石渡写真クラブ月例会(1月)作品&講評
穏やかな年明けでしたが、早もう一カ月。日差しも徐々に勢いを増し、運動公園サブトラック北東にあるモクレンのつぼみも心なしか膨らみを増してきたような気がします。
3日は暦の上では立春、春ですね。2日は節分で善光寺はじめあちこちの神社で豆まきが行われます。続く7日からは善光寺一帯で長野灯明まつりもあります。
正月太り解消?を兼ね、足を延ばしてみましょう。
講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品・講評の順番は、会員の氏名を「あいうえお」順に、月ごとに逆にして紹介しています。
【倉澤 利和】

コメント:右側はひめ(先住猫)メス・左側カイ(オス)。普段はメスの方が、けぎらいしてますがこの日は仲良く?並んで寝ていました。今までこんなことがなかったのですが、珍しかったので撮ってみました。二匹とも保護猫です。
講評:何とも可愛らしい、微笑ましい。あまり見られない光景とかで、よく気が付いて写真に収めましたね。広い意味で、いいシャッターチャンスをものにしました。写真を志すもの、「常にあたり辺りをよく観察し、珍しい光景や瞬間、美しいもの、すごいもの、ほんのりと心打たれるものなどなどに感動し、写真に残す気持ちを忘れずに」というお手本を示してくれた気がします。信毎の1面左下の「こと映え」に四字熟語とともに寄稿したらいかがでしょうか。
【小池 公雄】
コメント:起きてみたら凄い霧で、庭木の枝に見事な霜の花を咲かせていたので、公園に様子見に行ってきました。薄暗い感じになってしまいました。手を出していられない程の寒さの中、何周もランニングしている人には、感心しました。
講評:高冷地や河原などで、冷え込んで朝霧が発生した時に見られる「霧氷」。平地では珍しく、よく気が付きました。午前8時半ごろの撮影ですが、まだ霧が残る中、桜の木でしょうか枝に霧氷が張り付き、ぼんやりとした光景が幻想的です。私もこの日午前9時半ごろ運動公園通りを通過、気が付きましたが別件の所用があり断念。
コメント:飯綱町の冬の棚田の表情をと思い出かけてみました。棚田の斜め上方からねらってみましたが、雪で段々の輪郭が見えにくかったので、下方へ廻ってみました。月明かりの田んぼみたいな写真になってしまいました。
講評:がくんと落ちた感じの棚田の畔が雪の質感たっぷりに表現できています。少し向こうに動物の足跡らしきものが小さく見えますが、できれば画面のもっと手前にあしらうと臨場感がでました。常套的手法ですが、アングルとしては棚田の段々が分かるハイアングル(無理かな?)、そして朝夕の斜光線など光線を工夫すると“棚田の表情”がスケールをもって描けます。
コメント:城山動物園のアシカ撮影に行きました。あまりの表情の豊かさにびっくりです。水から顔を出して目が合った瞬間を狙いましたが、逆光側でのポーズが多くて、設定に苦労しました。
講評:思わぬ発見があったり、素晴らしい光景に出会ったり・・・。写真を続けていると、何かしらの“返礼”がかえってきます。そのやりとりが醍醐味でもあります。ぐっと近寄ってできた手前の弓状の波、口や鼻の穴がマキシムに開いた一瞬もフォーカスがシャープで迫力満点。惜しむらくは、目がもっと色があるとか、キャッチライトがあるとか生きているともっとグレードアップしました。
【小島 真由美】

コメント:日の出前、雲のオレンジと雪でないところの反射?があったので、それをとりたかった。
講評:日の出(入り)前後の30分、合計1時間ほどを「ゴールデンアワー」もしくは「ブルーアワー」と言って、写真愛好家にとっては狙いどころの時間帯です。刻一刻と変化してゆく様は、感動とともに、見る人にも同じ感動を味わってもらえる作品が生まれるからです。ということで、小島さん、いっぱしのカメラウーマン(失礼)。いいところに気が付きシャッターを押しました。ただ、下の駐車している車までは(どこから撮ったという証拠、説明にはなりますが)いらないかと。そして画面が右下がり。その点をトリミング、加工してみました(写真下)。ご参考まで。

コメント:小さい頃からお参りしている神社。季節によって違う様子になるので、四季を通して撮影していけたらと思っています。
講評:これまたいっぱしのカメラウーマンのコメント。写真の表現方法に、1枚の写真(単写真)で見てもらう方法とやや大きめの画面の中に複数の写真を組み合わせて見せる「組み写真」という手法があります。取りも直さず、季節を違えて、例えばこの神社の春夏秋冬を表現して1枚の中に組み合わせて見せるという手法があると直感したからです。この気付きを大切に、無理しない範囲で、実家に帰ったらシャッタ-を押し続けましょう。季節感を盛り込む、同じアングルから、人物配置など細かいことがありますが、追々・・・。
【後藤 祥子】

