「石渡写真クラブ月例会作品」カテゴリーアーカイブ

石渡写真クラブ月例会(10月)作品&講評=文化祭出品作品

石渡写真クラブ月例会(10月)作品&講評
   区公民館で4日、5日と区の文化祭が行われ、石渡写真クラブからは10人の会員が2点ずつ計20点の作品を展示しました。ほとんどの作品がこの一年間、月一回の例会に持ち寄りお互いにいい所、悪い所?を学び、技術向上に役立てた作品、もしくは類似作品です。
 従って、本人のコメント、講評はだぶりますので割愛し、作品と過去の掲載月のみとさせていただきました。過去の講評をご覧いただくには、この石渡つうしんのトップページの左側にある「公民館」の最下部にある「写真クラブ」にカーソルを持ってゆくとバナーが右側に表示、その一番下の「月例会一覧」をたどってゆくと見ることができます。
 よろしくお願いします。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【吉田幹男】

「野尻湖と妙高山」(野尻湖)=10月18日
コメント:今年の野尻湖は、雨量が少なかったせいで岸辺に降りて、弁天島や外人別荘から湖面に浮かぶボート、妙高山を撮ることができました。                       
講評:さりげないショットですが、露出した岸辺が酷暑、少雨の今年の特徴を捉え貴重な記録写真となりました。撮影したころは本来なら妙高山山頂にはうっすらと白いものが写っているはずですが、まだですね。ひしひしと迫っている地球温暖化の一端も写し込んでいます。
「小さな幸せ」(自宅)=令和5年5月例会出品作品

【宮澤一成】

「威風凛々」(飯山市神戸)=令和4年12月例会出品作品
「三点倒立」(飯山市北竜湖)=令和5年8月例会出品作品

【広澤一由】

「紫陽花に囲まれて」(飯山市戸狩・高源院)=令和5年7月例会出品作品
「夏空と緑の高原」(霧ヶ峰高原)=令和5年8月例会に出品の「思い出すWindows?」と同類作品

【早川球喜】

「我がふるさと」(飯綱町小玉)=10月20日
コメント:我がふるさとは、飯縄町小玉と言うところにあります。集落の中を北國街道が貫いています。明治天皇も全国行脚したときに通っています。休まれたという記念碑が山中にあります。(このコメントは写真には関係ありません悪しからず)。
講評:背景のそびえ立つ山は黒姫山でしょうか。山ろくに集落が見え、日本の代表的な里山を見ている気がします。作者のふるさと、生まれ育ったところとのことですが、そこに寄せる思いが盛り込まれているように感じます。
「藤に憩う」(長野市若穂綿内見晴らし公園)=令和5年5月例会に類似作品として「色鮮やかな花の競演」出品

【中島弘】

「静寂の癒し」(上田市安楽寺)=令和5年9月例会出品作品
「涼を求めて」(新潟県妙高市苗名の滝)=令和5年8月例会出品作品

【竹内一郎】

「蒼い・紅い・白い」(雲上殿)=令和5年4月例会、タイトルは「雪模様」として出品の作品
「夏祭り」(朝陽夏祭り会場)=令和5年8月例会、タイトルは「ボンボン」として出品の作品

【高山三良】

「あかり」(長野運動公園)=令和5年3月例会出品作品
「静・物」(自宅)
講評:切り株でしょうか。そこに木の実が2つ。長い間生きてきて今は眠りについた古株と今年も子孫繁栄のためできた実、新旧を組み合わせることで生命のつながり、大切さを訴えている感じがします。

【倉澤利和】

「乗れるかな?」(高山村破風岳毛無峠)=令和4年9月例会に類似作品として「トレッキングには最高の破風岳(1,999㍍)」
「脱走」(自宅)=令和5年6月例会出品作品

【増田今雄】

「威風堂々」(木島平村カヤの平)                   カヤの平牧場からドブ池湿原に至るシラカバやブナ林の散策道で見つけたブナの木です。本来、ブナの木は太くて平面的な幹、すっと真上に伸びる性質の樹木ですが、どういった理由でこうなるのか、なったのか分かりません。ごつごつとコブコブいっぱいのブナの木が道沿いにあり、20㎜の超広角レンズで真下まで迫り見上げてパチリです。
「抜けて満開」(石渡コロボックル前)
 園芸店「コロボックル」の道路脇のサツキの街路樹。黄黒模様のものは電柱を保持する支線につた類が這い上るのを防止するプラスチック製のガードですが、途中に何らかの理由で穴が開き、その一条の光を求めて下にあるサツキの枝が円筒の中で伸び、到達した穴から抜けて花を咲かせました。以前、会員の広澤一由さんが撮影したのをヒントに、昨年春一斉に20輪を越す花が見事でしたので撮ってみました。

 

 

 

 

 

 

 

石渡写真クラブ月例会(9月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(9月)作品&講評
 記録的な猛暑から一転、秋を通過して冬が到来?もう紅葉は見られないのではと思案しましたが、長野運動公園のケヤキ並木も心なしか染まり始めました。
 9月の例会、石渡つうしんにアップするのが遅れましたが、会員一同、夏の想い出から「秋」を感じさせてくれる作品が並びました。ご覧ください。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【倉澤 利和】

「素晴らしき眺め」(室堂ターミナル)=8月21日
コメント:朝4:30に石渡出発、扇沢駅よりトロリーバス・ケーブルカーに乗り継ぎ9時前に室堂平に付き立山連峰雄山・大汝山を目ざして登山を開始しました。雄山山頂(3,003m)にある雄山神社で石渡区の発展と区民の皆さん・家族の健康をお祈りしました。
講評:「トンネルを抜けると室堂だった」。黒部アルペンルート経由で立山三山を縦走とのことですが、この写真はその前か後かですが、見上げるようにそびえ立つ勇壮な三山が雄大です。また、右は駅ターミナルでしょうかこの光景を楽しむ人たちでにぎわう公園を手前に盛り込み、山岳観光の一端を垣間見ることができます。
「楽しい!」(城山公園)=5月4日
コメント:猛暑が続く毎日ですが、長野県立美術館屋上から撮りました。噴水で遊ぶ子供達の姿が楽しそうだったのでスマホで撮りました。
講評:いっぱいの子どもや家族が噴水で涼をとる。肖像権を意識してか、ほとんどの人の顔が見えません。本来なら、嬉々として水と親しむ人たちの表情を狙って表現するのが常套手段ですが、その真逆をいった作品で、その点が面白くユニーク。何か物言わぬ群像が何かを物語っているようです。画面が少し傾いているのも、本来なら矯正すべきですが、先の物語性を助長しているようでもあります。

【高山 三良】 

「環水平アーク」(自宅)=8月13日
コメント: 「上空の薄雲を構成する氷の粒が太陽の光を屈折させることで現れる大気光学現象」。午後4時半ころに雲の形(写真左)にアレッ?虹のような色が着きました。30分間のショウでした。
講評:写真ってまず被写体の発見から始まります。目の前で展開することもあれば、撮影会や登山、行楽などで必死に「絵になるものはないか?」と探すこともあります。発見の次は、それをどうやって作品にするべくカメラに収めるかです。レンズ、角度、露出、シャッターチャンスなどなど“機械”と格闘し、シャッターを押します。この作品はわずかに色づいたものに気付き、刻一刻と変化する様を捉え、アップ、ロングの3枚で分かりやすくまとめました。
「マクロレンズ買いました」(自宅ほか)=8月22日
コメント:マクロは撮影スタイルが変わります。純正レンズでないためピント合わせは手動、ズームなしだから自分で移動。三脚も必要となります。何でもないモノが被写体になります。
講評:「何でもないものが被写体に」という通りで、写真は「切り取り」でもあります。そこを端的に表現しやすいレンズがマクロレンズ(メーカーによりマイクロレンズ)といえます。通常のレンズには近づけるぎりぎりの距離「最短距離」があります。いくら近づいても、それ以上は近づけずクローズアップができません。その点、このレンズはぐんぐんと近づけます(このレンズにも最短距離なるもがあり、それ以上は近づけません)。すると、自分の意に沿った画角いっぱいにアップの被写体が写り、なお背景がぼけるという特性を持ったレンズです。そういうことを踏まえ、もう一度作品をよくご覧ください。

【竹内 一郎】

「もう山は秋」(白駒の池)=8月12日
コメント:想い出の湖畔を求め一路白駒の池へ。標高2,000メーターはさすがに涼しい。紅葉は早いが夏の湖畔は一杯、トンボ(アオモンイトトンボ?)が日向ぼっこしているようで。もう秋なんだなー。(トンボは秋のイメージ)
講評:撮影は8月で下界は猛暑たけなわの頃。このころ涼しい高山ではトンボが避暑中です。里が涼しくなるにつれ山から降下する習性を持ちますが、里に群れる季節が早くも山の上で見られ、「もう秋だなあ」という竹内さんの感慨が伝わってきます。3匹のトンボが岩の上に静止、望遠レンズで的確に捉えました。望遠特製の背景のぼけ具合もトンボを引き立ています。

