石渡写真クラブ月例会(1月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(1月)作品&講評
 昨年暮れのクリスマス寒波の降雪以降、大した雪もなく比較的穏やかな年の初めが続いてきました。と思いきや、こうして原稿を書いている126日の前々日24日午後から、10年に一度という一線級の大寒波が襲い、経験したことのない横殴りのブリザード、26日朝は氷点下11℃を下回る極寒に見舞われました。
 地球温暖化のことを思えば、少しくらいは寒い方が・・・と思いますが、度を越した寒さ、暑さは御免ですね。でも、ほかの災害などをみても、それとなく、異常気象がひたひたと押し寄せている気がしてなりません。
 やっと到来してきた寒波に、霜や氷など厳冬の被写体も盛りだくさんですが、撮影に当たっては決して無理しないようにお願いします。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【高山三良】

「R5どんど焼き」(ホクト駐車場)=2023年1月9日
コメント:温かいどんど焼き。松飾りの数は少なめ、集まった区民は200人超え。新型コロナ早期終息を願った。
講評:写真上から始まる前、延焼、焼け落ちてお餅焼きーと時系列に三枚組でまとめました。視覚的にも、ワイド系のロング、セミロング、アップ気味と変化を付けてリズム感も出ました。

【中島弘】

「-5度の朝」(長野市千曲川)=2022年12月28日
コメント:寒い早朝の千曲川で撮りました。植物の生命力を感じました。
講評:サツキかツツジの葉にびっしりと付いた霜か霧氷。早朝の斜光線で“とげとげ”といいましょうか凍り付いた針状のものが浮かび上がって芸術的な世界を演出しています。厳しい寒さが感じ取れますが、その中にじっと耐える植物にも思いを馳せた早起きならではの労作。もう少し深度(深いF値)を稼ぎ、背景が単一な黒ベースなので左側をトリミングするともっと引き立ちます。
「冬の黄昏」(長野市南堀)=2023年1月8日
コメント:冬の夕暮れは暖を求め人影もなく寂しいが、夕日のオレンジ色は暖かさと明日への希望が感じられる。
講評: 三段構図で真ん中の葉を落とした木立を造形的に捉え、真冬の寂しさ、厳しさを表現しています。下の校舎をシルエットにし安定感が出て、空の淡い夕焼けもどことなく弱々しげで、主題(木立)を引き立てています。
「北向観音の正月」(上田市別所)=2023年1月11日
コメント:1月11日、北向観音に行ってみました。遅い正月でにぎわいはなく、静かな参拝ができました。
講評:別所温泉にある北向観音まで自宅から自転車、サイクリングの輪行と聞いてびっくりしました。正月が過ぎて、屋台も店じまい、参拝する人もまばらで静かな正月過ぎの神社の様子が出ています。交通事故、気を付けてください。

【早川球喜】

「朝陽に染まる北信の山々」(小布施町千曲川ふれあい公園)=2023年1月12日
コメント:東の空からの陽光が当たった飯縄山、戸隠山及び黒姫山を撮影して見ました。日の出の直前は紅色が増すのですが、太陽が覗くあたりに雲が架かり思った程の紅色が期待できませんでした。又、挑戦して見たいと思います。
講評:北信五岳の峰々が朝陽に当たり淡いピンク色に染まる。1日の始まりの森閑とした様子をドラマチックに捉えました。周りには誰もいない、夜明けの神秘さを独り占めにして感動しながらシャッターチャンスをうかがう早川さんの気持ち、状況が伝わってきます。よく見ると、下部の横に流れるのは千曲川でしょうか、柳の木かなんかもあって風情満点。上部の青空の面積が多いので、半分くらい削り、その分下の川筋の流れをもう少し入れると安定した画面構成になったと思います。

【広澤一由】

「役目は終わった!」(運動公園東側駐車場)=2023年1月9日
コメント:恒例のどんど焼きに題材を求めて参加、炎に包まれただるまを見て、短い一年の役目を終えて、運命のどんど焼きで果てていく姿が、愛おしく、悲しくもあり、共感した!
講評:いつもながらの光景が織りなす毎年の行事ですが、だるまに自分の思いを込めて作画したところ、作品に主張を持たせた点がいいですね。人々の願いを達成、厄を祓い、役目を終えて身を焼き尽くし生涯を終える姿に、自分を含めた人生模様を重ね合わせた思いが感じ取れます。望遠系レンズで無駄なものを廃し、だるまに焦点を絞った技法も主張を端的に表現できました。

【宮澤一成】

「とうとう雪が」(自宅)=2022年12月24日
コメント:クリスマス寒波で朝から雪降り、今シーズン初の積雪です。
講評:正月飾りに使われるナンテン。降り積もった雪景色を背景に凛とした感じが出ています。赤い実を右に配し、そこから画面を左に向かって伸びた枝葉がバランスよく表現されました。背景の建築物も望遠効果でぼけて、そんなにうるさくなく、庭先の様子が盛り込まれました。
「おっとっと」(⦅株⦆ホクト空き地)=2023年1月9日
コメント:石渡のどんど焼きで、舞い散った書き初めを慌てて拾う消防団員
講評:この瞬間には私もいましたが、よく撮りましたね。人はいい瞬間に出合っても(カメラを持っていたとしても)、目で見てしまうことが大半です。なかなか、そういう瞬間を捉えた写真はお目にかかることが少ないです。見事撮影に成功すると「よく撮ったね」となります。書き初めをどさっと投げ入れる瞬間は、その動作が予測できて私もシャッターを押したのですが(石渡つうしん「どんど焼き」に掲載)、次の瞬間、火の勢いで何枚かがふわっと舞い上がり・・・。私はカメラを向ける間もなく、そのシーンは一瞬で消えてしまいました。瞬時をよく捉えましたが、背景に燃え盛るやぐらが垣間見えると、状況が理解できて最高だったのですが、惜しまれます。

【吉田幹男】

「どうなる、どうする」(自宅)=2023年1月10日
コメント:実生から5年目ぐらいなる我が家のアボカド、どこまで大きくなるのか心配だ。
講評:だんだん大きくなってきたアボカドの木。5年ともなると家族同然ですね。暖地の植物なので、寒さにやられないよう室内で可愛がってもらい幸せそうです。今後、実がなり食べられるようになるまでにはどの位の年月?どの位成長しないといけない?・・・。行く末を案ずる思いがタイトルと共に伝わってきます。