コメント:満開に咲いた桜ののびやかさ。伸びのびと眠りからさめた様子を感じたので表現した。
講評:いくつもの球形の桜の花が散らばり、満開になった桜の花の勢いを感じます。光線も斜光で花に立体感が出ました。画面全体がやや左下がりです。特にスマホ撮影の場合は、機体が軽く、明るい野外では液晶が暗く見づらいという難点も加わります。ぶれや露出、傾きなど特に注意してかかりましょう。シャッター後、液晶を見やすい日陰や車の中などで確認、だめなら再撮影を心掛けましょう。
【高山 三良】
コメント:役定めの後出かけました。雪もなく何と平穏な年明け。子供は風の子、袖なし!
講評:雪のない石渡区の年末年始でした。元日の様子を時計の時刻を工夫してあしらい、元気に遊ぶ家族連れを点景に作画しました。何と袖なし。東の山も昔は、もっと真っ白だったですね。2025年、令和7年、一月一日、午後2時46分。この瞬間を記録した貴重な報道写真でもあります。
コメント:二年参り、元旦祭を終えて、お賽銭がたくさん!お宮も一安心。お疲れさまでした。今年も平穏無事をお願いします。クヌギやケヤキから元気をもらいました。
講評:神社のご神木を前景に、本殿、拝殿。この作品も、真っ青な青空、雪のない2025年の元旦を切り取った記録性ある1枚となりました。
【竹内 一郎】

コメント:久しぶりに善光寺に行きました。撮るものがなかったので・・・。
講評:善光寺本堂の裏側から見た忠霊殿。樹木の向こうに控えめに塔の上部が見え、手前の桜や松の老木とともに歴史、時の流れを感じさせてくれます。
【中島 弘】
コメント:冬の湖は人影も釣り人も居なく静まり返っていました。桟橋は雪に埋もれ寒さに耐えながら春を待っているかのようでした。
講評:ヘラブナ釣り用の桟橋が、雪をかぶり独特の形をして湖の中にたたずんでいます。最盛期のにぎわいとは逆に、静かなオフシーズンの様子が寂し気に表現できました。
コメント:北信五岳の三峰の絶景に出会い新年に相応しいと思いながら撮りました。戸隠、斑尾に代わって高妻、火打山が見えます。今度はモルゲンロートを狙いたいと考えています。
講評:手前はテニスコートか何かでしょうか、雪もなく黒ベースの色彩だけに青空の下に浮かんだ北信五岳のうちの三岳がきれいです。青空の中に白い雲でもあると点景になったと思いますが・・・。朝焼けでピンク色だといいですね。暗いうちの出番、交通事故、足元にはご注意を。
【早川 球喜】

コメント:日常の中の何気ない景色ですが、新春の薄曇り空で時々太陽が顔を覗かせているのが、何となく長閑(のどか)で平和を感じました。
講評:中央上部から後光のごとく差し込んだ薄日。それとなく明るい太陽を起点に放射状に広がる光に早川さんはのどかな「平和」を感じたとのコメント。ウクライナやガザの人たちには、そのように感じる瞬間もないかと・・・。そんな日常を大切にしたいものですね。
【廣澤 一由】
コメント:新春5日小寒の朝に運動公園に行くと、早朝からトレーニングをしている人に会う。そして山並みには朝陽を受けて光り輝く飯縄山が印象的だった。
講評:まだ暗いサブトラックと光が差し込んで茜色に染まる飯縄山が対照的です。ランニングの人物も一日の始まりを表現する点景としてひと役買っています。白いヤッケで暗闇に沈まなくてよかったです。
コメント:あいにくの曇り空で霧に包まれていたが、幻想的な風景も見え、西穂高口駅の展望台からのゴンドラと山並みが印象的だった。
講評:霧に山頂部分は隠れて見えませんが、山肌は北ア特有の山岳模様。ゴンドラの支柱の天頂部を起点に手前に放射状に広がってくる構図で迫ってくる感じがいいですね。ややピントが甘い気がしますので、前後コマでいいものを選び出してください。
【牧内 二郎】
コメント:元旦の朝8時の石渡区をドローンで撮影しました。南堀に借りている畑で飛行高度規制150m手前の130mまで上げてみました。石渡区全体を入れたかったけど、空1/3と地面2/3で配置したら運動公園周辺しか入らなかった。
講評:「こんなに高い位置からの写真はどうやって撮った?」。説明を受けましたらやはりドローンからの写真。高山さんの元旦作品と同じく、今年ならではの雪のない石渡区を中心とした善光寺平が一望できた記録写真です。
【宮澤 一成】

コメント:氷点下7度の川霧の朝、寒さを知らぬかのように、元気に飛び回る鴨たち。
講評:早朝、カモが群れる川面から立ち上る霧が厳冬の臨場感を表しています。その上部には一群のカモが舞い降りる瞬間を収め、静止している群れとは対照的で、「静」と「動」をうまくアレンジした作品となりました。