【中島 弘】

「静寂の癒し」(上田市安楽寺)=828
コメント:バイクツーリングで上田の安楽寺を訪れました。静寂な境内で葉を透かす柔らかい光に癒され、非日常の中に身を置くことの大切さを痛感しました。
講評:写真表現の効果的なアイテムの一つが光線です。順光、斜光、逆光などありますが、この作品はカエデの葉を逆光で捉え、背景を黒バックにして引き立てています。プラス、葉の光の当たり具合の濃淡がリズム感を生みだし味わい深さが増しました。木の枝が山脈や大河、日本地図のような造形も面白いですね。

【早川 球喜】

「収穫の秋」(飯山市安田地区)=9月14日
コメント:秋色を探しに出かけました。飯山で一面に黄金(こがね)色に色づいた田圃に出会いました。もう、ちらほらと稲刈りを終えた田圃もありました。
講評:平地に広がる田んぼに一面の稲の葉。あれっ?稲穂はとよく見れば左下に垂れたものが・・・。暑さで実りすぎて垂れ下がったのか分かりませんが、トンボの カップルが2組、アクセントを添え秋色満杯です。背景の向こう、里の集落がいい感じです。

【廣澤 一由】

「蓮華のラストステージ」((別所温泉安楽寺)=8月28日
コメント:蓮池に純白に咲いた花が終わろうとしている。既に中心に蜂の巣のような花托(かたく)の準備がされている。植物の営みが進んでいる。早く涼しい秋の訪れを願う!
講評:周りの花はほとんど見えず、一輪だけ 盛りを過ぎ散りぎわ寸前の花、花托も見えます。中央にどんと配した「日の丸構図」が奏功、悠久の時の流れ、繰り返される生物の営みに悠久の時の流れ、運命的。哲学的な雰囲気を感じさせてくれます。
「涼しい参道に立並ぶ7地蔵」(別所温泉安楽寺)=8月28日
コメント:国宝八角三重塔を目指す参道に、静かにたたずむ7体の地蔵、涼しそうに参拝者を見守っていた。
講評:ややローアングルで、お地蔵さんを見上げる感じが背景の木立の環境とともに静かにたたずむ様子を表現しています。ただ、お地蔵さんの下が切れてしまい中途半端な感じがします。もう少し下がるか、さらにローアングルで狙うか、お地蔵さんは少し小さくても存在感たっぷりの被写体ですので足元まで入れるともっと雰囲気が出たのではと思います。

【宮澤 一成】

「渋滞」(戸隠神社奥社)=8月12日
コメント:お盆直前に戸隠神社奥社へ参拝に行って来ました。連休ともあって参拝者が大勢。参拝までに2時間かかりました。
講評:猛暑を避けて涼しい高原の神社が込み合う様子。神社拝殿まで並ぶ行列がジグザグに、渋滞。よく見るとZ字状の列が一旦木の葉に隠れ、また見える感じが一層込み合っている感じを助長しています。
「除草は任せろ」(長野市小島)= 8月18日
コメント:稲穂が出始めるころ、カルガモ達が水草をついばんでいる様子を撮影しました。           
講評:水田の除草といえばアイガモ農法がはやりましたが、これはカルガモですね。右下の一株の稲が画面全体にアクセントを添えています。が、ここにフォーカスがきていて、主題のカルガモがややピン甘なのが惜しまれます。

【吉田 幹男】

「未熟なシャンデリア」(自宅)=9月10日
コメント:「木立ベコニア」好きな花が咲いた。育て方が悪く、7月下旬から咲き始めた花は枝分かれして釣りがねのように垂れ下がり姿がシャンデリアに例えられます。花も双葉から最後は釣りがねの様になりますが、小ぶりです。残念。                                       
講評:斑点のある大きな葉の間からちょこんと顔をのぞかせた薄いピンク色の花が印象的です。室内の雰囲気が左右の写り込みから推察できますが、こんなにも必要なく、主題のシャンデリアを引き立たせるには少しカット、色調もやや加工してみました=写真下。

石渡写真クラブ月例会(8月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(8月)作品&講評
 異常な暑さが続きますが、このところ朝夕は心なしか涼しくなり虫の声も。スーパームーンも雲間から見え隠れ、秋本番までもう一歩と言うところです。
 先月末までに、県内の写真コンテストの中でトップレベルの第73回写真県展、第28回信州写真展の審査が終わり、間もなく展覧会も開かれます。追い打ちをかけるように、各クラブの展示会も次々と開かれます。ぜひ会場に足を運び観賞、参考にしてください。撮る人も、撮らない方も、さまざまなシーンに出合えることが出来ます。写真は見るだけでも楽しいです。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【吉田 幹男】

「飯綱の里山」(飯綱町)=8月3日
コメント:飯綱町のそば店の駐車場から日が差していた南東の方向を撮影しました。奥の志賀の山並みと手前の里山の緑を狙いました。                                          
講評:田園地帯が広がり集落が点在する、日本のどこにでもある里山の光景。雑木が茂る丘陵をはさんだ向こうの山との間には同じ光景があるのではと連想させてくれます。営々と神代の昔から続いてきた人々の暮らしに想いを馳せシャッターを押した作者の思いが汲み取れます。

【宮澤 一成】

「涼花」(いもり池妙高)=8月4日
コメント:猛暑の中、水面に咲いている真っ白な睡蓮の花がちょっと涼しげに思えたので撮影しました。           
講評:3枚の葉が三角構図で並び、左上から水中に伸びた赤い茎とその上に白い花。思い切った切り取りがいいいです。涼感を誘います。水面にコイかなんかが顔を出しているとか葉の上にカエルかなんかがいれば最高!ちなみにハスとスイレン、ヒツジグサの違いは?ハスは木島平村稲泉寺のハスのように、水面から茎が立ち上り、その頂点に花があります。スイレンは水面に花があり茎は水中にあり、花の色はさまざまあります。その仲間のひとつがヒツジグサで花の色は白です。
「三点倒立」(飯山市北竜湖)=8月4日
コメント:学生たちが湖面に大きなボードを浮かべ、その上で色々なパフォーマンスをするウォータースポーツをしていたので、珍しく思い撮影しました。
講評:倒立している人物に左のボートの全員の目線が集中。そうかと思うと、右のボートではぐったりとした人物がいたりアンバランスな動きが左とは対照的。水面に仰向けに浮かぶ人がその仲介役となり、シンプルな背景も主題をぐんと引き立てています。

【廣澤 一由】

「山上テラスから」(車山頂上)=7月25日
コメント:車山にも山上テラスが出来て、高校生らしき集団が大勢で、爽やかな風に吹かれて山上での空気を満喫していた。
講評: 山岳地帯のあちこちにお目見えのテラスが流行です。個人的には、人工物をなるべく自然の中に登場させないのが望ましい心情ではありますが、テラスから霧ヶ峰の丘陵地帯、さらに向こうの八ヶ岳連山、雲たなびく空と順を追って遠近感がたっぷりの作品。高原の爽やかな風を感じます。

「思い出すWindows?」(車山)=7月25日
コメント:草原と青い空と白い雲、初めて出会ったPCWindowsを思い出すような景色にシャッターを切る。
講評:パソコンでは、よく「壁紙」写真とも呼びますが、色彩が豊富だったり珍しかったり、場所や被写体の形がユニークだったり・・・。そんなイメージと自分の感覚がうまくかみ合った瞬間に出合え、切り取った作品かと思います。写真とは、まず何を感じ、それを残したいと思うかどうかが一歩です。その感度を磨き高めるために、できるだけさまざまなシーンに出合う(体験する)こと、追体験できる作品を多く見ること(展示会など)かと思います。以前触れました「目を肥やす」ことが大切です。

【早川 球喜】

「夕陽との競演」(石渡の自宅)=8月6日
コメント:夕方、ふと家の窓から外を見ると、黒い雲の中から突然炎が現れた様な夕陽に思わず1枚。
講評:今年は雨が降らず、夕暮れ時に東の空に残った入道雲が夕焼けに染まり奇妙な光景が出現しています。この作品は、まさに夕陽を浴びた雲のひとコマで、雄大な自然現象の瞬間を捉えています。前述のピンク色に染まる入道雲と類似の現象として、日が沈む時間帯に東の山上に横長にピンク色の帯ができることがあり、「ビーナスベルト」というそうです。日の出、日没の前後、それぞれ40分ほどは刻一刻と光が変化し「マジックアワー」と言われます。一番写真になる時間帯です。

【中島 弘】

「霊山のご来光」(石川県白山山頂)=7月24日
コメント:日本三大霊山の白山のご来光見るため、夜明け前に山頂を目指し、雲の合間からご来光を捉えることができました。
講評:何度見てもいいものですね。ご来光。神秘的、宇宙的な一瞬を求めて足を運んだ甲斐がありました。しかも、たなびく雲も味方し付加価値がぐんと上がりました。ご来光の自然と手前にお仲間さんの姿を配し、人と自然をコラボした点はいいですが、ややアンダー気味でよく分かりにくいのが気になります。その分、向こうの景色に目が行きやすいかも知れませんが・・・。少し、加工の中の「シャドー部のみを明るく」するファンクションで調整してみました(写真下)。見比べてみてください。

「涼を求めて」(新潟県苗名の滝)=8月2日
コメント:落差55mの滝は水量も多く迫力があり、猛暑を忘れる清涼感がありました。RAWデータの現像で滝を強調するよう背景を暗くしてみました。
講評:こちらは、手前の部分はややアンダー気味ですが、ほどよく出て(つぶれず)いい感じかと思います。背景を暗くして流れ落ちる水を強調、自分のイメージに近づける撮影、加工が功を奏しました。水の流れを止め、それぞれの水の塊の姿が見え、見た目(肉眼)では絶対に見ることのできない写真ならではの世界(表現)となりました。ちなみにファイル情報から、撮影データは、640分の1、絞り14、ISO400、焦点距離85㎜でした。

