「石渡写真クラブ月例会作品」カテゴリーアーカイブ

石渡写真クラブ月例会(8月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(8月)作品&講評
 朝夕は少しだけ涼しくなったものの、昼間はまだ30℃を超す日が続いています。でも、ふと耳を傾けると草むらからは秋の虫の声が・・・。
 もうしばらくの我慢かなと思います。暑かった分、涼しさや彩り豊かな秋が一層価値を増してくるように思います。運動公園のケヤキの紅葉には少し早いですが、山の上の方から里へと秋は降下してきます。
 春と並び一番被写体には事欠かない季節はもうすぐです。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品・講評の順番は、会員の氏名をあいうえお順に、月ごとに逆にして紹介しています。

【宮澤一成】

「夏に輝く」(高山村雷滝)=7月29日
コメント:外気温35度を超える中、涼を求めて雷滝に行って来ました。夏の陽ざしを浴び、滝が輝いていました。
講評:裏からも滝の流れが見える「裏見の滝」としても有名。その様子をカメラに収める見物人ですが、ややアンダー気味で所作、表情が分かりずらいですね。一発ストロボの補助光をたくかですが、いずれにしろ暗部、明るい外光とのバランスが難題の被写体です。加工の段階で、アンダー部だけを明るめにできる機能を使ってみました=写真下

「水のカーテン」(高山村雷滝)=7月29日
コメント:雷滝をやや横から撮影してみました。まるでレースのカーテンの様に見えました。
講評:酷暑には涼しげでいいですね。手前の大きな流れが主題ですが、やや向こうの明るい部分に引っ張られアンダー気味、やや精彩を欠いた感じに見えます。少し明るめにし、コントラストを上げ、主題の手前の水流に目線が行くように見栄えよく加工してみました=写真下

【廣澤一由】

「今も長電で活躍中」(吉田原隧道)=8月7日
コメント:旧小田急ロマンスカーが首都圏での任務を終えて長電に移籍し、現役で今も活躍している。懐かしい車両を写真に収めることができた。
講評:現役で活躍している電車を、画面の横軸いっぱいに収めました。左右ぎりぎりですが、走行するスピード感が感じられます。動きを感じさせる撮影方法として、シャッタースピードをもう少し遅くして電車をぶらす方法、あるいは、電車の動きに合わせてカメラを横に振りながら撮る「流し撮り」があります。動きが一層出た写真になります。いつか、挑戦してみてください。

【中島弘】

「青空に映える」(自宅)=2022年7月31日
コメント:真夏に百日咲き続けると言う百日紅は灼熱の青空が似合うと思い撮りました。
講評:サルスベリの紅色が真っ青な空に浮かび鮮やかなコントラストを醸し出しています。真夏に咲く花で、右の送電線の鉄柱が“うるさい”感じですが、暑さを助長しています。
「羽ばたき」(自宅)=7月13日
コメント:蝶の羽ばたきの残像を撮ってみました。
講評:ISO160、30分の1のシャッタースピード、絞り8のデータです。通常、動物を収める場合は、ぶれ防止のため500分の1以上の高速シャッタースピードが原則です。が、吸蜜しながら羽ばたくチョウの動きを低速シャッターにし表現しています。羽ばたく動きのスピード加減によるので、これ以上低速か、あるいはもう少し早めのシャッターがいいかー、は何とも限定できません。500㎜という超望遠レンズにより背景もぼけて、狙い通りの羽ばたきがうまく収められています。羽ばたきを中心にも少しトリミングするとさらに狙いが明確になります。

【高山三良】

「鷲ヶ峰から諏訪湖」(鷲ヶ峰山頂)=7月21日
コメント:車山ハイクの予定がイベントと重なり駐車場満杯道路も渋滞で目的地変更。頂上からは諏訪湖を見ることができました。
講評:雄大な山裾の広がりが出ました。その向こうに諏訪湖と街並みがちらりと見えますが、近くで見ると大きな湖もこうして見ると小さく見えます。大自然の中の諏訪湖と比較ができ面白いです。
「八島湿原から車山」(八島湿原)=7月21日
コメント:車山=ニッコウキスゲのイメージがありましたが鹿害でドライブイン付近と囲いの中にしか咲いていません。シカたないですね。
講評:シカはかつては下伊那地区、南信しか見られかった動物。どんどん北上を続け今では北信でも当たり前のようになっています。分布拡大とともに、どこも悩みの種は食害。霧ヶ峰も記載の通り、草原の植物を食べつくされ、代名詞だった「ニッコウキスゲ」は影も形もありません。10数年前、もっと前からでしょうか、植生を回復させようとシカが入れないようにして囲みの中だけにニッコウキスゲを移植して増やす試みが続けられてきました。見事ににぎやかさを取り戻したものの、花の時期になると限定された群落を求めて行楽客が殺到、高山さんが遭遇した状態になります。で、仕方なく?訪問先を変えた八島湿原。向こうやや左側に車山の山頂が見えますが、岸辺の花を手前に湿原、山とこれまた雄大な高原の雰囲気が表現されました。参考までに昨年、カルチャーセンターの写真教室で無事たどり着き撮影した「囲みの中のニッコウキスゲ」をご覧ください=写真下

【小池公雄】

「動じません」(若穂蓮台寺)=7月23日
コメント:先月例会に出品した「6地蔵」の内の1体です。写り込む背景に注意してみました。立地的に人工物が入らないように6体を1枚に収め切れなかったので1体で。
講評:写真は「そこにあるものは写り込む。写ってしまう」というのが当然と言えば当然です。お地蔵さんもその背景にあるビニールハウスのようなもの、両方とも人工物ですが、主題(テーマ)のお地蔵さんに対し、向こうのハウスは邪魔と言えば邪魔ですね=前回例会作品参照。つまり、主題の表現、イメージがダウン(減衰)するということかと思います。じゃあ、どうするか?ですが、アングルを手変え品替えて画角(フレーミング)内から外す、あるいはどうしても入ってしまう場合には手前の何かで隠すなどの方法があります。あるいは、光線状態により目立たなくするという手もあります。それでもダメな場合は、この作品のように思い切って六地蔵という全体ではなく、一体だけを切り取るということもありですね。背景に山稜を取り入れ環境を盛り込みましたが、光線状態が斜光で強く当たり顔半分がつぶれてしまい惜しまれます。もう少し光が回り、顔が見えるまで待つとよかったかと思います。
「諭す」(若穂蓮台寺)=7月23日
コメント:木漏れ日の中、紫陽花に囲まれて座っていました。地蔵さんの説話が聞こえてきそうな表情。もう一枚の写真とどちらを出そうかと迷いました。
講評:同じ寺院の中の別のお地蔵さんですが、今度は6体もなく心置きなく一体に集中して作画できたかと思います。物言わぬお地蔵さんですが、説話が聞こえてくるようだと感じながらシャッターを切った思いがそのまま伝わってくるようです。ただ、光の加減かアジサイの花がいっぱいあるのに、目立たないのが惜しまれます。こちらは顔の表情が見えていいですね。
「いかにも雀」(長野市セントラルスクゥエア)=8月3日
コメント:長野びんずるで、仙台雀踊りを舞台で踊っていました。びんずる写真もありますが、肖像権に自信が持てないので……。
講評:群れているにぎやかなスズメを連想させてくれるような踊りのひとコマですね。振り付けもそのように創り上げているかと思われますが・・・。びんずるのショットは、よほど被写体となった人物を揶揄(やゆ)したり、批判的、下品などの表現でなければ特段発表して差し支えないです。ある意味で、踊ることそのものは他の人に見てもらう、写真に撮ってもらって二次的に楽しんでもらうことが含まれますので遠慮することはないです。いいショットがあったら見せてください。

 

 

石渡写真クラブ例会(7月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(7月)作品&講評
 短かった梅雨が明け、猛暑、酷暑が続きます。今回の作品は、区公民館が616日に行った春レクリエーションに相乗りした形で実施した「石渡写真クラブ実践セミナー」で撮影した作品を例会に持ち寄り、勉強をしたものです。
 こうしたセミナーや撮影会は、そこに居合わせた仲間が同じ被写体を共有するわけですが、それぞれの感性、技術力などにより生まれてくる作品はさまざまです。同じ素材でも微妙に違ってきて、「こういう切り口もある」とか「こんな被写体があったのか」など刺激になり勉強になります。
 木島平のやまびこの丘公園に到着したのは午前10時を回っていて、照り付ける日差しの中汗びっしょりになり、シャッターを押しました。
 クラブ員各位、それぞれの個性ある作品をご覧ください。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品・講評の順番は、会員の氏名をあいうえお順に、月ごとに逆にして紹介しています。

 

【小池 公雄】

「ユッカの恋」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント:増田講師より「素材への気づきのポイント「たくましく突き出す芽には、生命力や躍動、その先を連想させる力がある」。 「あのね・・・、ん?」 若い二人のささやきを聞いた気がします
講評:茎を伸ばし、つぼみを膨らませたユッカが2本。これからの夢ある将来を持った若い2人に擬人化、その思いを一枚の写真に表現した観察力、創造力が素晴らしいですね。
「カピバラ水を浴む」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント:流水を水の束のように撮る方法を教えて頂きました。シャッターを1/30、ISOを100位にすると良い。感動です。撮っている時は気が付きませんでしたが、恐竜の子のような顔の上に滝が落ちていました。シャッタースピードの違いで、絹のような流れや、石つぶて流れのようなものが撮れ、面白いです。
講評:写真の持つ特徴の一つに「ぶれ」があります。普通、人間の目で見ると流れているものは流れているようにしか見えません。ところが、瞬間を止める(シャッターを切る)時に、カメラのシャッタースピード設定により、別の世界が写し取れます。設定を低速にすればするほど、流体の水は白っぽい固まりの布切れのように写してくれます。逆に高速にすると、水の塊りがあたかも“石つぶて”のように写し止めてくれます。この作品は前者で、水が白い布のように流れ下り動感を創出しています。後で写真の中で発見した「カピバラ」、どこにいるか探してみましょう。
「ふー、暑っ」(長野市若穂蓮台寺)=7月7日
コメント:紫陽花の最盛期と見込んで出かけましたが、今年の紫陽花は少し手入れ不足?6地蔵さんが暑さに耐えて迎えてくれました。
講評:日に焼けておつむりや前掛けの赤い布地が色あせて、お天道様の力を見せつけ、“暑さ”を連想させます。雲一つない青空も主題を助長しています。暑さに耐え、ひたすら庶民の安穏を見守るお地蔵さん。ご苦労様、ありがとうございますーと感謝でシャッターを押した作者の心意気が伝わってきます。

