1月月例会作品

<五十音順に掲載>講師は石渡写真クラブの増田今雄講師

作品の下に、「タイトル」 <撮影場所> (講評) の順に掲載

池田 治雄 (3点)

「ああ寒い」 <自宅の庭>
(講評:自宅庭の池田家の守護神?のカエル。凍てついた早朝、周辺が真っ白な霜の中にいるカエルがいかにも寒そうです。口周辺に当たった差し込み始めた冬の日差しが温もりを感じさせ、寒さと対照的です。擬人化した「寒さ」が伝わるとともに、隣にいるクマのぷーさんと一緒に春を待ちわびる気持ちも読み取れます。

「まだ頑張ってる」  <自宅の庭>
(講評:つぼみのまま開かずに冬を迎えてしまった一輪のバラ。うっすらと来た雪にも耐えている姿に感動した作者の気持ちが伝わってきます。

「初雪」   <自宅前の道路>
(講評:うっすらと積もった初雪。朝一番に通り掛った車、自転車、人、それぞれの足跡が姿こそありませんが、いる気配を感じさせてくれます。まだ街灯が灯っている時間帯に、ずくを出してカメラを持ち出し、シャッターを押した労作。

笠原 美敬 (3点)

「雪を待つ菅平高原」 <長野市内から>
(講評:雪がなく穏やかにスタートした今年のお正月。例年はもっと真っ白な菅平も何かおかしい・・・?。雲上殿の高台から善光寺平を俯瞰したアングルでスケール感が出たさりげない風景写真ですが、ニュース的に捉えた記録写真です。説明に年月日を入れるといいと思います。

「正月も終わりだ」 <石渡・どんど焼き>
(講評:一年の締めくくりと年の始めを家族で祝ったお正月。本年の無病息災、家族安泰を祈願して飾ったしめ飾りやだるまなどをお炊き上げするどんど焼きに、過ぎ行く時の流れ、無常感などを感じた作者の思いが作品、タイトルから伝わってきます。

「燃え尽きた」 <石渡・どんど焼き>
(講評:前の作品の後のシーンですが、燃えている、いないの違いがあるだけで、むしろ「終わりだ!」という意味合いを込めるなら、「正月は終わりだ!」の作品は、こちらの燃え尽きた写真が良かったかもしれません。一つのテーマを複数の写真を組み合わせて見せる「組み写真」でも良かったかも。

 

萱津 信子 (2点)

「やっと出会えた七色カエデ」 <池田町>

「孤高の七色カエデ」  <池田町>
(講評:2作品の講評=著名な池田町のカエデを角度をやや変えて撮影した作品ですが、地面の微妙な傾きの違い、鑑賞に訪れた人々の配置や大きさの違いなどがありますが、2枚とも主題のカエデを「日の丸構図」で画面の中央に配置し印象深い作品になりました。背景の様々な木々の色もグリーンでカエデの色彩を盛り立てています。向こうに山並みの見える方が奥行き感がありスケール感が出ています。

 

倉澤 利和 (3点)

「満水の浅川ダム」  <長野市浅川>
(講評:満水となった穴あきダムをV字の谷と、満水となったダム湖を「二分割構図」でまとめた記録写真。細かいことですが、微妙に左に傾いているので水平にすることと、左下下部にある少しだけ写った手すり?みたいなものが中途半端なのでトリミングで削ってください。

「今にも電車が走ってきそう」                           <旧国鉄篠ノ井線廃線敷きウォーキングコース ・豊科地籍>
(講評:遊歩道とのことですが、道路や土手などが中央に向かって収れんしてゆく「放射線構図」で奥行き感が見る人の目を誘導します。左右の木々や向こうの青空、雲も印象的、欲を言えば、視線を誘導した向こうに、点景として家族連れとかカップルなどがいるとアクセントとなり、ぐーんとグレードアップしました。

「人々はどこに?どんど焼き」 <石渡どんど焼き>
(講評:石渡地区のどんど焼き。燃え盛るこの瞬間には、餅や団子を焼くのを待つ区民が200人超はいましたが、人っ子一人いない不思議な光景で、何かを訴えているような気がする作品です。ひたすら御神を燃やし、区民の本年の無病息災、ご安泰などを願うだるまが印象的です。

 

中島 弘 (3点)

「意気揚々」 <長野市篠ノ井>
(講評:何かを口にくわえ低空飛行しているカラスを見事にキャッチしました。鳥なので、写真的には右上の青空の中に位置するとバランスがとれたのでは・・・・と思います。が、くわえたものをこれから食べるか、あるいは貯食のため隠す場所を探すためか、カラスらしいショットと思います。

「熟れすぎた柿」 <長野市松代>
(講評:柿が豊作だった昨年と、昨今あまり収穫しなくなった時代的事情を端的に反映、表現した時評作品です。柿の占める割合がほぼ半分ですが、もう少し6~7割まで入れると主張が明確に、力強い写真になったと思います。柿を食べに来た鳥でもいるともっと付加価値がアップ!

「春のじゅうたん」 <千曲市>
(講評:画面中央の少し上部の民家に向かって収れんしてゆく麦の畝。手前に横切る畝と合わせリズム感が出ました。欲を言えば、早朝か夕暮れの斜光線で狙うと畝の線が浮き出て、もっと主張が鮮明になったと思います。

 

早川 球喜(3点)

「古戦場の雪化粧」 <松代>
(講評:雪に埋もれた古戦場の東屋や池の静かなたたずまいが寒さ、静かさを表現しています。小さいですが左にいる水鳥、下の枯れすすき、右下の雪の塊はいずれも中途半端なのでトリミングで消すか、撮影時に入れるならもっと大胆に入れてみてもよかったと思います。

「海津城址から山々を望む」 <松代>
(講評:常緑樹と葉の落ちた桜やイチョウの落葉樹を対照的に配し、石垣の向こうに広がる集落と里山をうまくまとめています。

「結氷した海津城址のお堀」 <松代>
(講評:海津城の石垣とお堀を主題にまとめ、お堀の中の凍った氷の上の丸い模様も面白い感じです。左に少しだけ見える柳の木は、もう少し幹や枝を入れると、画面全体の左側の押さえになり安定した作品となります。

 

広沢 一由(2点)

ミニSL最終調整「ミニSL最終調整」 <鉄道記念日・JR平林工場施設公開>
(講評:整備士らが寄ってたかって整備している様子が、にぎやかな感じで捉えられています。2,3人がやや前かがみで手をかけているところに動感がでています。背景の旧国鉄長野工場の建物も場所の説明に役立ちました。

「平和を願う石鐘楼」 <古間 称名寺>
(講評:石が吊り下げられた鐘楼を主題に、向こうに広がる民家や田園、山並みをうまく配置したアングルがいいです。鐘楼内がやや露出アンダーなので、カメラについているポップアップ式ストロボ程度でも一発たくと明るくなったと思います。

 

吉池 安雄(2点)

「春の朝」 <石渡>
(講評:シルエットとなった家並みなどがまだ静寂な未明の雰囲気を醸し出し、日の出前にピンクに染まった雲を捉えています。もっと厚い雲だとボリュームが出てよかったですが、自然現象で仕方ないですね。また挑戦を!

「初日の出」 <運動公園>
(講評:この作品も日の出前に染まる雲と空を綺麗に捉えています。運動公園の陸上競技場を前景に、街路樹のケヤキを左に大胆に、右に少し取り入れアクセントとなりました。画面が暗くて分かりずらいですが、やや左下がり?

【担当:広沢一由】