石渡写真クラブ月例会(9月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(9月)作品&講評

 観測史上最高の暑さを記録した今夏。ようやく影を潜め、寝苦しさから解放されたのは何よりです(913日時点)。
 とはいえ、今日10月6日は中秋の名月ですが、昼間は結構暑さが残っています。運動公園のケヤキもまだ染まり始めません。一気に冬になってしまい、秋は短いかも知れません。
 そんな今様の「秋」を見つけに、カメラ片手に出かけてみましょう。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品・講評の順番は、会員の氏名を「あいうえお」順に、月ごとに逆にして紹介しています。

【小池 公雄】

「草紅葉の奔(はし)り」(中ア千畳敷カール・駒ケ根市)=8月14日
コメント:久しぶりに孫達と千畳敷へ行ってみました。夏のさ中でしたが、既にコバイケイソウの群落が紅葉して、全体の紅葉が近いことを告げていました。乗越浄土まで行ってみましたがけっこうきつかったです。
講評:旧盆、盛夏の頃の中央アルプス千畳敷カール。標高が2600㍍と高いので,山の上の方から始まる紅葉が、すでに始まっているところに着目。右端に登山客を点景にあしらいスケール満点にまとめました。
「秋色めく」(姥捨棚田・千曲市)=8月28日
コメント:昨年の姨捨の写真はいいものが撮れなかったので、今年は、撮影位置と段差に影が出る時間帯を狙ってみました
講評:アングル、光線と写真をグレードアップする要素を考えて撮った一作。午後傾きかけた太陽光線で、棚田の畔の影がアクセントとなり立体感が出ました。ただ、中央付近手前にある電柱が存在感たっぷりで惜しいです。立ち位置を選びもう少し右に寄せるか、画面内から消すかの工夫を。例会では、「電柱の前に出る方法もあったのでは・・・」という助言も。
「沼に映るご婦人」(白馬五竜地蔵の沼=五竜岳登山口)=7月6日
コメント:遊歩道脇にある沼池に反射する写真を撮っていたところ、突然反対側からご婦人の姿が映り込みました。あまりにベタナギだったので逆さ写真に見えました。
講評:山里の水場に繁茂する植物群に囲まれた沼。水面にたまたま来訪した人物を配置、いいシャッターチャンスに恵まれました。微風でしょうか、水面が揺らいで顔がはっきりとしませんが、風の動きを感じさせてくれます。欲を言えば、下方に山並でも映るとなおよかったです(無いものねだり)。

【小島 真由美】

「朝露を求めて」(軽井沢)=8月23日
コメント:里芋の葉に朝露があり、そこに蟻が水を求めてきていました。なかなか雨が降らない時期で、蟻にとって朝露がとても貴重な水になっている様子を組み写真にしてみました。
講評:いいところ、素材を発見しましたね。そして、場所の概要が分かるハス畑の全景を一枚、主題のアリの様子を複数、うまく組みました。ただ、できればアリが水を飲む場面をもっとアップでクリアにした一枚があると(下のカットがそうですが・・・)もっとメリハリがついたかなと思います。

「朝露のシャンデリア」(軽井沢)=8月23日
コメント:草に朝露がついて朝日をあびてシャンデリアのようにキラキラしていました。実際はもっとキラキラしていたのですがうまく写真に収められませんでした。こういった場合どのように撮ればいいのでしょうか?
P136716-1はアップにしてキラキラが増すようにしてみました。どちらがいいのでしょうか?
講評:この作品もいい素材に気が付いた点が評価されます。きらきらと輝く露がきれいという感情を表現できなかったというコメントですが、それなりに伝わってくる、つまり、きらきら感はそこそこに出ていると思います。もっときらきらとさせるには、光線状態がもう少し斜光(朝夕)、もしくは逆光に近い状態。それと、レンズ選択もクローズアップのマクロ、もしくは望遠系で少し引っ張るとキラキラ感は出ます。

【後藤 祥子】

「収穫はいつ?」(三才、諏訪神社)=8月5日13時37分
コメント:蓮の花が咲いているとの情報を聞き、わくわくしながら向かいました。広大な土地一面に蓮畑は広がっていました。こんなに凄い光景は見たことがなく、圧倒されながら写し始めました。・・・が、スマホが熱くなり使えませんのエラーメッセージ。撮れた写真で組み写真にしました。
講評:まず、スマホが火災にならずよかったですね。全景、中継、アップとトリオでうまくまとめました。でも、画面の中に何かトンボとかカエルとか命ある動物が入ったカットだと、ハスの植物と相乗効果で引き締まったかなと。ところで、ここのハス、レンコン畑なので「収穫」という言葉が出てきた?いつでしょうかね?
「今日も暖かな出会いに感謝」(自宅付近)=8月5日5時19分
コメント:前回撮った虹のリベンジです。虹を撮るときは虹のみに焦点がいっていたので、こんかいは生活感を含む意味を理解しながら撮りました。車、電線、時間などいろいろと気を配りながら撮っているとあっという間に太陽が昇ってしまいました。みんなを暖めてくれるエネルギーを感じながら、今日も暑い一日に感謝。
講評:よく「周りの環境が分かるといい」と言われます。主題を引き立てる、あるいは補佐するということですが、主題の日の出(太陽)が燦然と輝き一日の始まりを告げる。その瞬間が自分の生きている舞台にも・・・。ただ、いろいろと欲張りすぎて?(失礼)入れ過ぎかなと。もう少し整理すると主題がさらに力強く見る人を引き付けてくれます。