【高山 三良】

「外来種でなければ」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント:外来種・「人間活動の影響で入り込んだ生物」ブタナでしょうか。一面占領されています。日陰では花だけが浮かんできれいなのに。
講評:公園内の石畳の脇で黄色の花を咲かせる花。1輪だけだとぱっとしませんが、群生してきれいですね。ただし、ヨーロッパ原産の外来種で日本にはなかった植物。区内でも見かけるオオキンケイギクや ナガミヒナゲシなどの外来種も一見きれいなので退治しないで放置されている姿を見かけます。繁殖力旺盛なので、迷惑な存在になる可能性大です。
「春季レク」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント:面白い間隔で並んだ木々を背景にと決めて、人の散らばりを待ちました。
講評:公園内の丘に適度に植栽された木々。公民館で企画した恒例の「春レク」に参加した区民が園内を散策する様子ですが、適度にバランスよく散らばったシャッターチャンスがいいです。

高山さんのほかの作品です)

【中島 弘】

「みんなで輝こう」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント:小輪の花がほど良い距離間でお互い輝いている様子を撮りました。
講評:横並びの良い素材を発見しました。中望遠レンズで中央の花一本にフォーカスを合わせ、残りをぼかし、黒バックの背景に浮かしたテクニックもいいです。ただ、細かいことですが主題のフォーカスが合った花の向こうにぼけ花が重なりやや存在感が薄れてしまい惜しまれます。
「埋もれないで」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント:微細な花がそれぞれの顔で咲き誇っている様子を撮りました。
講評:花というか、花が終わった後では?と私には見えますが・・・。これも、いい素材を発見しましたね。絞りがF4と開放値近くですが、もっと値を多く(絞る)して被写界深度を深くするともう少し花の描写がきりきりと来たかと思います。それと、焦点距離が110㎜ですが、マイクロレンズでもっと近接すると別の世界になったかと・・・。

【廣澤 一由】

「涼しい水のカーテン」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント: 小川の堰を超えて流れ落ちる水が、カーテンの様に写り、奥に見える水草が如何にも涼しそう!!
講評:続く水路からどっと流れ落ちる堰を超えて流れ落ちる水。いかにも涼しげで、堰に生育する植物のグリーンが垣間見えて、涼しさを倍加しています。やや周りの環境が多すぎて説明調かなという感じです。トリミングして水のカーテン、植物を強調してみました=写真下

 

「木漏れ日の林を行く」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント:緑に覆われた林に、木漏れ日が差込めた林道をさっそうと行くハイカーの姿が印象的であった
講評:桜並木でしたが、この手の場合、人物の大きさがどの程度かで印象が変わってきます。あまり手前で大きいと目障り、逆に遠くだと小さくて何だかよく分からない。この作品は適度な大きさといえます。さらに、2人いますが、後ろ姿とはいえ、顔を向き合わせて何かを語り合っている、あるいは手をつないでいるなどのアクションがあると、小さなこととはいえ作品がぐっと締まりグレードアップ間違いなしです。細かいことのようですが・・・。

【宮澤 一成】

「バタフライ」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント:写真クラブの実践セミナーでの一枚です。シャッタースピードをもっと速くした方が良かったのでしょうか?
講評:データによるとISO100、800分の1,F5.6です。タイトルに付けた「チョウ」が主題だけに、ややぶれてしまい惜しまれます。800分の1なので、高速シャッターの範疇に入り、ぶれ・ぼけの直接の原因ではないと思います。すると、ぶれはフォーカスのキャッチの案配か・・・?フォーカスゾーンがチョウに来ていなかった可能性もあります。焦点距離が150㎜弱と望遠系なので花にフォーカスがきて、チョウの位置はその前後かと思われます。フォーカスゾーンをチョウに合わせ、追尾する方法で追いかけるといいかと思います。後、この手のスピードが速いもの狙いの時は、ISO感度を昼間、好天下でも800ぐらいの高感度に設定、シャッター優先モードでシャッター設定は4000分の1程度に設定するといいでしょう。後、被写体が左右、前後に動いてもピント(フォーカス)を追尾する「C」にすることもお忘れなく。
「純真」(木島平やまびこの丘公園)=6月16日
コメント:今年度の春レクでの一場面です。少年の屈託のない笑みには、心が洗われました。
講評:「イエ~イ」。ポーズをとる少年の笑顔がいいですね。また、ミニの滝がある水路、岩、遠くのこんもりと茂った森、青空と環境もうまく取り入れられ主人公を盛り立てています。区から同行した仲間なので、あまり肖像権など気にせず、生き生きとしたいいショットがものにできました。

【増田 今雄】

コメント:早くも秋の雲?黄色の花に蜜を求めて飛来したミツバチ。滝の水流をスローシャッターで撮影

石渡写真クラブ月例会(6月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(6月)作品&講評
 例年より遅い梅雨に入りました。梅雨の晴れ間ともなると、真夏並みの暑さで早くも熱中症アラートが出る陽気です。
 うっとうしい梅雨ですが、それなりにこの時期ならではの被写体があります。雨、滴、傘、水たまり、カエル、カタツムリ・・・。        無理は禁物です。家の中にこもりがちですが、身体とよく相談してでかけてみましょう。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
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※作品・講評の順番は、会員の氏名をあいうえお順に、月ごとに逆にして紹介しています。

【吉田 幹男】

「残雪の蓮華岳、木崎湖」(大町市平のチェーン脱着所、木崎湖)=6月6日
コメント:美麻新行のそばを求めて「手打ちそば美郷」に出かけた。そこから峠を下りたチェーン脱着所で蓮華岳を撮りました。また、そこは「鹿島槍を写す田 雪形」とアースに表示も、そして木崎湖に向かいました。                                     講評:白馬への五輪道路、青具交差点を左折すると新行のそば所。隣接した旧中山スキー場を過ぎると大町市の平。目の前に北ア連山が迫るように現われます。ちょうど鹿島槍から爺ケ岳、針ノ木、蓮華岳がほぼ正面、そんな一枚です。やや空が多めなのと、露出がオーバーです。せっかくの連山なので、ワイドにトリミング、明るさとコントラストを補正してみました(写真下)。木崎湖も空が多めです。その分画角を下方に修正、キショウブやヨシなどが茂る湖畔の雰囲気を入れると全体が落ち着いてきます。

 

【宮澤 一成】

「手を貸して」(白馬村)=5月23日
コメント:田植えのシーズン、今では機械で植えるのでだいぶ楽になったのでしょうが、人手は掛かるみたいです。
講評:かつて私の子どもの頃(昭和30年代前半)の田植えは、家族総出、足りない分は「ゆい」といって田植え農家が順繰りに助っ人を出し合い、一列横並びで手で植えて行きました。そんな写真は残念ながら手元に残っていません。時代は半世紀以上も経過していますが、何と田植え機も8条?植えでしょうか、植える(働く)のは機械ですが、その分仕掛けに人手が必要ですね。身体は楽になり、相当の時間短縮となりましたが、人の手がいることは昔も今も変わらないということでしょうか。今の時代を記録した貴重な一枚です。
「冬春夏(とうしゅんか)」(大町市青木湖)=5月23日
コメント:数十年ぶりに青木湖へ行って来ました。冬を思わせる残雪、新緑の春、夏を感じさせるカヌー遊び、3シーズンを1枚に収めてみました。
講評:タイトルは季語か?と思いましたが、作者の造語とのこと。写真とともに大いにタイトル作りも楽しんでいただきたいと思います。その意味で、写真を撮る行為とは、被写体を見つけカメラ、レンズを駆使し、アングルや光線、背景などもミックスしてシャッターを切る。一連の行為の中で「自分は今何を表現したいか?何を第三者に伝えたいか?」を考えながら・・・と言われます。すでに、そこにはおぼろげながら「タイトル」が頭の中にできあがっているという図式です。「タイトルがすっと付けられるような被写体(主題)を見つけよう」です。造語ながら、目の前にある三つの季節を感じながら作画した作者の心情がタイトル、作品双方から読み取れます。

【廣澤 一由】

「奇麗でしょ!」(中野市一本木公園)=5月25日
コメント:一本木公園のバラ祭初日、園内には沢山のバラが咲いていました。その中の一角で、周りが蕾なのに、この一輪だけが咲き誇っていました。
講評:いち早く開いた一輪を見つけました。目立ちますね。ほぼ標準レンズに近い焦点距離41㎜、絞りは開放に近い5でほかの蕾をぼかして、主人公を際立たせました。タイトル「奇麗でしょ!」は確かにきれいですが、ややストレート。先んじて咲いたことに関わる言葉のタイトルにした方がベターかと思います。
「バラに囲まれて」(中野市一本木公園)=5月25日
コメント:沢山のバラに囲まれた小径を、心ウキウキ歩くカップルが印象的でした。
講評:若そうな?カップルですね。いつも付きまとう「肖像権」がまた問題となります。が、そこをクリアできればカップルは正面の方がインパクトがあります。将来の夢を語り合っている表情などが盛り込まれれば、周辺のバラの雰囲気にぴったりでしたが・・・。(クリアするには?は以前この講評内で紹介したかと思いますが)
「ポプラの木倒れる」
講評:この写真は2点のほかに説明なしでお披露目されました。公園内のポプラの大木が倒れ小学生がけが」とニュースにもなりましたが、廣澤さんが撮影に訪れ偶然遭遇した時の一枚です。すかさずシャッターを押したこと、素晴らしいです。
写真は時を刻みます。写真を読み解くと、事故直後かと思われますが、腐った根をこちらに向け倒れたポプラの木が写っています。突然起こった事故に花見に訪れた人たちがわいわいがやがやした騒然とした雰囲気が伝わってきます。救急車やけがをした人物が写っているとなおよかったと思いますが、貴重な報道(記録)写真となりました。
ニュースは刻一刻、日々どんどん動いています。その時の様子をよりリアルに伝え、見た人に信ぴょう性を持って納得させるのが一枚の写真です。この事故は幸いにも軽いけがで済み大事に至りませんでしたが、警鐘を鳴らす意味でより多くに人に見てもらうこと、同じ事故が再び起こらないことを喚起するのが写真の役目でもあります。
地元紙信濃毎日新聞では、読者が撮影したこのようなニュース写真を随時受け付けて紙面に反映するシステムになっております。これはーというニュース写真を撮った時は連絡をしてください。その場に居合わせ瞬間を捉えた写真は貴重なスクープ写真です。