【竹内 一郎】

「ボンボン」(朝陽夏祭り)=7月29日
コメント:4年ぶりに開催となりました朝陽夏祭り。めったに行くことがありませんでしたが、孫と一緒に出かけました。大変な込み具合で楽しんできました。
講評:ボンボンは釣り上げるのでしょうか?周りを囲んだ子どもたちや親御さんたちでにぎやかな雰囲気がややハイアングルから表現できました。いつの時代も、もらったお小遣いで夜店の綿あめや金魚すくいなどに興じる子どもたちの姿は変わりませんね。今もって続くお祭りのシーンを普遍的に記録した報道写真となりました。

【高山 三良】

「月と百日紅」(自宅)=8月5日
コメント:月と百日紅を一緒に撮るのが難しく、位置関係をいろいろ変えて撮りました。彩りを添えた感じに。
講評:月、約38万㌔彼方の物体と目の前の物を合体、一枚の中に収めることは確かに難しいですね。でも、何とかこの距離感を克服して表現してみようという努力が素晴らしいです。超望遠で小さい月を大きめに、ぼけてはいますがサルスベリのピンク色、空のブルー、色、構図ともどもシンプルにまとめました。
「もう秋」(屋島河川敷)=8月8日
コメント:朝6時から菊芋畑の草取りです。自宅付近からは見られない景色でした。もう秋、まだ暑いけど。
講評:朝夕は少し涼しくなってきましたが、いつまでも暑い今年の夏。しかし、この酷暑も過ぎる9月末ころには標高の高い山の上から紅葉が始まります。待たずして、空の雲も入道雲から秋を代表するイワシ雲(ウロコ雲)が時折顔を見せ、秋到来を告げてくれます。暑さの中、すでに秋模様の上空の雲をすかさず捉えています。

石渡写真クラブ月例会(7月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(7月)作品&講評
 梅雨があけました。コロナも5類に移行し、世の中も石渡の催事なども元に戻りつつあります。
 まだ感染が完全になくなったわけではありません。細心の注意を払いながら、作品作りに励みましょう。
 盆過ぎには、高山では秋の気配がじわじわと忍び寄ってきます。雲や花など夏と秋が同居したショットもいいかも知れません。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
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【倉澤利和】

「面影」(しなのかわだ駅)=7月13日
コメント:71人/日あった乗車人員。平成2441日長野電鉄屋代線廃止により廃駅になった信濃川田駅 かってあった車輛も撤去され寂しくなっていました。*町の役員さんが夏祭りの準備をしていました。
講評:ほぼ同じ立ち位置で角度を変えた2枚。「どっちがいいか?」と両方出品されましたが、ホームと線路が奥に向かって延びる方(上)が遠近感があっていいかなと思います。人物がいますが、どちらも分かりにくく残念です。こういう素材こそ組み写真の登場です。この作品のほか、草ぼうぼうの中のさび付いた線路、夏祭りの準備をする地元の人、表玄関で今もかつての利用客を運ぶバスなど場面転換を考えて撮影、4~5枚でまとめます。一枚の中に入れ込む作業はとても 大変ですが、自分の表現したいものに取り組むことは楽しいものです。

【高山三良】

「お出迎え」(飯山市戸狩・高源院)=7月7日
コメント:あじさい寺と呼ばれる戸狩高源院、青い紫陽花と赤い帽子のお地蔵さまが出迎えてくださいました。ぽっくり観音にもお参りしてきました。お賽銭も。(組み写真)
講評:私もかつてカルチャーセンター「たのしい写真教室」の撮影会で訪れたことがあり、思い出深い六地蔵。作品を見た瞬間、「あれっ、こんな花(手前)あったっけ」、「高山さん、何という花?」。お地蔵さんとの境に気が付かないまま講評を続けるうちに提出の説明を読むことを促されました。その末尾に(組み写真)とあり、それまで1枚の単写真と思っていたのが覆り、すっかり“だまされました”。組む場合は、複数の作品の間に線(太さ、色などを考慮)、もしくは間隙をと提唱していますが、この手の手法もありかなと思います。
「カルガモ」(南八幡川)=6月23日
コメント:最初は子供たちだけでした。こちらが右に行くと左に、左に行くと右に向きを変えていました。親が来てからは後にくっついて安心顔。
講評:こちらも組み写真ですが、上と下に白い線があり明らかに分かります。そして、被写体の上の子ガモは右上から左下に斜めの線上に浮かび同じ顔の向きが面白く、逆に下は親の顔を頂点に左上と左下に描かれる三角形構図でまとめ、やはり同方向へ向かってゆく感じが動感を出しています。逃げるカモたちを粘り強く追いかけた労作です。

【中島弘】

「梅雨の賑わい」(安曇野市明科あやめ公園)=6月16日
コメント:明科のあやめ公園のハナショウブが見頃との報道があったので行ってきました。一時は連作障害で衰退した株が保存会の努力で復活したとのことです。
講評: こちらも「どっちがいいか?」。どちらもいいです。手前に紫色がある作品(上)は、向こうの散策道で花を楽しむ人たちまでフォーカスが合い、あやめ公園の全体がよく分かります。一方、薄紫色が混じった花の方の作品は、ハナショウブだけにピントが合い、向こうの花見客や東屋などはぼけてよく分かりません。どちらかというと主題の花だけに焦点が絞られた感じの作品ですね。従って、タイトルにあるように「賑わい」という視点から選ぶと、紫色の花と向こうの花見客がよく分かる方の作品に軍配が・・・。
「龍と紫陽花」(飯山市高源院=アジサイ寺)=7月7日
コメント:バイクツーリングの仲間と訪れました。ちょうど見頃で訪問客もまばらな境内でアジサイを楽しみました。本堂の前に設置してある龍の口から流れる清水を受けるアジサイに猛暑の中の涼を感じました。
講評:手水鉢といっていいかどうか、水を吐き出す龍と水を受けるアジサイの花が一服の清涼剤となりました。左のひしゃくは、この場の雰囲気を盛り立てていますが、花の周りの水空間がやや少なめ?か分かりにくい感じがします。

【早川球喜】

「梅雨間の牧場」(山田牧場)=7月13日
コメント:誰もいない牧場。放牧牛が思い思いに草を食べています。ここでは、時がゆっくりと流れているようです。
講評:樹林を切り開いたゲレンデの牧草地 。別名、冬季は「山田温泉スキー場」。上から下へ続くスロープの中で、のんびりと草をはむ牛たちがバランスよく点在した瞬間を捉えました。できれば上部の空の部分がやや少なめで中途半端です。曇り空なので、あまり入れる必要はありませんが、もう少し。

【広澤一由】

「紫陽花に囲まれて」(飯山市戸狩・高源院=アジサイ寺)=7月7日
コメント:寺院全体が紫陽花に囲まれ、参道脇のお地蔵さんも紫陽花に囲まれて参拝者を見守っていました。長い歴史をしみじみと感じました。
講評:前述の通り私たちが行ったときはアジサイの花がこの数倍以上あり、お地蔵さんの頭や肩に垂れ下がるようににぎやかでした。左にある石段が存在感はあるもののやや寂し気で、花見客の人物の往来を点景に入れたかったですね。
「ミツバチの朝食」(自宅庭)=6月6日
コメント:ムラサキツユクサの花びらに取り付き、花密と花粉(花粉団子の元)を無心に採取しているミツバチに遭遇し、興味深く観察できた!
講評:無心に吸蜜しているためか、近づいても逃げないミツバチを見事に捉えました。敏感なチョウやトンボ、危険なハチなどはマクロレンズでも望遠マクロレンズ(ニッコールマクロ200㎜)で撮らないといけませんが、この作品はスマホの撮影とのこと。クローズアップに強いスマホならではの写真となりました。ただ、画素数(ピクセル寸法の容量)が多めでないと、四つ切りクラス以上の大伸ばしにすると粒子が目立ちます。撮影段階で容量を多く設定して撮るか、加工段階で少し容量を増やしてプリントするとよいでしょう。

【宮澤一成】

「雨上り」(長谷観音=篠ノ井)=6月29日
コメント:雨降りの中で撮影したかったのですが、雨が止んでしまいました。 雨上がりの感じが分かりますでしょうか。
講評:左下の葉の上にあるしずくから推察できますが、感じとしては「雨上り」のイメージはないですね(失礼)。日が差しているのかアジサイの花が明るいせいでしょうか。大胆に望遠レンズで切り取り、背景の山門でしょうかぼけ気味ながら環境も盛り込めています。どこかにカタツムリでもいると最高でーす。
「蜂+ONE」(長谷観音=篠ノ井)=6月29日
コメント:百合の花と蜂を撮影したら、もう一匹昆虫がいました。
講評:いました。やや左下の葉の上にテントウムシかと思いますが。ファイル情報によると、2000分の一秒という超高速のシャッタースピードで蜜を求めてやってきたミツバチをしっかりと止めて捉えています。もう一匹が、このハチとほぼ同じ場所に位置するともっとよかったですね。

