石渡写真クラブ月例会(8月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(8月)作品&講評 
 8月の例会7日は暦の上では立秋。文字通り、それまでの酷暑がこの日から一服、少しだけ過ごしやすくなりました。でも、またこの原稿を書いているお盆は暑さがぶり返しエアコンの効いた部屋で皆さんの作品を見させていただいております。
 花は夏枯れでしょうか、ハスの花に集中しました。上田市の信濃国分寺に小池さん、牧内さん、宮澤さん、有名な木島平村の稲泉寺に中島さん、三才の諏訪神社脇の池に高山さんがハスの作品を寄せてくれました。それぞれに狙い方、表現方法など違いがあり興味深いです。
 また、同じ日時に発生した虹を小島さん、後藤さんが撮影していました。また、撮影日は別ですが夕焼けを高山さん、牧内さん(一部は朝焼け)が出品しました。
 類似のものが並びました。じっくり見比べてご鑑賞ください。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品・講評の順番は、会員の氏名を「あいうえお」順に、月ごとに逆にして紹介しています。

【宮澤 一成】

「夏色の中に」(信濃国分寺=上田市)=7月18日
コメント:蓮の花で有名な信濃国分寺、ピンク花に囲まれた親子を撮影してみました。
講評:広がるハスの花畑、その中を点景として散策する親子たちをあしらいました。日傘に炎天の暑さが感じられます。細かいことですが、右上の街灯の柱か何か、苦になるのでカットしましょう。

【牧内 二郎】

「朝焼け&夕焼け」(石渡、南堀)=6月16日、7月25日
コメント:北西の空がDCMの看板に負けないくらいに赤く染まっていたので撮りました(写真下)。また北東の空が赤く染まっていたので撮って夕焼け画像と合わせました(写真上)。
講評:市街地、ご自宅周辺から見た朝焼けと夕焼けを天地二枚に組み写真としてまとめました。いずれも写真愛好家が好んでシャッターを押す時間帯「ゴールデンアワー」(太陽が出る、あるいは沈む前後の約一時間)の作品です。この時間帯は焼ける雲のほか、運が良ければ月や一番星なども被写体としてあります。
「国分寺の蓮」(上田市、信濃国分寺)=7月28日
コメント:信濃国分寺の蓮の花が見ごろということで行ってきました。蓮畑だけだと単調なので、国分寺と合成しました
講評:見た瞬間、やや不自然さを感じたと共に、何かうまくまとまって見える・・・。次に「ん?」。二枚を合成した写真でした。その通りに写すとなると、どこかうまくまとまらない、落ち着かない・・・ということが往々にして起こります。そこでカメラマンは悩み、苦しむ。この作品も、ハス池の向こうに本題の寺が(実際は別の方向からでないとこのように見えない)あったらなーという願望を、うまく合成して作品化しました。最近のデジタル加工ソフトでは可能な領域、表現方法となりました。あるべき姿でないものが現出するわけで、コンテストによっては応募の際に「合成」、あるいは「加工」と断りを入れる必要があり注意が必要です。

【廣澤 一由】

「あ~ら不思議!」(あさひ・ふるさと祭り会場)=7月19日
コメント:ポップコーンが焼けて次から次と出てくる様子を、不思議そうに子供達が観ている姿が可愛らしかった!
講評:無心に装置の中をのぞき込む少女の表情をタイミングよく捉えています。惜しむらくは、後ろにいるお母さんたちの表情が見えるとなおよかったかと思います。(見えない方がいいケースもあるかと・・・)。
「霧のSORAテラス」(山ノ内町夜間瀬=竜王ロープウェイ)=7月29日
コメント:世界最大級の大きさを誇る竜王ロープウェイに乗り山頂へ、時折霧が出てあいにくの天候でしたが、1770mのSORAテラスは涼しく快適!
講評:天候があまりよくなかったのと撮影の時間帯も最適ではなかったと思われます。テラス手前の部分はアンダー、逆に向こうにかすかに見える山はぼんやりとし、画面内の露出がアンバランスで難しい条件だったことが透けて見えます。向こうの山並みを狙うなら、撮影時間帯としては早朝から午前中、くっきり、すっきりとした山並みになります(霞、もやがあるとだめですが・・・)。