【早川 球喜】

「花の共演」(我が家の庭)=6月3日
コメント:我が家の小さな庭にブーゲンビリア、ゼラニウムなどが咲き揃い、夕陽を受け可憐さを増しています。
講評:見事ですね。手塩にかけた花々が期待に応えて咲いてくれる。物言わぬ植物とはいえ、「我が家の一員」のようなつながりを感じさせてくれます。前々回の「クンシラン」のように、画面の背景かどこかに小さくても「我が家の小さな庭」の片鱗が写りこむとよかったかと思います。ブーゲンビリアの花は数も色もあり、多少小さめにしても存在感は保たれますので・・・。

【中島 弘】

「里山の息吹」(千曲市大林山)=5月29日
コメント:千曲市の大林山。登山道を行くと1mほどのシダの群生。里山に生える木、草、苔。そこに住む鳥、動物、昆虫、微生物。全ての調和が取れて里山を形成する自然の仕組みに改めて感動しました。
講評:シダ類の中でもよく見かける「オシダ」。語源は?ですが、林相を分けた手前の明るい斜面に群生したシダの造形美が見事です。点景に登山者のグループを配置、スケールの大きさが分かります。
「初夏に向けて」(安曇野市)=6月1日
コメント:田植えを待つ田んぼ。北アルプスの残雪も夏山モードに変更。カッコーやオオヨシキリの鳴き声が聞こえそうで夏を控えたワクワク感を捉えました。
講評:代掻きが終わり、無風の水鏡に写る北ア前山の連山。安曇野の典型的な光景です。中央の屋根の赤色とそこを起点に斜め手前に延びた畔道が力強く、アクセントとなりました。私には、田に水が張り、夜になると始まるアオガエルの大合唱が聞こえてくるようです。

【高山 三良】

「薔薇競演」(なかのバラ園)=5月30日
コメント:倒木騒ぎがあったなかのバラ園、切り株は見当たりませんでした。毎年新種が出品されていますが、淡い彩りのがいいですね。
講評:微妙な色のサンプルの「みほん」を見ているようです。原色ではなく中間調の淡い色が並び、それぞれが自分の形、色を主張し、過去流行した歌謡曲のリズムが頭をよぎります。多様な色をどうやって見せるか、発想と撮影、まとめ方がうまく連携した労作です。
「優勝・三位決定戦」(運動公園運動ひろば)=6月6日
コメント:上は優勝チームのプレイ。下右側は優勝決定戦、下左側は三位決定戦。石渡チームはどちらにも出場し優勝と三位に。
講評:金銀銅を決める戦いぶりを組み写真で表現しました。中央の電柱を二枚とも軸に配置、戦いの流れが読み取れます。

【小池 公雄】

「水瓶を跨いで」(長野市裾花大橋)=5月25日
コメント:梅雨にそなえてか、水位を少し下げて見える長野市の水がめ。ここを通るたびに、湖底に水没した泥んこ道を走るボンネットバスに乗った記憶が蘇る。異常気象の中、夏の水不足の対応お願いします。
講評:通常の水位が水面の上に白っぽい線状になって見えます。その底にあった道、走るボンネットバス・・・。今は、上部にできた赤い橋を渡り基幹道路が走ります。何か小池さんの記憶がボーっと透けて見えてくるようです。その頃の写真があると貴重です。
「光彩」(中野市一本木公園)=5月29日  
コメント:むせ返るほどのバラの匂いと、色とりどりの花に圧倒された「バラ祭」でした。見るほどに見事な花の造形美に吸い寄せられる感じでした。
講評:手前左側のバラの固まりをデフォルメし、右側向こうの固まり、青空と遠近法を使い作画できました。左手前の斜めにあるバラ3輪、空の斜めの雲がバランスよく印象的です。
「もう限界」(長野市戸隠=旧柵村)=6月9日
コメント:かつては9軒/20数名が暮らしていた集落でしたが、今は3軒、4人の集落に。人の数より獣の数の方が多いと嘆く住民。ダルマにも応援してもらいます。
講評:それでも故郷を捨てず、営々と暮らしが続く。その生き方や故郷に寄せる想いがひしひしと伝わってくる作品です。錆びたトタン屋根、切れたまま放置されたハウスのシート・・・。住む人の人数、年齢などを連想させてくれます。ダルマや左側のキショウブの花に生活力というか生活感を感じます。手前に畑の片鱗が垣間見えますが、できれば畑を大胆に入れ、農作業をするお年寄りを点景に入れた構図もよかったのでは・・・。もちろん、背景はこのまま。

石渡写真クラブ月例会(5月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(5月)作品&講評
 石渡つうしんへの作品発表が遅れ6月に入ってしまいましたが、桜も新緑も終わりすっかり初夏の装い。異常気象とはいえ、梅雨入り前の暑からず寒からず、一年で一番過ごしやすい季節となってまいりました。
 今回の例会作品は、長い冬から春を迎え「待ってました」とばかりに花開いた桜を中心に、花桃、ニリンソウとリュウキンカ、ネモフィラ、チューリップなど花の作品が多く寄せられました。花を通して、作者側も「やっと春が・・・」とシャッターを押した気持ちが伝わってきます。
 さて、ぼつぼつ爽やかな季節から、うっとうしい梅雨、そして夏本番。そんな季節の移ろいにカメラを向け、ともに頑張っていきましょう。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
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※作品・講評の順番は、会員の氏名をあいうえお順に、月ごとに逆にして紹介しています。

【倉澤 利和】「ヤアーイ!こんにちは」(佐久市千曲川スポーツ交流広場)=5月5日
コメント:5月3~5日に行われました佐久バルーンフェスティバルに行ってきました。5日、最終日でしたので会場は人盛り。熱気球係留体験が行われていました。
講評:ありきたりですが、気球が大空高くたくさん写っている写真はどこかで見たことがあり、見栄えはするものの「またか」とあまり新鮮味がありません。盛りだくさんのイベントがあったかと推測しますが、この作品はそのようなものではなく、「体験」の模様とのこと。右下にのんびりと見学する家族連れを配置、グラウンドの中には気球二基と順番を待つ人たち・・・。のどかな春のひと時が感じられます。「ケンシロウ見参」(佐久市千曲川スポーツ交流広場)=5月5日
コメント地元佐久出身の漫画原作者武論尊さん、漫画で人気の北斗の拳主人公のケンシロウがデザインされた熱気球です。
講評:1昨年の県展の入選作品に、アニメの主人公が描かれた気球を題材にしたものがあったかと記憶しています。気球の間近まで迫りワイド系レンズで上がる寸前の大胆な作品でした。倉澤さんの作品はやや遠目ですが、目の付け所は同じ。ケンシロウが佐久平の空を独り占めしているような感じがいいです。

【小池 公雄】

「凛として」(松本城)=4月12日
コメント:画面いっぱいの桜に囲まれた松本城を撮ろうと思いましたが・・・。
講評:お城だけではどう見ても(撮っても)面白くも何ともないですね。花でも山でも、建築物でも、人物でも、そのものをズバリ撮る方法もありますが、その中に息吹というか作者の思いなどを込めなければならず、表現方法としてはやや難しい。そこで、一歩、プラス何かを絡めての手法になります。遠近はとにかく周りにあるありとあらゆるものを画面の中に整理整頓し、主題を中心に画角を決めていきます。その意味で、ずばりお城だけでなく、左に桜の花、右には常緑の樹木を入れ、散策する人たちをあしらい、それらに囲まれて「春」を迎えた松本城が控えめながら存在感があります。タイトルのように「凛として」見えます。
「春の稜線」(飯縄山頂付近)=5月2日
コメント:近隣の山の頂をまぢかに感じながら稜線を行く爽快感を何とか表現できたらと思いました。
講評:笹を覆う残雪、芽吹き前のシラカバと冬から目覚めたばかりの山頂の様子が軽快に描かれています。シラカバの向こうには、妙高連山も遠慮気味に顔を出し爽やかさが伝わってきます。

「高原の芽吹き」(飯綱高原柳沢の池)=5月2日
コメント:林を抜けた途端に、降りてきたばかりの山の頂と、湖面に映る空の青・芽吹きの若芽色の景色が目前に開けました。ハッとした美しさを切り取れればと思いました。
講評:樹林帯を走るバードラインをショートカットした道路沿い。池に写った新緑や空を二分割構図でまとめました。空色も投影した水面の方が鮮やかで、くっきりと浮かび出た雲とともにハッとした美しさが表現できました。

【高山 三良】

「サクラと遊ぶ」(長野運動公園)=4月13日
コメント:今年の桜はどう撮ろうかなー、サブトラックを散策していました、お花見と食事とスポーツを済ませた家族連れが帰るところでした。まだ遊び足りない様子。
講評:年年歳歳花相似たり。また今年も咲いた運動公園の桜。そうは言っても、今年はどうやって?と頭を悩ませたとのことですが、人それぞれの動きが違った感じで捉えられ味わいある作品となりました。左の子どもがペットボトルを手に打ち上げたバトミントンの羽を見上げ、その先に空中高く上がった羽。それを見届ける?お姉ちゃん。その右には軽やかに足を広げ腕を大きく振り上げた少年。さらにその右には、ザックを背負い、クーラーボックス様のものを手に左の人物方向に向かってくる女性。それぞれの関係性は不明ですが、咲いた桜の花に集う人物群像をいいタイミング、瞬間で捉えることに成功しました。
「霧のリゾート」(いいづなリゾート)=5月1日
コメント:水芭蕉は大きな葉っぱに、ニリンソウは霧雨でつぼんでいました。ニリンソウとリュウキンカの共演は見ごたえがありました。
講評:お日様が差さないと花を開かないのはフクジュソウと同じですね。花は白い点にしか見えませんが、向こうのリュウキンカの黄色、霧とのコラボレーションでしっとりとした高原の湿地帯の雰囲気を捉えています。右の大木がアクセントとなり、画面に安定感を与えています。

