色が出てくるまで待てれば良かったかと後で思いました。
講評:鐘楼の赤色、本堂の紫色とカラフルなコントラストでいい感じと思います。色は追及しだすと多彩で奥が深く難しいです。適度に、納得する段階で踏ん切りをつけないと前に進めません。手前右下にお祭りを楽しむ人物を点景に入れた点も効果的です。

【倉澤 利和】

「海に恋して。💛」(千葉県オーシャンビューリゾート・サンライズ九十九里)=1月23日
コメント:成田山新勝寺に初詣に行ってきました。1泊2日の旅でした。二日目のホテルから見た日の出が素晴らしかったので、撮ってみました。久しぶりに見た海に感動しました。
講評:目覚めとともに部屋に居ながらにして日の出が見ることができた。このホテルの、この部屋はこれが「売り!!」なんでしょうね。部屋は2階より上の階でしょうか、やや俯瞰した感じで海原が遠くまで見渡せ、中央に配した太陽を起点とした四方八方に広がる雲が外に向かって規則的な広がりを見せています。雄大なスケール感がいいです。
「寒い!」(長野運動公園サブグラウンド)=2月11日
コメント:ウオーキングの途中、運動公園サブトラックを見たとき神秘的な情景が目に入りましたので、思はずスマホで撮ってみました。
講評:降り積もった雪景色の夕暮れのサブトラック。灯り始めた照明に照らし出され、アンツーカーコートのトラックだけ雪が解け、そこを走る一人のランナー。低速シャッターでぶれ過ぎて人影かどうかすら分からない感じですが、もう少しぶれずに「人」と分かるとよかったですね。また、照明の電球から発したフレアがいい感じで作品に味を添えました。もっと、色濃く出るともっともっと幻想的になったかと思います。

石渡写真クラブ月例会(1月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(1月)作品&講評  
 穏やかな年明けでしたが、早もう一カ月。日差しも徐々に勢いを増し、運動公園サブトラック北東にあるモクレンのつぼみも心なしか膨らみを増してきたような気がします。
 3日は暦の上では立春、春ですね。2日は節分で善光寺はじめあちこちの神社で豆まきが行われます。続く7日からは善光寺一帯で長野灯明まつりもあります。
 正月太り解消?を兼ね、足を延ばしてみましょう。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品・講評の順番は、会員の氏名を「あいうえお」順に、月ごとに逆にして紹介しています。

【倉澤 利和】

「珍しい!(ニャーオ)」(自宅)=1月9日
コメント:右側はひめ(先住猫)メス・左側カイ(オス)。普段はメスの方が、けぎらいしてますがこの日は仲良く?並んで寝ていました。今までこんなことがなかったのですが、珍しかったので撮ってみました。二匹とも保護猫です。
講評:何とも可愛らしい、微笑ましい。あまり見られない光景とかで、よく気が付いて写真に収めましたね。広い意味で、いいシャッターチャンスをものにしました。写真を志すもの、「常にあたり辺りをよく観察し、珍しい光景や瞬間、美しいもの、すごいもの、ほんのりと心打たれるものなどなどに感動し、写真に残す気持ちを忘れずに」というお手本を示してくれた気がします。信毎の1面左下の「こと映え」に四字熟語とともに寄稿したらいかがでしょうか。

【小池 公雄】

「霧氷の朝」(運動公園サブトラック)=2024年12月21日
コメント:起きてみたら凄い霧で、庭木の枝に見事な霜の花を咲かせていたので、公園に様子見に行ってきました。薄暗い感じになってしまいました。手を出していられない程の寒さの中、何周もランニングしている人には、感心しました。
講評:高冷地や河原などで、冷え込んで朝霧が発生した時に見られる「霧氷」。平地では珍しく、よく気が付きました。午前8時半ごろの撮影ですが、まだ霧が残る中、桜の木でしょうか枝に霧氷が張り付き、ぼんやりとした光景が幻想的です。私もこの日午前9時半ごろ運動公園通りを通過、気が付きましたが別件の所用があり断念。
「雪布団」(飯綱町夏川)=1月5日
コメント:飯綱町の冬の棚田の表情をと思い出かけてみました。棚田の斜め上方からねらってみましたが、雪で段々の輪郭が見えにくかったので、下方へ廻ってみました。月明かりの田んぼみたいな写真になってしまいました。
講評:がくんと落ちた感じの棚田の畔が雪の質感たっぷりに表現できています。少し向こうに動物の足跡らしきものが小さく見えますが、できれば画面のもっと手前にあしらうと臨場感がでました。常套的手法ですが、アングルとしては棚田の段々が分かるハイアングル(無理かな?)、そして朝夕の斜光線など光線を工夫すると“棚田の表情”がスケールをもって描けます。
「『シュン君』ご機嫌」(城山動物園)
コメント:城山動物園のアシカ撮影に行きました。あまりの表情の豊かさにびっくりです。水から顔を出して目が合った瞬間を狙いましたが、逆光側でのポーズが多くて、設定に苦労しました。
講評:思わぬ発見があったり、素晴らしい光景に出会ったり・・・。写真を続けていると、何かしらの“返礼”がかえってきます。そのやりとりが醍醐味でもあります。ぐっと近寄ってできた手前の弓状の波、口や鼻の穴がマキシムに開いた一瞬もフォーカスがシャープで迫力満点。惜しむらくは、目がもっと色があるとか、キャッチライトがあるとか生きているともっとグレードアップしました。

【小島 真由美】

「雪が降る日の朝やけ」(自宅前)=2024年12月13日
コメント:日の出前、雲のオレンジと雪でないところの反射?があったので、それをとりたかった。
講評:日の出(入り)前後の30分、合計1時間ほどを「ゴールデンアワー」もしくは「ブルーアワー」と言って、写真愛好家にとっては狙いどころの時間帯です。刻一刻と変化してゆく様は、感動とともに、見る人にも同じ感動を味わってもらえる作品が生まれるからです。ということで、小島さん、いっぱしのカメラウーマン(失礼)。いいところに気が付きシャッターを押しました。ただ、下の駐車している車までは(どこから撮ったという証拠、説明にはなりますが)いらないかと。そして画面が右下がり。その点をトリミング、加工してみました(写真下)。ご参考まで。

「小春日和に参拝」(実家=軽井沢町=のそばの神社)=2024年12月29日
コメント:小さい頃からお参りしている神社。季節によって違う様子になるので、四季を通して撮影していけたらと思っています。
講評:これまたいっぱしのカメラウーマンのコメント。写真の表現方法に、1枚の写真(単写真)で見てもらう方法とやや大きめの画面の中に複数の写真を組み合わせて見せる「組み写真」という手法があります。取りも直さず、季節を違えて、例えばこの神社の春夏秋冬を表現して1枚の中に組み合わせて見せるという手法があると直感したからです。この気付きを大切に、無理しない範囲で、実家に帰ったらシャッタ-を押し続けましょう。季節感を盛り込む、同じアングルから、人物配置など細かいことがありますが、追々・・・。

【後藤 祥子】

「のびのびと芽覚め」(南堀公園)=2022年4月11日
コメント:満開に咲いた桜ののびやかさ。伸びのびと眠りからさめた様子を感じたので表現した。
講評:いくつもの球形の桜の花が散らばり、満開になった桜の花の勢いを感じます。光線も斜光で花に立体感が出ました。画面全体がやや左下がりです。特にスマホ撮影の場合は、機体が軽く、明るい野外では液晶が暗く見づらいという難点も加わります。ぶれや露出、傾きなど特に注意してかかりましょう。シャッター後、液晶を見やすい日陰や車の中などで確認、だめなら再撮影を心掛けましょう。

【高山 三良】

「R7元旦14:26」(長野運動公園)=2025年1月1日
コメント:役定めの後出かけました。雪もなく何と平穏な年明け。子供は風の子、袖なし!
講評:雪のない石渡区の年末年始でした。元日の様子を時計の時刻を工夫してあしらい、元気に遊ぶ家族連れを点景に作画しました。何と袖なし。東の山も昔は、もっと真っ白だったですね。2025年、令和7年、一月一日、午後2時46分。この瞬間を記録した貴重な報道写真でもあります。
「元旦祭を終えて」(八幡神社)=2025年1月1日
コメント:二年参り、元旦祭を終えて、お賽銭がたくさん!お宮も一安心。お疲れさまでした。今年も平穏無事をお願いします。クヌギやケヤキから元気をもらいました。
講評:神社のご神木を前景に、本殿、拝殿。この作品も、真っ青な青空、雪のない2025年の元旦を切り取った記録性ある1枚となりました。

【竹内 一郎】

「善光寺忠霊殿」(善光寺)=1月3日
コメント:久しぶりに善光寺に行きました。撮るものがなかったので・・・。
講評:善光寺本堂の裏側から見た忠霊殿。樹木の向こうに控えめに塔の上部が見え、手前の桜や松の老木とともに歴史、時の流れを感じさせてくれます。

【中島 弘】

「釣り人のいない湖」(麻績村聖湖)=2024年12月26日
コメント:冬の湖は人影も釣り人も居なく静まり返っていました。桟橋は雪に埋もれ寒さに耐えながら春を待っているかのようでした。
講評:ヘラブナ釣り用の桟橋が、雪をかぶり独特の形をして湖の中にたたずんでいます。最盛期のにぎわいとは逆に、静かなオフシーズンの様子が寂し気に表現できました。
「北信三岳プラス」(高山村)=1月5日
コメント:北信五岳の三峰の絶景に出会い新年に相応しいと思いながら撮りました。戸隠、斑尾に代わって高妻、火打山が見えます。今度はモルゲンロートを狙いたいと考えています。
講評:手前はテニスコートか何かでしょうか、雪もなく黒ベースの色彩だけに青空の下に浮かんだ北信五岳のうちの三岳がきれいです。青空の中に白い雲でもあると点景になったと思いますが・・・。朝焼けでピンク色だといいですね。暗いうちの出番、交通事故、足元にはご注意を。

【早川 球喜】

「冬の陽射し」(自宅)=1月9日
コメント:日常の中の何気ない景色ですが、新春の薄曇り空で時々太陽が顔を覗かせているのが、何となく長閑(のどか)で平和を感じました。
講評:中央上部から後光のごとく差し込んだ薄日。それとなく明るい太陽を起点に放射状に広がる光に早川さんはのどかな「平和」を感じたとのコメント。ウクライナやガザの人たちには、そのように感じる瞬間もないかと・・・。そんな日常を大切にしたいものですね。

