石渡写真クラブ月例会(7月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(7月)作品&講評
 梅雨があけました。コロナも5類に移行し、世の中も石渡の催事なども元に戻りつつあります。
 まだ感染が完全になくなったわけではありません。細心の注意を払いながら、作品作りに励みましょう。
 盆過ぎには、高山では秋の気配がじわじわと忍び寄ってきます。雲や花など夏と秋が同居したショットもいいかも知れません。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【倉澤利和】

「面影」(しなのかわだ駅)=7月13日
コメント:71人/日あった乗車人員。平成2441日長野電鉄屋代線廃止により廃駅になった信濃川田駅 かってあった車輛も撤去され寂しくなっていました。*町の役員さんが夏祭りの準備をしていました。
講評:ほぼ同じ立ち位置で角度を変えた2枚。「どっちがいいか?」と両方出品されましたが、ホームと線路が奥に向かって延びる方(上)が遠近感があっていいかなと思います。人物がいますが、どちらも分かりにくく残念です。こういう素材こそ組み写真の登場です。この作品のほか、草ぼうぼうの中のさび付いた線路、夏祭りの準備をする地元の人、表玄関で今もかつての利用客を運ぶバスなど場面転換を考えて撮影、4~5枚でまとめます。一枚の中に入れ込む作業はとても 大変ですが、自分の表現したいものに取り組むことは楽しいものです。

【高山三良】

「お出迎え」(飯山市戸狩・高源院)=7月7日
コメント:あじさい寺と呼ばれる戸狩高源院、青い紫陽花と赤い帽子のお地蔵さまが出迎えてくださいました。ぽっくり観音にもお参りしてきました。お賽銭も。(組み写真)
講評:私もかつてカルチャーセンター「たのしい写真教室」の撮影会で訪れたことがあり、思い出深い六地蔵。作品を見た瞬間、「あれっ、こんな花(手前)あったっけ」、「高山さん、何という花?」。お地蔵さんとの境に気が付かないまま講評を続けるうちに提出の説明を読むことを促されました。その末尾に(組み写真)とあり、それまで1枚の単写真と思っていたのが覆り、すっかり“だまされました”。組む場合は、複数の作品の間に線(太さ、色などを考慮)、もしくは間隙をと提唱していますが、この手の手法もありかなと思います。
「カルガモ」(南八幡川)=6月23日
コメント:最初は子供たちだけでした。こちらが右に行くと左に、左に行くと右に向きを変えていました。親が来てからは後にくっついて安心顔。
講評:こちらも組み写真ですが、上と下に白い線があり明らかに分かります。そして、被写体の上の子ガモは右上から左下に斜めの線上に浮かび同じ顔の向きが面白く、逆に下は親の顔を頂点に左上と左下に描かれる三角形構図でまとめ、やはり同方向へ向かってゆく感じが動感を出しています。逃げるカモたちを粘り強く追いかけた労作です。

【中島弘】

「梅雨の賑わい」(安曇野市明科あやめ公園)=6月16日
コメント:明科のあやめ公園のハナショウブが見頃との報道があったので行ってきました。一時は連作障害で衰退した株が保存会の努力で復活したとのことです。
講評: こちらも「どっちがいいか?」。どちらもいいです。手前に紫色がある作品(上)は、向こうの散策道で花を楽しむ人たちまでフォーカスが合い、あやめ公園の全体がよく分かります。一方、薄紫色が混じった花の方の作品は、ハナショウブだけにピントが合い、向こうの花見客や東屋などはぼけてよく分かりません。どちらかというと主題の花だけに焦点が絞られた感じの作品ですね。従って、タイトルにあるように「賑わい」という視点から選ぶと、紫色の花と向こうの花見客がよく分かる方の作品に軍配が・・・。
「龍と紫陽花」(飯山市高源院=アジサイ寺)=7月7日
コメント:バイクツーリングの仲間と訪れました。ちょうど見頃で訪問客もまばらな境内でアジサイを楽しみました。本堂の前に設置してある龍の口から流れる清水を受けるアジサイに猛暑の中の涼を感じました。
講評:手水鉢といっていいかどうか、水を吐き出す龍と水を受けるアジサイの花が一服の清涼剤となりました。左のひしゃくは、この場の雰囲気を盛り立てていますが、花の周りの水空間がやや少なめ?か分かりにくい感じがします。

