石渡写真クラブ月例会(12月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(12月)作品&講評
 あけましておめでとうございます。年があけてしまいましたが、昨年12月の例会作品をお届けします。
 元旦から能登の地震、羽田の飛行機事故とテレビにくぎ付けの年はじめとなりましたが、先の一年はこれからです。せめて明るく、楽しい年にしていきましょう。
 本年もよろしくお願い致します。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【吉田 幹男】「カクタスのへそ曲がり」(自宅)=11月30日
コメント:カクタスが咲く時期になって家に入れたり、移動したりすることでせっかくついた蕾が、昨シーズンはすべて落ちてしまいました。今年は、三つの蕾から一つだけ咲きました。                                                                              講評:貴重な一輪ですね。一生懸命手をかけて咲くのを心待ちにしてきた作者の心情がそのまま写真に現れています。家の中ですが、背景を単純化し花を浮き立たせています。ピントもシャープです。さらに引き立たせるために、色調、トリミングをちょっとだけ加工してみました(写真下)

【宮澤 一成】「晩秋」(善光寺山門)=11月15日
コメント:山門近くのイチョウの木に銀杏を発見、こんな所にあるとは知りませんでした。
講評:山門の東脇にあるトイレ前に確かにありましたが、雌木で銀杏が成るとは私も知りませんでした。長玉(望遠レンズ)でぐっと被写体を引き付け、背景にお堂や灯篭、提灯などを配した点はいい感じです。ややアップ過ぎて窮屈な感じがしなくもないです。もう少し引いても(周りを入れ込む)よかった。

「健やかに」(善光寺)=11月15日
コメント:七五三で訪れた親御さんが手を合わせて、何をお願いしているのかな。
講評:上記使用の望遠レンズのまま、合掌する親子をパチリ。こちらは母親の頭が少しカットされてしまいましが、それが普通のスナップと別の感じで斬新な感じの作品になりました。望遠のため、気づかれずに祈る表情を的確に瞬時に捉えています。

【廣澤 一由】「スキーシーズン近し妙高山」(妙高赤倉温泉)=11月15日
コメント:この時期にしては珍しい日本晴れ!スキー客で賑わうスキー場も、今は草木が目立つ。雪が待ち遠しい妙高山が青空に輝いていた。
講評:暖冬で雪がないスキー場。山頂付近が少しだけ白い妙高山を背景にまとめています。雪不足を暗示するかのような真っ青な空がなんとも皮肉っぽく見えます。

【早川 球喜】「日没」(運動公園)=12月13日
講評:テニスコートの照明塔の彼方に落ち行く太陽を入れ、初冬の街並みの夕暮れ時を表現。目いっぱい明るい太陽とストンと落ちた家並みの暗さの明暗比が極端で露出あんばいが難しいモチーフです。太陽の明るさをほぼそのままに、少しアンダーな家並み部分を明るくし、トリミングをしてみました(写真下)。

【中島 弘】「見守って」(千曲市)=12月8日
コメント:山の中腹の斜面に鎮座する祠とご神木のケヤキが眼下の集落を見守っている様子を撮りました。
講評:長野自動車道姥捨SAがすぐ眼下に見える山側の高台、道路沿いにある祠です。SAで分断されてしまいましたが一帯の集落の人たちの拠り所。アングル的に無理だったかと思いますが、できればその集落を背景に盛り込み関係性が出てくるとよかったかなと思います。

「乱舞は風任せ」(千曲市稲荷山)=12月8日
コメント:間もなく飛散するススキの穂が、風任せの乱舞にワクワクしている様子を撮りました。
講評:逆光に映えて晩秋の情緒たっぷり、素晴らしいですね。左上から右下に斜めに林立するススキの穂が固まった感じから周辺に向かい徐々に少なくなっているバランスも絶妙です。「ワクワクしてるよう」と感じた通り、何かそれぞれの穂一本一本が生きているようにも感じます。

【竹内 一郎】「瘤(こぶ)」(戸隠奥社参道)=8月12日
コメント:八月の作品です。奥社参道を歩いている林の中に瘤がいっぱいある木が目に入りました。人間でいう怪我をした後のかさぶただそうです。人間も年を取るとシミ、いぼなど色々とでますね。この木も長い歳月を経て苦労した木ですね。
講評:ミズナラでしょうか。奥社参道といえば「杉並木」が格好の被写体として登場しますが、面白いところに目を付けましたね。自分の(人間の)姿に比喩し、その生い立ちまでに思いを馳せた視点、着眼点に竹内さんの芸作風を感じます。タイトルもそのまま素直なもので、作品と符合して素敵です。

【高山 三良】「紅葉のトンネル西東」(運動公園)=11月23日
コメント:弓道場に続く木立の歩道があります。行くときは東から、帰りは西から。
講評:左は弓道場へ向かう東からの木立。反対に西から撮ったものが右。小生のウオーキングコースでもあり親しみがあります。太陽と月、陰と陽、男と女、雄と雌、黒と白、高い低い・・・。世の中、相反するものがたくさんありますが、そんな物だけを狙ってみるとか、組み写真でまとめてみると存外面白いかもと思います。

「難を転じて」(自宅)=12月14日
コメント:お正月飾りには欠かせない南天、赤い実がたわわにつきました。
講評:雪で一面真っ白の世界ですと餌不足から、ヒヨドリなどの格好の餌となりますが、近年はあちこちで、思わぬ場所でよく見かけるようになった樹木の一つです。ヒヨドリがよく飛来する周辺で排泄された実が発芽、増え続けているものです。

【倉澤 利和】「寂しげなトナカイ」(FICT(旧富士通長野工場)工場=12月15日
コメント:旧富士通長野工場前芝生広場で毎年クリスマスイルミネーションが点灯されていました。今年は会社の社名も替わり、規模も縮小されておこなわれていました。慣れ親しんだ富士通の名前が消え、寂しい気がします。
講評:身近なところの変化に関心を持ち、それをとどめておく。これも確かな歴史を刻む写真としての大切な役割です。いつだったっけ?時がたつほどに忘れ、曖昧になる事実が写真とともに確かなものとしてよみがえります。作品としては「きれいなイルミネーション」として終わってしまいますが、写真の持つ特性を持った一枚です。

「冬を待つ長野市」(須坂市百々川河川敷)=12月8日
コメント:久々の暖かい日、久しぶりにカメラを持ち出かけました。雪をかぶった飯縄山が見られると思いましたが、残念ながらまだ雪の風景がみえませんでした。吉田地籍のアクアウイングが見えましたのでシャツターをおしました。  
講評:わが石渡区にもお馴染みのアクアウイングが中央に、その手前は上記作品の旧富士通長野でしょうか。望遠レンズの“ひきつけ(圧縮)効果”で、遠く須坂市からでもすぐそこに見える、不思議な写真になりました。さらに遠く、上部に見える白い山は北ア?早朝だと朝焼けとか、午前中ならもっとクリアに出てきます。

                          (了)