石渡写真クラブ月例会(2月)作品&講評

 

石渡写真クラブ月例会(2月)作品&講評
 つい先日までは4月並みの暖かい日が続いたかと思えば、また冬に逆戻りし寒い朝が続きます。でも、確実に太陽の光は強さを増し、一歩一歩春に近づいていることを実感します。わが庭先のロトウザクラのつぼみも膨らみ始め、少しだけピンク色になってきました。
 三寒四温の繰り返しで間もなく春彼岸。「暑さ寒さも彼岸まで」です。
 更埴のセツブンソウ、大岡や七二会のフクジュソウ、里島発電所奥、朝日山山ろくのカタクリなどスプリングエフェメラル(春の妖精)と言われる花々が咲き始めています。私たちも、冬眠からぼつぼつ目覚めて野に山に出かけましょう。
 アンズ、桜と忙しくなります。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【宮澤 一成】

「福豆ちょうだい」(善光寺)=2月3日
コメント:善光寺節分会の福豆を貰いたくて、一生懸命手を伸ばす子供たちが可愛かったです。
講評:肖像権の問題がすぐ浮上してきますが、福を求める人たちの普遍的な行事なのと、特段写っている人物の表情や動きを意図的に揶揄(やゆ)するようなカットではなく大丈夫かと思います。ただ、中央の黒服の大人がやや邪魔?で重苦しい感じがします(失礼)。もう少し、立ち位置を半歩左にし、男性を画面右に追いやって、ほかの皆さんの表情を見せると迫力が増したかと思います。

【廣澤 一由】

「いただきま~す!」(自宅庭)=2月7日
コメント:30㎝を超す久々の大雪による食糧難に、りんごを提供したところ、ヒヨドリが早速見つけてついばんでくれた!
講評:前回は珍しいツグミでしたが、今回はヒヨドリ。ヒヨドリには申し訳ないのですが、羽の色が地味でインスタ映えしない鳥です。どうするか?何か動き(アクション)を狙うしかないです。高山さんの作品「羽ばたき」のように羽を広げた瞬間とか、ほかの鳥と餌の奪い合いなどなど。その意味で餌をついばんだ瞬間をうまく捉えました。

【中島 弘】

「雪国の日常」(飯山市)=1月17日
コメント:雪国の日常の一瞬を撮りました。
講評:以前、道路脇の雪の壁沿いに歩く老婦人の作品がありました(2022年2月例会=写真下)が、同じ場所だそうです。人物や車が行き交う雪国の生活道路なのでしょう。比較してみると雪の多さの違いが分かり、地球温暖化の一途をたどっていることがはっきり分かります。貴重な記録写真です。
「生活をつなぐ一両」(栄村)=2月4日
コメント:JR飯山線の森宮野原駅近くの橋の上から、豪雪地帯の生活を支える小さな一両を撮りました。通過時刻に合わせ待機し、久しぶりにシャッターを押すワクワク感を楽しみました。
講評:左を流れる千曲川、それに沿って走る飯山線。構図は逆ですがアルファベットの「C」構図で画面全体に流れを演出しています。それだけは味気ないので、電車一両を付加、計算通りの作品に仕上がりました。
※原稿を出稿した12日、信濃毎日新聞の14・15ページに同じ場所の写真がドーンと掲載。季節は秋ですが、東日本大震災の翌日に栄村を襲った地震特集でした。
早13年。備えあれば…です。

【竹内 一郎】

「ごはんですよ」(渋温泉地獄谷)=1月24日
コメント:お猿を見たいと孫が、何年かぶりに地獄谷に行きました。9割ほどが異国の人でにぎわっていました。ちょうど餌を撒く時間帯に遭遇、飼育係の後を追いかけてゆく姿が何とも!
講評:中央に餌をまく人がいて、ばらまかれた餌を求めて集まった猿たち、それぞれの姿態が面白いですね。お腹を満たすのに必死のようです。餌をまく人がこっちを向いているとなお、よかったかなと思います。
「見つめられると照れるじゃないか」(渋温泉地獄谷)=同
講評:こちらは1匹のポートレート。竹内さんとにらめっこした瞬間をパチリです。周辺の倒木や岩がサルを中心にほどよく分散しながら中心のサルを囲んだ「日の丸構図」で、見る人を主題のサルにすーっと視線誘導してくれます

【高山 三良】

「羽ばたき」(自宅)=1月9日
コメント:メジロ、ツグミ、ムクドリ、ヒヨドリ、オナガなどがエサ台にきてくれます。ジョービタキ、スズメはリンゴが好きではないようです。エサ場の交代を撮ることができました。
講評:オナガ2羽が餌場から飛び立った瞬間を止めました。写真の持つ特性“ぶれ”を使い、写真でなければ見えない(分からない)世界を表現しています。餌台のリンゴやナンテンの実は静止し、鳥は動き「静」と「動」が対照的に同居した作品です。
「一度きりの姿」(柴山から(運動公園))=1月17日
コメント:散歩の途中で珍しい雲を見かけました。常に形を変えています。同じになることはありません。
講評:いい被写体を見つけ写真に収めました。似た状況はしばらく続いたかと思いますが、刻一刻と姿を変えてゆくところをよく観察、その感動が伝わってきます。大げさに言えば、地球が誕生して約 50億年のうち、一回だけの場面に遭遇、そのことに思いを馳せながらシャッターを押した気持ちがタイトルやコメントに込められています。一期一会を写真に記録しました。

【倉澤 利和】

「楽しいのだ!」(自宅)=1月8日
コメント:雪が積もった日、孫が雪かたづけにきてくれました(遊び)。手袋もはめずに頑張ってくれました。
講評:雪かきスコップを遊び道具に?笑顔がいいですね。ストレートに一生懸命雪かきをしている場面でなく、その前後のちょっとした動きを狙ったところがいいです。子どもらしい雰囲気が伝わってきます。