石渡写真クラブ月例会(8月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(8月)作品&講評
 朝夕は少しだけ涼しくなったものの、昼間はまだ30℃を超す日が続いています。でも、ふと耳を傾けると草むらからは秋の虫の声が・・・。
 もうしばらくの我慢かなと思います。暑かった分、涼しさや彩り豊かな秋が一層価値を増してくるように思います。運動公園のケヤキの紅葉には少し早いですが、山の上の方から里へと秋は降下してきます。
 春と並び一番被写体には事欠かない季節はもうすぐです。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品・講評の順番は、会員の氏名をあいうえお順に、月ごとに逆にして紹介しています。

【宮澤一成】

「夏に輝く」(高山村雷滝)=7月29日
コメント:外気温35度を超える中、涼を求めて雷滝に行って来ました。夏の陽ざしを浴び、滝が輝いていました。
講評:裏からも滝の流れが見える「裏見の滝」としても有名。その様子をカメラに収める見物人ですが、ややアンダー気味で所作、表情が分かりずらいですね。一発ストロボの補助光をたくかですが、いずれにしろ暗部、明るい外光とのバランスが難題の被写体です。加工の段階で、アンダー部だけを明るめにできる機能を使ってみました=写真下

「水のカーテン」(高山村雷滝)=7月29日
コメント:雷滝をやや横から撮影してみました。まるでレースのカーテンの様に見えました。
講評:酷暑には涼しげでいいですね。手前の大きな流れが主題ですが、やや向こうの明るい部分に引っ張られアンダー気味、やや精彩を欠いた感じに見えます。少し明るめにし、コントラストを上げ、主題の手前の水流に目線が行くように見栄えよく加工してみました=写真下

【廣澤一由】

「今も長電で活躍中」(吉田原隧道)=8月7日
コメント:旧小田急ロマンスカーが首都圏での任務を終えて長電に移籍し、現役で今も活躍している。懐かしい車両を写真に収めることができた。
講評:現役で活躍している電車を、画面の横軸いっぱいに収めました。左右ぎりぎりですが、走行するスピード感が感じられます。動きを感じさせる撮影方法として、シャッタースピードをもう少し遅くして電車をぶらす方法、あるいは、電車の動きに合わせてカメラを横に振りながら撮る「流し撮り」があります。動きが一層出た写真になります。いつか、挑戦してみてください。

【中島弘】

「青空に映える」(自宅)=2022年7月31日
コメント:真夏に百日咲き続けると言う百日紅は灼熱の青空が似合うと思い撮りました。
講評:サルスベリの紅色が真っ青な空に浮かび鮮やかなコントラストを醸し出しています。真夏に咲く花で、右の送電線の鉄柱が“うるさい”感じですが、暑さを助長しています。
「羽ばたき」(自宅)=7月13日
コメント:蝶の羽ばたきの残像を撮ってみました。
講評:ISO160、30分の1のシャッタースピード、絞り8のデータです。通常、動物を収める場合は、ぶれ防止のため500分の1以上の高速シャッタースピードが原則です。が、吸蜜しながら羽ばたくチョウの動きを低速シャッターにし表現しています。羽ばたく動きのスピード加減によるので、これ以上低速か、あるいはもう少し早めのシャッターがいいかー、は何とも限定できません。500㎜という超望遠レンズにより背景もぼけて、狙い通りの羽ばたきがうまく収められています。羽ばたきを中心にも少しトリミングするとさらに狙いが明確になります。