【廣澤 一由】

「新春5日小寒の朝」(東和田運動公園)=1月5日
コメント:新春5日小寒の朝に運動公園に行くと、早朝からトレーニングをしている人に会う。そして山並みには朝陽を受けて光り輝く飯縄山が印象的だった。
講評:まだ暗いサブトラックと光が差し込んで茜色に染まる飯縄山が対照的です。ランニングの人物も一日の始まりを表現する点景としてひと役買っています。白いヤッケで暗闇に沈まなくてよかったです。
「霧の彼方から」(新穂高ロープウエイ)=2024年9月18日
コメント:あいにくの曇り空で霧に包まれていたが、幻想的な風景も見え、西穂高口駅の展望台からのゴンドラと山並みが印象的だった。
講評:霧に山頂部分は隠れて見えませんが、山肌は北ア特有の山岳模様。ゴンドラの支柱の天頂部を起点に手前に放射状に広がってくる構図で迫ってくる感じがいいですね。ややピントが甘い気がしますので、前後コマでいいものを選び出してください。

【牧内 二郎】

「元旦の石渡区①」(朝日病院近くの畑から・地上130m)=2025年1月1日
コメント:元旦の朝8時の石渡区をドローンで撮影しました。南堀に借りている畑で飛行高度規制150m手前の130mまで上げてみました。石渡区全体を入れたかったけど、空1/3と地面2/3で配置したら運動公園周辺しか入らなかった。
講評:「こんなに高い位置からの写真はどうやって撮った?」。説明を受けましたらやはりドローンからの写真。高山さんの元旦作品と同じく、今年ならではの雪のない石渡区を中心とした善光寺平が一望できた記録写真です。
「元旦の石渡区②」(長野駅方向)

【宮澤 一成】

「乱舞」(白鳥湖=安曇野市)=2024年12月23日
コメント:氷点下7度の川霧の朝、寒さを知らぬかのように、元気に飛び回る鴨たち。
講評:早朝、カモが群れる川面から立ち上る霧が厳冬の臨場感を表しています。その上部には一群のカモが舞い降りる瞬間を収め、静止している群れとは対照的で、「静」と「動」をうまくアレンジした作品となりました。

 

石渡写真クラブ月例会(12月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(12月)作品&講評

明けましておめでとうございます。
 掲載が年を越してしまいましたが、昨年12月の例会作品、講評です。
 昨年は元旦早々の能登半島地震、翌2日の羽田の飛行機事故と不穏な幕開けでしたが、今年は家の周りに雪もない穏やかな2025年、令和7年の年初めとなりました。どんな年になるでしょう。 
     12月の例会から、クラブに新しいお仲間が増えにぎやかになりました。牧内二郎さん(6常会)、後藤祥子さん(6常会)、小島真由美さん(5常会)の3名です。写真を通して知識と見聞を広げ、仲間同士の親睦を深め楽しくやっていきましょう。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品・講評の順番は、会員の氏名を「あいうえお」順に、月ごとに逆にして紹介しています。

【吉田幹男】

「冬の訪れ」(自宅)=12月9日
コメント:店先に並んだシクラメン、購入して次の年もと考えるが上手くいかない。作品は、陽の差す窓側に置いて花を撮りました。
講評:上の写真と下の写真は同じに陽の差す窓際作品ですが微妙に違います。まず上。アングルがやや上からのぞき込む感じで光線は順光で花が強調された感じです。葉のほとんどがアンダーでつぶれ惜しいのと背景がほとんどぼけています。下写真はアングルが正面からで光線は逆光気味で、上よりはやや芸術的な雰囲気です。背景がうるさいと言えばうるさい感じですが、窓辺の「室内」といった感じが前のより良くわかり現実味があります。

【宮澤一成】

「コラボレーション」(松本城)=11月16日
コメント:先月、朝陽地区の「史跡めぐり」で松本方面へ、紅葉と松本城を撮影してみました。
講評:右下に天守閣、左上に紅葉と「対角線構図」でバランスよくまとめました。撮影時点の光線状態で仕方ないでしょうか、紅葉の左側部分に日が当たらずアンダーになってしまい残念。紅葉全体に鮮やかな色が出るとよかったです。日中シンクロという手もあったかと。
「冬を待つ」(青木湖)=11月21日
コメント:新緑の春に訪れた青木湖、秋はどんな顔を見せているのか、訪ねてみました。
講評:湖畔端の丘陵の紅葉、さざ波だった湖面、向こうの北アは雲に隠れて残念ですがちらっと垣間見える峰には真っ白な雪。空の雲もいい感じに散らばりまさに初冬の雰囲気が漂った一枚になりました。右から出た木は何でしょうか、葉も落ち斜めに出たところに存在感があります。

【牧野二郎】

「早朝の榛名山と榛名湖」(榛名公園)=2021年10月28日
コメント:榛名公園で車中泊した朝に撮りました。
講評:湖面に霧が立ち込め早朝の感じが漂っています。手前の水面に山がもう少し分かる感じで投影されるとよかったですね。水鏡とまでいかなくても、ややさざ波だっている程度で、山の姿が対比的に見えるイメージです。この作品のように見えない場合は思い切ってカットしてしまうという手もあります。あるいは、湖面にボートとか野鳥とか点景が入るといいですね。それと、右奥に榛名山と似たようなこんもりした山が見えますが、画角的に中途半端です。もう少し入れ込む、あるいは逆に入れないでおくという手もあります。手前の木の枝とともに。

【廣澤一由】

「良い日旅立ち」(東京駅・丸の内側)=11月22日
コメント:鉄道の起点、東京駅!美しい建築美が素晴らしい!ここからそれぞれの思いを胸に旅立つ東京駅前の人々の様子が覗えた。
講評:明治時代建立のいにしえの建物と、バックには現代建築の粋を集めた高層ビルとの対比が時の流れを凝縮。それと、手前の点景の人々がそれぞれの動きをしていて写真を“読ませて”くれます。ややビルの傾きが苦になるのでほぼ直立に矯正したもの、人物の動きの中で面白そうな部分をアップにしたものを加工し下に並べてみました。ご参考まで。

「古今コンテスト」(東京皇居周辺)=11月22日
コメント:皇居の城壁と近代的なビルディングのコントラスト、時代を超えての対比が水辺にも写り印象的であった。
講評:この作品も時代の新旧を対比的に映し出し、プラス水辺にも映ったビル群まで気配りをした点がいいです。ただ、左の皇居の石垣が日陰でアンダーになってしまい残念。

【中島弘】

「長峰山展望台から」(安曇野市明科)=11月21日
コメント:明科の長峰山の展望台は安曇野の田園風景と北アルプスを一望できるビューポイント。展望台の直下に鉄の大きなモニュメントがあり違和感を感じた。調べてみると、「歴史の塔」といい、1971年塔の下にタイムカプセルが埋められ、当時の明南、明北小学校6年生が書いた作文や、町の写真などが入っていて2022年4月に開封されたそうです。違和感がロマンに。
講評:殺風景な画面手前の空いた空間に、そこにあったモニュメントをうまく前景としてあしらいました。手前から、安曇野の平、向こうに北アの連山と遠近感もいい感じでスケールがでました。違和感を感じたようですが、逆手にとった配置が成功しました。広々とした大自然を見守っている守護神のようにも見えます。
「初冬なのに」(長野市小島)=12月9日
コメント:ウオーキングコースの晩秋の夕暮れ時。10月に刈り取った田んぼが青々と麦畑のようです。もうすぐ冬なのに稲株も撹乱させられたか?
講評:穭田(ひつじだ)が黄緑色に輝き印象的です。中央奥を起点に放射線構図で手前にふわーっと広がってくる感じがいいです。夕暮れの太陽の斜光線が株を立体的に浮かび上がらせています。

【高山三良】

「地附山から」(地附山公園)=10月16日
コメント:地附山公園は少し高いだけですが幾重にも重なった山々を見ることができます。
講評:善光寺盆地を眼下に、向こうの山の重なりが印象的です。この部分をもう少しズーミングアップ、もしくは望遠レンズで引っ張って切り取る手もありかなと思います。
「三日月と宵の明星」(自宅=石渡)=12月4日、5日
コメント:12月初め、月と金星が近づいていました。右の写真は「月星接近!」と急いで帰宅して撮りましたが離れてしまい「最接近」は撮ることができませんでした。
講評:月と金星を素材にした2枚ですが、それぞれ違った味を出した作品と言えます。まず左。電線は写真の世界では電柱とともに画面内に入れると邪魔な存在ですが、うまく取り入れて、この作品がどの位置から撮影されたかを如実に物語る一つのオブジェとして役立っています。それと三日月の欠けた部分が星と相対に向かい合い、一本の糸で結ばれているような「一体感」を感じさせてくれます。一方右の作品は、月の欠けた部分が逆になり、星とは背中合わせになり「反発」、「離別」的で下方の黒い雲とともに静寂さ、寂しさみたいなものを感じさせてくれます。

【小池公雄】

夜行軌道」(姥捨駅)=12月2日
コメント:空気が澄んできたので姨捨夜景を撮りに行きました。山影から突然現れた電車、どこへ行くやら。あまり明るくないライトに照らしだされたレールに「銀河鉄道」を連想させられました。
講評:宮沢賢治の世界に見立てたという姥捨駅の夜景が幻想的に描写されています。輝いた点が5つ。星のようにも見え、どこか宇宙の空の果ての光景のようです。光る線路が印象的ですが、列車の姿がもう少し見えるとさらに「銀河鉄道」に近づいたと思います。

「家路」(長野運動公園)=12月4日
コメント:寒かったですが、カメラを担いで散歩に出かけました。寒さで目が潤んだか、テールランプが少しにじんで見え、空中でオレンジ色を灯す街灯が印象的でした
講評:この作品も前の作品同様に「点」が多くあり、どこか宇宙のイメージが濃厚です。こんな見たことのない不思議な光景はどこ?と思いきや、運動公園西側入り口の交差点付近からの光景。夜景なので、“見たこともない”光景を作り出し、写真ならではの世界を創出しています。できれば、少しハイアングル、スローシャッターを駆使すると、テールランプが長く尾を引いたように写り、違った感じになります。
「氷雨の贈り物」(長野市)=12月8日
コメント:夜来の初雪が上がり、陽が射した時に、落葉した紅葉の小枝に沢山の雫がまるで宝石の首飾りのようについていました。ひと風吹くまでの夢。
講評:いい素材を発見、すかさずシャッターを押したところに、逆に小池さんへの素晴らしいワンショットの贈り物となりました。観察力の眼力の強さ、写真を撮ろうとする意欲が伝わってきます。滴が宝石のようで、右下に入れた黄葉が季節感を演出しポイントになりました。

