「区長の独り言」カテゴリーアーカイブ

遊びをせんとや…

 先日、朝陽地区の第2次地域福祉活動計画が示されました。「支え合い安心のまちづくり」をテーマに、どうすれば実現できるか、実にさまざまな提案がなされています。最大の特徴は、これまで朝陽という大きな地区だったまちづくりの担い手を、石渡区とか南堀区といった区に移して、助け合いや交流などを、常会や隣組といった小地域ごとで進めるよう力説していることです。

そんな提案を先取りしたような例があります。8常会のボランティアグループ「いこいの会」の活動です。いこいの会では、8常会の公園に花壇をつくってみんなが集まる拠り所にして、そこでイベントを開いて、おしゃべりをしたりお茶を飲んだり…。そんな交流の場にしようと活動をしています。まだ緒に就いたばかりですが、夢の実現に向かってもらいたいと思っています。

超高齢社会といわれます。深刻なのは、男性も女性も単身高齢者、つまり独り暮らしの高齢者が急速に増えることが予想されていることです。独り暮らしは、健康面では食事がなおざりになって低栄養失調の危険があり、精神面では寂しさで閉じこもりになることが指摘されています。その解決策の一つが、集いの場をつくり、そこに人が集まり、人と人とが交流するではないかと思います。

人と話すことで、いろいろな情報が得られます。人は、どんな運動をして健康なのか、どんなことに悩んでいるのか…。そんな会話のなかで、自分だけが孤独ではないんだと気づき、元気づけられるのではないのか。せっかく親からもらった命です。人生は楽しく、「遊びをせんとや生まれけり」でいってみましょうよ。

【石渡区長:水越渉】

家庭菜園

 定年退職した人の多くが始めるのが家庭菜園だといいます。私も始めて今年でちょうど10年。楽しい。いろいろな野菜を近所におすそ分けして「おいしかったよ」と言われた時のうれしさは格別です。これまで人から感謝されることがなかった私が、初めて感謝される喜びを知ったのは、家庭菜園のおかげだと思います。

 畑の場所は車で1時間かかる木島平村です。ここは以前、老夫婦がアスパラガスを栽培していました。しかし10数年前にご主人が亡くなり、同じころ、奥さんも脚の機能が低下して歩行できなくなりました。ご主人の息子さんと私が知り合いだった関係で畑を借りることになったのです。

 畑まで往復2時間もかかるのに10年間続いているのは、畑の環境の素晴らしさです。遠く妙高山を望む広々とした景観、空ではカラスとトビがなわばりを巡って空中戦を演じ、キジの親子が近くを散歩したり、草むらではヘビが…。

珍しいオニヤンマやギンヤンマも頭の上を飛び交います。すぐそばには豊富な水量を誇る清流があり、水不足の心配もありません。夏、小川で冷やした採れたばかりのトマトやキュウリをおかずに食べる弁当はおいしい!。持参したコーヒーを飲みながら休んでいると「生きててよかった」なんて実感が湧いてきます(少しオーバー?)。

今年はなかなか通う機会が少なく、例年より量も種類も減らしました。ポスト区長の来年には、思い切りたくさんの野菜をつくろうと今から計画しています。だって使っていいという畑の広さは、今の120坪の4倍も5倍もあるのですから…。

【石渡区長:水越渉】

言葉と記憶力

  お酒が飲めません。ビールならコップで1杯目はなんとか、2杯目になると頭の中で除夜の鐘がゴーンゴーン、3杯目は半鐘がカンカン鳴り出し、4杯目になると胃の中のマグマ(?)が噴出するという下戸です。だから酒席が怖い。

 ところが区長になるとその恐怖の酒席が増えました。いつも断るわけにもいかないので、4月早々初めてスナックに…。みんなグイグイ飲んでいるのに私だけウーロン茶。ママさんに「お酒を飲まなくてすみません」と謝ると、返ってきた言葉が素晴らしかった。「無理して飲まなくていいんですよ。飲めない人に悪い人はいないといいますから」。