【吉田幹男】

「溢れる白」(自宅庭)=6月20日
コメント:奥にアナベルを手前にノリウツギの花を入れて撮りました。
講評:いずれも白色の花とほかの植栽の葉のグリーン、2色でシンプルにまとめています。花でも何でもそうですが、「白」色は晴れた太陽光を光源に撮影すると、「白飛び」といって周りのものよりさらに真っ白に写りすぎてしまいます。露出を加減する方法もありますが、むしろ曇天や雨降りの下での撮影をお勧めします。白花のデティール(詳細)がきれいに写るはずです。

 

石渡写真クラブ月例会(6月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(6月)作品&講評
 梅雨の晴れ間、しとしと雨が交互にやってきます。この時季ならではの被写体が花を中心に多くあります。リュウキンカはもう終わりでしょうか、まだ間に合う高原のレンゲツツジ、アジサイ、蓮、ニッコウキスゲなどなど。湖沼や高原で、水やカエル、トンボなどの動物、行楽客などの点景を工夫して撮ってみましょう。図鑑的、観光パンフレット的な写真から一歩抜け出る作品作りを。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
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【宮澤一成】

「整然と」(安曇野)=5月24日
コメント:安曇野は、県内でも田植えの早いことで有名ですが、初めて行ったので撮影場所を見つけるのが大変でした。
講評:安曇野といっても広うござんして・・・。穂高や豊科かいわいを散策するとより取り見取り、たくさんの適地があります。有名な場所としては大王わさび農場周辺ですが、どこにでもスポットがあります。わさび田や道祖神などを絡めたりするとご当地の特徴が出ます。作品は上部真ん中を起点に手前に広がりを見せる放射線構図で、田んぼの苗がいい感じで表現できました。残雪を抱いた北アルプスも効果的です。
「新緑の壁」(長野市大座法師池)=6月4日
コメント:石渡公民館の春レクに参加させて頂きました。新緑を撮影したいと思っていたところ、空に飛行機雲が現れたのでシャッターを切りました。
講評:もこもこと新緑の葉を伸ばした木々、そして青空にひと筋の飛行機雲。右には小さめですが雲がアクセントとなり初夏の高原の装いが表現できました。やや左下がりで、右側の池の水がどーっと左側にこぼれそうですので矯正を。

【広澤一由】

「初夏の鏡池」(戸隠)=6月4日午後
コメント:初夏の鏡池の様子を見に出掛けた。うっそうとした緑の木々に囲まれた鏡池とその上には戸隠連山がどっしりと姿を表し、湖面に写っていた。日差しは暑かったが涼しい風に癒やされた!
講評:鏡池といえば晩秋から初冬、紅葉と戸隠連山の初雪を絡めての作品、あるいは芽吹き、新緑の作品が定番です。過去、多くのカメラマンが同じような作品を創出していますので、類似の作品を撮ることも結構ですが、この作品のように少しタイミングをずらして狙ってみることは新たな作品を創るという意味ではいいですね。2枚とも、やや画面下が窮屈な感じです。草むらなどが中途半端なので、思い切って空部分を少なくしその分下を入れるか、ズーミングを広くして下の草むらやほとりを入れてみましょう。そして、池の命名由来「鏡」のごとく水面に上部の景色を投影する手法もあります。

【早川球喜】

「麦秋の十五夜の月」(長野運動公園)=6月3日
コメント:月は仲秋が一番美しいとされ、月見や団子をお供えする習慣がありましたが、今は初夏で時候の挨拶は「麦秋」です。そして満月でなく十五夜です。こんな月見もいかがですか。
講評:運動公園のケヤキ並木の上にぽっこりと顔を出した十五夜の月。まだ明るさが残り、出たばかりの月が郷愁を誘います。

【中島弘】

「八坂の大滝」(大町市八坂)=6月5日
コメント:何度か撮影に行ったが水のない岩壁でした。水が流れているという情報を得たので行って見ると、細い流れでしたが落差50mは迫力があります。裏側に入ることもできるそうですが、いまは進入禁止となっています。
講評:いつもはあまり水量が少ない滝とのこと。何度も出かけてやっと出会えた滝。水は細めですが高さと左右の針葉樹、落葉樹の対比した樹木が雰囲気を盛り上げています。紅葉、あるいは厳冬期の光景もいいかも知れません。水があるかどうかですが・・・。裏見も見たいですね。
「田植えを終えて」(千曲市姨捨の棚田)=6月5日
コメント:青々とした棚田を撮りたいと思って行ったが早かったようです。急斜面に棚田を整備した先人の苦労を思いつつ撮りました。
講評:そうですね。悠久の昔から先人が守ってきた棚田の形はそう変化してないと思いますが、一年の営みの中でどのタイミングを切り取るかは撮影者の考え方次第かなと思います。代掻き、田植え、稲穂、刈り取りなどなどいっぱいあります。この作品の場合は、田植えが終わり、青々と茂るまでの中間で確かに中途半端と言えばそうですね。何度通っても絵になる素材、場所なので、また足を運び先人の労苦に触れて作品作りを。

【竹内一郎】

「怖いもの知らず」(飯綱大座法師池)=6月5日
コメント:石渡公民館主催の春のレクリエーションに参加をし湖畔を散策中、若い女の子が高い所を何とも思わないのか楽しそうに遊んでいるのが印象的でした。
講評:今はやりの「ツリークライミング」でしょうか。高さのある樹木にロープを吊り下げ登降するポーツですが、大昔、我々が子どもの頃はせいぜい木登りでした。しかもおてんば娘以外の大半の女子はしなかった。そんな思いから、新鮮に映った竹内さんの気持ちが作品から伝わってきます。ハラハラドキドキ感とともに樹木の緑色の葉、青空と清涼感たっぷりの作品となりました。横位置の写真ですが、女の子たちの高さをもっと強調するなら縦位置にして上の方に配置するとよかったかも。

<縦位置と横位置>
 テレビや映画の画面は横位置なので、日ごろ見慣れているせいか、撮る人も観賞する人も違和感なく感じるのが横位置の写真です。
 しかし、被写体によっては縦位置にした方がより効果的なものがあります。例えば先の4月の例会発表の中で解説した「最短距離」の作例写真。樹木は概して下から上へと伸び、まとめるには縦がいいかと思います。あるいは滝。上から下へ流れ落ちる水、落差(高さ)を表現するにはやはり縦かと。ただし、次の中島さんの「八坂の大滝」のように周辺の環境を入れ込むと横位置という事もあり、一概には論じられない部分もあります。
 そこで、どちらがいいかという決断は後回しにして、撮る段階では以下のようにすることを心掛けてください。まず被写体と向かい合ったら素直に心が動いた「位置」でシャッターを押しましょう。そして、近づいたり、遠のいたり(レンズのズーミングもあり)、右に寄ったり左に寄ったり、高い場所から低い場所から、フレーミングや立ち位置を変化させながら納得いくまで撮りましょう。
 液晶画面で確認しつつ「よし!」ですが、これからが私の言いたいことです。納得いく最初の画面が横でしたら縦、縦でしたら横。つまり反対の位置でもう一度ファインダーを覗き撮影をしておいてください。その位置ではまとまらないなあと思っても一枚でいいです。逆位置のコマを残すよう心掛けてください。
 場合によっては、撮りながら縦を撮ったり、横を撮ったり、また縦、横・・・ということもあり得ます。
 そして、最終的にはデータを整理整頓、保存。再度コマを見ながら作品選びをしますが、そこでもどちらが見る人により効果的なインパクトのあるのはどちらか選んでください。

【高山三良】

「ユリノキ」(長野運動公園)=5月14日
コメント:運動公園には何本かのユリノキがあります。こんなに可憐に咲いていることに気づいている人は少ないです。
講評:石渡八幡神社西隣のトラックの周りでしょうか、背景の照明塔から推察できます。背景は主題のユリノキと重ならないようにうまく配置、環境が分かります。葉の中をよく見ると、黄色い花がポツリポツリと見えますが、花の時期は短く確かに花がないと何の木か分からないでいる人が多いですね。
「俺様の縄張りだ」(長野運動公園)=5月25日
コメント:早朝、鳩がエサをついばんでいるところへカラスがズシン。一斉に飛び立ちました。ほとんどの鳩の顔が見えています。スズメも。
講評:いい瞬間を止めました。こっちを向いているようにも見えるカラスは脚を踏ん張り高山さん(撮影者)を睨みつけているように見えます。そして、侵入者から逃げた瞬時のハトたちの頭部にきちんとフォーカスがきていながら、羽はぶれて動感が出ました。よく見ると、飛び立たないハトやスズメ(手前中央下ぎりぎり)もいてユーモラスな一面も合わせ持った作品です。

【倉澤利和】

「脱走」(自宅庭)=5月30日
コメント:近所に蜂蜜を作っている方がおられ、巣箱から出た女王蜂を追いかけて庭の松に群がってきていました。
講評:珍しい光景が、まさか“我が家”に。よく気が付いてカメラに収めましたね。女王バチはどれか分かりませんが、群がる働きバチが圧巻です。ハチと松だけの単純化した素材だけですっきりした作品となりました。