石渡写真クラブ月例会(11月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(11月)作品&講評
 ぐんと冷え込むようになり、長く続いた酷暑がうそのようです。いつの間にか、運動公園のケヤキもほぼ落葉、家並みの間から遠望できる北アルプスも真っ白。冬がそこまでやってきました。
 今回は「秋」を切り取った作品が主ですが、これからは冬のもの狙いです。写真は現場に出向かないと撮れません。寒いところは大変ですが、無理せず体調管理を整え頑張ってみましょう。
 年末年始の行事、イベントもあります。記録を含め、カメラ持参で出かけてみましょう。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品・講評の順番は、会員の氏名をあいうえお順に、月ごとに逆にして紹介しています。

【小池 公雄】

「秋を行く」(中野市竹原マレットゴルフ場)=11月8日
コメント:秋の日を浴びながらのんびりと、マレットに興じる人の頭上を湯田中温泉行の観光客を運ぶ電車が通過するところを撮りに行きました。プレーヤーがいませんでした。
講評:少し高い位置からずーと向こうが見渡せて遠近感、広がり感が出ました。電車の配置もいいですが、シャッタスピードを遅めにするとぶれて動きが出ました。画面全体が右下がりなので、電車の送電線支柱が垂直になるよう矯正しましょう(撮る時、もしくは後で気が付いたら加工の時)。
「朽ちて、なお」(長野市豊野石)=11月13日
コメント:老木が大きな傷口を見せながらもなお、実をつけて頑張っていました
講評:いい素材を見つけました。物には誕生があり終末が必ずあります。何が原因で倒れたのか分かりませんが、倒れてもなお根とつながり養分を吸収し、実をつけている老木に思わず「頑張れ!!」と声を掛けたくなる一作になりました。
「まだまだこれから」(長野市豊野石)=11月13日
講評:同じ木の別角度からの一枚。上の作品の方が倒れて斜めの感じがよく出ています。こちらは斜め感があまりないですが、辛うじてつながっている痛々しくも見える傷口が鮮明でショッキングでもあります。

【高山 三良】

「霧中の紅葉」(山田牧場)=10月28日
コメント:霧で何も見えないと思ったら一瞬霧が晴れて現れました。
講評:いい条件に出会い、ものにしました。まだ残る黄葉、すでに葉を落とし冬枯れの樹木、その間にシラカバと霧に包まれた高原の秋の一瞬が描かれています。霧は上がらずそのままで一枚もものにならない時もありますが、日帰りなら時間の許す限り、このような瞬間が訪れることがあるので根気よく待ちましょう。
「シーズン終わりでも」(裾花ダム)=11月6日
コメント:前日にシーズンが終わり橋は閉鎖されていました。それでもダム湖の紅葉は奇麗でした。
講評:湛水のダム湖の両岸に広がる湖畔の紅葉が見事です。右奥へと曲がる川筋の流れがリズミカルで水面の2トーンの波もバランスよくいい感じです。

【竹内 一郎】

「富士山」(静岡県焼津)=11月11日
コメント:静岡市へ行ってきました。天気が良くてよかったです。
講評:はるか向こうに富士山。やや雲が多めで分かりにくい感じですが、手前の競技場でしょうか施設、その向こうに市街地の家並み、右には太平洋とスケール満載の一枚となりました。もう少し富士山が見えていたら、望遠レンズで引っ張って市街地と富士山でまとめると、また違った感じになります。

【中島 弘】

「霧に包まれて」(鬼無里大望峠)=11月6日
コメント:バイク仲間と奥裾花峡から戸隠を走りました。戸隠へ抜ける大望峠で期待していたアルプスは姿をみせず、霧に包まれた峠道を撮りました。
講評:本来なら遠く北ア連山、右手前には戸隠西岳が紅葉の鬼無里の里山を前景に絵になる峠です。多くの作品が産出されていますが、霧で見えないとだめですね。また、挑戦してみてください。
「蜜を求めて」(長野市内)=11月13日
コメント:秋晴れの日差しの中無心に蜜集めをする蜂?を撮りました。こんな風になりたいものです。
講評:クローズアップで多輪の菊の花でしょうか、蜜を吸う瞬間をシャープに止めました。光も斜光で花の立体感がよく出ました。「蜂?」と疑問符を付けていますが正解です。よく調べないと分かりませんが、アブの可能性もありますね。間違いやすい、あやふやなものは調べて確実なものにしましょう。地名や名前など。

【早川 球喜】

「ある日のこと」(柳原文化センター)=11月3日
コメント:色々な行事等を取材しているうちに、柳原の文化ホールに辿りついたら和太鼓演奏が行われていました。特に興味が有る訳ではありませんが、偶然の出会いに、記念にと思い撮影しました。
講評:人は、ふと歩いているといろいろな光景に出会います。その中で「何かを感じる」ものがあり写真に収めた一枚。確実に写真という媒体は、その時、その瞬間を記録し残してくれます。数えきれない早川さんの人生の中で、たったの一瞬ですが早川さんにとっては一生に一度の、ある日の思い出となりましたね。

【廣澤 一由】

「遥か古代に想いを馳せて」(森将軍塚)=10月31日
コメント:長寿会の旅行で古墳を見学した。古墳の頂上で周囲を見渡すと、古代の風景に置き換えて想いを馳せた!
講評:千曲市から遠く長野市街地までの善光寺平が見渡せる旧更埴市の森将軍塚。塚の天頂部に立ってみると、「かくもよく見渡せる場所、高さに作ったものだ」とその度に思いますね。大変な年月と労力がかかったのだろうとも。そんな思いが想起される一枚です。
「山また山を越えて」(苗場山)=10月18日
コメント:延々と5Kmの「苗場ドラゴン」で、紅葉には少し早い山々と谷間を高見の見物で楽しんだ!沢山のゴンドラが連なって、まるで提灯行列のようだった!
講評:ドラゴンのゴンドラは一基とばかりに見えましたが、よく見るとコメントにある通り複数が点在していました。人間はその様子を見、提灯行列のようだと脳が判断、記述に至るわけですが、写真はその過程ができなくてありのままを映し出すだけです。人間の脳が考えたようにできるだけ近付けて表現するには、カメラの機能やレンズ特性を駆使し悪戦苦闘しなければ実現しません。そこが写真をやる面白味、醍醐味でもあります。離れて点在するゴンドラを「提灯行列」のように、にぎやかにするには、ポジションとレンズの長玉を使えば少しはそれに近づきます。が、そんな場所(ポジション)が取れるかどうか?

【宮澤 一成】

「釣れね~な」(聖湖)=11月8日
コメント:釣りの事は、よく分かりませんが、1時間ほど粘りましたが、誰一人釣れませんでした。
講評:ん?とタイトルを見て、作品を見て納得しました。右から2人目の釣り人が竿を少し上げていますが、釣果は釣り糸の先に見えません。紅葉の静かな秋日和で動きの乏しい中、わずかな竿の動きをうまく捉えています。釣り人も我慢強いが、作者も我慢強く待ってものにした一枚ですね。

【吉田 幹男】

「採りごろ」(飯綱町赤塩毛野地区)=11月9日
コメント:リンゴ採りの傍ら、朱く色づいたりんごと民家を撮影しました。朝は霧が出ていて心配しましたが、11時ごろ漸く霧が晴れて快晴の天気になりました。
講評:気持ちローアングルで意識的にたわわに実った真っ赤なリンゴを青空に浮かし空気感が出ました。背景に集落をあしらい信州北部の農山村を描き出しています。細かいことですが、害獣除けの白いネットが横長に張られ時代背景も盛りこまれました。

石渡写真クラブ月例会(10月)作品&講評=文化祭出品作品

石渡写真クラブ月例会(10月)作品&講評=石渡区文化祭出展作品
 秋祭り、文化祭も終わり、遅れ気味の運動公園のケヤキ並木もようやく色づき始めました。朝の最低気温もやや低くなってきたものの全体ではやはり暖冬傾向です。
 10月の例会は、文化祭に出品する作品を中心に選びました。12点。ほかの人と同じような作品にならないか、額が四つ切りとワイド四つなのでそれに合う作品は、色調や明暗、傾き、トリミングなどを講師のアドバイスを受けながら全員で作品を一つ一つ見ながら検討、決めました。
 年々、クラブ員の腕は向上、見応えのある作品が揃いました。過去の例会に出品し、石渡つうしんの「作品&講評」欄に掲載したものもあります。サイズが決まっているため、前の例会作品より少しカット(トリミング)した作品もあります。コメントや講評などを再掲しました。
 じっくりとご覧いただければ幸いです。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品・講評の順番は、会員の氏名をあいうえお順に、月ごとに逆にして紹介しています。

【吉田 幹男】

「雄大な山容」(黒姫童話館)= 10月21日
コメント:妙高山の山容が好きで天気を見て出かけました。この日は、風が強く雲もない快晴でした。ナウマンゾウ親子像のある交差点から農道に入り戻った1枚と黒姫童話館からの撮影です。風のせいか雲がないのが残念!
講評:このような山容が回りにあり、写真になる環境にいる長野県の人(我々)は幸せ者ですね。そんな中でも“お気に入り”の場所がここという作者の思いが伝わってくるようです。「雲一つない真っ青な青空」という表現がありますが、写真にするとアクセントがなく、撮影には不向きかと思います。「雲がなく残念」とそこに気づいた吉田さん、すごいですね。また、いい雲が出た時とか朝焼け、夕焼けとか、季節を違えて狙ってみるとかあります。無理せず挑戦してみてください。
「心躍る」(木島平やまびこの丘公園)=8月12日、26日
講評:公園内にあった桜並木。花の時期でも新緑でもなく、誰も通らない場所ですが、タネ明かしをすると実はお仲間です。点景人物などに窮したときは、家族、仲間を遠慮なくエキストラとして配してみましょう。グリーンの中を、意気揚々と通り抜ける点景が活きました。