【中島 弘】

二千年の時を経て」(木島平村稲泉寺)=7月22日
コメント:2千年以上前の古代のハスの実から発芽・開花した大賀蓮(発見者大賀一郎博士)。2千年の時の流れをモノクロで表現してみました。
講評:カルチャーセンター写真教室の受講生から「今年あまり芳しくない」と聞いていましたが、上田市の信濃国分寺の作品(宮澤さん、牧内さん、小池さん)と比べると花数が少なかったのでは・・・。そこで考えましたね。たった一輪ですが、今に咲くハスをカラーで、いにしえの太古の昔をモノクロで対比、時の流れを対比的に表現した労作です。目的のものが期待通りでなくても、写真はそれなりに工夫をして創り上げるというセオリーを実践した作品です。
「激走懐古」(乗鞍)=7月24日
コメント:乗鞍「肩の小屋」付近から撮りました。毎年8月の最終日曜日に開催される「マウンテンサイクリングin乗鞍」のレースに40代の頃4回ほど出場。距離20キロ標高差1200mの心臓破り。そのコースを眺めながら、記憶から薄れる激走に思いを馳せました。
講評:中日新聞主催で昭和50年代?ころ、初めての大会か二回目を小生も取材、写真グラフにまとめたことがあります。自転車のリムがぐにゃぐにゃに曲がったり、コースを飛び出す選手、自転車を担いでゴールなどなど悪戦苦闘の選手らの表情を中心にまとめました。取材には特別に車を許可してもらい、カメラマンは二人がかりでした。どこかに中島さんもいたかも。

【高山 三良】

「燃える」(南堀)=6月29日
コメント:夏至を少し過ぎた日、空が燃え出しました。こんな夕焼けは初めてで時を忘れてシャッターを押しました。
講評:1年に指折り数えるほどもない?見事な夕焼けですね。山並みから空を一面に埋め尽くした広大なスケール感が出ました。中央の稜線に沈んだ太陽とおぼしき場所が特定できますが、ほんの少しお日様の一かけら、あるいは光芒などがあったら・・・と想像してみました。
「こんなとこに」(三才)=8月4日
コメント:「三才諏訪神社の蓮がきれい」の情報を聞いて早朝6時に出かけました。予想よりも大きな池でたくさん咲いていてビックリ!
講評:北信では有名な木島平の稲泉寺が今年、あまり思わしくなかったという複数の情報を耳にする中、身近にこんなにたくさんのハス池があるとは私もびっくりしました。さまざまな形、色のハスの花を角度、単独、複数とバラエティーさを持ってうまく組み写真としてまとめました。

【後藤 祥子】

「ついておいでよ よーいドン❢」(自宅)=7月10日
コメント:草取りをしているとカマキリの赤ちゃんに出会いました。大きな葉っぱを登ろうとしているのかと思うけれど、人間の自分に警戒して動きが止まってしまいました。自分が去ったあと登っているかなと思いながらタイトルを付けました。久しぶりに見たカマキリ 頑張って育ってね。
講評:わずか1、2㌢の小さなものをよく見つけました。上部、左に細い茎かなんかにいっぱいいるのが仲間のように見え、そこに向かっているのかな?実はお仲間は単なる枯草とか。本来カマキリは一塊の中におよそ200、300卵を産み付けるとか。かつて、次々とうじゃうじゃと生まれたてのにぎやかな作品を見たことがあり、その生命力に驚いた記憶があります。
「あがりの15分」(ケーズタウン屋上=若里)=7月15日
コメント:仕事が終わり外に出ると虹がかかっていました。写真を撮るにも電線ばかり。急いでケーズタウン屋上に向かいました。「消えないで」と願いながら・・。足場はびっしょりの中で靴を濡らしながら写真を撮りました。間に合って良かった。15分間は願いの15分になりました。久しぶりに虹を見たので感激しました。
講評:次の小島さんの作品「お福分け」と同じ虹です。くしくも同じ日の同じころ、石渡写真クラブの部員が同じ被写体を写真に収めたということは偶然とはいえ稀有な事ではないかと感激。小島さんの方が26分早く午後6時半撮影。まだダブルで見えていました。後藤さんは、その後6時41分に気が付き、15分後の56分、遠望のきく屋上に駆け上がりどうにか間に合って撮影。両人の同時刻の行動を追ってみると、何か共通のものがあるように思え不思議な気持ちになります。以前屋上からの別作品があり家並みが写っていましたが、虹の下に家並みがあると生活感が盛り込めて作品がグレードアップしたかと思います。