【中島 弘】

「花桃の小路」(上田市武石余里)=4月28日
コメント:上田市武石の花桃を見に行ってきました。川沿いや道沿いの花桃並木が見事でした。花桃と言えば阿智村の月川温泉が有名で華やかさがありますが、武石の花桃は周囲の山々と調和して素朴な田舎の原風景を遺していました。
講評:手前右と上部に大胆に花桃の枝をあしらい、くねくねとした花桃街道が向こうに延びていく。さらに民家が点在、里山が左右から入り込み、その向こうには小さい山(丘?)、青空・・・。どんどんと先へ先へといざなわれるような錯覚を覚える遠近感が強烈に出た作品です。手前左下の道路の影も、無粋なアスファルト空間を埋めいい感じで落ち着かせました。
「城址の枝垂桜」(小諸懐古園)=4月19日
コメント:桜を撮り損ねたので開花が遅い小諸城址に行ってきました。桜は散り初めでしたが、枝垂桜が見頃で淡い色がなんとも清楚で春らしさを醸し出していました。
講評:桜の花は、とかくぼてっとした塊の花の写真に陥りがちです。が、清楚ないい感じの小枝を見つけまとめました。およそ100㎜の中望遠を使い、絞りもF4と開けて前景、背景をぼかし、主題を強調できました。できれば、ぼけてもいいですが、背景にお城の片鱗などが入ると・・・。

【早川 球喜】

「なんじゃもんじゃ」(善光寺参道=アーケード通り近い)=5月7日
コメント:5月7日付の斜面(信濃毎日新聞)に「長野市の善光寺表参道沿いにで『ナンジャモンノキ』と説明が添えられた街路樹に、今年もいっぱいの白い花がついた」との記事が掲載されていました。いにしえの記憶が蘇り、名前につられて写真撮影に出かけました。長野では初めて見ました。
講評:私もかつて、松本平の南西、島々から入った奈川渡かいわいにこの木があると記憶がありますが、実際に見たことはなく、この作品で初めて見ました。また、同じ記事も読みましたが、「では」っと腰を上げることもなく、早川さんの行動力に脱帽です。参拝者を歓迎する吊り花もあしらい、周辺のビルや道路、車などから市街地の環境がよくわかります。ただ、ワイド系レンズのため、画面がやや右下がりでビルなどが傾き不安定です。右端は垂直で一見いい感じに見えますが、この手の場合は画面の中央線を垂直にするのが常套的な加工方法です。矯正加工してみました(写真下)。

【廣澤 一由】

「ネモフィラの丘」(茨城県ひたち海浜公園)=4月22日
コメント:ネモフィラの丘は、満開の花を見に訪れた人・人・人で大混雑であったが、こんもりした丘一面の花に感動した!
講評:圧巻ですね。淡白なブルーがきれいですね。(植栽が)人工的なものと言ってしまえばそれまでですが・・・。上下に二分割され、空のスペースが多めです。画角を少し下げ空を削り、花をもっと入れるとよかったかと思います。ならば、加工段階で上部を半分トリミングし横ワイドに仕上げる方法もありです。後、狙い方としては、人、人、人をあしらいながら、花の群れ、人の群れをうまくマッチングさせる撮り方もあったかと思います。
「多彩な花園」(茨城県ひたち海浜公園)=4月22日
コメント:多色、満開のチューリップ園は、色々な種類のチューリップで彩られ、メルヘンの国を思わせる景色であった。
講評:この作品もやはり二分割され、主題のチューリップが弱められています。上の部分の半分くらいはカットしてみましょう。

【宮澤 一成】

「蜘蛛の化身」(高山村)=4月12日
コメント:高山村の五大桜の一つ、水中のしだれ桜です。まるで巨大化した蜘蛛が、足を広げているような感じがします。
講評:擬人化というか木の枝ぶりを昆虫、クモに見立てた作品。目の前にある物や光景を別の視点で想像を巡らせて作品とする。典型例として今の残雪時期の雪形がありますが、写真の一つの楽しみ方と思います。大いに創造たくましくしてほしいと思います。花の間から垣間見える枝が八方に伸びたクモの脚のよう・・・。そう言われて見ていればだんだんとそう見えてきます。で、鑑賞した人も「なるほど」と。撮った思いをそのままタイトルに反映していますが、このように素材と対峙したとき、何を感じるか、それをどう表現するかということが大切。逆に言うと、タイトルを付けやすい感動を持つこと、見方をすることが、主題が明確な作品を産む一歩です
「倒れるぞ~」(高山村)=4月12日
コメント:こちらも五大桜の一つで、赤和観音のしだれ桜です。斜めに伸びた太い幹、支えが無ければ間違いなく倒れるでしょう。
講評:支えがないと倒れそうな老木。超ハイアングルから切り取り新鮮な感じとともに、今年も花を咲かせた生命力が感じられます。右下に男性を点景に入れて大きさを表し、C構図の背景の道路も流れを演出しています。ただ、濃いブルーの車はいるか、いらないか?迷うところです。スローシャッターでぶらす、別の色ならいい、いっそうのこといらない・・・。

【吉田 幹男】

「春の空」(須坂市臥竜公園)=4月13日
コメント: 臥竜公園から北信五岳の山並みを桜の背景にと思い出かけたのですが、黄砂もあるのか霞が強く春の空は残念。                                                               
講評:確かに上の写真の遠望する北信五岳の峰々は黄砂でしょうか、春霞でしょうかくっきり見えず残念です。思い切ってアングルを変え、別カット(下写真)はすぐそこの山やお寺など周辺の環境が入り、水面に桜も映り込みうまくまとまったと思います。水鳥でもいるとなおよかったかなと思います。

石渡写真クラブ月例会(4月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(4月)作品&講評
 新年度、令和6年度の月一回の例会がスタートしました。新しく小池公雄さん(8常会)がメンバーに加わりました。写真を通して、区の文化活動や会員相互の親睦、生きがい作りなどをともに目指していきたいと思います。負担にならないよう、楽しくやっていきましょう。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品・講評の順番は、会員の氏名をあいうえお順に、月ごとに逆にして紹介しています。

【吉田 幹男】

「一足早かった」(小布施町岩松院門前)=4月10日
コメント:仁王門にかかるソメイヨシノがもう少し咲いていればよかったが、残念。写真の水平も取らずに気持ちも悪いですね。                           
講評:そうですね。参道の両脇にある桜が咲いていればにぎやかだったでしょうが残念です。狙いを定めて足を運んでみても、肝心の花が早かったり遅かったりいろいろです。天候も左右します。が、これも写真の楽しみのひとつ。雨や雪降りであっても、それが意外といい作品になることもあります。諦めずに、肩の力を抜いて、写真を楽しんでいきましょう。来年こそ!です。水平(傾き)はそんなに苦になりません。ワイド系レンズで上部に向かって垂直のものが歪曲した場合は、ほぼ中央部分の被写体の主軸の線を直立に近い感じにしておけばOKです。

【宮澤 一成】

「春の始まり」(信州新町ろうかく梅園)=4月5日
コメント:新年度を迎え、いよいよ花の季節が始まりました。やはり、最初は梅の花からかなと思い撮影に。縁起が良さそうな紅梅と白梅を撮ってみました。
講評:紅白の花を対比して並べて見せ、印象的です。左下には犀川の水辺も垣間見えしっとり感が漂います。実の採取とともに観光目的を兼ねた梅園なので、点景に観桜客がいるとよかったです。
「複雑怪奇」(信州新町ろうかく梅園)=4月5日
コメント:梅園の中に、やたら曲がりくねった幹を見つけ、懸命に生きようとする生命力の凄さを感じました。私もあやかりたいものです。
講評:小池さんの作品「定年変更」(更埴市森の杏畑)が出てきますが、場所も日時も姿も違いますが古木の点で似ていますね。老いても花をつけ見る人を楽しませる。生命の力強さ、不思議を感じさせてくれるいい素材を発見、作画したところがいいです。感動が伝わってきます。作品を見た人も元気をもらいます。

【廣澤 一由】

「カタクリの群生」(上越市春日山)=4月2日
コメント:春日山城の本丸付近にカタクリの群生があり、遠い昔の人もこの可憐な花を見て、心を癒していたのだろうと想いを馳せた。
講評:この作品は「線」をキーワードに見てください。左側の上部から右下に下がった斜めの斜面、そこに主題のカタクリ。その向こうの擁壁に育つ木々の枝が林立。一段下がった向こうには右から左に傾斜した斜面の中央に一本の道路。その道路も途中で「くの字 」に。「線」が巧みに交差し、見る人を飽きさせないアクセントのある作品になりましたが、道路に散策の人影がないのが残念。
「残雪わずかな飯縄山」(柳原東部公民館西)=4月10日
コメント:早春に咲くスイセンが咲き誇る先には残雪が少なくなった飯縄山が見下ろしている。もうすぐ田んぼが耕され、田植えの準備が間近に感じられる春となった。
講評:春の花スイセンと残雪も少なくなってきた飯縄山を入れた春たけなわの光景。でも、農作業はまだこれからという初夏にかけての狭間を描写していますが、やや空が多めかなと思います。雲などがあればですが、もう少しカットしてその分だけ下を取り入れたらと思います。水田の広がりを表現するとすれば、ちょっとした脚立程度のハイアングルで狙うとスケールが出たはずです。

【早川 球喜】

「湖畔の桜」(須坂市臥竜公園)=4月11日
コメント: 臥竜湖畔の桜が花を付けました。まだ3分或いは5分咲きでしょうか、重なるように咲き始めた花は、「華」と表現して良いようなはなやかさをたたえていました。
講評:桜並木が右端のほぼ中央から左の上と下に向かう「放射構図」でリズム感が出ました。惜しむらくは右下の池が単調で、ボートとか野鳥など点景が入ると「華やかさ」が一層増したかと思います
「くんしらんが咲きました。」(自宅)=4月
コメント:数年前に近所の方から頂いたものですが、今年も見事なオレンジ色の花を付けました。
講評:見事に咲いたクンシランの大輪が2つ。さて、画面の中のどの位置に花を置くか、アングルは真正面がいいか 、部屋の中、玄関とはいえいろいろと迷ったかと思います。花は画面の中にある「黄金分割点」にほぼ合った位置に配し、玄関の置物などをさりげなく入れ込み、いい感じの作品に仕上がったと思います。ストロボ一発で花が浮き出ましたが、ノーフラで撮影すると葉の部分、周りの置物などがもう少し明るく出てリアル感が出たかと思います。