石渡写真クラブ月例会(5月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(5月)作品&講評
 九州から中国地方、近畿から早くも梅雨入りです。長野、石渡も間もなくです。雨が幾日となく続く日がやってきます。「今日も雨降り。撮影には不向き・・・」ではいけませんね。晴天時の光をうまく使った作品作りとは逆に、雨降りならではの素材がたくさんあります。しっとり感、雨粒、雨に伴う動物・・・など狙いを定めて、滑りっ転ばないよう足元をしっかりし、出かけてみましょう。
 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【高山三良】

「飯縄山を望む」(附属小学校周辺)=5月3日
コメント:水田に水が入るころとなり、畔にはヒメジョオンが咲き乱れていました。見慣れた飯縄山を地面すれすれから眺めてみました。
講評:ほぼ同じ立ち位置から飯縄山を望む光景を2枚組で表現。下のカットは代掻きが始まる水田に水が入り、上のカットは田んぼの畔に咲く群落のヒメジョオンの花を手前に配置。双方とも春の農作業が始まった季節感を素材にした記録写真です。ローアングル目線が新鮮に映ります。

ヒメジョオンとハルジオン
 春先の雑草の代表格、どこでも見かける花です。北アメリカ原産の外来種で、見た目はよく似ていますが、違います。
 どこが違うかと言うと、まず名前の末尾の「ジョオン」と「ジオン」。ヒメジョオンは「姫女苑」、ハルジオンは「春紫苑」と和名があり、「ジョ」と「ジ」の違いがあります。
 そして、生態としては、
①ハルの方がヒメより早く咲き始め4~5月、梅雨時前には姿を消します。が、ヒメは5月からずーと秋、霜の来る頃まで長い間咲きます。
②一番簡単な見分け方は茎を折ってみます。ハルは茎の中が空洞でヒメは詰まっています。別名「貧乏草」とも言われ、折るのは嫌な方は、茎をつまんでみると、柔らかかどうかで分かります。柔らかいとハル、固めだとヒメです。ヒメでも柔らかな場合もあるとのことで、その時は「貧乏」を覚悟して、茎を折って・・・。
③ハルのつぼみは比較的垂れ下がり、ピンク色が多い。また、花(白色)の数がハルの方が多く、ヒメの方が少な目です。
④次に茎から出る葉の付け根部分。ハルは茎に巻き付くように派生、ヒメは茎の横からスッと単純に出ています。
⑤外来種で日本の生態系に影響を及ぼす侵略的外来種ワースト100の中に入っている植物です。日本に移入はヒメの方が早く明治初期、ハルは大正期とされています。
 被写体の生態や歴史、地理、由来などを調べる、勉強するのも写真を志す者にとっては楽しみの一つです。撮りっ放しではなく、もう一歩踏み込んでみましょう。写真に深み、厚みが加わります(増田)
 さて、上の高山さんの作品はどちらでしょうか?

【高山三良】=もう一作品

「二輪草群生」(飯綱リゾート)=5月1日
コメント:水芭蕉で有名な飯綱リゾート。道を挟んで二輪草の群生地があります。コブシ、リュウキンカ、二輪草の共演です。
講評:こちらも2枚組で、上記作品の飯縄山に隣接した霊仙寺山のふもと、いいづなリゾートスキー場脇にニリンソウ群生地があります。一面にあるものの小さな花なので結構写真にすると思うようなにぎやかさが出てこない難しい植物です。下のカットは林立する木立の中に咲くという環境を表現していますが、花が目立ちにくい感じです。上のカットは手前に主題のニリンソウ、その向こうに黄色のリュウキンカ、さらに向こうに木立があり、手前(前景)にコブシの花をあしらい、こちらは画面全体ににぎやかな雰囲気が漂っています。下写真の木立も盛り込まれているので、これ一枚の単写真で完結している気がします。

【竹内一郎】

「猫に小判?」(自宅)
コメント:アルミ缶を自家製の炉で溶解し、砂型に入れて磨きをかけました。ほかにも銅、真ちゅうも。
講評:銀ピカのバナナ、リンゴ、向こうには小判。そして右には原料のアルミ缶。立派なオブジェを自作し、そこに猫をあしらい故事来歴の諺を掛け合わせた労作写真ですね。猫にとっては、金や銀の塊は所詮金属にしか映らず、餌の方がいいに決まっていますよねー。納得!珍しい自作自演の創造作品となりました。

【中島弘】

「谷間のハナミズキ」(長野市豊野)=4月28日
コメント:小さな沢で放置されながらも堂々と咲く大きなハナミズキを撮りました。
講評:アメリカハナミズキなので在来のものではないはずです。長野運動公園の入り口交差点から西の通りで一斉に咲くイメージの街路樹ですが、この花は手入れがされていないだけにばらつき感のある花の様子が面白いですね。そして花の塊が左下から右上に点在、向こうの笹か竹のやぶの塊も点在した感じで画面全体が踊っているようにも見えます。
「菜の花にせかされて」(中野市千曲川)=4月28日
コメント:今年の菜の花の開花は1週間~2週間早く、まだ早いかなと思いつつ一台のトラクターが始動している北信濃の情景を撮りました。
講評:千曲川沿い、中野から飯山の山里に集落が点在、周辺には田畑が広がり、営々と続いてきた農山村ののどかな光景が見られます。長い冬から春が到来、菜の花が咲き、米や野菜を作る時季が今年もやって来た。年々歳々同じことの繰り返しですが、歴史を刻みそこに暮らす人々の生命感が感じ取れます。

【早川球喜】

「色鮮やかな花の競演」(長野市若穂綿内「見晴らし公園」)=5月11日
コメント:「見晴らし公園」は名前のとおり手前の長野盆地から遠くは北アルプスの山々が見渡すことができます。この公園は、「区民の憩いの場として、藤棚を創ろう!」と昭和51年に始められたそうが、今年も色鮮やかに咲き誇り、風に揺れると花が乱舞しているかのようです。
講評:もう半世紀が経過した老木一本(に見えますが・・・)が四方八方に伸び、広がった棚いっぱいに花を付けて見事ですね。ちょうど右下に咲いたレンゲツツジの朱色が共演、いい感じにまとまりました。フジの花の間に人物が垣間見えますが、分かりにくくて惜しい気がします。記念写真を撮っているように見えますが、その感じが分かると良かったかなと思います。

【広澤一由】

「鯉の川のぼり」(須坂市百々川)=5月3日
コメント:百々川を跨いで鯉のぼりが掛けられ春を楽しませている。橋と川と鯉のぼりがバランスよく収まった景観が良かった。
講評:画面下に流れ落ちる水、鯉のぼり、橋、山並みと連続した素材を遠近感を持ってまとめました。鯉のぼりがだらりと垂れ下がり無風ののどかな春の光景を切り取っていますが、ドーンと存在感のある橋脚がやや重たい感じです。むしろ除外したら軽やかな感じになったかと思います。橋は、向こうに一脚あるんでそれで賄い切れるかと。

【宮澤一成】

「ハッピーロード」(飯山市菜の花畑)=4月24日
コメント:手をつないでいるところを撮りたかったのですが、知り合って間もないのか、つないではくれませんでした。残念!                          若者よ、お幸せに。
講評:人物の配置、しぐさ、あっちを向いている男性に対しこっちを向いて「あのおじさん、こっち(自分たち)を撮っている」と言う感じの女性。ほかの菜の花と道、山並みはありきたりの光景ですが、この人物の動きに思いを巡らせるといろいろな想定ができて面白いですね。 
「かくれんぼ」(飯山市菜の花畑)=4月24日
コメント:皆さん、この人は、菜の花畑で何をしていると            思いますか?
講評:上の作品同様、菜の花畑の中に人物がいます。そして、満開の花や茎の中に隠れてしまい何をしているか分かりません。一人のようですが、さて?もう少しヒントのある位に見えてもよかったかも知れませんが、見る人に想像力を与えてくれる作品。増田の答え:写真を拡大してみると白帽子の左方向に茎の間から指が垣間見え、指の動かし方、形から察すると「写真撮影中」では?)

【吉田幹男】

「小さな幸せ」(自宅)=4月16日
コメント:写真は、4月から咲き始めたブルー系のスミレを中心に、その周りに白のつぼみのスミレを撮りました。白スミレは、青スミレの後を追うように5月中旬まで咲きます。大事な白スミレは勢力を拡大中です。
講評:望遠系レンズを使って、中央の3,4輪だけにフォーカスがきて、あとはぼかした望遠レンズの持つ特徴をよく生かした作品となりました。右側にある塊もぼけていて、にぎやかさを助長しています。自宅の庭とは思えない感じですね。

 

石渡写真クラブ月例会(4月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(4月)作品&講評
 新年度に入りました。コロナも下げ止まり状態が続きますが、ようやく出口が見えてきた感があります。でも、高齢者にとっては罹患すると怖い病気、これまで学習した感染予防、ワクチンの接種などを励行し撮影に出かけましょう。
 今回、驚くべき速さで開花した桜や杏、桃など花の作品が多く出されました。花は何といっても色がありフォトジェニックで格好の被写体です。花から新緑へと移っていきます。野に山に人々も活発に行動する季節です。
 健康維持も兼ね、カメラ片手に頑張って行きましょう。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【吉田幹男】