【宮澤 一成】

「酷寒の明けがた」(千曲川リバーフロント)=1月5日
※1月例会出品作品(再掲)
コメント:霜が降り、薄霧のかかった氷点下4℃の早朝です。
講評:早朝6時47分とファイル情報。びっしりと降りた霜が手前の枯れ草に、その向こうには左からやや下降気味に規則正しく並んだ林がリズミカル。さらにその向こうは川霧でしょうか、右上には青空が顔をのぞかせぽっかりと残月。ビバルディーの「四季」の旋律を想起させてくれます。シンプルにまとめ、空気感たっぷりです。
「夏に輝く」(高山村雷滝)=7月29日
※8月例会出品作品(再掲)
コメント:外気温35度を超える中、涼を求めて雷滝に行って来ました。夏の陽ざしを浴び、滝が輝いていました。
講評:裏からも滝の流れが見える「裏見の滝」としても有名。その様子をカメラに収める見物人ですが、ややアンダー気味で所作、表情が見えません。一発ストロボの補助光をたくかですが、いずれにしろ暗部、明るい外光とのバランスが難題の被写体です。加工の段階で、アンダー部だけを明るめにできる機能を使ってみました。

【廣澤 一由】

「雲に巻かれた富士山」(富士吉田市)=8月26日
講評:「笠雲」の崩れでしょうか、日本一の山「富士山」に大きな雲がピタッとまとわりつきスケールの大きい光景がいいですね。よく見ると、右側はめくれるように浮き上がって見え雲が生きているようです。手前左、向こうには別の雲がありポイントとなったのと、市街地と空は普通の透明感があるのに、富士山だけがぼやっと霞がかかったようで対照的、面白い雰囲気が出ました。
「水のカーテン」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
※7月例会出品作品(再掲)。例会ではタイトルが「涼しい水のカーテン」です。
コメント: 小川の堰を超えて流れ落ちる水が、カーテンの様に写り、奥に見える水草が如何にも涼しそう!!
講評:続く水路からどっと流れ落ちる堰を超えて流れ落ちる水。いかにも涼しげで、堰に生育する植物のグリーンが垣間見えて、涼しさを倍加しています。やや周りの環境が多すぎて説明調かなという感じです。トリミングして水のカーテン、植物を強調してみました。

【早川 球喜】

「なんじゃもんじゃ」(善光寺参道=アーケード通り近い)=5月7日 ※5月例会出品作品(再掲)
コメント:5月7日付の斜面(信濃毎日新聞)に「長野市の善光寺表参道沿いにで『ナンジャモンノキ』と説明が添えられた街路樹に、今年もいっぱいの白い花がついた」との記事が掲載されていました。いにしえの記憶が蘇り、名前につられて写真撮影に出かけました。長野では初めて見ました。
講評:私もかつて、松本平の南西、島々から入った奈川渡かいわいにこの木があると記憶がありますが、実際に見たことはなく、この作品で初めて見ました。また、同じ記事も読みましたが、「では」っと腰を上げることもなく、早川さんの行動力に脱帽です。参拝者を歓迎する吊り花もあしらい、周辺のビルや道路、車などから市街地の環境がよくわかります。ただ、ワイド系レンズのため、画面がやや右下がりでビルなどが傾き不安定です。右端は垂直で一見いい感じに見えますが、この手の場合は画面の中央線を垂直にするのが常套的な加工方法です。
「花のプレゼント」(花のコロボックル)=7月
講評:7月に公民館主催で行われた「いしわたウオークラリー」のひとコマです。区内に設けられたポイントを回るもので、コロナ感染が始まったころに初めて開催、今回で確か3回目でしょうか。ポイントの一つに、花屋さんがあり、そこでは自由に好きな花鉢を選びプレゼントしてもらえる趣向。にぎやかに、家族連れで花選びを楽しむ光景が描き出されました。

【中島 弘】

「城址の枝垂桜」(小諸懐古園)=4月19日
※5月例会出品作品(再掲)
コメント:桜を撮り損ねたので開花が遅い小諸城址に行ってきました。桜は散り初めでしたが、枝垂桜が見頃で淡い色がなんとも清楚で春らしさを醸し出していました。
講評:桜の花は、とかくぼてっとした塊の花の写真に陥りがちです。が、清楚ないい感じの小枝を見つけまとめました。およそ100㎜の中望遠を使い、絞りもF4と開けて前景、背景をぼかし、主題を強調できました。できれば、ぼけてもいいですが、背景にお城の片鱗などが入ると・・・。
「羽ばたき」(自宅)=7月13日
※8月例会出品作品(再掲)
コメント:蝶の羽ばたきの残像を撮ってみました。
講評:ISO160、30分の1のシャッタースピード、絞り8のデータです。通常、動物を収める場合は、ぶれ防止のため500分の1以上の高速シャッタースピードが原則です。が、吸蜜しながら羽ばたくチョウの動きを低速シャッターにし表現しています。羽ばたく動きのスピード加減によるので、これ以上低速か、あるいはもう少し早めのシャッターがいいかー、は何とも限定できません。500㎜という超望遠レンズにより背景もぼけて、狙い通りの羽ばたきがうまく収められています。羽ばたきを中心にも少しトリミングするとさらに狙いが明確になります。

【竹内 一郎】

「気持ちがいいね」(大座法師池)=2023年6月5日
※2023年6月の例会出品作品(再掲)。タイトル「怖いもの知らず」と同じ作品です
コメント:石渡公民館主催の春のレクリエーションに参加をし湖畔を散策中、若い女の子が高い所を何とも思わないのか楽しそうに遊んでいるのが印象的でした。
講評:今はやりの「ツリークライミング」でしょうか。高さのある樹木にロープを吊り下げ登降するポーツですが、大昔、我々が子どもの頃はせいぜい木登りでした。しかもおてんば娘以外の大半の女子はしなかった。そんな思いから、新鮮に映った竹内さんの気持ちが作品から伝わってきます。ハラハラドキドキ感とともに樹木の緑色の葉、青空と清涼感たっぷりの作品となりました。横位置の写真ですが、女の子たちの高さをもっと強調するなら縦位置にして上の方に配置するとよかったかも。
「静かに」(善光寺)
講評:誰もいない冬の善光寺。さわさわと音もなく天から降りてくる小雪が六地蔵を照らしたライトに浮かび上がる。そこにはお地蔵さんを自分がいるだけの静かな、静かな善光寺のある瞬間が描写されています。

【高山 三良】

「曼殊沙華」(石渡常岩寺)=7月21日
コメント:我が家の墓にたくさん咲きました。いつか作品にと思っていましたが、「これ出すの?」と。燃えるような赤で葉がないのに花が咲くなど不気味に感じるのかもしれません。
講評:近年、田んぼの畔や畑の片隅で結構目立つ花です。群生し見事です。別名彼岸花とも呼ばれ、仏様との関連性で捉える人は多いですね。よく寺院のお地蔵さんなど石仏と絡めると似つかわしい写真になり、過去そんな写真をよく目にします。まあ、そんな思いを込めた作品でいいかと思います。それを見てどう感じるかは、見た人それぞれでいいかと思います。
「何に見える?」(自宅)=9月26日
※9月例会出品作品(再掲)
コメント:何かに似ている雲が現れました。ネズミ?猫?リス?カピバラ?珍獣?屋根と庭木の間の光景を20ミリレンズで撮りました。
講評:こちらも雲の作品ですが、あれっと思った雲を撮影。「あなたなら何にみえる?」と写真を見た人に問いかけ一緒に謎解き。これも、写真は撮る人、見る人がいるという一つの楽しみ方ですね。秋のうろこ雲に囲まれるように出現した動物のようなもの、ちょっと振りかざした手のようなものの形、動きがいいです。私は「カピバラ」。

【小池 公雄】

「秋を撮る」(戸隠村鏡池)=10月18日
講評:標高の高いところから徐々に里に向かって降りてくる紅葉。1000㍍ほどの鏡池も、遅まきながら染まり始めました。鏡池、戸隠連峰を背景に、紅葉狩りに訪れた人たちを点景に入れたところ、そこをタイトルに採用した点がいいですね。彼らも撮る、自分も撮るとだぶった気の利いたタイトルです。
「冷気跳ぶ」(高山村雷滝)=8月23日
※8月例会出品作品(再掲)
コメント:先輩の真似をして、雷滝へ涼みに行ってきました。滝の飛沫による冷気に圧倒されました。
講評:前回の宮澤さんの作品と同じ滝です。が、滝上部ではなく、途中から滝つぼ、そして下流へと少しアングルを変えて狙っています。くるりときびすを返すような水の流れが躍動感をもって迫ってきます。

【倉澤 利和】

「揺れる」(志賀高原)
講評:志賀高原木戸池のほとりにあるシラカバ林が水面に投影。紅葉に染まり始めた秋の風情、風を感じさせてくれる作品です。スマホの撮影とのことですが、サイズが超ワイドで、どこを切り取るか悩みました。結果的には、あまり林が込み入っていない部分、葉の紅葉が少しでも入る部分を選びトリミングしました。
「やぁーい!こんにちは」(佐久市千曲川スポーツ交流広場)=5月5日
※5月例会出品作品(再掲)
コメント:5月3~5日に行われました佐久バルーンフェスティバルに行ってきました。5日、最終日でしたので会場は人盛り。熱気球係留体験が行われていました。
講評:ありきたりですが、気球が大空高くたくさん写っている写真はどこかで見たことがあり、見栄えはするものの「またか」とあまり新鮮味がありません。盛りだくさんのイベントがあったかと推測しますが、この作品はそのようなものではなく、「体験」の模様とのこと。右下にのんびりと見学する家族連れを配置、グラウンドの中には気球二基と順番を待つ人たち・・・。のどかな春のひと時が感じられます。

 

 

石渡写真クラブ月例会(9月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(9月)作品&講評
 やっと涼しくなりましたが、まだ昼間の最高気温が30℃近くの日もあり「暑い今年だったなぁ」。それでも、標高の高い山の上から紅葉の便りが届き、里の秋ももう少しと待ち遠しくなります。
 区の運動会は中止となりましたが、秋祭り、文化祭と芸術の秋本番を迎えます。風景、ネイチャーものも結構ですが、たまには人物、人の動きを狙った写真にも挑戦してみましょう。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品・講評の順番は、会員の氏名をあいうえお順に、月ごとに逆にして紹介しています。