【中島 弘】

「春がキター」(長野市大岡日向)=3月15日
コメント:毎年撮影に通っている日方に福寿草を撮りに行ってきました。直前に降った雪で福寿草も雪の中。南斜面の福寿草が春を告げていました。
講評:フクジュソウはどうやって撮ってもフクジュソウ。この場所は私も2,3度撮影したことがありますが、手前にフクジュソウ、その向こうに民家や山里の広がり、そしてはるか向こうに北アルプス連山。という定番の絵柄が撮影でき、訪れた多くのカメラマンが 狙う構図で、「あ~、いい写真撮れた」と満足します。でも、その手の写真は「どっかで見たことあるな~」です。という意味で、降雪が解けた場所から咲き始めたフクジュソウを手前に入れ、北アはぼかして少しだけというアングルは新鮮な感じで、この時ならではの千歳一隅の作品となりました。桜でもミズバショウでもしかり、どうやってオリジナル作品を生み出すかに腐心してみましょう。

「陽光を受けて」(自宅)=4月7日
コメント:4月の陽を受けてリュウキンカが一気に咲きました。鮮やかな黄色と葉の艶が春のウキウキさを感じさせます。
講評:にぎやかに咲いたのは一株でしょうか二株ほどでしょうか。ファイル情報によると、レンズは300㎜の望遠で散逸する花々の距離感を圧縮させてみせる「引き付け効果」がでました。左右のやや上部と中央の花にフォーカスがきて、前後の花はぼけてはいますが、もう少しぼけ具合が強いと主題がより強調され印象的になったかと思います。ファイル情報によると絞りは5・6。もう少し絞りを開けると(5.6が最低の開放値だと限界ですが)よかったかなと思います。

【高山 三良】

「バンビのブローチ」(自宅)=3月22日
コメント:彼岸過ぎなのに前夜からの積雪。昼には溶けていました。ツララが解けながらいろんな形に。
講評:♪こじぃーかのバンビーは・・・♪。思わず、口ずさみたくなる作品。よく見つけましたね。観察力に脱帽です。写真をやっていると、物事、目に見えるものをよく観察するようになります。大小問わず、出現したもの、消えてしまったもの、珍しいもの、季節の移ろい、人の動きや表情(顔色)などなど。何気なく気が付かないものを気づかせてくれる力が養われます。写真をやると若さが保てる、若返るといわれる由縁です。写真から歌が連想される。楽しいですね。
「我が家の白梅」(自宅)=4月7日
コメント:ひっそりと淡く咲く白梅に風情を感じます。翌日には桜に主役交代です。
講評:背景は何でしょうか。一律に木漏れ日を浴びた木立のようにも見えますが、単純な背景に梅の花が浮き立ち“風情”を感じます。やや花の明暗がアンダーで、もう少し明るくしてもよかったかと思います。いやいや、何となく日陰(木陰)でひっそりと健気に咲いた感じがアンダー気味に表現されていていい・・・という見方もあります。

【小池 公雄】

「名残の朝海」(茨城県五浦(いづら)海岸)=1月22日
コメント:一晩中、大声で哭(な)きわめいていた海岸に朝が来た。粘り気を感じるような波に朝陽が当たり松の裏側から見えた景色が墨絵の様で、田舎者には珍しかった。
講評:大海原の大胆にうねった波が迫力です。そこに一条の朝日が差し込み早朝の雰囲気を盛り込んでいます。手前のシルエットになった松の木もやや斜めなのが不安定感を助長しています。絵画のような写真となりました。
「爺ケ岳眩し」(大町山岳博物館前)=1月30日
コメント:真っ青な空に北アルプスの稜線が見事に輝いていました。手前の道路を大きく入れて撮ってみましたが、山が小さくなり、稜線の主張が薄れる感じで、やめました。
講評:真正面の三つのピークが爺ケ岳。その右に二つのピーク、南峰、北峰の鹿島槍ヶ岳が残雪を抱きくっきり。その手前に広がる岳都大町市、さらに手前に自分の立ち位置の道路を入れ三段構図で奥行き感たっぷり、スケールのある作品になりました。コメントにある通り、道路はあまり広すぎずに適度な割り合いで、主題の山が引き立ったかと思います。あれこれ考えながら撮っていること、素晴らしいです。道路わきの案内看板や二人の見物人も点景となりました。
「定年変更」(更埴市森の杏畑)=4月3日
コメント:若くて旺盛な木に交じり、古株に申し訳程度の芽を残し花を付けようとしている木があった。時世の中で定年延長?を表現したかったが、できませんでした。
講評:これまで何年の間、実を産してきたのでしょうか。「長い間ご苦労様。もうこの位で・・・」、いやいや「もうちょっとリニューアルして頑張って・・・」。自分がかつて味わったターニングポイント、定年の時の感慨を重ね合わせ、シャッターを押した気持ちがひしひしと伝わってくる意味深な作品です。主題を画面の中央、真ん中に配置した「日の丸構図」が安定感を与え、老木の重厚感が見て取れます。「定年延長」は十分表現できたと思います。

石渡写真クラブ月例会(3月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(3月)作品&講評
 桜も開花が宣言。長い冬から春へと季節が移りました。新年度もスタート、地域に学校に職場にフレッシュな気分が漂います。        被写体はネイチャーものばかりではありません。身近なところの、例えば区内の行事やイベント、畑仕事、スポーツ、趣味などなど。ともに暮らす仲間にも目を向けてみましょう。貴重な歴史を刻むひとコマにもなります。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【高山三良】

「誕生カード」(自宅ほか)=2023年~2024年
コメント:長寿会の誕生会は年4回。出席できない人(40人)に誕生カードを贈りました。各季節の写真で組みました。
講評:写真は見る人の心を揺さぶります。長寿会の誕生会に足を運べなかった方にせめてものプレゼント。花鳥風月、身近なところで目にする花や鳥、お月さんなどがカラフルでにぎやかです。とりわけ外出もままならない方にとっては、さぞかし癒されたプレゼントかと思います。
「星の瞳」・別名(長野運動公園)=3月8日
コメント:春の訪れを一番に知らせてくれる可憐な花。花言葉は忠実・信頼・清らか。一つだけ花弁が紫がかっていました。「貴女がヒロインだよ」と声をかけながらシャッターを切りました。本名については先生にお任せ。
講評:花の名前はオオイヌノフグリ。2月、3月でも南向きの陽だまりで、いち早く花を咲かせてくれる春告げ花です。桜の咲くころともなると満開を迎え、畑の脇で鮮やかな空色の群生が見られます。この作品は群生というより、あっちを向いたり、こっちを向いたり、つぼみだったり、ぱっと満開のものも。それぞれが個性的で一律でないところがいいですね。その中でも紫色の花弁を見つけ、中央にどんと配置した「日の丸」構図でまとめました。

【竹内 一郎】

「石の上にも3年(何年)」(朝陽支所向かいの北八幡川沿い)=3月12日
コメント:北八幡川朝陽支所向かいのフェンス際にアスファルトに育った何の木か分かりませんが大きく育っていました。頑張れ!
講評:数年前の廣澤さんのころぼっくる園芸店前のツツジを思い出しました。電柱の支線を覆う黄色のカバーの途中、穴が開いたところからきれいな花が顔を出した作品でした。近年、新聞報道でも目にする「ド根性」作品ですね。写真を拡大してみると、用水のコンクリートとフェンスの間、根はアスファルトとの隙間で、まあ、よくこんなにも大きく育ったものですね。樹種はピラカンサと思われますが、ひっそりと静かな“人生”を過ごしてきたものです。いいものを見つけました。鋭い観察眼と写真に撮ったことが素晴らしいですね。

【中島 弘】

「春を待つ」(長野市信更)=2月18日
コメント:白馬連峰は深い雪の中。ジーッと春を待ちわびる山間地の集落の様子を撮りました。
講評:右から白馬、杓子、白馬鑓の白馬三山と唐松岳。北ア北部を代表するピークが残雪を抱き、手前の雪の消えた山とは対照的です。欲を言えば、朝一のモルゲンロートとか霧や雲があると迫力が出ますが、現実的には手間暇がかかります。無理はしないでおきましょう。
「待ちきれず」(千曲市の千曲川河川敷)=2月29日
コメント:前日降った雪が冠着山に残るなかマレット愛好者が、寒さもどこ吹く風仲間と楽しんでいるところを撮りました。
講評:こちらは、うっすらと降り積もった雪が残る冠着山を背景に河川敷でマレットゴルフを楽しむお年寄り。このころはまだ風が冷たく、スポーツもひと苦労です。冠着山の雪がやや目立ちにくい のが惜しまれます。光線状態のいいタイミングだともっと浮き出たかと思います。

【早川 球喜】

「元日の日出」(石渡八幡神社)=1月1日
コメント:石渡神社で元旦祭が始まる頃、赤い光を帯びながら太陽が顔を出そうとしています。
講評:午前7時35分の撮影(ファイル情報より)。冬の日の出は遅いですね。まだ祭りが始まる前、しらしらと明るくなってきた東の空が徐々に赤みを帯びてきました。厳粛な感動を味わえる瞬間です。ストロボ一発。右の御柱や街灯、松の木、灯篭の向こうの桜並木をシルエットにした微弱な赤い光が印象的です。

【廣澤 一由】

「花と一緒に日向ぼっこ」(自宅庭)=2月18日
コメント:・福寿草と孫が作った人形が、春の訪れを示す福寿草とのコラボ!実は鳥が福寿草を食べに来るので、その対策も兼ねて!
講評:庭先でいち早く春を告げるフクジュソウが横並びにきれいに咲きました。ただ、そのものを撮っても面白くもおかしくもない。そこで、孫が作った人形を点景に創作したところがいいですね。人形は案山子の役目も兼ねているようですが、さらに、ここに鳥とか猫とか来るとおかしさが増しますね。
「いよいよ工事調査開始!」(長野運動公園東の空き地)=3月10日
コメント:・地下に調整池、上に駐車場の工事の為の調査ボーリング工事が開始した。水害対策と駐車場増設が待ち遠しい!
講評:長くどんど焼きでお世話になった場所です。造成され、さらに住宅が増えるのかと思っていましたが、アクアウイング東のグラウンドのように地下は貯水施設、上は駐車場に変身予定とか。一見何の変哲もない一枚の写真ですが、貴重な時の流れを記録した写真です。