「癒しを求めて」(昭和の森公園)=4月2日
コメント:暖かな陽気に誘われて長野市上野にある「昭和の森公園」に出かけました。駐車場から管理事務所を背景に1枚と公園土手側の雪柳を手前に白の枝垂れ桜を取りました。
講評:建物が多く写っているカット(写真上)は、右上に少し見えている枝と右端の看板が中途半端ですのでカットしましょう。左の主題の桜が生きてきます。もう一枚は、ユキヤナギと枝垂れ桜のコラボでうまくまとまっています。空のブルー、花の白のツートーンが爽やかです。

【宮澤一成】

「桜色の春」(臥竜公園)=4月4日
コメント:黒姫山、妙高山をバックに竜ヶ池と満開の桜を                       撮影してみました。
講評: 残雪の北信五岳の黒姫、妙高山を背景に竜ケ池、桜が映えました。左上と右下にある小枝が中途半端でいらなかったかなと思います。逆に、手前、水面の中に花が付いた枝を大胆に入れ、向こうに並木、山々、空といった三段構えの構図にすると遠近感がもっと強調されます。
「桜ざかり」(臥竜公園)=4月4日
コメント:竜ヶ池の上に咲く満開の桜、びっしりと咲き誇る          花から香りが届きそうです。
講評:思い切った切り取り構図。手前の枝の花の描写が細やかで、まさに香りが漂ってくる気がします。向こうの花のぼけた感じを背景にしたこともよかったです。欲を言えば、水面のどこかに行楽のボートとか野鳥とかが点景で入ると主題がぐんと引き立ったと思います。

【広澤一由】

「ひたすら光を求めて」(平林街道荒屋付近)=3月30日
コメント:道路の側溝から元気に顔をのぞかせた2つの元気なスイセンの花、路上でなくて良かった!
講評: おや、まあ。側溝の鉄格子の蓋の間から花をのぞかせたスイセン。これもよく見つけましたね。1昨年でしたか、コロボックルの花屋さんの道沿いにある電柱の支線下にある蔓防止の筒の隙間から花を付けたサツキの作品を思い出しました。いい発見でしたが、もう少し被写体にワイド系レンズで迫るとよかったです。「ピントがこれ以上近づくと合わなくなる」最短距離(※以下に解説)まで迫ると、スイセンがぐんと大きくなり、なお、ワイドなので周辺の環境も背景として盛り込めます。

「長野のモアイ像」(高田南古墳塚公園)=4月3日
コメント:イースター島のモアイ像の顔に似た神社の両サイドの古木が、狛犬と並んで神殿を見守っているように見えた
講評:こちらもいい被写体を見つけました。が、モアイ像が並列でやや散漫な感じです。思い切って横からのアングルに切り替え、画面のどこかに神社の片鱗を入れ、モアイ像をもっと大胆に2本並べる感じにするともう少しまとまった感じになると思います。

※「レンズの最短距離」
 ピントの合う範囲がどのレンズにもあります。今では、ほとんどがAFでカメラが自動的に合わせてくれますが、この中で、極端に近くのものを迫って写そうとすると限度があります。ぼけてしまいます。ぼけないで、ピントが合うぎりぎりの距離のことを最短距離と言います。
 距離はレンズによってそれぞれ異なります。だいたいはショート系で30㎝から50㎝程度です。望遠系になると(なればなるほど)1mとか1.5mとかのびます。400、500㎜の超望遠ですと4mとか5mにもなります。
  ここで、それではマクロレンズ(マイクレンズ)はどうなっているか?当然、接近撮影可能なためのレンズですから、鏡胴がぐんぐんと繰り出して被写体に近づいてもピントが合うように作られています。その距離は0.163m(ニコンマイクロニッコール40㎜)。同マイクロニッコール105㎜で0.314mです。200㎜マイクロは0.5㎜で、普通の200㎜(マイクロでない)の1.9mと比較すると格段の違いがあります。動きのある、トンボやチョウの撮影に最適です。
   下の写真は、松本市四賀赤怒田で撮影したフクジュソウのカットですが、使用レンズはニコン17-35㎜。最短距離は28㎝で、ぎりぎりまで近づいて撮りました。超ワイドなので上のケヤキの木の立ち上がりを入れて、まだ芽吹き前の春一番に咲く花を表現してみました。ズームレンズですが、17㎜いっぱいの超ワイドの画角です。

【早川球喜】

「参道に咲く」(長野市若槻蚊里田八幡宮)=4月6日
コメント:三登山の麓に本殿、拝殿及び社務所などの蚊里田八幡社の神域があります。春爛漫、参道の桜も今盛りと折り重なるように咲き乱れ、我が世の春と狛犬も嬉しそう。
講評:左に狛犬、右に桜の大木の幹。そして中央のもう一体の狛犬を覆いかぶさるように満開の桜が圧巻です。曇りの天気でしょうか、桜の花の輝きがやや乏しい感じですが、それはそれなり。曇天ならではのぐっと落ち着いた雰囲気が出ています。

【中島弘】

「はるだー」(千曲市森)=3月28日
コメント:陽光のなか春を迎えた喜びを捉えてみました。
講評:わい性栽培でアーチを描く杏畑 。面白い素材を発見しました。幾何学模様の珍しさに、開花が加わり、さらに軽快にステップする女児を点景に、訪れた春がいっぱいの軽やかな作品となりました。ただ、樹木を支えるパイプが手前に鎮座しているだけに雰囲気を壊しているのでは・・・とも感じ取れます。もう少しズーミングして奥の方を中心にまとめるといいかも知れません。
「つくしと一緒」(中野市千曲川)=3月30日
コメント:つくし軍団に負けそうだけど一緒に咲こうよと寄り添ってる感じを撮りました。ちなみにオオイヌノフグリの花言葉は「信頼」「忠実」だそうです。
講評:こちらもいい被写体を見つけましたね。群生するツクシとオオイヌノフグリを長玉のレンズで迫りにぎやかになりました。その中で、やや形の曲がった1本のツクシとそれに寄り添うオオイヌノフグリにスポットを当てたところがいいですね。焦点距離を少なく(被写界深度を浅く)してほかのものをぼかし、主題として表現したいものを的確に捉える工夫をしています。ただ、深度が浅すぎ?か、ややピントが甘いかなあという感じです。もうひと絞り絞るか、三脚は使いました?せっかく、いい被写体(素材)を発見、カメラワークで迫りましたが・・・。

【竹内一郎】

「雪模様」(納骨堂)=1月29日
コメント:石垣に雪が格子模様で。
講評:光の当たり具合が右上から左下へと斜めに分断した二分割構図でリズム感があります。主題の格子模様の石垣のある影の部分が黒くつぶれずにほど良いルックスを保ち、向こうの日の当たったお堂や稜線、青空の晴れの部分と微妙なコントラストを醸し出しています。右上に入れた回廊の一部という部分もアクセントとなり効果的です。

【高山三良】

「スギのつぐない」(運動公園弓道場)=3月19日
コメント:太陽の光が花粉の粒などの障害物にぶつかると「回析」現象が起きてきれいな虹色の環を作ります。これを花粉光環といいます。辛い花粉症もこれで少しは癒される かな。
講評:太陽の周りの環(わっこ)や放射状に延びる線がきれいに描写され、肉眼では見えない花粉が織りなす現象を分からせてくれる写真ならではの作品です。「厄介な症状が嫌われ者の花粉が逆にきれいな面もあります」という意味を込めてのタイトルも一ひねりしていいです。よく気が付き、観察し、調べて作品化しました。
「桜に負けない!」(小島)=4月9日
コメント:整然と並んだ桃。力強さとアピールを感じました。
講評:まだ根元に冬の名残の稲わらが巻かれたまま、早くも花を咲かせた桃。手入れが行き届き整然と並んだ桃の木を、中央に代表した1本をどんと配置、左右の並木がシンメトリックに奥行き感を持って奥に収れんしてゆく感じがいいですね。細かいことですが、3列の間にわずかに空間があることで、列が分離して見えすっきり感が増幅しています。
「3月なのに」(運動公園サブトラック)=3月31日
コメント:3月中の開花は初めて。その3日後一気に満開!どうなってるの?
講評:ぐんと勢いよく伸びて垂れ下がる花びらの塊が生き生きとした感じです。この部分だけが、ほかの花びら群や草むらの地面とは違うやや明るめなトーンが効果的です。

【倉沢利和】

「待っていました。」(自宅庭)=4月13日
コメント:庭の草取りをしていて撮りました。今年も咲いてくれました。赤色は「ボケの花」、白色の花の名前はわかりません。
講評:紅白の対称で迫り、自宅庭とは思えない「作品」になりました。身近なところにも被写体が転がっているもので、ふと感じたものをどうやって切り取るかです。漠とした光景を作品にする要素、「感じる」と「切り取り」がうまくいった好例です。

石渡写真クラブ月例会(2月)作品&講評


石渡写真クラブ月例会(2月)作品&講評
 まもなく弥生、3月。日差しが日を増すごとに強くなり、春がすぐそこまで来ている予感がします。まだ真冬並みの寒さの日もありますが、三寒四温を繰り返しながら徐々に暖かくなっていきます。前を向き頑張って行きましょう。
 早い所ではフクジュソウ、フキノトウが頭を持ち上げています。日だまりでは、オオイヌノフグリが寒さに耐えながら花を付けています。千曲市ではセツブンソウ、そして梅、森のアンズ、桜と春本番を迎えます。
 コロナも何となく下火と言えば下火?の感じです。でも油断は禁物。高齢者、基礎疾患持ちは引き続き要注意ですが、With CORONAでカメラ片手に出かけてみましょう。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【宮澤 一成】

「福よ、来い」(善光寺)=2月3日
コメント:3年ぶりに開催された善光寺節分会、私自身初めて拝見させていただきました。周りの方のお話では、人出は、前回の半分くらいとの事でした。ちなみに、福豆を4つ頂戴しました。
講評: 福豆をまく人、拾う人。久しぶりの節分会の様子がスケールいっぱいに表現できました。軒下の黒バックに散乱する福豆、拾おうとする手が続々と伸び臨場感がいっぱいです。危険ですが、脚立などに乗り少し高い所から撮影するともっと人々の表情や奥行き感が出たかと思います。が、自分も拾いながらなんでやはり危ない?かも。無理は禁物!