【小池 公雄】

「帰京へ」(屋島橋西)=8月17日
コメント:お盆の帰省も束の間、連日猛暑が続き、行く先には交通渋滞も待っている中、明日からの仕事に向け帰京?お疲れさまです。流れる車を線状に表現したかったですができませんでした。
講評:横断陸橋の上からハイアングル、意図した構図で遠近感を出して表現した工夫が感じられます。車を流して線状にしたかったようですが、昼間ならNDフィルターを使って、ISO感度をカメラ規定値よりさらに落とす(数字の少ない方に)とシャッタースピードが低速に設定できます。すると、速く走る車がぶれて動感が表現でき線状とまで行きませんがそれに近い表現ができます。あるいは、薄暮の時間帯より遅い時間帯(つまり夜間)で撮影すると、感度を落とすフィルターもいらず、低速が切れます。ヘッドライト、テールライトが連続して写り込み、まさに線状に表現できます。試してみてください。
「冷気堪能」(高山村雷滝)=8月23日
コメント:先輩の真似をして、雷滝へ涼みに行ってきました。滝の飛沫による冷気に圧倒されました。
講評:前回の宮澤さんの作品と同じ滝です。が、滝上部ではなく、途中から滝つぼ、そして下流へと少しアングルを変えて狙っています。くるりときびすを返すような水の流れが躍動感をもって迫ってきます。
「米騒動の秋」(姥捨棚田)=9月9日
コメント:スーパーからコメが消えて大騒ぎになっている中、棚田の様子を見に行きました。黄金色に実っている反面、ゲリラ雷雨のせいでしょうか、倒伏の田が目立ちました。米騒動の善光寺平を案山子が見ています。
講評:米騒動も倒れ掛かった稲穂も、「どこ吹く風?」とばかり相変わらず今年も姿を見せた案山子3体。棚田のだんだんとした様子が黄金色に輝いてのどかな秋の風情を醸し出しています。気持ち画面が左下がりで苦にし始めると苦になります。

【高山 三良】

「デカーッ!」(南堀)=8月25日
コメント:「雲の風船」が襲来、小学校や樹木を押しつぶしそう。
講評:低く垂れ込めた暗雲が迫力をもって迫ってきます。その大きさが下の方の建物と比較でき、コメント通りの「押しつぶそう」な感じに見えます。自分の感じた通りのものが写真に再現でき成功した作品といえます。見たもの、感じたものを写真として残す、シャッターを押す。その心構えが写真を志す一歩です。
「何に見える?」(自宅)=9月26日
コメント:何かに似ている雲が現れました。ネズミ?猫?リス?カピバラ?珍獣?屋根と庭木の間の光景を20ミリレンズで撮りました。
講評:こちらも雲の作品ですが、あれっと思った雲を撮影。「あなたなら何にみえる?」と写真を見た人に問いかけ一緒に謎解き。これも、写真は撮る人、見る人がいるという一つの楽しみ方ですね。秋のうろこ雲に囲まれるように出現した動物のようなもの、ちょっと振りかざした手のようなものの形、動きがいいです。私は「カピバラ」。

【中島 弘】

「麦畑」(安曇野市)=6月1日
コメント:最近北信ではほとんど見られなくなった麦畑。刈り入れ直前の黄金色の麦畑を安曇野で見ることが出来撮影しました。
講評:撮影は初夏、6月。小さめですが、送電線の向こうの北アの山並みにはまだ残雪が雲間から垣間見えます。今では懐かしい?麦畑で、かつては二毛作の善光寺平は麦を収穫してから稲作の田植えでした。はるかウクライナも戦禍で穀倉地帯、世界のお腹を満たす麦畑が・・・。はたまた、NHKの朝ドラ、中島みゆきの主題歌を思い出しました。さまざまなことを連想させてくれる一作です。
「歯車を回す」(石渡)=8月23日
コメント:猛暑だろうが、豪雨だろうが、淡々と引き継がれる自然界の神秘的な摂理を感じながら撮影しました。
講評:たかがトンボの交尾ですが、57億年の地球の歴史、命が誕生し、あらゆる生物に枝分かれし進化し営々と続いてきた生き物たちに思いを馳せた意味深い作品。写真という作品には、シャッターを押した作者の心情が端的に映し出されます。500㎜の超望遠でISO2500、シャッター2000分の1で、背景の黒バック、ぼけ具合が主題を強調していますが、トンボの頭部が重なってしまったのとピンとがやや甘く、惜しまれます。

【早川 球喜】

「夕日に染まる入道雲」(自宅)=9月1日
コメント:ふと空を見上げると、入道雲に夕日が部分的に染まっていたのでシャッターを押しました。
講評:「あっ」と思った瞬間をものにしましたね。普通、入道雲をいうと純白で壮大に立ち上る様を連想しますが、夕日に染まった色が何とも付加価値を増幅して圧巻、迫ってきます。下、左上の瓦屋根や樋を前景としてうまく、バランスよく配置しまとめました。アンテナもいいです。

【廣澤 一由】

「まるでジオラマ」(JR長野駅前)=8月26日
コメント:駅前の高層ビルから地上の様子を見たら、まるで立体模型のように見えました!
講評:「はっ」と一瞬感じたものを素直に作品に仕上げたところがいいですね。バスターミナルの四方に囲まれたスペースに適度な間隔で並んだバス5台。本物そっくりに作られるジオラマのように、実態を模型のように感じた感性が素晴らしいです。

【宮沢 一成】 

「夏の忘れ物」(自宅庭先)=8月1日
コメント:久々に庭先で蝉の殻を見つけたので撮影しました。
講評:気候、気温に敏感な動植物。とんとセミの鳴き声が聞かれなかった今年の夏。新聞にはほかにスズメや?も見かけなくなった(全国的に)とありましたが、写真をやる人はこうした自然に目を向ける、関心を寄せることも大切なことです。背景がぼけて主題のセミがクリアに描写できました。

【吉田 幹男】

「陽に生えて」(自宅)=8月12日、26日
コメント:白いアジサイと朝陽に向かって伸びる朝顔を撮りました。アジサイは、冬アジサイで今は2番花になります。
講評:今ごろアジサイですか?冬アジサイとのことで冬に一回、今は2回目の花。2回も咲いた花に寄せる作者の思い、花を愛でるやさしさが感じられます。また、上へ上へと伸びる朝顔の弦の先が青空に映え、生き生きとした生命力が表現できました。

石渡写真クラブ月例会(8月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(8月)作品&講評
 朝夕は少しだけ涼しくなったものの、昼間はまだ30℃を超す日が続いています。でも、ふと耳を傾けると草むらからは秋の虫の声が・・・。
 もうしばらくの我慢かなと思います。暑かった分、涼しさや彩り豊かな秋が一層価値を増してくるように思います。運動公園のケヤキの紅葉には少し早いですが、山の上の方から里へと秋は降下してきます。
 春と並び一番被写体には事欠かない季節はもうすぐです。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品・講評の順番は、会員の氏名をあいうえお順に、月ごとに逆にして紹介しています。

【宮澤一成】

「夏に輝く」(高山村雷滝)=7月29日
コメント:外気温35度を超える中、涼を求めて雷滝に行って来ました。夏の陽ざしを浴び、滝が輝いていました。
講評:裏からも滝の流れが見える「裏見の滝」としても有名。その様子をカメラに収める見物人ですが、ややアンダー気味で所作、表情が分かりずらいですね。一発ストロボの補助光をたくかですが、いずれにしろ暗部、明るい外光とのバランスが難題の被写体です。加工の段階で、アンダー部だけを明るめにできる機能を使ってみました=写真下

「水のカーテン」(高山村雷滝)=7月29日
コメント:雷滝をやや横から撮影してみました。まるでレースのカーテンの様に見えました。
講評:酷暑には涼しげでいいですね。手前の大きな流れが主題ですが、やや向こうの明るい部分に引っ張られアンダー気味、やや精彩を欠いた感じに見えます。少し明るめにし、コントラストを上げ、主題の手前の水流に目線が行くように見栄えよく加工してみました=写真下

【廣澤一由】

「今も長電で活躍中」(吉田原隧道)=8月7日
コメント:旧小田急ロマンスカーが首都圏での任務を終えて長電に移籍し、現役で今も活躍している。懐かしい車両を写真に収めることができた。
講評:現役で活躍している電車を、画面の横軸いっぱいに収めました。左右ぎりぎりですが、走行するスピード感が感じられます。動きを感じさせる撮影方法として、シャッタースピードをもう少し遅くして電車をぶらす方法、あるいは、電車の動きに合わせてカメラを横に振りながら撮る「流し撮り」があります。動きが一層出た写真になります。いつか、挑戦してみてください。

【中島弘】

「青空に映える」(自宅)=2022年7月31日
コメント:真夏に百日咲き続けると言う百日紅は灼熱の青空が似合うと思い撮りました。
講評:サルスベリの紅色が真っ青な空に浮かび鮮やかなコントラストを醸し出しています。真夏に咲く花で、右の送電線の鉄柱が“うるさい”感じですが、暑さを助長しています。
「羽ばたき」(自宅)=7月13日
コメント:蝶の羽ばたきの残像を撮ってみました。
講評:ISO160、30分の1のシャッタースピード、絞り8のデータです。通常、動物を収める場合は、ぶれ防止のため500分の1以上の高速シャッタースピードが原則です。が、吸蜜しながら羽ばたくチョウの動きを低速シャッターにし表現しています。羽ばたく動きのスピード加減によるので、これ以上低速か、あるいはもう少し早めのシャッターがいいかー、は何とも限定できません。500㎜という超望遠レンズにより背景もぼけて、狙い通りの羽ばたきがうまく収められています。羽ばたきを中心にも少しトリミングするとさらに狙いが明確になります。

【高山三良】

「鷲ヶ峰から諏訪湖」(鷲ヶ峰山頂)=7月21日
コメント:車山ハイクの予定がイベントと重なり駐車場満杯道路も渋滞で目的地変更。頂上からは諏訪湖を見ることができました。
講評:雄大な山裾の広がりが出ました。その向こうに諏訪湖と街並みがちらりと見えますが、近くで見ると大きな湖もこうして見ると小さく見えます。大自然の中の諏訪湖と比較ができ面白いです。
「八島湿原から車山」(八島湿原)=7月21日
コメント:車山=ニッコウキスゲのイメージがありましたが鹿害でドライブイン付近と囲いの中にしか咲いていません。シカたないですね。
講評:シカはかつては下伊那地区、南信しか見られかった動物。どんどん北上を続け今では北信でも当たり前のようになっています。分布拡大とともに、どこも悩みの種は食害。霧ヶ峰も記載の通り、草原の植物を食べつくされ、代名詞だった「ニッコウキスゲ」は影も形もありません。10数年前、もっと前からでしょうか、植生を回復させようとシカが入れないようにして囲みの中だけにニッコウキスゲを移植して増やす試みが続けられてきました。見事ににぎやかさを取り戻したものの、花の時期になると限定された群落を求めて行楽客が殺到、高山さんが遭遇した状態になります。で、仕方なく?訪問先を変えた八島湿原。向こうやや左側に車山の山頂が見えますが、岸辺の花を手前に湿原、山とこれまた雄大な高原の雰囲気が表現されました。参考までに昨年、カルチャーセンターの写真教室で無事たどり着き撮影した「囲みの中のニッコウキスゲ」をご覧ください=写真下

