石渡写真クラブ月例会(11月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(11月)作品&講評
 今年もあとわずか。運動公園のケヤキの葉もすっかり落ち、日も短くなりました。
 文化祭直後の例会(11月9日)に持ち寄られた作品ですが、石渡つうしんに掲載するまでの処理がパソコンの不調により遅れてしまいました。ご容赦ください。
 地球温暖化の影響か今年は暑い1年でしたが、そうは言っても外はどことなく寒くなってきたこの頃。作品は、ほとんどが秋たけなわの彩り豊かな作品ばかりですが、ご覧の皆様は少し時をさかのぼりご鑑賞ください。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【倉澤  利和】

「揺れる」(志賀高原)=10月19日
コメント:石渡長寿会に参加しホテルの運転手兼ガイドさんから紅葉スポットを案内して頂きました。紅葉も見事でしたが、池に映った白樺が綺麗でしたので、シャッターを押しました。
講評:水鏡に投影する景色が風を受けて波立つ。揺れる。この景色の前に立つと、目には湖畔(池畔)上部の本物のシラカバに目が行き(脳裏に焼き付き)、水面に映じる揺れる景色は残像として残りません。つまり、残らない光景を止めて見せる写真ならではの世界。こうして作品化すると、止まった写真から不思議な世界がじっくりと鑑賞でき、別の世界へと誘われます。タイトルとともに良いところに目を付けました。

「こちらの水は甘いぞ」(自宅)=10月22日
コメント:近くに蜜を採取しているお宅があり、毎日数匹で水を飲みにきています。余程私の家の水がうまいのか?
講評:それは、うまいから来るのでしょうね。いい素材を見つけました。画面の中ににぎやかにミツバチを入れてまとめるには大変です。動きを止めるために高速シャッターは必須、アップで撮るには望遠レンズかマイクロレンズ・・・。画面右側にハチがいっぱいいたので、大胆にトリミングしてみました=写真下。まあ、この手の撮影に当たっては、動きが速いのでこの位の画角でとにかくシャッターを押しまくり、後でにぎやかな部分を切り取る(トリミング)方法がベターでしょう。

【高山 三良】

「秋景色」(飯山=小菅と神戸)=11月4日
コメント:大根や稲の取入れが行われていました。お寺の鐘楼にも大根が。神戸の大イチョウは緑のまま。境内先では稲こきが終わって籾焼きの煙が風情を醸し出していました。
講評:晩秋、冬支度の北信濃を二枚組みでまとめました。それぞれ、ダイコン干し、もみ殻焼きをモチーフに、鐘楼や田園を絡め風情たっぷりに表現できました。冬に備える人々の営々と続けられている生活感が記録されています。
「小菅の紅葉」(小菅山)=11月4日
コメント:山全体が紅葉して次から次と絶景が現れました。
講評:中央部分がやや明るめで周辺光量の落ちた右や下などの中でぽっと浮かび上がって光のシンフォニーとでもいいましょうか、グラデーション効果がでました。また、左にどんと配置したブナの木もアクセントになり、中央上に画面全体が収れんしている点もダイナミックです

【竹内 一郎】

「頂きはるか向こう」(飯縄山)=9月10日
コメント:飯縄山にチャレンジしましたが9合目でリタイア、一日がかりの登山となりました。せめて頂上の写真を収めることにと思いシャッターを切りました。偶然向こうから帰る登山者を入れてみました。
講評:登山道脇に茂る笹がボリューム感を持って迫ってきます。点景に登山者を画面に入れた努力がいいです。ストックを前に、右足を出し躍動感があり息遣いが感じられるようです。背景の左にあるシラカバの木1本、向こうに登頂ならなかった飯縄山、雲と青空がいい配置です。

【中島 弘】

「渓谷の彩り」(大町市高瀬渓谷)=10月31日
コメント:渓谷のエメラルドグリーンと紅葉のコントラストを撮ってみました。
講評:この作品も微妙な太陽光線の陰影により変化付けができた作品となりました。右側にある赤、黄などの紅葉が光に映え、左下の乳白色の渓谷の水辺も日なたと陰が織りなし、リズム感を生み出しています。
「寺の秋」(大町市霊松寺)=10月31日
コメント:小春日和の柔らかい光を表現してみました。
講評:大胆に寺の屋根を斜めに配置、それになびくように左下から屋根に向かってこれまた斜めに立ち上る紅葉の木々。斜め構図を効果的に取り入れ成功した一作です。

【廣澤 一由】

「もみじトンネル華やかに」(もみじ湖=箕輪ダム)=10月27日
コメント:箕輪ダム建設後から地元有志で植え育てたもみじが12,000本を超えたとのこと、もみじ山と言えるほど、秋は華やかな彩りを見せてくれる。
講評:同じ赤でも微妙に右上の紅葉と左側群落の色が違って見え不思議ですね。中央下に見えるトンネルから抜け出た場所ですが、散策の人たちとの対比で紅葉の樹木のスケールが分かり圧巻です。
「淡い秋の静寂」(伊那市仲仙寺=信濃三十三札所22番)=10月27日
コメント:寺院が周囲の静かな風景に溶け込んで、歴史ある古い建造物を見ると、遠い昔を思い出し歴史観を漂わせる。
講評:やや紅葉のタイミングが早め?でしたか、緑との交じりが面白い感じですが、もう少し赤が欲しかったですね。樹木の配列、背景のお堂ともに静かなたたずまいを感じさせてくれるアングルです。

【宮澤 一成】

「逆さ」(妙高市いもり池)=10月31日
コメント:池に映った妙高山だけを撮影してみました。
講評:この作品も、倉澤さんの「揺れる」と同じで水面に投影したものを撮影したものです。水面が風で揺れる、逆に静止している、どちらにするかで印象はがらりと変わります。が、もっと山が画面の中にいっぱいになるとよかったと思いますが、さまざまな条件があり無理だったとか・・・。下のスイレンは少なめで、もっと山麓の紅葉が入るとよかったです。
「紅葉狩り」(妙高市いもり池)=10月31日
コメント:平日にもかかわらず、大勢の人たちが散策に来ていました。
講評:大勢でにぎやかですね。左の紅葉を撮影中の女性のアクションがいいシャッターチャンスですが、右手前にいる女性の後ろ姿が苦になるといえば苦になります。写真は一瞬なので、後ろ姿でなくなると、撮影の女性の動きがなくなる。難しいですね。それだけにうまくいったときは「やったね!」となります。写真って面白いゆえんです。

【吉田 幹男】

「真っ赤だな」(アクアウイング駐車場脇)=11月9日
コメント:陽が当たり真っ赤に色づいた紅葉に引き寄せられて撮りました。                      
講評:大胆に「これでもか!」と自分の受けた印象を素直に表現できたと思います。ただ欲を言えば、ちらりと左下の抜けた空間に、運動公園の建物か何かが垣間見えるとよかったと思います。それか、紅葉の赤は存在感が十分あるので、やや立ち位置を引き気味にして、木の幹を入れ、周辺の雰囲気を盛り込むという方法もあったかと・・・。