朝陽地区と芋井地区との交流会

    ――焼酎が取り持つ縁

 石渡区の役員4人も参加した朝陽地区役員27人が10月17日、芋井地区を訪れて交流を深めました。市の提唱で始まった事業で、互いの住民が交流をとおして歴史や文化、産業などを学び合い、それぞれの地域の発展につなげるのが目的。芋井地区からは19人が参加しました。

 朝陽地区は、キクイモの焼酎づくりで地域活性化をめざしており、芋井地区はジャガイモで焼酎をつくって地域起こしに取り組んでいることから、焼酎を仲人(なこうど)にして交流が実現しました。公民館では互いの住民自治協議会の会長が「この日の交流を成功させ、今後も続けよう」とエールを交歓しました。

 参加者は「芋井の歴史を学ぶ会」の役員の案内で、当時の建物がそのままの姿で残っている松代藩真田家の本陣「上ヶ屋本陣」や、重要文化財の「葛山落合神社」、昭和40年に移築された「旧長野県庁舎」など多数の文化財や遺跡を見学しました。驚いたのはその数の多さです。裏を返せば中山間地ということもあって開発が進まなかったおかげということもでき、地域の財産として芋井地区の人たちの文化財に寄せる思いの強さを感じました。

 最後に、来年は朝陽地区が芋井の人たちを招いて、互いに持ち寄った焼酎で交流を深めることを約束しました。しかし朝陽地区には案内できる場があるのかどうか、ちょっと心配です。

【文と写真:石渡区長 水越渉】

朝陽地区と芋井地区の参加者が集まった交流会の開会式。互いに今後も続けようと話し合いました

当時のままの姿で残る松代藩真田家の本陣。3年前の神城断層地震では、屋根瓦が全部落ち、大きな被害を受けた

本殿は550年前に建てられた。拝殿に六文銭の家紋があるのは真田家の御祈念所になっていたためという

以前は研修施設として利用されたが今は老朽化で使われていない。正面玄関の大階段やステンドグラスなどは見事