人と人との交差点を・・笠原千代子さん
「クオーレ プラス」
石渡区の中心を南北に走る県道沿いの、いこいの広場の一角に建つカフェ&スナックの名前です。経営するのが1常会に住む笠原千代子さん(65)。店の広さは約35㎡。「かなりのお客さんが入れますが、10人くらいがちょうどよい人数かしら」と笠原さん。午前8時から11時までが午前の部で、夜の部は6時から10時半。午前はコーヒーなど、夜はカラオケを楽しんでもらいながら料理やアルコールを提供している。定休日は日曜と月曜。収支はトントンだが、「あまり考えないようにしています」と笑う。
そんなことより、大勢の人がここに集まって、楽しくおしゃべりをして元気になって、やがてその元気が地域に広がれば…というのが願い。石渡区や近隣の地域の人たちが気軽に集まれる地域の居場所、縁側、交流拠点になってほしいと思っている。
転 機
長野市内の会社に勤めていたが60歳で定年を迎えた。何かしたいと派遣に登録して好きな販売の仕事を始めた。バスツアーの添乗の仕事もあり資格を取った。そんな時、コロナ禍で当時の「クオーレ」が閉店になり、やってみないかとの声が掛かった。もともと人との付き合いは嫌いではないし、心配りやホスピタリティーもそれなりに自分にはあると思う。2年前の令和4年8月、旧名に「プラス」を加えて開店した。「私、石渡の生まれ育ちです。この地区が大好きです。地元の人にいっぱい来ていただき楽しく過ごせる場にしたい。頑張ります」と話す。
達成感のすばらしさ
.jpg)
会社勤めをしている55歳のころだった。子育てが終わり、親も見送った。職場でみんなで走ろうとの呼びかけがあり走り始めた。平成28(2016)年に初めて長野マラソンに出た。そして完走。タイムは4時間21分だった。以後毎回出ている。目標は70歳まで完走すること。「走るのは苦しい。でもそうやって自分を追い込むの。完走した時の達成感はいわく言い難い」。昨年4月に7人で「石渡LAN&WALK」というクラブを立ち上げた。笠原さんを含む5人が今年の長野マラソンに出場した。
-2.jpg)
走れ、走り続けよ!!
俳優の西村まさ彦さんが主宰する60歳以上の市民劇団「シニア演劇アカデミー」にも令和元年から4年間参加した。いまはその卒業生15人でつくる「Nサバイバルシアター」に加わって、昨年12月に初公演を行い、今年8月にも朗読劇に挑戦する。一方でバスツアーの添乗員をしたり、得意のウオーキングや山登りツアーの企画にも関わっている。
スナックの経営、マラソン、演劇、添乗員、民生委員・・・。さまざまな顔をもつ笠原さんだが、まだなにか関われるものがあれば「無理なく、でも積極的に関わっていきたい」という。「走れ、走り続けよ!」。そんな言葉が笠原さんの生き方から浮かんでくる。しかし、最後に「秋に初めて孫ができるんです」と柔らかい笑顔になった時、また別の顔を見せてくれた。