【小池公雄】

「動じません」(若穂蓮台寺)=7月23日
コメント:先月例会に出品した「6地蔵」の内の1体です。写り込む背景に注意してみました。立地的に人工物が入らないように6体を1枚に収め切れなかったので1体で。
講評:写真は「そこにあるものは写り込む。写ってしまう」というのが当然と言えば当然です。お地蔵さんもその背景にあるビニールハウスのようなもの、両方とも人工物ですが、主題(テーマ)のお地蔵さんに対し、向こうのハウスは邪魔と言えば邪魔ですね=前回例会作品参照。つまり、主題の表現、イメージがダウン(減衰)するということかと思います。じゃあ、どうするか?ですが、アングルを手変え品替えて画角(フレーミング)内から外す、あるいはどうしても入ってしまう場合には手前の何かで隠すなどの方法があります。あるいは、光線状態により目立たなくするという手もあります。それでもダメな場合は、この作品のように思い切って六地蔵という全体ではなく、一体だけを切り取るということもありですね。背景に山稜を取り入れ環境を盛り込みましたが、光線状態が斜光で強く当たり顔半分がつぶれてしまい惜しまれます。もう少し光が回り、顔が見えるまで待つとよかったかと思います。
「諭す」(若穂蓮台寺)=7月23日
コメント:木漏れ日の中、紫陽花に囲まれて座っていました。地蔵さんの説話が聞こえてきそうな表情。もう一枚の写真とどちらを出そうかと迷いました。
講評:同じ寺院の中の別のお地蔵さんですが、今度は6体もなく心置きなく一体に集中して作画できたかと思います。物言わぬお地蔵さんですが、説話が聞こえてくるようだと感じながらシャッターを切った思いがそのまま伝わってくるようです。ただ、光の加減かアジサイの花がいっぱいあるのに、目立たないのが惜しまれます。こちらは顔の表情が見えていいですね。
「いかにも雀」(長野市セントラルスクゥエア)=8月3日
コメント:長野びんずるで、仙台雀踊りを舞台で踊っていました。びんずる写真もありますが、肖像権に自信が持てないので……。
講評:群れているにぎやかなスズメを連想させてくれるような踊りのひとコマですね。振り付けもそのように創り上げているかと思われますが・・・。びんずるのショットは、よほど被写体となった人物を揶揄(やゆ)したり、批判的、下品などの表現でなければ特段発表して差し支えないです。ある意味で、踊ることそのものは他の人に見てもらう、写真に撮ってもらって二次的に楽しんでもらうことが含まれますので遠慮することはないです。いいショットがあったら見せてください。

 

 

石渡写真クラブ例会(7月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(7月)作品&講評
 短かった梅雨が明け、猛暑、酷暑が続きます。今回の作品は、区公民館が616日に行った春レクリエーションに相乗りした形で実施した「石渡写真クラブ実践セミナー」で撮影した作品を例会に持ち寄り、勉強をしたものです。
 こうしたセミナーや撮影会は、そこに居合わせた仲間が同じ被写体を共有するわけですが、それぞれの感性、技術力などにより生まれてくる作品はさまざまです。同じ素材でも微妙に違ってきて、「こういう切り口もある」とか「こんな被写体があったのか」など刺激になり勉強になります。
 木島平のやまびこの丘公園に到着したのは午前10時を回っていて、照り付ける日差しの中汗びっしょりになり、シャッターを押しました。
 クラブ員各位、それぞれの個性ある作品をご覧ください。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品・講評の順番は、会員の氏名をあいうえお順に、月ごとに逆にして紹介しています。

 

【小池 公雄】

「ユッカの恋」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント:増田講師より「素材への気づきのポイント「たくましく突き出す芽には、生命力や躍動、その先を連想させる力がある」。 「あのね・・・、ん?」 若い二人のささやきを聞いた気がします
講評:茎を伸ばし、つぼみを膨らませたユッカが2本。これからの夢ある将来を持った若い2人に擬人化、その思いを一枚の写真に表現した観察力、創造力が素晴らしいですね。
「カピバラ水を浴む」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント:流水を水の束のように撮る方法を教えて頂きました。シャッターを1/30、ISOを100位にすると良い。感動です。撮っている時は気が付きませんでしたが、恐竜の子のような顔の上に滝が落ちていました。シャッタースピードの違いで、絹のような流れや、石つぶて流れのようなものが撮れ、面白いです。
講評:写真の持つ特徴の一つに「ぶれ」があります。普通、人間の目で見ると流れているものは流れているようにしか見えません。ところが、瞬間を止める(シャッターを切る)時に、カメラのシャッタースピード設定により、別の世界が写し取れます。設定を低速にすればするほど、流体の水は白っぽい固まりの布切れのように写してくれます。逆に高速にすると、水の塊りがあたかも“石つぶて”のように写し止めてくれます。この作品は前者で、水が白い布のように流れ下り動感を創出しています。後で写真の中で発見した「カピバラ」、どこにいるか探してみましょう。
「ふー、暑っ」(長野市若穂蓮台寺)=7月7日
コメント:紫陽花の最盛期と見込んで出かけましたが、今年の紫陽花は少し手入れ不足?6地蔵さんが暑さに耐えて迎えてくれました。
講評:日に焼けておつむりや前掛けの赤い布地が色あせて、お天道様の力を見せつけ、“暑さ”を連想させます。雲一つない青空も主題を助長しています。暑さに耐え、ひたすら庶民の安穏を見守るお地蔵さん。ご苦労様、ありがとうございますーと感謝でシャッターを押した作者の心意気が伝わってきます。

【高山 三良】

「外来種でなければ」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント:外来種・「人間活動の影響で入り込んだ生物」ブタナでしょうか。一面占領されています。日陰では花だけが浮かんできれいなのに。
講評:公園内の石畳の脇で黄色の花を咲かせる花。1輪だけだとぱっとしませんが、群生してきれいですね。ただし、ヨーロッパ原産の外来種で日本にはなかった植物。区内でも見かけるオオキンケイギクや ナガミヒナゲシなどの外来種も一見きれいなので退治しないで放置されている姿を見かけます。繁殖力旺盛なので、迷惑な存在になる可能性大です。
「春季レク」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント:面白い間隔で並んだ木々を背景にと決めて、人の散らばりを待ちました。
講評:公園内の丘に適度に植栽された木々。公民館で企画した恒例の「春レク」に参加した区民が園内を散策する様子ですが、適度にバランスよく散らばったシャッターチャンスがいいです。

高山さんのほかの作品です)

【中島 弘】

「みんなで輝こう」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント:小輪の花がほど良い距離間でお互い輝いている様子を撮りました。
講評:横並びの良い素材を発見しました。中望遠レンズで中央の花一本にフォーカスを合わせ、残りをぼかし、黒バックの背景に浮かしたテクニックもいいです。ただ、細かいことですが主題のフォーカスが合った花の向こうにぼけ花が重なりやや存在感が薄れてしまい惜しまれます。
「埋もれないで」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント:微細な花がそれぞれの顔で咲き誇っている様子を撮りました。
講評:花というか、花が終わった後では?と私には見えますが・・・。これも、いい素材を発見しましたね。絞りがF4と開放値近くですが、もっと値を多く(絞る)して被写界深度を深くするともう少し花の描写がきりきりと来たかと思います。それと、焦点距離が110㎜ですが、マイクロレンズでもっと近接すると別の世界になったかと・・・。

【廣澤 一由】

「涼しい水のカーテン」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント: 小川の堰を超えて流れ落ちる水が、カーテンの様に写り、奥に見える水草が如何にも涼しそう!!
講評:続く水路からどっと流れ落ちる堰を超えて流れ落ちる水。いかにも涼しげで、堰に生育する植物のグリーンが垣間見えて、涼しさを倍加しています。やや周りの環境が多すぎて説明調かなという感じです。トリミングして水のカーテン、植物を強調してみました=写真下

 

「木漏れ日の林を行く」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント:緑に覆われた林に、木漏れ日が差込めた林道をさっそうと行くハイカーの姿が印象的であった
講評:桜並木でしたが、この手の場合、人物の大きさがどの程度かで印象が変わってきます。あまり手前で大きいと目障り、逆に遠くだと小さくて何だかよく分からない。この作品は適度な大きさといえます。さらに、2人いますが、後ろ姿とはいえ、顔を向き合わせて何かを語り合っている、あるいは手をつないでいるなどのアクションがあると、小さなこととはいえ作品がぐっと締まりグレードアップ間違いなしです。細かいことのようですが・・・。

【宮澤 一成】

「バタフライ」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント:写真クラブの実践セミナーでの一枚です。シャッタースピードをもっと速くした方が良かったのでしょうか?
講評:データによるとISO100、800分の1,F5.6です。タイトルに付けた「チョウ」が主題だけに、ややぶれてしまい惜しまれます。800分の1なので、高速シャッターの範疇に入り、ぶれ・ぼけの直接の原因ではないと思います。すると、ぶれはフォーカスのキャッチの案配か・・・?フォーカスゾーンがチョウに来ていなかった可能性もあります。焦点距離が150㎜弱と望遠系なので花にフォーカスがきて、チョウの位置はその前後かと思われます。フォーカスゾーンをチョウに合わせ、追尾する方法で追いかけるといいかと思います。後、この手のスピードが速いもの狙いの時は、ISO感度を昼間、好天下でも800ぐらいの高感度に設定、シャッター優先モードでシャッター設定は4000分の1程度に設定するといいでしょう。後、被写体が左右、前後に動いてもピント(フォーカス)を追尾する「C」にすることもお忘れなく。
「純真」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント:今年度の春レクでの一場面です。少年の屈託のない笑みには、心が洗われました。
講評:「イエ~イ」。ポーズをとる少年の笑顔がいいですね。また、ミニの滝がある水路、岩、遠くのこんもりと茂った森、青空と環境もうまく取り入れられ主人公を盛り立てています。区から同行した仲間なので、あまり肖像権など気にせず、生き生きとしたいいショットがものにできました。