【高山三良】

「鷲ヶ峰から諏訪湖」(鷲ヶ峰山頂)=7月21日
コメント:車山ハイクの予定がイベントと重なり駐車場満杯道路も渋滞で目的地変更。頂上からは諏訪湖を見ることができました。
講評:雄大な山裾の広がりが出ました。その向こうに諏訪湖と街並みがちらりと見えますが、近くで見ると大きな湖もこうして見ると小さく見えます。大自然の中の諏訪湖と比較ができ面白いです。
「八島湿原から車山」(八島湿原)=7月21日
コメント:車山=ニッコウキスゲのイメージがありましたが鹿害でドライブイン付近と囲いの中にしか咲いていません。シカたないですね。
講評:シカはかつては下伊那地区、南信しか見られかった動物。どんどん北上を続け今では北信でも当たり前のようになっています。分布拡大とともに、どこも悩みの種は食害。霧ヶ峰も記載の通り、草原の植物を食べつくされ、代名詞だった「ニッコウキスゲ」は影も形もありません。10数年前、もっと前からでしょうか、植生を回復させようとシカが入れないようにして囲みの中だけにニッコウキスゲを移植して増やす試みが続けられてきました。見事ににぎやかさを取り戻したものの、花の時期になると限定された群落を求めて行楽客が殺到、高山さんが遭遇した状態になります。で、仕方なく?訪問先を変えた八島湿原。向こうやや左側に車山の山頂が見えますが、岸辺の花を手前に湿原、山とこれまた雄大な高原の雰囲気が表現されました。参考までに昨年、カルチャーセンターの写真教室で無事たどり着き撮影した「囲みの中のニッコウキスゲ」をご覧ください=写真下

【小池公雄】

「動じません」(若穂蓮台寺)=7月23日
コメント:先月例会に出品した「6地蔵」の内の1体です。写り込む背景に注意してみました。立地的に人工物が入らないように6体を1枚に収め切れなかったので1体で。
講評:写真は「そこにあるものは写り込む。写ってしまう」というのが当然と言えば当然です。お地蔵さんもその背景にあるビニールハウスのようなもの、両方とも人工物ですが、主題(テーマ)のお地蔵さんに対し、向こうのハウスは邪魔と言えば邪魔ですね=前回例会作品参照。つまり、主題の表現、イメージがダウン(減衰)するということかと思います。じゃあ、どうするか?ですが、アングルを手変え品替えて画角(フレーミング)内から外す、あるいはどうしても入ってしまう場合には手前の何かで隠すなどの方法があります。あるいは、光線状態により目立たなくするという手もあります。それでもダメな場合は、この作品のように思い切って六地蔵という全体ではなく、一体だけを切り取るということもありですね。背景に山稜を取り入れ環境を盛り込みましたが、光線状態が斜光で強く当たり顔半分がつぶれてしまい惜しまれます。もう少し光が回り、顔が見えるまで待つとよかったかと思います。
「諭す」(若穂蓮台寺)=7月23日
コメント:木漏れ日の中、紫陽花に囲まれて座っていました。地蔵さんの説話が聞こえてきそうな表情。もう一枚の写真とどちらを出そうかと迷いました。
講評:同じ寺院の中の別のお地蔵さんですが、今度は6体もなく心置きなく一体に集中して作画できたかと思います。物言わぬお地蔵さんですが、説話が聞こえてくるようだと感じながらシャッターを切った思いがそのまま伝わってくるようです。ただ、光の加減かアジサイの花がいっぱいあるのに、目立たないのが惜しまれます。こちらは顔の表情が見えていいですね。
「いかにも雀」(長野市セントラルスクゥエア)=8月3日
コメント:長野びんずるで、仙台雀踊りを舞台で踊っていました。びんずる写真もありますが、肖像権に自信が持てないので……。
講評:群れているにぎやかなスズメを連想させてくれるような踊りのひとコマですね。振り付けもそのように創り上げているかと思われますが・・・。びんずるのショットは、よほど被写体となった人物を揶揄(やゆ)したり、批判的、下品などの表現でなければ特段発表して差し支えないです。ある意味で、踊ることそのものは他の人に見てもらう、写真に撮ってもらって二次的に楽しんでもらうことが含まれますので遠慮することはないです。いいショットがあったら見せてください。