【広澤 一由】

「立春に春の訪れ」(自宅庭)=2月4日(立春)
コメント:暦で立春を待っていたかのように、今年も庭の福寿草が咲き始めた!季節の変り目を敏感に捉えて成長する生物の神秘を感じた!
講評:いち早く咲いたフクジュソウですが、満開とまでいかない何となく遠慮がちに少しだけ開いたところがいじらしいですね。上の株は横から、下は上から覗き込む感じでそれぞれが個性的なイメージでいいです。できれば、周りの土が雪だと季節の変わり目が盛りこめ、フクジュソウがもっと引き立ちます。
「寒中花が満開」(自宅)=1月29日
コメント:寒さに強いシャコバサボテンが、今年も満開となり、殺風景な部屋に彩りを添えた!
講評:大切に育ててきた鉢や庭木が花を付けると、誰かにも見てもらいたい。そんな気持ちは誰にもあるのではないでしょうか。しかし、いつまでも咲いていない、いちいち「おーい」と声がけをして多くの人を連れてくる訳にもいかない。そんな時に役立つのが「写真」ですね。事件事故や出来事を伝える報道写真はじめ、風景写真、動植物、スポーツと神羅万象が対象、分野は多岐に渡る写真の世界ですが、この手の分野もあるというお手本です。

【早川 球喜】

「寒に憩う鴨」(松代町佐久間象山神社)=2月2日
コメント:寒中の池でゆったり憩いでいる2羽の鴨を見ていると、何やら心も和んできます。病院での治療後、立ち寄って見ました。
講評:カルガモでしょうか、夫婦か親子か、兄弟かなど関係は分かりませんが何となく仲睦まじい「夫婦」が似つかわしい作品。特に右のカモは、水面に青空が写り込み、波紋が広がる様が動感を誘います。

【中島 弘】

「天地一色」(飯山市)=2月6日
コメント:濃い霧に包まれ一面白色に化した朝の田園を撮りました。
講評:秋口から早朝に出る霧。被写体として霧は格好のものですが、これが濃すぎると白一色となり霧しか写らず。逆に薄めだと効果的な雰囲気は薄れます。濃淡はその時の運ですが、それだけにほどよい霧に恵まれた時は「ラッキー!」。この作品は、やや濃すぎるかなという感じの霧ですが、うまく立ち木を日の丸構図でど真ん中に配置、幻想的なイメージに仕上がりました。よく見ると、右奥の里山の稜線、上部の太陽などがうっすらと垣間見えいい感じです。プリントする時は消えないよう、要注意です。
「霧氷スタンプ」(木島平村)=2月6日
コメント:真っ青な青空にスタンプを押したような霧氷を撮りました。
講評:まさに絵に描いたような作品となりました。その様がコメントにある「青空にスタンプを・・・」の通りに写し取りました。寒い雪の中、美しさに魅了されながらシャッターを切る作者の姿、感動が伝わってきます。
「生活道を守る」(飯山市)=2月6日
コメント:飯山地方では橋に「よしず」を取り付け、歩行者を風や雪から守っている。「綱切り橋」はビニールに変わってしまったが、「柏尾橋」にはヨシズが取り付けられていました。冬の風物詩の一コマを切り取りました。
講評:広い川面を容赦なく吹き付ける真冬の烈風から橋を渡る住民を守る「よしず張り」。すっかり奥信濃の冬の風物詩として定着していますが、近年、ビニールに変わったりして時代とともに姿形を変えているようですね。そのうち、地球温暖化が進むとこの光景も見られなくなるかも知れません。貴重な記録写真とならないことを願うばかりです。狙いをさらに定めるとすると、横殴りの降雪、よしずの脇を通過する住民がもっと大胆に入るとグレードアップ!

【高山 三良】

「いつも仲良し」(自宅)=2月
コメント:何年かぶりに来てくれました。でもいつも一緒のお連れがいない。具合が悪いのかなー、それとも・・・と思ったら次の日からは一緒でした。安心。3日から毎日来ています。
講評:コメントにあるように撮影の流れを上、下の順でうまく組み合わせました。背景の違いからも時系列が読み取れ、物語的な表現となりました。久々に訪れたお馴染みのお客さんに会えたうれしさが伝わってきます。
「立春前日」(附属小学校北)=2月3日
コメント:節分の日、西の空は夕焼けなのに東の空は明るく山と満月前の月が見えていました。このまま春に!
講評:広大な田畑が広がる附属小学校北の夕暮れ。雪に覆われた大地と空の部分を半々ずつにした二分割構図が安定感を醸し出しています。さらに、上部中央の少し左寄りに配置した月がアクセントとなり作品に“味”を添えています。

【倉澤 利和】

「一人で寂しいよ!」(東和田運動公園)=1月31日
コメント:夕方散歩中に目にとまりました。何となく寂しそうにしている姿が愛おしく思われました。
講評:運動公園サブトラックにポツンと雪だるま。散歩中に目に止め足を止め、写し取った心意気が素晴らしいですね。木の枝を利用した腕がアンバランスなところがユーモラスで目を引きます。広々とした背景の中、左に桜の木を入れてバランスを取り、うまくまとめました。ただ、右側がやや広めなので少しだけカットすると主題のだるまがぐんと引き立ちます。

石渡写真クラブ月例会(1月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(1月)作品&講評
 昨年暮れのクリスマス寒波の降雪以降、大した雪もなく比較的穏やかな年の初めが続いてきました。と思いきや、こうして原稿を書いている126日の前々日24日午後から、10年に一度という一線級の大寒波が襲い、経験したことのない横殴りのブリザード、26日朝は氷点下11℃を下回る極寒に見舞われました。
 地球温暖化のことを思えば、少しくらいは寒い方が・・・と思いますが、度を越した寒さ、暑さは御免ですね。でも、ほかの災害などをみても、それとなく、異常気象がひたひたと押し寄せている気がしてなりません。
 やっと到来してきた寒波に、霜や氷など厳冬の被写体も盛りだくさんですが、撮影に当たっては決して無理しないようにお願いします。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【高山三良】

「R5どんど焼き」(ホクト駐車場)=2023年1月9日
コメント:温かいどんど焼き。松飾りの数は少なめ、集まった区民は200人超え。新型コロナ早期終息を願った。
講評:写真上から始まる前、延焼、焼け落ちてお餅焼きーと時系列に三枚組でまとめました。視覚的にも、ワイド系のロング、セミロング、アップ気味と変化を付けてリズム感も出ました。

【中島弘】

「-5度の朝」(長野市千曲川)=2022年12月28日
コメント:寒い早朝の千曲川で撮りました。植物の生命力を感じました。
講評:サツキかツツジの葉にびっしりと付いた霜か霧氷。早朝の斜光線で“とげとげ”といいましょうか凍り付いた針状のものが浮かび上がって芸術的な世界を演出しています。厳しい寒さが感じ取れますが、その中にじっと耐える植物にも思いを馳せた早起きならではの労作。もう少し深度(深いF値)を稼ぎ、背景が単一な黒ベースなので左側をトリミングするともっと引き立ちます。
「冬の黄昏」(長野市南堀)=2023年1月8日
コメント:冬の夕暮れは暖を求め人影もなく寂しいが、夕日のオレンジ色は暖かさと明日への希望が感じられる。
講評: 三段構図で真ん中の葉を落とした木立を造形的に捉え、真冬の寂しさ、厳しさを表現しています。下の校舎をシルエットにし安定感が出て、空の淡い夕焼けもどことなく弱々しげで、主題(木立)を引き立てています。
「北向観音の正月」(上田市別所)=2023年1月11日
コメント:1月11日、北向観音に行ってみました。遅い正月でにぎわいはなく、静かな参拝ができました。
講評:別所温泉にある北向観音まで自宅から自転車、サイクリングの輪行と聞いてびっくりしました。正月が過ぎて、屋台も店じまい、参拝する人もまばらで静かな正月過ぎの神社の様子が出ています。交通事故、気を付けてください。

【早川球喜】

「朝陽に染まる北信の山々」(小布施町千曲川ふれあい公園)=2023年1月12日
コメント:東の空からの陽光が当たった飯縄山、戸隠山及び黒姫山を撮影して見ました。日の出の直前は紅色が増すのですが、太陽が覗くあたりに雲が架かり思った程の紅色が期待できませんでした。又、挑戦して見たいと思います。
講評:北信五岳の峰々が朝陽に当たり淡いピンク色に染まる。1日の始まりの森閑とした様子をドラマチックに捉えました。周りには誰もいない、夜明けの神秘さを独り占めにして感動しながらシャッターチャンスをうかがう早川さんの気持ち、状況が伝わってきます。よく見ると、下部の横に流れるのは千曲川でしょうか、柳の木かなんかもあって風情満点。上部の青空の面積が多いので、半分くらい削り、その分下の川筋の流れをもう少し入れると安定した画面構成になったと思います。