【増田 今雄】

コメント:早くも秋の雲?黄色の花に蜜を求めて飛来したミツバチ。滝の水流をスローシャッターで撮影

石渡写真クラブ月例会(6月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(6月)作品&講評
 例年より遅い梅雨に入りました。梅雨の晴れ間ともなると、真夏並みの暑さで早くも熱中症アラートが出る陽気です。
 うっとうしい梅雨ですが、それなりにこの時期ならではの被写体があります。雨、滴、傘、水たまり、カエル、カタツムリ・・・。        無理は禁物です。家の中にこもりがちですが、身体とよく相談してでかけてみましょう。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品・講評の順番は、会員の氏名をあいうえお順に、月ごとに逆にして紹介しています。

【吉田 幹男】

「残雪の蓮華岳、木崎湖」(大町市平のチェーン脱着所、木崎湖)=6月6日
コメント:美麻新行のそばを求めて「手打ちそば美郷」に出かけた。そこから峠を下りたチェーン脱着所で蓮華岳を撮りました。また、そこは「鹿島槍を写す田 雪形」とアースに表示も、そして木崎湖に向かいました。                                     講評:白馬への五輪道路、青具交差点を左折すると新行のそば所。隣接した旧中山スキー場を過ぎると大町市の平。目の前に北ア連山が迫るように現われます。ちょうど鹿島槍から爺ケ岳、針ノ木、蓮華岳がほぼ正面、そんな一枚です。やや空が多めなのと、露出がオーバーです。せっかくの連山なので、ワイドにトリミング、明るさとコントラストを補正してみました(写真下)。木崎湖も空が多めです。その分画角を下方に修正、キショウブやヨシなどが茂る湖畔の雰囲気を入れると全体が落ち着いてきます。

 

【宮澤 一成】

「手を貸して」(白馬村)=5月23日
コメント:田植えのシーズン、今では機械で植えるのでだいぶ楽になったのでしょうが、人手は掛かるみたいです。
講評:かつて私の子どもの頃(昭和30年代前半)の田植えは、家族総出、足りない分は「ゆい」といって田植え農家が順繰りに助っ人を出し合い、一列横並びで手で植えて行きました。そんな写真は残念ながら手元に残っていません。時代は半世紀以上も経過していますが、何と田植え機も8条?植えでしょうか、植える(働く)のは機械ですが、その分仕掛けに人手が必要ですね。身体は楽になり、相当の時間短縮となりましたが、人の手がいることは昔も今も変わらないということでしょうか。今の時代を記録した貴重な一枚です。
「冬春夏(とうしゅんか)」(大町市青木湖)=5月23日
コメント:数十年ぶりに青木湖へ行って来ました。冬を思わせる残雪、新緑の春、夏を感じさせるカヌー遊び、3シーズンを1枚に収めてみました。
講評:タイトルは季語か?と思いましたが、作者の造語とのこと。写真とともに大いにタイトル作りも楽しんでいただきたいと思います。その意味で、写真を撮る行為とは、被写体を見つけカメラ、レンズを駆使し、アングルや光線、背景などもミックスしてシャッターを切る。一連の行為の中で「自分は今何を表現したいか?何を第三者に伝えたいか?」を考えながら・・・と言われます。すでに、そこにはおぼろげながら「タイトル」が頭の中にできあがっているという図式です。「タイトルがすっと付けられるような被写体(主題)を見つけよう」です。造語ながら、目の前にある三つの季節を感じながら作画した作者の心情がタイトル、作品双方から読み取れます。

【廣澤 一由】

「奇麗でしょ!」(中野市一本木公園)=5月25日
コメント:一本木公園のバラ祭初日、園内には沢山のバラが咲いていました。その中の一角で、周りが蕾なのに、この一輪だけが咲き誇っていました。
講評:いち早く開いた一輪を見つけました。目立ちますね。ほぼ標準レンズに近い焦点距離41㎜、絞りは開放に近い5でほかの蕾をぼかして、主人公を際立たせました。タイトル「奇麗でしょ!」は確かにきれいですが、ややストレート。先んじて咲いたことに関わる言葉のタイトルにした方がベターかと思います。
「バラに囲まれて」(中野市一本木公園)=5月25日
コメント:沢山のバラに囲まれた小径を、心ウキウキ歩くカップルが印象的でした。
講評:若そうな?カップルですね。いつも付きまとう「肖像権」がまた問題となります。が、そこをクリアできればカップルは正面の方がインパクトがあります。将来の夢を語り合っている表情などが盛り込まれれば、周辺のバラの雰囲気にぴったりでしたが・・・。(クリアするには?は以前この講評内で紹介したかと思いますが)
「ポプラの木倒れる」
講評:この写真は2点のほかに説明なしでお披露目されました。公園内のポプラの大木が倒れ小学生がけが」とニュースにもなりましたが、廣澤さんが撮影に訪れ偶然遭遇した時の一枚です。すかさずシャッターを押したこと、素晴らしいです。
写真は時を刻みます。写真を読み解くと、事故直後かと思われますが、腐った根をこちらに向け倒れたポプラの木が写っています。突然起こった事故に花見に訪れた人たちがわいわいがやがやした騒然とした雰囲気が伝わってきます。救急車やけがをした人物が写っているとなおよかったと思いますが、貴重な報道(記録)写真となりました。
ニュースは刻一刻、日々どんどん動いています。その時の様子をよりリアルに伝え、見た人に信ぴょう性を持って納得させるのが一枚の写真です。この事故は幸いにも軽いけがで済み大事に至りませんでしたが、警鐘を鳴らす意味でより多くに人に見てもらうこと、同じ事故が再び起こらないことを喚起するのが写真の役目でもあります。
地元紙信濃毎日新聞では、読者が撮影したこのようなニュース写真を随時受け付けて紙面に反映するシステムになっております。これはーというニュース写真を撮った時は連絡をしてください。その場に居合わせ瞬間を捉えた写真は貴重なスクープ写真です。

【早川 球喜】

「花の共演」(我が家の庭)=6月3日
コメント:我が家の小さな庭にブーゲンビリア、ゼラニウムなどが咲き揃い、夕陽を受け可憐さを増しています。
講評:見事ですね。手塩にかけた花々が期待に応えて咲いてくれる。物言わぬ植物とはいえ、「我が家の一員」のようなつながりを感じさせてくれます。前々回の「クンシラン」のように、画面の背景かどこかに小さくても「我が家の小さな庭」の片鱗が写りこむとよかったかと思います。ブーゲンビリアの花は数も色もあり、多少小さめにしても存在感は保たれますので・・・。

【中島 弘】

「里山の息吹」(千曲市大林山)=5月29日
コメント:千曲市の大林山。登山道を行くと1mほどのシダの群生。里山に生える木、草、苔。そこに住む鳥、動物、昆虫、微生物。全ての調和が取れて里山を形成する自然の仕組みに改めて感動しました。
講評:シダ類の中でもよく見かける「オシダ」。語源は?ですが、林相を分けた手前の明るい斜面に群生したシダの造形美が見事です。点景に登山者のグループを配置、スケールの大きさが分かります。
「初夏に向けて」(安曇野市)=6月1日
コメント:田植えを待つ田んぼ。北アルプスの残雪も夏山モードに変更。カッコーやオオヨシキリの鳴き声が聞こえそうで夏を控えたワクワク感を捉えました。
講評:代掻きが終わり、無風の水鏡に写る北ア前山の連山。安曇野の典型的な光景です。中央の屋根の赤色とそこを起点に斜め手前に延びた畔道が力強く、アクセントとなりました。私には、田に水が張り、夜になると始まるアオガエルの大合唱が聞こえてくるようです。

【高山 三良】

「薔薇競演」(なかのバラ園)=5月30日
コメント:倒木騒ぎがあったなかのバラ園、切り株は見当たりませんでした。毎年新種が出品されていますが、淡い彩りのがいいですね。
講評:微妙な色のサンプルの「みほん」を見ているようです。原色ではなく中間調の淡い色が並び、それぞれが自分の形、色を主張し、過去流行した歌謡曲のリズムが頭をよぎります。多様な色をどうやって見せるか、発想と撮影、まとめ方がうまく連携した労作です。
「優勝・三位決定戦」(運動公園運動ひろば)=6月6日
コメント:上は優勝チームのプレイ。下右側は優勝決定戦、下左側は三位決定戦。石渡チームはどちらにも出場し優勝と三位に。
講評:金銀銅を決める戦いぶりを組み写真で表現しました。中央の電柱を二枚とも軸に配置、戦いの流れが読み取れます。

【小池 公雄】

「水瓶を跨いで」(長野市裾花大橋)=5月25日
コメント:梅雨にそなえてか、水位を少し下げて見える長野市の水がめ。ここを通るたびに、湖底に水没した泥んこ道を走るボンネットバスに乗った記憶が蘇る。異常気象の中、夏の水不足の対応お願いします。
講評:通常の水位が水面の上に白っぽい線状になって見えます。その底にあった道、走るボンネットバス・・・。今は、上部にできた赤い橋を渡り基幹道路が走ります。何か小池さんの記憶がボーっと透けて見えてくるようです。その頃の写真があると貴重です。
「光彩」(中野市一本木公園)=5月29日  
コメント:むせ返るほどのバラの匂いと、色とりどりの花に圧倒された「バラ祭」でした。見るほどに見事な花の造形美に吸い寄せられる感じでした。
講評:手前左側のバラの固まりをデフォルメし、右側向こうの固まり、青空と遠近法を使い作画できました。左手前の斜めにあるバラ3輪、空の斜めの雲がバランスよく印象的です。
「もう限界」(長野市戸隠=旧柵村)=6月9日
コメント:かつては9軒/20数名が暮らしていた集落でしたが、今は3軒、4人の集落に。人の数より獣の数の方が多いと嘆く住民。ダルマにも応援してもらいます。
講評:それでも故郷を捨てず、営々と暮らしが続く。その生き方や故郷に寄せる想いがひしひしと伝わってくる作品です。錆びたトタン屋根、切れたまま放置されたハウスのシート・・・。住む人の人数、年齢などを連想させてくれます。ダルマや左側のキショウブの花に生活力というか生活感を感じます。手前に畑の片鱗が垣間見えますが、できれば畑を大胆に入れ、農作業をするお年寄りを点景に入れた構図もよかったのでは・・・。もちろん、背景はこのまま。

石渡写真クラブ月例会(5月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(5月)作品&講評
 石渡つうしんへの作品発表が遅れ6月に入ってしまいましたが、桜も新緑も終わりすっかり初夏の装い。異常気象とはいえ、梅雨入り前の暑からず寒からず、一年で一番過ごしやすい季節となってまいりました。
 今回の例会作品は、長い冬から春を迎え「待ってました」とばかりに花開いた桜を中心に、花桃、ニリンソウとリュウキンカ、ネモフィラ、チューリップなど花の作品が多く寄せられました。花を通して、作者側も「やっと春が・・・」とシャッターを押した気持ちが伝わってきます。
 さて、ぼつぼつ爽やかな季節から、うっとうしい梅雨、そして夏本番。そんな季節の移ろいにカメラを向け、ともに頑張っていきましょう。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品・講評の順番は、会員の氏名をあいうえお順に、月ごとに逆にして紹介しています。