【宮澤 一成】

「輝く春を待つ」(自宅庭)=3月13日
コメント:かなり膨らんだ梅の蕾に、開花を遅らせるかのように雪解けの滴が付いていました。
講評:春の淡雪が梅のつぼみにかかり、滴となっている様子です。右下から左上に伸びる枝が斜め構図でアクセントというか、流動感が出ました。水滴で潤い、きれいな花を咲かせる序章が表現できました。
「気早だね」(ぱてぃお大門)=2月28日
コメント:善光寺大門付近を散策していたら、「ぱてぃお大門」内に数輪の桜の花を発見、2月末としては珍しく思い撮影しました。
講評:桜の種類は300を超すそうですが、寒い時期に咲くと珍しかったり、春への期待が込められ、見る人を一喜一憂させてくれます。確かにこの桜は2月28日に咲いたものに間違いないと思いますが、背景に何か寒さを表すものを入れ込むと対比できて一層、寒中の桜として引き立ったかと思います。

【吉田 幹男】

「寒さに耐えて」(自宅)=3月7日
コメント:雪割草の花が、今年は室内に置いたため一足早くさきました。                                                                      
講評:雪を割って花をつけるところから「雪割草」と呼ばれます。ミスミソウやオオミスミソウ、スハマソウなどを指し、地域によってはフクジュソウを指すこともあるようです。参考までに、過去小生が書いた関連記事を参考までに掲載しますのでご覧ください=下。吉田さんの雪割草は、葉が丸いところからスマハソウではと思いますが、記事にあるように野生種の花の色は白が多いそうです。レンズの最短距離のためか、元画像はやや周辺に余裕があり過ぎなのでトリミングしてみました。

週刊長野=2018年4月21日。講師の連載企画「北信濃の動植物をたずねて」より

石渡写真クラブ月例会(2月)作品&講評

 

石渡写真クラブ月例会(2月)作品&講評
 つい先日までは4月並みの暖かい日が続いたかと思えば、また冬に逆戻りし寒い朝が続きます。でも、確実に太陽の光は強さを増し、一歩一歩春に近づいていることを実感します。わが庭先のロトウザクラのつぼみも膨らみ始め、少しだけピンク色になってきました。
 三寒四温の繰り返しで間もなく春彼岸。「暑さ寒さも彼岸まで」です。
 更埴のセツブンソウ、大岡や七二会のフクジュソウ、里島発電所奥、朝日山山ろくのカタクリなどスプリングエフェメラル(春の妖精)と言われる花々が咲き始めています。私たちも、冬眠からぼつぼつ目覚めて野に山に出かけましょう。
 アンズ、桜と忙しくなります。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【宮澤 一成】

「福豆ちょうだい」(善光寺)=2月3日
コメント:善光寺節分会の福豆を貰いたくて、一生懸命手を伸ばす子供たちが可愛かったです。
講評:肖像権の問題がすぐ浮上してきますが、福を求める人たちの普遍的な行事なのと、特段写っている人物の表情や動きを意図的に揶揄(やゆ)するようなカットではなく大丈夫かと思います。ただ、中央の黒服の大人がやや邪魔?で重苦しい感じがします(失礼)。もう少し、立ち位置を半歩左にし、男性を画面右に追いやって、ほかの皆さんの表情を見せると迫力が増したかと思います。

【廣澤 一由】

「いただきま~す!」(自宅庭)=2月7日
コメント:30㎝を超す久々の大雪による食糧難に、りんごを提供したところ、ヒヨドリが早速見つけてついばんでくれた!
講評:前回は珍しいツグミでしたが、今回はヒヨドリ。ヒヨドリには申し訳ないのですが、羽の色が地味でインスタ映えしない鳥です。どうするか?何か動き(アクション)を狙うしかないです。高山さんの作品「羽ばたき」のように羽を広げた瞬間とか、ほかの鳥と餌の奪い合いなどなど。その意味で餌をついばんだ瞬間をうまく捉えました。

【中島 弘】

「雪国の日常」(飯山市)=1月17日
コメント:雪国の日常の一瞬を撮りました。
講評:以前、道路脇の雪の壁沿いに歩く老婦人の作品がありました(2022年2月例会=写真下)が、同じ場所だそうです。人物や車が行き交う雪国の生活道路なのでしょう。比較してみると雪の多さの違いが分かり、地球温暖化の一途をたどっていることがはっきり分かります。貴重な記録写真です。
「生活をつなぐ一両」(栄村)=2月4日
コメント:JR飯山線の森宮野原駅近くの橋の上から、豪雪地帯の生活を支える小さな一両を撮りました。通過時刻に合わせ待機し、久しぶりにシャッターを押すワクワク感を楽しみました。
講評:左を流れる千曲川、それに沿って走る飯山線。構図は逆ですがアルファベットの「C」構図で画面全体に流れを演出しています。それだけは味気ないので、電車一両を付加、計算通りの作品に仕上がりました。
※原稿を出稿した12日、信濃毎日新聞の14・15ページに同じ場所の写真がドーンと掲載。季節は秋ですが、東日本大震災の翌日に栄村を襲った地震特集でした。
早13年。備えあれば…です。

【竹内 一郎】

「ごはんですよ」(渋温泉地獄谷)=1月24日
コメント:お猿を見たいと孫が、何年かぶりに地獄谷に行きました。9割ほどが異国の人でにぎわっていました。ちょうど餌を撒く時間帯に遭遇、飼育係の後を追いかけてゆく姿が何とも!
講評:中央に餌をまく人がいて、ばらまかれた餌を求めて集まった猿たち、それぞれの姿態が面白いですね。お腹を満たすのに必死のようです。餌をまく人がこっちを向いているとなお、よかったかなと思います。
「見つめられると照れるじゃないか」(渋温泉地獄谷)=同
講評:こちらは1匹のポートレート。竹内さんとにらめっこした瞬間をパチリです。周辺の倒木や岩がサルを中心にほどよく分散しながら中心のサルを囲んだ「日の丸構図」で、見る人を主題のサルにすーっと視線誘導してくれます

【高山 三良】

「羽ばたき」(自宅)=1月9日
コメント:メジロ、ツグミ、ムクドリ、ヒヨドリ、オナガなどがエサ台にきてくれます。ジョービタキ、スズメはリンゴが好きではないようです。エサ場の交代を撮ることができました。
講評:オナガ2羽が餌場から飛び立った瞬間を止めました。写真の持つ特性“ぶれ”を使い、写真でなければ見えない(分からない)世界を表現しています。餌台のリンゴやナンテンの実は静止し、鳥は動き「静」と「動」が対照的に同居した作品です。
「一度きりの姿」(柴山から(運動公園))=1月17日
コメント:散歩の途中で珍しい雲を見かけました。常に形を変えています。同じになることはありません。
講評:いい被写体を見つけ写真に収めました。似た状況はしばらく続いたかと思いますが、刻一刻と姿を変えてゆくところをよく観察、その感動が伝わってきます。大げさに言えば、地球が誕生して約 50億年のうち、一回だけの場面に遭遇、そのことに思いを馳せながらシャッターを押した気持ちがタイトルやコメントに込められています。一期一会を写真に記録しました。

【倉澤 利和】

「楽しいのだ!」(自宅)=1月8日
コメント:雪が積もった日、孫が雪かたづけにきてくれました(遊び)。手袋もはめずに頑張ってくれました。
講評:雪かきスコップを遊び道具に?笑顔がいいですね。ストレートに一生懸命雪かきをしている場面でなく、その前後のちょっとした動きを狙ったところがいいです。子どもらしい雰囲気が伝わってきます。

石渡写真クラブ月例会(1月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(1月)作品&講評

 年の瀬からお正月と暖冬傾向の中穏やかな日が続き、節分、立春を迎え「もうすぐ春ですね」。と安閑としていたら、ドカッと久々の大雪にびっくり。しかし、翌日は雪晴れの天気で雪も一気に解け、「やっぱり暖冬か」。
 今月は、そんな暖冬の中の年末年始、どんど焼きなど暖かな作品が目立ちました。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【倉澤 利和】

「頑張る(熱い)」(運動公園東側(ホクト)駐車場)=1月8日
コメント:毎年恒例のどんど焼きが行われました。燃え盛る火の中、無事に願いを聞いて目を入れてもらいましたので熱くてもこらえます。今年でこの場所での開催は最後になるとの事、伝統文化がうすれていく中、場所を確保して頂き行事が続く様願います。
講評:1年の無病息災を一身に背負い護ってきた役目を終え、今は静かに身を滅するダルマ。ご苦労様でした。でも、最後とはいえ熱いね。そんな思いを込めてシャッターを押した作者の思いが画面から伝わってきます。

【高山 三良】

「仲良しR6」(自宅)=1月8日
コメント:今年も来てくれました。最初は一羽、翌日二羽で。ヒヨドリ、オナガの留守を狙って忙しい食事です。
講評:兄弟か夫婦か分かりませんが、中むつまじい雰囲気が感じられます。主題のメジロや周辺のナンテンの実や葉が斜光に映え、背景のぼけもいいです。
「直立不動」(運動公園駐車場)=1月8日
コメント:今冬初めての降雪がどんど焼きの日。積雪20cm。東を向く男たちがいた。
講評:突然の雪に見舞われた中、恒例のどんど焼き。組み立てられたやぐらを燃やし、残り火でお餅や繭玉などを焼き食べるだけの行事ですが、毎年同じことの繰り返しで被写体としては難しい素材です。粛々と行う一連の動きは代わり映えがしません。その中で何を感じ、何を、どうやって表現するか、写真を見てもらう人に何を訴えるか・・・。難しいだけに、そこが腕の見せ所ですね。その点、燃え盛るやぐらの向こうに人間が横並びに立つ様子に何かを感じた。その“何か”がよく分かる一枚になったと思います。