 50年前の学生時代、当時コンパが流行っており、ガールフレンドといきました。スクリュー・ドライバーなんて強いカクテルを見栄を張って飲んだところ、案の定、胃の中のマグマが噴出。彼女が耳元でささやきました。「水越くんって弱いのね。駄目ね~」。お酒に関してのトラウマとなって今でも胸の中に生きています。

 そんな私にとって、ママさんの優しい言葉は本当にうれしかった。しかも先日、配りものを届けた際、ママさんに「水越さん、忙しくて大変ですね」と言われたんです。何が驚いたかといいますと、1カ月も前、ほんの一言あいさつしただけなのに私の名前を覚えているんです!。私なんか何回聞いても人の名前を覚えられないのに。優しい言葉と素晴らしい記憶力…。尊敬すべき女性がまた1人、増えました。

【石渡区長:水越渉】

女性の参加

 長野市に男女共同参画センターという部署があり、年3回「ウイズ・ユー」というタイトルで情報誌「ながの情報」に記事を載せています。内容は、男女が共に参加してつくる社会の大切さを訴えるものです。その編集委員を4年務めている縁で、このほど長野市男女共同参画審議会の委員を委嘱されました。

 国は、会社や自治体などあらゆる分野で男女が共同して参画できる社会づくりを目指してきましたが、遅々として進まないため、女性に焦点を絞って仕事でいっそう活躍できるよう自治体や事業主の責任を強化した法律「女性活躍推進法」をつくりました。長野市は、この法律を反映した新しい男女共同参画基本計画をつくるよう迫られており、私たち審議委員はアイデアを出せとこれまた迫られています。でも難しい…。

 私は、女性の進出が遅れているのは、会社や自治体ではなく地域だと思っています。長野市内にはいくつかの区が集まってつくった住民自治協議会という組織が32あり、石渡区は朝陽地区住民自治協議会に入っています。この協議会での女性の平均進出率は15%とのことです。石渡区の場合、役員会は14人のうち女性は1人(7%)、協議委員会では42人中2人(5%弱)です。もっと増えてもいいのではと思います。

 じゃぁ、女性が多くなれば具体的にどう変わるんだと聞かれてもうまく答えられません。女性らしい発想が出るといっても具体的には分かりにくい。言えることは、会議の雰囲気は和やかになるに違いありません。あっ、誤解しないでください。石渡区の役員会の雰囲気がとげとげしいといっているわけではありませんので・・・。

【石渡区長:水越渉】

スピーチ

 昔から人の前でのあいさつやスピーチなど話すことが苦手でした。それが区長になった途端、ドッと襲いかかってきました。たとえば区の役員会や協議委員会、区の総会、神社の春祭り…。今後もたくさんのスピーチの機会が予想され、胃が痛い毎日です。

 これでも「気の利いた内容を」「ユーモアも」なんて、事前に考えてはいるんです。でも浮かばず、結局ぶっつけ本番。挙句、情けない内容で落ち込んでばかりです。

 深層心理学的(?)に考えてみると、私はどうもスピーチをなめている節があります。私自身、たくさんのスピーチを聞いてきましたが、すぐ忘れてしまいます。一生懸命話してもどうせすぐ忘れられてしまうんだから、気合いなんか入れなくても、といった思いです。

そんな考えに徹すればいいのですが、「素敵な話だった」と聞いた人からほめられたい気持ちは人一倍あるから困ったものです。こうなったら得意の泥縄方式で、本屋に行って“感動させる話”なんて本を探して利用しようなんて考えています。区長の任期が終わるころ、少しはうまくなっているかもしれません(たぶん)。

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区長就任一ヶ月が過ぎました。何が何だか分からないまま過ぎたような気がします。そんな区長の日々の思いをつたない文章ながらお送りします。気軽にお読みいただければうれしく思います。どうかよろしくお付き合いをお願いします。

【石渡区長:水越渉】