【広澤一由】

「役目は終わった!」(運動公園東側駐車場)=2023年1月9日
コメント:恒例のどんど焼きに題材を求めて参加、炎に包まれただるまを見て、短い一年の役目を終えて、運命のどんど焼きで果てていく姿が、愛おしく、悲しくもあり、共感した!
講評:いつもながらの光景が織りなす毎年の行事ですが、だるまに自分の思いを込めて作画したところ、作品に主張を持たせた点がいいですね。人々の願いを達成、厄を祓い、役目を終えて身を焼き尽くし生涯を終える姿に、自分を含めた人生模様を重ね合わせた思いが感じ取れます。望遠系レンズで無駄なものを廃し、だるまに焦点を絞った技法も主張を端的に表現できました。

【宮澤一成】

「とうとう雪が」(自宅)=2022年12月24日
コメント:クリスマス寒波で朝から雪降り、今シーズン初の積雪です。
講評:正月飾りに使われるナンテン。降り積もった雪景色を背景に凛とした感じが出ています。赤い実を右に配し、そこから画面を左に向かって伸びた枝葉がバランスよく表現されました。背景の建築物も望遠効果でぼけて、そんなにうるさくなく、庭先の様子が盛り込まれました。
「おっとっと」(⦅株⦆ホクト空き地)=2023年1月9日
コメント:石渡のどんど焼きで、舞い散った書き初めを慌てて拾う消防団員
講評:この瞬間には私もいましたが、よく撮りましたね。人はいい瞬間に出合っても(カメラを持っていたとしても)、目で見てしまうことが大半です。なかなか、そういう瞬間を捉えた写真はお目にかかることが少ないです。見事撮影に成功すると「よく撮ったね」となります。書き初めをどさっと投げ入れる瞬間は、その動作が予測できて私もシャッターを押したのですが(石渡つうしん「どんど焼き」に掲載)、次の瞬間、火の勢いで何枚かがふわっと舞い上がり・・・。私はカメラを向ける間もなく、そのシーンは一瞬で消えてしまいました。瞬時をよく捉えましたが、背景に燃え盛るやぐらが垣間見えると、状況が理解できて最高だったのですが、惜しまれます。

【吉田幹男】

「どうなる、どうする」(自宅)=2023年1月10日
コメント:実生から5年目ぐらいなる我が家のアボカド、どこまで大きくなるのか心配だ。
講評:だんだん大きくなってきたアボカドの木。5年ともなると家族同然ですね。暖地の植物なので、寒さにやられないよう室内で可愛がってもらい幸せそうです。今後、実がなり食べられるようになるまでにはどの位の年月?どの位成長しないといけない?・・・。行く末を案ずる思いがタイトルと共に伝わってきます。

石渡写真クラブ月例会(12月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(12月)作品&講評
 先月(11)の例会は新型コロナの感染により急きょ中止となりました。当クラブ始まって以来、初めてのお休みでした。
 その影響か、お休みの方もいましたが、作品なしでも例会には参加した会員もいて、無事再開できてほっとしているところです。
 今回、やや全体の作品数が少なく、1人数点出品された方についてはそのまま複数を紹介、講評させていただきました。
 今年も残すところあと少し。コロナ、戦争、物価高騰・・・とため息が出る材料ばかりですが、来る年は、せめてそこから一歩出て “前に”向かっていきましょう。カメラ片手に・・・。 
 一年ありがとうございました。
 来年もよろしくお願いします。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【宮澤 一成】

「威風凛々」(飯山市神戸)=2022年11月18日
コメント:県の天然記念物に指定されている神戸(ごうど)の大イチョウ。思った以上の迫力にビックリしました。                                    
講評:イチョウといえば連想する色は黄色。やや早めだったかと思われますが、いまいち黄色が足りなくて惜しい気がします。しかし、背景の里山の稜線、手前右の柿の木をあしらった工夫はいいと思います。そして、見物人が何人か見えますが、イチョウの木の大きさを対比的に表現でき、これもいいです。
「巨木の懐」(飯山市神戸)=2022年11月18日
コメント:神戸(ごうど)の大イチョウの中に入ってみたら、              余りの広さに驚かされました。
講評:根元を覆いかぶさるように垂れ下がった枝と一面の落ち葉。これも黄色味があるとぐんと迫力が増したかと思います。人物か何か上の作品のように対比物があるとよかったです。

【広澤 一由】

「夕焼けスライドショー」(長野運動公園)=2022年10月11日
コメント:うろこ雲(?)に、夕焼けが彩りを添えて素晴らしいスライドショーとなった!
講評:大スペクタルな夕焼けです。どこの光景かと撮影地を見れば「運動公園」で、ホクトの所有地西の植え込みではないですか。左下に特徴あるとんがりの給水塔も垣間見えます。市街地では往々にして建物や電柱、電線が邪魔になり、せっかくの自然の営みの出現を台無しにしてしまうのが大半です。夕焼け雲の空と下の部分の比率もよく、画面中央からやや左下の部分を起点にした四方八方、空いっぱいに広がってゆく放射状の雲が何より雄大でいいですね。
「苗場山天池展望台より鳥甲山の展望」(秘境秋山郷)=2022年10月28日
コメント:晩秋の秘境:秋山郷への途中で、紅葉の山々と青空に冴えた鳥甲山が素晴らしかった。
講評:「おー、あれが鳥甲山か」。青空の下、山容と共に裾野に広がる紅葉を堪能する人たち。その感動を一束にまとめた作品になりました。タイトルがやや長めです。

【早川 球喜】

「初冬の野尻湖」(信濃町)=2022年12月6日
コメント:何の変哲のない写真ですが、コメントで何かを見つけようしているのですが、今、頭に浮かばないので追って提出します。
講評:紅葉も終わり冬を迎えようとしている北信濃の風情が感じ取れます。青と黒、白の単色3つでシンプルにまとまっています。じっと凍てつくこれからの冬を待つ湖、黒姫、飯綱山が何かを語りかけているようです。何の変哲のある写真です。惜しむらくは、画面がやや右下がりなので水平に。

【中島 弘】

「小春日和の午後」(大町市霊松寺)=2022年10月31日
コメント:秋晴れの下、紅葉を求めて大町市の霊松寺を訪ねました。紅葉はイマイチでしたが多くの人が穏やかな日差しの中散策を楽しんでいる様子を撮りました。
講評:先般の区文化祭に展示の広澤一由さんの「霊松寺の紅葉」と同じ寺です。廣澤作品は、境内をやや見下ろす感じの高台からのショットですが、この作品は境内の中に潜り込んでの撮影。小生は一度も訪れたことはありませんが、この2枚で、大まかなお寺の概略がつかめました。写真とは、そこに行かなくても光景が共有できる、あるいは美しさやすごさなどの感動を味わうことができる素晴らしいものです。
「おつかれさん」(長野市大岡芦ノ尻道祖神)=2022年11月2日
コメント:正月7日に住民によって造られた道祖神の神面は間もなく1年の任期満了を迎えます。風格の中に住民を見守った安堵感と少し疲れた様子を捉えました。
講評:よく、造られる場面は新聞などでも紹介されお馴染みですが、1年間住民を守ったところに着眼し作画した点が素晴らしいですね。通常、日常の家内安全、無病息災に加え今年は収束の兆しの見えない新型コロナ、ウクライナ・ロシアの戦争、物価高騰と大変な年だったことに思いを巡らせ、表現した一枚になりました。
「オッ!釣れた」(千曲市聖湖)=2022年11月2日
コメント:柔らかい日差しを浴びながら糸を垂れ、静かに流れる時間を楽しむなか、ウキが沈む瞬間の緊張感を撮りました。
講評:人工とはいえ、左下の釣り人用の足場の曲がり具合が画面に変化、動きを感じさせてくれます。そこに釣り人が獲物をひっ掛けた瞬間を捉えたタイミングもいいですね。画面の中で占有する面積は少ないものの、釣り人のどきどきとした緊張感が伝わってきます。この後、魚が釣れたのかなーと連想する楽しさもあります。

【高山 三良】

「皆既月食」(長野運動公園)=2022年11月8日
コメント: 月食最大から40分後、下と右に星があります。下が天王星で突入(天王星食)寸前。
講評:私も運動公園で撮っていました。サブトラック西の築山のてっぺんでした。ちょうど東の空が開けて見え、昨年の皆既の時もここでした。機材や加工、トリミングの違いはあれ、ほぼ同じ色、大きさです。普通の満月では月の明るさで見えない天王星もくっきり。惑星食は442年ぶり、織田信長も見たかも知れないという時空を越え、この次は322年ぶりとか。右の星は私のカメラでは写りませんでした。何という星?
 以下、タイトルなしですが出品されましたので紹介します。地附山の紅葉全景と登山最初の登り口のショットですが、紅葉がきれいですね。もう1枚は霧が這う山里の光景ですが、もう少しアップに切り取ると迫力が増したかと思います。