【髙山 三良】

「湖面の風景」(徳間)=8月6日
コメント:高専東側の白いハスは茎が長くて湖面にさまざまなものが映り込んでいました。折しも列車が通過して行きました。
講評:白いハスは珍しいですね。群落とともに、畑の水面に浮かぶ茎や葉をバランスよく並べ、おまけに列車が入り臨場感たっぷりです。葉が枯れた冬季、いろいろな形の面白さが見られます。また足を運んでみてください。
「空中パトロール」(南堀)=8月19日
コメント:稲穂が実る頃、うろこ雲を背景にハヤブサ凧が乱舞していました。今年も豊作。
講評:風に吹かれて動く大鳥は実は大切な作物を害鳥から守る案山子。秋のいわし雲を背景に、夕暮れ時に凧がシルエットでやや色調がアンダーになり、本物の野鳥のようです。

【竹内 一郎】

「私が報告いたします」(NHKスタジオ)=9月9日
コメント:9月9日、NHKに行ってきました。見るところがあまりありませんでしたが、イブニング信州のスタジオで仮のスタジオ風景を体験しました。
講評:NHK長野放送局のスタジオ風景。手前に見学者をあしらい、本番前でしょうかスタッフや出演者が打ち合わせをしている光景。左に映し出されたテレビ画面があり、左の人物は何と石渡写真クラブに在籍した萱津さんとか。右側の機器に隠れてしまったのが残念。

【中島 弘】

「山もビックリ人の波」(木曽駒ケ岳)=8月22日
コメント:多くの人が何故山に登るんでしょうか?その一人として木曽駒ケ岳に登ってきました。
講評:「山がそこにあるからだ」。マロリーが答えた有名な言葉を思い出しましたが、千畳敷カールから駒ケ岳山頂へ向けて登る胸突き八丁の最後の急坂。登山者を点景に、雄大なカール、向こうに赤い屋根のホテル、さらに奥へと続く連山。カール地形の山岳を雄大に描き出しています。
「一穀豊穣」(木島平村)=8月31日
コメント:猛暑と雨不足で生育が心配されましたが、順調に豊作に向かっている様子がパッチ模様の田んぼから伺えました。
講評:令和の米騒動に加速して猛暑。心配する中島さんの心情が映し出されているように見えます。稲には何の罪もなければ罰もなにもないですね。パッチワークの水田が斜めのあぜ道に沿って整然と並び稲穂が伸びてきています。もう少し高いアングルだともっとスケールが出たかなと思います。

【廣澤 一由】

「おさわがせしてます!」(長野市保科)=9月1日
コメント:サルスベリの丘へ撮影に行き、期待した写真が撮れなかったが、その集落の神社の片隅に置かれた木彫りの熊が、世相を反映して印象的だった。
講評:クマがこんなに新聞をにぎわしたことは初めてです。そんな世の中の動きに敏感に反応、格好の素材を見つけました。ややクマの木彫りそのものがアップ過ぎて窮屈かな・・・。背景が土蔵の壁のように見えますが、全体に引いて(ズームならもっと広め)周りの環境を入れると雰囲気が出ました。

【牧内 二郎】

「水面の上と下」(新潟県中魚沼郡津南町龍ケ窪)=8月22日
コメント:水面が真ん中にくるようにして水中と上の風景を一緒に撮りたかった。竿の先にカメラを付けて池に半分沈めて撮りました。
講評:この手法は、写真県展のネイチャー部門で推薦に選ばれた「クロサンショウウオの春」と同じですね。発想は同じですが、どこが違うかというと、下の素材と上の方は向こうに広がる景色あたりか。なかなか成功作品にするには難しいです。本日(10月6日)朝刊に掲載していますのでご覧ください。この作品も、下の水中の素材がパンチの効いたものだとあるいは・・・。それにしても、カメラ落ちなくてよかったですね。
「蛇行する信濃川」(新潟県中魚沼郡津南町川の展望台)=8月22日
コメント:X(旧Twitter)で綺麗な風景写真が流れてくるので、自分も真似してみました。GIMPで彩度を上げて水彩画風に少しぼかしてみました。
講評:これまた、どこかで見た光景?カルチャーの写真教室の受講生作品で生坂村の京ヶ倉山頂から見た、同村中心部をぐるりと囲むように犀川が蛇行しているというもの。似た光景はあるものだなあと思いました。そして、作品は見た目では分かりずらいですが、水彩画風に加工をして区別化(差別化)した点はいいですね。有名なカメラスポットで撮影する場合も同じで、誰が撮っても同じ写真に陥りがちです。常に「何か、どこか、違う感じで撮ってみよう」と孤軍奮闘する心掛けが大切です。

【宮澤 一成】

「寺と蓮の花」(信濃国分寺=上田市)=7月18日
コメント:鮮やかなピンク色に、思わずシャッターを切りました。
講評:大胆にワイド系レンズで、目の前のハスの花に思いきり近づきデフォルメ。色彩とともに、生き生きとした花の生命感が迫力満点の描写となりました。光線の具合も良く、立体的でいいですね。
「蜜がないのに」(国営アルプスあづみの公園=大町・松川地区)=7月27日
コメント:突然黒い蝶(ミヤマカラスアゲハ)が目の前に、花がないのに、しばらく動こうとしません。何がしたかったのでしょうか。
講評:確かに、花があると「吸蜜」ですね。想定されるのは、蜜でなく水の「吸水」、あるいは羽化したばかりや早朝、雨上がりなどに見られる羽の乾燥。一枚の写真がいろいろなことを連想させてくれます。