【小島 真由美】

「希望通りに撮るのは難しい」(新潟県清津峡トンネル)=7月12日
コメント:インスタでも有名な清津峡トンネル。長野から1時間半ぐらいで行けることがわかり行ってきました。本来はトンネル出口と水面が鏡のように映るはずですが、人気のスポットでたくさんの人がおり皆さん順番待ちをしながら撮影するので、なかなか水面が落ち着かない状況でした。何枚か撮ったなかで一番綺麗に水面が写っているものです。希望通りに撮影するのは難しいと思った1枚です
講評:以前の写真県展で入選、カルチャーセンターの写真教室の生徒さんが撮影、見覚えのある場所。自分もそういう作品をーと目的を定めて行く人、そんな事情を知らずに撮る人、みんな「どこかで見たことのある写真」に挑戦します。このパターンは昔からあることで否定するものではありません。取りあえずは、そんな風な同じ感じの「どこかで見たことのある」写真を撮ってみましょう。しかし、そこで満足してはいけません。むしろ「それ以上」を目指しましょう。その意味で、この作品は「どこかで・・・」写真でなくいいです。手前の水鏡がお仲間の歩行によって揺らいだ点、本来向こうの縁取りにのみいる(並ぶ)人物が整然としていなくて、右だの左だのあちこちにいる。と、むしろ逆にそういうところを思い切って強調して仕上げると傑作が生まれたかも。「どこかで・・・」作品を撮るのは難しいですが、一歩そこを超えて行きましょう。
「お福分け」(自宅前)=7月15日
コメント:会社からの帰り道、虹がでる条件がそろっているなと思いながら空を見上げるとダブルレインボーがかかっていました。ダブルレインボーは「目撃すると幸運が訪れる」との言い伝えがあるそうです。皆さんに幸福が訪れるといいなと思い「お福分け」です。写真を撮っていると通行人が「なんだ?」と見てきて、撮影方向の空を見上げ納得し、携帯を構える人が続出していました。写真を撮るには周囲の目を気にしてたら撮れないと思った1枚です
講評:「お福分け」。いい言葉を知り感謝です。というのも、そもそも写真を撮るという意義についてですが、自分が何かを見て感動する➡誰かにもその景色なりを見てもらい感動を味わってもらう思いで撮る➡コマを選びプリントし額装、展示➡同じ感動を共有(見た人に伝える)する。という一連の写真を撮るという行為も同じく、最適な言葉を見つけたような思いに至ったからです。「写真はお福分け」。
作品は空に高圧線が走り、生活感というか日常感があっていい感じですが、下の家並みがやや少なく窮屈。もう少し入れるとさらに日常、そこに暮らす人々の舞台が現出、お福分けとの関連性も出てきたと思います。

【小池 公雄】

「あの世にも咲くという」(信濃国分寺・上田市)=7月15日
コメント:雨上がりの池に、蓮が満開でした。前後にボケを入れてふわっとした感じに撮りたいと思いましたが、池が平面のため、前をボケさせようとすると、撮りたいヤツが隠れてしまい、なかなかうまくいきませんでした。
講評:仏教、仏像に由来するハス。一斉に咲いた花がにぎやかですが、花が重なり過ぎて雑然とした感じになってしまい残念です。やや立ち位置を高くする、そして上の部分を半分くらいカットしハスの部分を多くするとすっきりしたハス池が表現できたのでは・・・と思います。右端の人物は点景としてあしらったかと思いますが、中途半端で一層のこといらないです。
「必死で語る」(信濃国分寺・上田市)=7月15日
コメント:葉蔭から必死で何かを語りかけているような花を見つけたので撮ってみました。
講評:コメント、タイトルを突き合せ、こちらも必死で写真を読み解きますと、開き始めた蕾がちょうど動物の口に似ていて?、中に舌らしきものも見え、「おーい」と話しかけているように見えます。仏様か誰かが、何かを小池さんに訴えているかのようですね。よく気が付き、創造力を盛り込みました。
「浅間の水花火」(軽井沢白糸の滝)=8月1日
コメント:暑さを逃れて軽井沢白糸の滝へ行ってみました。滝本体よりそれたところに落ちている細い滝が、石の上で弾けて大きな線香花火のようでした。
講評:多くの観光客、プロ、アマ問わず写真に撮られてきた有名な滝。どう撮っても「どこかで見たことのある」作品になってしまいます。そこで何か感じたものを絞り込んで切り取ることが求められます。その意味で、落下する水しぶきが石にあたり線香花火のように感じた感性が素晴らしいです。欲を言えば、さらに高速シャッターで、逆にスローシャッターで撮ったらどんな結果が・・・。

【倉澤 利和】

「雪渓」(乗鞍)=7月24日
コメント:乗鞍岳(剣ヶ峰)を目指しましたが、途中雨・雹(ひょう)・雷に見まわれて登頂を中止、不消ケ池(キエズガイケ)に映る雪渓が見事でしたので撮りました。
講評:残雪と雪解け水を満々と貯えた池が印象的、涼し気な真夏の高山のたたずまいを演出しています。やや全景(広すぎ)的で、コメント通りの倉澤さんが感じたところのものが残念ながら表現しきれていないかと思います。思い切って頂上や左部分を捨てて、右側の池と雪渓をもっと絞り込んで切り取ったら・・・。