【竹内 一郎】

「参道のクリスマス」(善光寺)=昨年12月24日
コメント:善光寺は無宗派の寺院です。参道入り口のクリスマスイルミネーションの中、善光寺でお参りする人でごったがえしていました。
講評:結界された神聖な善光寺と娑婆の世界との境。西洋のキリストの生誕を祝うクリスマスの雰囲気が向こうに垣間見え、その光が日本のお寺の参道石畳に映し出され、あっちとこっちが微妙に交錯する作品に仕上がりました。

【中島 弘】

「犀川の風物詩」(安曇野市犀川)=昨年12月20日
コメント:白鳥飛来の情報が入ったので、撮影に行ってきました。約60羽の白鳥がゆったり羽根を休めていました。傍らで写真愛好家がシャッターチャンス狙っているいつもの風景がありました。
講評:今シーズンも飛来したコハクチョウとカメラに収めようとするカメラマンたちのさりげないショット。雪もなくのどかなひと時は、悠久の時の流れをも連想させてくれます。
「今年の目標」(長野市千曲川)=1月5日
コメント:新年早々、マイナス7度の早朝、千曲川の土手を散歩している人を見かけました。「今年の目標はメタボ脱出かな?」なんて勝手に想像してしまいました。
講評:堤防の枯れ草や果樹の枝にびっしりと張り付いた霜。見事ですね。向こうの下は川霧でしょうか、さらにその向こうの山並み、上の雲と青空が寒い朝の雰囲気を一層盛り立てています。アスファルトの道が人工物なので無粋といえなくもないのと、人物がやや小さめか。

【早川 球喜】

「どんど焼き」(長野運動公園陸上競技東側空地)=1月8日
コメント:どんど焼きは、年神様を見送る火祭りだそうですが、今年も成人の日、西日が傾く頃火入れされました。
講評:倉澤さん、高山さんと素材が同じどんど焼きですが、三人三様、それぞれに視点が違い、個性が出ました。この作品はやぐらを二基入れ、ポイントを西日の太陽に絞っています。ややアンダー気味にし、人物の影や立ち上る煙などが逆光に映え独特の雰囲気が出ました。惜しむらくは、もう少し太陽の上のスペースがあると窮屈感が払しょくされました。

【廣澤 一由】

「夕闇のサブトラック」(運動公園サブトラック)=昨年12月28日
コメント: 誰もいなくなったサブトラックがオレンジ色のライトに照らされてひっそり一日の疲れを癒やしているようだ。飯縄山が綺麗にバックを飾っていた!
講評:「ファイル情報」から撮影は17:16分。短い日に、灯り始めた照明の明かりがいい感じで捉えられました。向こうには飯縄山やまだ残る青空。夕暮れ時の一瞬をタイミングよく切り取りました。いい素材に気が付き、色調豊かに表現できました。
「赤い実を食べた!」(自宅庭)=1月8日
コメント:今季初積雪で、ツグミが食べ物を探しに舞い降りた!でも赤い実は種が大きく実が少ないので長居はしなかった!
講評:庭先に飛来する野鳥はヒヨドリが圧倒的に多いですが、運よくツグミ。すかさず収めましたね。惜しむらくは、できれば実をついばんでいるショットとか静止する前後の羽がきれいに広がったショットとか、何か動きがほしいかなと。それと、背景が単純な色彩なので、思い切って鳥の部分を明るく、コントラストを上げ加工してみました=写真下。

  

【宮澤 一成】

「雪のない初詣」(善光寺)=1月2日
コメント:最近にない、寒さを感じさせない初詣でした。
講評:暖冬の予報通り、雪のない穏やかな年の明け。さりげない写真ですが、日時をきちんと明記し残すと、貴重な記録となります。
「酷寒の明けがた」(千曲川リバーフロント)=1月5日
コメント:霜が降り、薄霧のかかった氷点下4℃の早朝です。
講評:早朝6時47分とファイル情報。びっしりと降りた霜が手前の枯れ草に、その向こうには左からやや下降気味に規則正しく並んだ林がリズミカル。さらにその向こうは川霧でしょうか、右上には青空が顔をのぞかせぽっかりと残月。ビバルディーの「四季」の旋律を想起させてくれます。シンプルにまとめ、空気感たっぷりです。

【吉田 幹男】

「漸く白くなった」(東長野病院手前のすくすく保育園前)=1月9日
コメント:漸(ようや)く積もった雪が、市内と山並みを白く染めてやっと冬らしくなりました。市内と山並みを撮りました。          
講評:暖冬傾向で大晦日から年明けは雪もない穏やかな年初めでしたが、やっと白くなった銀世界に思いを寄せた吉田さんの気持ちが伝わってきます。温暖化が進まないためにも、少しは寒いくらいのほうがいいですね。例会に元の画像とトリミングしたものと二枚出品。画面真下の中央にガードレールに取り付けてある反射装置でしょうか、黄色の丸いものがあり、これをカットしたものです。確かになくなりましたが、向こうに新幹線の高架がありますが、その間が窮屈になってしまいました。

【加工時の作業を撮影段階にフィードバック】 
 吉田さんの例は、撮影後に気が付きトリミング加工したわけですが、できれば撮影段階で気が付いて、立ち位置を高い場所や脚立を利用しハイアングルから撮影するとよかったかと思います。後で困らないように?最初、つまり撮るときに工夫することをお勧めします。
 加工。撮影した元の画像をいろいろといじくる作業ですが、仕上がりイメージとして主題を引き立たせたり、余計なものを除去したりすることを指します。露出としては暗めのアンダー、逆に明るめのオーバーの明暗調整、眠い感じのフラットなものをくっきりとさせるコントラストの強弱、画面が傾いた場合や歪曲した場合の矯正など第三者により効果的に見ていただく作品に仕上げる作業です。
 撮ってしまったものは撮り直すわけにはいきませんね。従って、あるものを最大限見栄えよく加工せざるを得ません。最終的に自分の納得行く作品にまで加工できず、仕上がらない場合はそこでおしまいです。
 そのことを含め、撮った画像データを加工するさまざまな作業は、ただそれで終わりにするのでなく、今後に生かしていただきたい。つまり、露出、左右前後、高い低い、ズーミングでアップもしくはルーズ(ひく)、傾きなどなど加工段階で学んだ作業を撮影の段階で思い出し、シャッターを押していただきたい。せっかく学んだ、加工してみて体得した知識を、撮るときに生かしてもらいたいということです。
 写真を撮るという行為は回りまわっています。写真が上達してゆくには、その繰り返しがあればあるほどいいと確信しております。加工を最初の撮影に生かしましょう。(増田)

石渡写真クラブ月例会(12月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(12月)作品&講評
 あけましておめでとうございます。年があけてしまいましたが、昨年12月の例会作品をお届けします。
 元旦から能登の地震、羽田の飛行機事故とテレビにくぎ付けの年はじめとなりましたが、先の一年はこれからです。せめて明るく、楽しい年にしていきましょう。
 本年もよろしくお願い致します。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【吉田 幹男】「カクタスのへそ曲がり」(自宅)=11月30日
コメント:カクタスが咲く時期になって家に入れたり、移動したりすることでせっかくついた蕾が、昨シーズンはすべて落ちてしまいました。今年は、三つの蕾から一つだけ咲きました。                                                                              講評:貴重な一輪ですね。一生懸命手をかけて咲くのを心待ちにしてきた作者の心情がそのまま写真に現れています。家の中ですが、背景を単純化し花を浮き立たせています。ピントもシャープです。さらに引き立たせるために、色調、トリミングをちょっとだけ加工してみました(写真下)

【宮澤 一成】「晩秋」(善光寺山門)=11月15日
コメント:山門近くのイチョウの木に銀杏を発見、こんな所にあるとは知りませんでした。
講評:山門の東脇にあるトイレ前に確かにありましたが、雌木で銀杏が成るとは私も知りませんでした。長玉(望遠レンズ)でぐっと被写体を引き付け、背景にお堂や灯篭、提灯などを配した点はいい感じです。ややアップ過ぎて窮屈な感じがしなくもないです。もう少し引いても(周りを入れ込む)よかった。

「健やかに」(善光寺)=11月15日
コメント:七五三で訪れた親御さんが手を合わせて、何をお願いしているのかな。
講評:上記使用の望遠レンズのまま、合掌する親子をパチリ。こちらは母親の頭が少しカットされてしまいましが、それが普通のスナップと別の感じで斬新な感じの作品になりました。望遠のため、気づかれずに祈る表情を的確に瞬時に捉えています。

【廣澤 一由】「スキーシーズン近し妙高山」(妙高赤倉温泉)=11月15日
コメント:この時期にしては珍しい日本晴れ!スキー客で賑わうスキー場も、今は草木が目立つ。雪が待ち遠しい妙高山が青空に輝いていた。
講評:暖冬で雪がないスキー場。山頂付近が少しだけ白い妙高山を背景にまとめています。雪不足を暗示するかのような真っ青な空がなんとも皮肉っぽく見えます。

【早川 球喜】「日没」(運動公園)=12月13日
講評:テニスコートの照明塔の彼方に落ち行く太陽を入れ、初冬の街並みの夕暮れ時を表現。目いっぱい明るい太陽とストンと落ちた家並みの暗さの明暗比が極端で露出あんばいが難しいモチーフです。太陽の明るさをほぼそのままに、少しアンダーな家並み部分を明るくし、トリミングをしてみました(写真下)。

【中島 弘】「見守って」(千曲市)=12月8日
コメント:山の中腹の斜面に鎮座する祠とご神木のケヤキが眼下の集落を見守っている様子を撮りました。
講評:長野自動車道姥捨SAがすぐ眼下に見える山側の高台、道路沿いにある祠です。SAで分断されてしまいましたが一帯の集落の人たちの拠り所。アングル的に無理だったかと思いますが、できればその集落を背景に盛り込み関係性が出てくるとよかったかなと思います。

「乱舞は風任せ」(千曲市稲荷山)=12月8日
コメント:間もなく飛散するススキの穂が、風任せの乱舞にワクワクしている様子を撮りました。
講評:逆光に映えて晩秋の情緒たっぷり、素晴らしいですね。左上から右下に斜めに林立するススキの穂が固まった感じから周辺に向かい徐々に少なくなっているバランスも絶妙です。「ワクワクしてるよう」と感じた通り、何かそれぞれの穂一本一本が生きているようにも感じます。