【倉澤 利和】「ヤアーイ!こんにちは」(佐久市千曲川スポーツ交流広場)=5月5日
コメント:5月3~5日に行われました佐久バルーンフェスティバルに行ってきました。5日、最終日でしたので会場は人盛り。熱気球係留体験が行われていました。
講評:ありきたりですが、気球が大空高くたくさん写っている写真はどこかで見たことがあり、見栄えはするものの「またか」とあまり新鮮味がありません。盛りだくさんのイベントがあったかと推測しますが、この作品はそのようなものではなく、「体験」の模様とのこと。右下にのんびりと見学する家族連れを配置、グラウンドの中には気球二基と順番を待つ人たち・・・。のどかな春のひと時が感じられます。「ケンシロウ見参」(佐久市千曲川スポーツ交流広場)=5月5日
コメント地元佐久出身の漫画原作者武論尊さん、漫画で人気の北斗の拳主人公のケンシロウがデザインされた熱気球です。
講評:1昨年の県展の入選作品に、アニメの主人公が描かれた気球を題材にしたものがあったかと記憶しています。気球の間近まで迫りワイド系レンズで上がる寸前の大胆な作品でした。倉澤さんの作品はやや遠目ですが、目の付け所は同じ。ケンシロウが佐久平の空を独り占めしているような感じがいいです。

【小池 公雄】

「凛として」(松本城)=4月12日
コメント:画面いっぱいの桜に囲まれた松本城を撮ろうと思いましたが・・・。
講評:お城だけではどう見ても(撮っても)面白くも何ともないですね。花でも山でも、建築物でも、人物でも、そのものをズバリ撮る方法もありますが、その中に息吹というか作者の思いなどを込めなければならず、表現方法としてはやや難しい。そこで、一歩、プラス何かを絡めての手法になります。遠近はとにかく周りにあるありとあらゆるものを画面の中に整理整頓し、主題を中心に画角を決めていきます。その意味で、ずばりお城だけでなく、左に桜の花、右には常緑の樹木を入れ、散策する人たちをあしらい、それらに囲まれて「春」を迎えた松本城が控えめながら存在感があります。タイトルのように「凛として」見えます。
「春の稜線」(飯縄山頂付近)=5月2日
コメント:近隣の山の頂をまぢかに感じながら稜線を行く爽快感を何とか表現できたらと思いました。
講評:笹を覆う残雪、芽吹き前のシラカバと冬から目覚めたばかりの山頂の様子が軽快に描かれています。シラカバの向こうには、妙高連山も遠慮気味に顔を出し爽やかさが伝わってきます。

「高原の芽吹き」(飯綱高原柳沢の池)=5月2日
コメント:林を抜けた途端に、降りてきたばかりの山の頂と、湖面に映る空の青・芽吹きの若芽色の景色が目前に開けました。ハッとした美しさを切り取れればと思いました。
講評:樹林帯を走るバードラインをショートカットした道路沿い。池に写った新緑や空を二分割構図でまとめました。空色も投影した水面の方が鮮やかで、くっきりと浮かび出た雲とともにハッとした美しさが表現できました。

【高山 三良】

「サクラと遊ぶ」(長野運動公園)=4月13日
コメント:今年の桜はどう撮ろうかなー、サブトラックを散策していました、お花見と食事とスポーツを済ませた家族連れが帰るところでした。まだ遊び足りない様子。
講評:年年歳歳花相似たり。また今年も咲いた運動公園の桜。そうは言っても、今年はどうやって?と頭を悩ませたとのことですが、人それぞれの動きが違った感じで捉えられ味わいある作品となりました。左の子どもがペットボトルを手に打ち上げたバトミントンの羽を見上げ、その先に空中高く上がった羽。それを見届ける?お姉ちゃん。その右には軽やかに足を広げ腕を大きく振り上げた少年。さらにその右には、ザックを背負い、クーラーボックス様のものを手に左の人物方向に向かってくる女性。それぞれの関係性は不明ですが、咲いた桜の花に集う人物群像をいいタイミング、瞬間で捉えることに成功しました。
「霧のリゾート」(いいづなリゾート)=5月1日
コメント:水芭蕉は大きな葉っぱに、ニリンソウは霧雨でつぼんでいました。ニリンソウとリュウキンカの共演は見ごたえがありました。
講評:お日様が差さないと花を開かないのはフクジュソウと同じですね。花は白い点にしか見えませんが、向こうのリュウキンカの黄色、霧とのコラボレーションでしっとりとした高原の湿地帯の雰囲気を捉えています。右の大木がアクセントとなり、画面に安定感を与えています。

【中島 弘】

「花桃の小路」(上田市武石余里)=4月28日
コメント:上田市武石の花桃を見に行ってきました。川沿いや道沿いの花桃並木が見事でした。花桃と言えば阿智村の月川温泉が有名で華やかさがありますが、武石の花桃は周囲の山々と調和して素朴な田舎の原風景を遺していました。
講評:手前右と上部に大胆に花桃の枝をあしらい、くねくねとした花桃街道が向こうに延びていく。さらに民家が点在、里山が左右から入り込み、その向こうには小さい山(丘?)、青空・・・。どんどんと先へ先へといざなわれるような錯覚を覚える遠近感が強烈に出た作品です。手前左下の道路の影も、無粋なアスファルト空間を埋めいい感じで落ち着かせました。
「城址の枝垂桜」(小諸懐古園)=4月19日
コメント:桜を撮り損ねたので開花が遅い小諸城址に行ってきました。桜は散り初めでしたが、枝垂桜が見頃で淡い色がなんとも清楚で春らしさを醸し出していました。
講評:桜の花は、とかくぼてっとした塊の花の写真に陥りがちです。が、清楚ないい感じの小枝を見つけまとめました。およそ100㎜の中望遠を使い、絞りもF4と開けて前景、背景をぼかし、主題を強調できました。できれば、ぼけてもいいですが、背景にお城の片鱗などが入ると・・・。

【早川 球喜】

「なんじゃもんじゃ」(善光寺参道=アーケード通り近い)=5月7日
コメント:5月7日付の斜面(信濃毎日新聞)に「長野市の善光寺表参道沿いにで『ナンジャモンノキ』と説明が添えられた街路樹に、今年もいっぱいの白い花がついた」との記事が掲載されていました。いにしえの記憶が蘇り、名前につられて写真撮影に出かけました。長野では初めて見ました。
講評:私もかつて、松本平の南西、島々から入った奈川渡かいわいにこの木があると記憶がありますが、実際に見たことはなく、この作品で初めて見ました。また、同じ記事も読みましたが、「では」っと腰を上げることもなく、早川さんの行動力に脱帽です。参拝者を歓迎する吊り花もあしらい、周辺のビルや道路、車などから市街地の環境がよくわかります。ただ、ワイド系レンズのため、画面がやや右下がりでビルなどが傾き不安定です。右端は垂直で一見いい感じに見えますが、この手の場合は画面の中央線を垂直にするのが常套的な加工方法です。矯正加工してみました(写真下)。

【廣澤 一由】

「ネモフィラの丘」(茨城県ひたち海浜公園)=4月22日
コメント:ネモフィラの丘は、満開の花を見に訪れた人・人・人で大混雑であったが、こんもりした丘一面の花に感動した!
講評:圧巻ですね。淡白なブルーがきれいですね。(植栽が)人工的なものと言ってしまえばそれまでですが・・・。上下に二分割され、空のスペースが多めです。画角を少し下げ空を削り、花をもっと入れるとよかったかと思います。ならば、加工段階で上部を半分トリミングし横ワイドに仕上げる方法もありです。後、狙い方としては、人、人、人をあしらいながら、花の群れ、人の群れをうまくマッチングさせる撮り方もあったかと思います。
「多彩な花園」(茨城県ひたち海浜公園)=4月22日
コメント:多色、満開のチューリップ園は、色々な種類のチューリップで彩られ、メルヘンの国を思わせる景色であった。
講評:この作品もやはり二分割され、主題のチューリップが弱められています。上の部分の半分くらいはカットしてみましょう。

【宮澤 一成】

「蜘蛛の化身」(高山村)=4月12日
コメント:高山村の五大桜の一つ、水中のしだれ桜です。まるで巨大化した蜘蛛が、足を広げているような感じがします。
講評:擬人化というか木の枝ぶりを昆虫、クモに見立てた作品。目の前にある物や光景を別の視点で想像を巡らせて作品とする。典型例として今の残雪時期の雪形がありますが、写真の一つの楽しみ方と思います。大いに創造たくましくしてほしいと思います。花の間から垣間見える枝が八方に伸びたクモの脚のよう・・・。そう言われて見ていればだんだんとそう見えてきます。で、鑑賞した人も「なるほど」と。撮った思いをそのままタイトルに反映していますが、このように素材と対峙したとき、何を感じるか、それをどう表現するかということが大切。逆に言うと、タイトルを付けやすい感動を持つこと、見方をすることが、主題が明確な作品を産む一歩です
「倒れるぞ~」(高山村)=4月12日
コメント:こちらも五大桜の一つで、赤和観音のしだれ桜です。斜めに伸びた太い幹、支えが無ければ間違いなく倒れるでしょう。
講評:支えがないと倒れそうな老木。超ハイアングルから切り取り新鮮な感じとともに、今年も花を咲かせた生命力が感じられます。右下に男性を点景に入れて大きさを表し、C構図の背景の道路も流れを演出しています。ただ、濃いブルーの車はいるか、いらないか?迷うところです。スローシャッターでぶらす、別の色ならいい、いっそうのこといらない・・・。

【吉田 幹男】

「春の空」(須坂市臥竜公園)=4月13日
コメント: 臥竜公園から北信五岳の山並みを桜の背景にと思い出かけたのですが、黄砂もあるのか霞が強く春の空は残念。                                                               
講評:確かに上の写真の遠望する北信五岳の峰々は黄砂でしょうか、春霞でしょうかくっきり見えず残念です。思い切ってアングルを変え、別カット(下写真)はすぐそこの山やお寺など周辺の環境が入り、水面に桜も映り込みうまくまとまったと思います。水鳥でもいるとなおよかったかなと思います。