石渡写真クラブ月例会(9月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(9月)作品&講評
 やっと涼しくなりましたが、まだ昼間の最高気温が30℃近くの日もあり「暑い今年だったなぁ」。それでも、標高の高い山の上から紅葉の便りが届き、里の秋ももう少しと待ち遠しくなります。
 区の運動会は中止となりましたが、秋祭り、文化祭と芸術の秋本番を迎えます。風景、ネイチャーものも結構ですが、たまには人物、人の動きを狙った写真にも挑戦してみましょう。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品・講評の順番は、会員の氏名をあいうえお順に、月ごとに逆にして紹介しています。

【小池 公雄】

「帰京へ」(屋島橋西)=8月17日
コメント:お盆の帰省も束の間、連日猛暑が続き、行く先には交通渋滞も待っている中、明日からの仕事に向け帰京?お疲れさまです。流れる車を線状に表現したかったですができませんでした。
講評:横断陸橋の上からハイアングル、意図した構図で遠近感を出して表現した工夫が感じられます。車を流して線状にしたかったようですが、昼間ならNDフィルターを使って、ISO感度をカメラ規定値よりさらに落とす(数字の少ない方に)とシャッタースピードが低速に設定できます。すると、速く走る車がぶれて動感が表現でき線状とまで行きませんがそれに近い表現ができます。あるいは、薄暮の時間帯より遅い時間帯(つまり夜間)で撮影すると、感度を落とすフィルターもいらず、低速が切れます。ヘッドライト、テールライトが連続して写り込み、まさに線状に表現できます。試してみてください。
「冷気堪能」(高山村雷滝)=8月23日
コメント:先輩の真似をして、雷滝へ涼みに行ってきました。滝の飛沫による冷気に圧倒されました。
講評:前回の宮澤さんの作品と同じ滝です。が、滝上部ではなく、途中から滝つぼ、そして下流へと少しアングルを変えて狙っています。くるりときびすを返すような水の流れが躍動感をもって迫ってきます。
「米騒動の秋」(姥捨棚田)=9月9日
コメント:スーパーからコメが消えて大騒ぎになっている中、棚田の様子を見に行きました。黄金色に実っている反面、ゲリラ雷雨のせいでしょうか、倒伏の田が目立ちました。米騒動の善光寺平を案山子が見ています。
講評:米騒動も倒れ掛かった稲穂も、「どこ吹く風?」とばかり相変わらず今年も姿を見せた案山子3体。棚田のだんだんとした様子が黄金色に輝いてのどかな秋の風情を醸し出しています。気持ち画面が左下がりで苦にし始めると苦になります。

【高山 三良】

「デカーッ!」(南堀)=8月25日
コメント:「雲の風船」が襲来、小学校や樹木を押しつぶしそう。
講評:低く垂れ込めた暗雲が迫力をもって迫ってきます。その大きさが下の方の建物と比較でき、コメント通りの「押しつぶそう」な感じに見えます。自分の感じた通りのものが写真に再現でき成功した作品といえます。見たもの、感じたものを写真として残す、シャッターを押す。その心構えが写真を志す一歩です。
「何に見える?」(自宅)=9月26日
コメント:何かに似ている雲が現れました。ネズミ?猫?リス?カピバラ?珍獣?屋根と庭木の間の光景を20ミリレンズで撮りました。
講評:こちらも雲の作品ですが、あれっと思った雲を撮影。「あなたなら何にみえる?」と写真を見た人に問いかけ一緒に謎解き。これも、写真は撮る人、見る人がいるという一つの楽しみ方ですね。秋のうろこ雲に囲まれるように出現した動物のようなもの、ちょっと振りかざした手のようなものの形、動きがいいです。私は「カピバラ」。

【中島 弘】

「麦畑」(安曇野市)=6月1日
コメント:最近北信ではほとんど見られなくなった麦畑。刈り入れ直前の黄金色の麦畑を安曇野で見ることが出来撮影しました。
講評:撮影は初夏、6月。小さめですが、送電線の向こうの北アの山並みにはまだ残雪が雲間から垣間見えます。今では懐かしい?麦畑で、かつては二毛作の善光寺平は麦を収穫してから稲作の田植えでした。はるかウクライナも戦禍で穀倉地帯、世界のお腹を満たす麦畑が・・・。はたまた、NHKの朝ドラ、中島みゆきの主題歌を思い出しました。さまざまなことを連想させてくれる一作です。
「歯車を回す」(石渡)=8月23日
コメント:猛暑だろうが、豪雨だろうが、淡々と引き継がれる自然界の神秘的な摂理を感じながら撮影しました。
講評:たかがトンボの交尾ですが、57億年の地球の歴史、命が誕生し、あらゆる生物に枝分かれし進化し営々と続いてきた生き物たちに思いを馳せた意味深い作品。写真という作品には、シャッターを押した作者の心情が端的に映し出されます。500㎜の超望遠でISO2500、シャッター2000分の1で、背景の黒バック、ぼけ具合が主題を強調していますが、トンボの頭部が重なってしまったのとピンとがやや甘く、惜しまれます。

【早川 球喜】

「夕日に染まる入道雲」(自宅)=9月1日
コメント:ふと空を見上げると、入道雲に夕日が部分的に染まっていたのでシャッターを押しました。
講評:「あっ」と思った瞬間をものにしましたね。普通、入道雲をいうと純白で壮大に立ち上る様を連想しますが、夕日に染まった色が何とも付加価値を増幅して圧巻、迫ってきます。下、左上の瓦屋根や樋を前景としてうまく、バランスよく配置しまとめました。アンテナもいいです。

【廣澤 一由】

「まるでジオラマ」(JR長野駅前)=8月26日
コメント:駅前の高層ビルから地上の様子を見たら、まるで立体模型のように見えました!
講評:「はっ」と一瞬感じたものを素直に作品に仕上げたところがいいですね。バスターミナルの四方に囲まれたスペースに適度な間隔で並んだバス5台。本物そっくりに作られるジオラマのように、実態を模型のように感じた感性が素晴らしいです。

【宮沢 一成】 

「夏の忘れ物」(自宅庭先)=8月1日
コメント:久々に庭先で蝉の殻を見つけたので撮影しました。
講評:気候、気温に敏感な動植物。とんとセミの鳴き声が聞かれなかった今年の夏。新聞にはほかにスズメや?も見かけなくなった(全国的に)とありましたが、写真をやる人はこうした自然に目を向ける、関心を寄せることも大切なことです。背景がぼけて主題のセミがクリアに描写できました。

【吉田 幹男】

「陽に生えて」(自宅)=8月12日、26日
コメント:白いアジサイと朝陽に向かって伸びる朝顔を撮りました。アジサイは、冬アジサイで今は2番花になります。
講評:今ごろアジサイですか?冬アジサイとのことで冬に一回、今は2回目の花。2回も咲いた花に寄せる作者の思い、花を愛でるやさしさが感じられます。また、上へ上へと伸びる朝顔の弦の先が青空に映え、生き生きとした生命力が表現できました。