【早川球喜】

「梅雨間の牧場」(山田牧場)=7月13日
コメント:誰もいない牧場。放牧牛が思い思いに草を食べています。ここでは、時がゆっくりと流れているようです。
講評:樹林を切り開いたゲレンデの牧草地 。別名、冬季は「山田温泉スキー場」。上から下へ続くスロープの中で、のんびりと草をはむ牛たちがバランスよく点在した瞬間を捉えました。できれば上部の空の部分がやや少なめで中途半端です。曇り空なので、あまり入れる必要はありませんが、もう少し。

【広澤一由】

「紫陽花に囲まれて」(飯山市戸狩・高源院=アジサイ寺)=7月7日
コメント:寺院全体が紫陽花に囲まれ、参道脇のお地蔵さんも紫陽花に囲まれて参拝者を見守っていました。長い歴史をしみじみと感じました。
講評:前述の通り私たちが行ったときはアジサイの花がこの数倍以上あり、お地蔵さんの頭や肩に垂れ下がるようににぎやかでした。左にある石段が存在感はあるもののやや寂し気で、花見客の人物の往来を点景に入れたかったですね。
「ミツバチの朝食」(自宅庭)=6月6日
コメント:ムラサキツユクサの花びらに取り付き、花密と花粉(花粉団子の元)を無心に採取しているミツバチに遭遇し、興味深く観察できた!
講評:無心に吸蜜しているためか、近づいても逃げないミツバチを見事に捉えました。敏感なチョウやトンボ、危険なハチなどはマクロレンズでも望遠マクロレンズ(ニッコールマクロ200㎜)で撮らないといけませんが、この作品はスマホの撮影とのこと。クローズアップに強いスマホならではの写真となりました。ただ、画素数(ピクセル寸法の容量)が多めでないと、四つ切りクラス以上の大伸ばしにすると粒子が目立ちます。撮影段階で容量を多く設定して撮るか、加工段階で少し容量を増やしてプリントするとよいでしょう。

【宮澤一成】

「雨上り」(長谷観音=篠ノ井)=6月29日
コメント:雨降りの中で撮影したかったのですが、雨が止んでしまいました。 雨上がりの感じが分かりますでしょうか。
講評:左下の葉の上にあるしずくから推察できますが、感じとしては「雨上り」のイメージはないですね(失礼)。日が差しているのかアジサイの花が明るいせいでしょうか。大胆に望遠レンズで切り取り、背景の山門でしょうかぼけ気味ながら環境も盛り込めています。どこかにカタツムリでもいると最高でーす。
「蜂+ONE」(長谷観音=篠ノ井)=6月29日
コメント:百合の花と蜂を撮影したら、もう一匹昆虫がいました。
講評:いました。やや左下の葉の上にテントウムシかと思いますが。ファイル情報によると、2000分の一秒という超高速のシャッタースピードで蜜を求めてやってきたミツバチをしっかりと止めて捉えています。もう一匹が、このハチとほぼ同じ場所に位置するともっとよかったですね。

【吉田幹男】

「溢れる白」(自宅庭)=6月20日
コメント:奥にアナベルを手前にノリウツギの花を入れて撮りました。
講評:いずれも白色の花とほかの植栽の葉のグリーン、2色でシンプルにまとめています。花でも何でもそうですが、「白」色は晴れた太陽光を光源に撮影すると、「白飛び」といって周りのものよりさらに真っ白に写りすぎてしまいます。露出を加減する方法もありますが、むしろ曇天や雨降りの下での撮影をお勧めします。白花のデティール(詳細)がきれいに写るはずです。