【竹内 一郎】「瘤(こぶ)」(戸隠奥社参道)=8月12日
コメント:八月の作品です。奥社参道を歩いている林の中に瘤がいっぱいある木が目に入りました。人間でいう怪我をした後のかさぶただそうです。人間も年を取るとシミ、いぼなど色々とでますね。この木も長い歳月を経て苦労した木ですね。
講評:ミズナラでしょうか。奥社参道といえば「杉並木」が格好の被写体として登場しますが、面白いところに目を付けましたね。自分の(人間の)姿に比喩し、その生い立ちまでに思いを馳せた視点、着眼点に竹内さんの芸作風を感じます。タイトルもそのまま素直なもので、作品と符合して素敵です。

【高山 三良】「紅葉のトンネル西東」(運動公園)=11月23日
コメント:弓道場に続く木立の歩道があります。行くときは東から、帰りは西から。
講評:左は弓道場へ向かう東からの木立。反対に西から撮ったものが右。小生のウオーキングコースでもあり親しみがあります。太陽と月、陰と陽、男と女、雄と雌、黒と白、高い低い・・・。世の中、相反するものがたくさんありますが、そんな物だけを狙ってみるとか、組み写真でまとめてみると存外面白いかもと思います。

「難を転じて」(自宅)=12月14日
コメント:お正月飾りには欠かせない南天、赤い実がたわわにつきました。
講評:雪で一面真っ白の世界ですと餌不足から、ヒヨドリなどの格好の餌となりますが、近年はあちこちで、思わぬ場所でよく見かけるようになった樹木の一つです。ヒヨドリがよく飛来する周辺で排泄された実が発芽、増え続けているものです。

【倉澤 利和】「寂しげなトナカイ」(FICT(旧富士通長野工場)工場=12月15日
コメント:旧富士通長野工場前芝生広場で毎年クリスマスイルミネーションが点灯されていました。今年は会社の社名も替わり、規模も縮小されておこなわれていました。慣れ親しんだ富士通の名前が消え、寂しい気がします。
講評:身近なところの変化に関心を持ち、それをとどめておく。これも確かな歴史を刻む写真としての大切な役割です。いつだったっけ?時がたつほどに忘れ、曖昧になる事実が写真とともに確かなものとしてよみがえります。作品としては「きれいなイルミネーション」として終わってしまいますが、写真の持つ特性を持った一枚です。

「冬を待つ長野市」(須坂市百々川河川敷)=12月8日
コメント:久々の暖かい日、久しぶりにカメラを持ち出かけました。雪をかぶった飯縄山が見られると思いましたが、残念ながらまだ雪の風景がみえませんでした。吉田地籍のアクアウイングが見えましたのでシャツターをおしました。  
講評:わが石渡区にもお馴染みのアクアウイングが中央に、その手前は上記作品の旧富士通長野でしょうか。望遠レンズの“ひきつけ(圧縮)効果”で、遠く須坂市からでもすぐそこに見える、不思議な写真になりました。さらに遠く、上部に見える白い山は北ア?早朝だと朝焼けとか、午前中ならもっとクリアに出てきます。

                          (了)

 

 

石渡写真クラブ月例会(11月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(11月)作品&講評
 今年もあとわずか。運動公園のケヤキの葉もすっかり落ち、日も短くなりました。
 文化祭直後の例会(11月9日)に持ち寄られた作品ですが、石渡つうしんに掲載するまでの処理がパソコンの不調により遅れてしまいました。ご容赦ください。
 地球温暖化の影響か今年は暑い1年でしたが、そうは言っても外はどことなく寒くなってきたこの頃。作品は、ほとんどが秋たけなわの彩り豊かな作品ばかりですが、ご覧の皆様は少し時をさかのぼりご鑑賞ください。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【倉澤  利和】

「揺れる」(志賀高原)=10月19日
コメント:石渡長寿会に参加しホテルの運転手兼ガイドさんから紅葉スポットを案内して頂きました。紅葉も見事でしたが、池に映った白樺が綺麗でしたので、シャッターを押しました。
講評:水鏡に投影する景色が風を受けて波立つ。揺れる。この景色の前に立つと、目には湖畔(池畔)上部の本物のシラカバに目が行き(脳裏に焼き付き)、水面に映じる揺れる景色は残像として残りません。つまり、残らない光景を止めて見せる写真ならではの世界。こうして作品化すると、止まった写真から不思議な世界がじっくりと鑑賞でき、別の世界へと誘われます。タイトルとともに良いところに目を付けました。

「こちらの水は甘いぞ」(自宅)=10月22日
コメント:近くに蜜を採取しているお宅があり、毎日数匹で水を飲みにきています。余程私の家の水がうまいのか?
講評:それは、うまいから来るのでしょうね。いい素材を見つけました。画面の中ににぎやかにミツバチを入れてまとめるには大変です。動きを止めるために高速シャッターは必須、アップで撮るには望遠レンズかマイクロレンズ・・・。画面右側にハチがいっぱいいたので、大胆にトリミングしてみました=写真下。まあ、この手の撮影に当たっては、動きが速いのでこの位の画角でとにかくシャッターを押しまくり、後でにぎやかな部分を切り取る(トリミング)方法がベターでしょう。

【高山 三良】

「秋景色」(飯山=小菅と神戸)=11月4日
コメント:大根や稲の取入れが行われていました。お寺の鐘楼にも大根が。神戸の大イチョウは緑のまま。境内先では稲こきが終わって籾焼きの煙が風情を醸し出していました。
講評:晩秋、冬支度の北信濃を二枚組みでまとめました。それぞれ、ダイコン干し、もみ殻焼きをモチーフに、鐘楼や田園を絡め風情たっぷりに表現できました。冬に備える人々の営々と続けられている生活感が記録されています。
「小菅の紅葉」(小菅山)=11月4日
コメント:山全体が紅葉して次から次と絶景が現れました。
講評:中央部分がやや明るめで周辺光量の落ちた右や下などの中でぽっと浮かび上がって光のシンフォニーとでもいいましょうか、グラデーション効果がでました。また、左にどんと配置したブナの木もアクセントになり、中央上に画面全体が収れんしている点もダイナミックです

【竹内 一郎】

「頂きはるか向こう」(飯縄山)=9月10日
コメント:飯縄山にチャレンジしましたが9合目でリタイア、一日がかりの登山となりました。せめて頂上の写真を収めることにと思いシャッターを切りました。偶然向こうから帰る登山者を入れてみました。
講評:登山道脇に茂る笹がボリューム感を持って迫ってきます。点景に登山者を画面に入れた努力がいいです。ストックを前に、右足を出し躍動感があり息遣いが感じられるようです。背景の左にあるシラカバの木1本、向こうに登頂ならなかった飯縄山、雲と青空がいい配置です。

【中島 弘】

「渓谷の彩り」(大町市高瀬渓谷)=10月31日
コメント:渓谷のエメラルドグリーンと紅葉のコントラストを撮ってみました。
講評:この作品も微妙な太陽光線の陰影により変化付けができた作品となりました。右側にある赤、黄などの紅葉が光に映え、左下の乳白色の渓谷の水辺も日なたと陰が織りなし、リズム感を生み出しています。
「寺の秋」(大町市霊松寺)=10月31日
コメント:小春日和の柔らかい光を表現してみました。
講評:大胆に寺の屋根を斜めに配置、それになびくように左下から屋根に向かってこれまた斜めに立ち上る紅葉の木々。斜め構図を効果的に取り入れ成功した一作です。

【廣澤 一由】

「もみじトンネル華やかに」(もみじ湖=箕輪ダム)=10月27日
コメント:箕輪ダム建設後から地元有志で植え育てたもみじが12,000本を超えたとのこと、もみじ山と言えるほど、秋は華やかな彩りを見せてくれる。
講評:同じ赤でも微妙に右上の紅葉と左側群落の色が違って見え不思議ですね。中央下に見えるトンネルから抜け出た場所ですが、散策の人たちとの対比で紅葉の樹木のスケールが分かり圧巻です。
「淡い秋の静寂」(伊那市仲仙寺=信濃三十三札所22番)=10月27日
コメント:寺院が周囲の静かな風景に溶け込んで、歴史ある古い建造物を見ると、遠い昔を思い出し歴史観を漂わせる。
講評:やや紅葉のタイミングが早め?でしたか、緑との交じりが面白い感じですが、もう少し赤が欲しかったですね。樹木の配列、背景のお堂ともに静かなたたずまいを感じさせてくれるアングルです。

【宮澤 一成】

「逆さ」(妙高市いもり池)=10月31日
コメント:池に映った妙高山だけを撮影してみました。
講評:この作品も、倉澤さんの「揺れる」と同じで水面に投影したものを撮影したものです。水面が風で揺れる、逆に静止している、どちらにするかで印象はがらりと変わります。が、もっと山が画面の中にいっぱいになるとよかったと思いますが、さまざまな条件があり無理だったとか・・・。下のスイレンは少なめで、もっと山麓の紅葉が入るとよかったです。
「紅葉狩り」(妙高市いもり池)=10月31日
コメント:平日にもかかわらず、大勢の人たちが散策に来ていました。
講評:大勢でにぎやかですね。左の紅葉を撮影中の女性のアクションがいいシャッターチャンスですが、右手前にいる女性の後ろ姿が苦になるといえば苦になります。写真は一瞬なので、後ろ姿でなくなると、撮影の女性の動きがなくなる。難しいですね。それだけにうまくいったときは「やったね!」となります。写真って面白いゆえんです。

【吉田 幹男】

「真っ赤だな」(アクアウイング駐車場脇)=11月9日
コメント:陽が当たり真っ赤に色づいた紅葉に引き寄せられて撮りました。                      
講評:大胆に「これでもか!」と自分の受けた印象を素直に表現できたと思います。ただ欲を言えば、ちらりと左下の抜けた空間に、運動公園の建物か何かが垣間見えるとよかったと思います。それか、紅葉の赤は存在感が十分あるので、やや立ち位置を引き気味にして、木の幹を入れ、周辺の雰囲気を盛り込むという方法もあったかと・・・。