石渡写真クラブ11月例会写真集

<五十音順に掲載>講評は石渡写真クラブ:増田今雄講師
作品の下に、「タイトル」、(撮影場所)、講評の順に掲載
*写真をクリックすると大きく鮮明に見れます。

1.池田 治雄

「盛秋」(東和田運動公園)
 運動公園内のケヤキ並木。よく被写体に選ばれますが通りに面した写真が大半で、初めて見るポジションが新鮮です。どこから撮ったのかハイアングルから狙い、奥の方のビル街が遠近感を出しています。何かの大会でしょうか、適度な人物配置、自転車の塊と空間を無駄なくまとめています。

2.笠原 美敬

「昔を思い出す駅舎」(河東線 旧松代駅)
 利用した人々でにぎやかな駅の往時が甦ってきそうな駅舎。いまだに残る自販機、コインロッカー、タクシー乗り場の看板が懐かしく、開催中の懐古写真展の立て看板が時代の流れ、今日性を表現しています。通常は人物をあしらいたくなりますが、殺風景な光景が情感たっぷりでいいです。

3.萱津 信子

「全山紅葉」 (松川渓谷)                 高山村の山田温泉近く、松川渓谷の紅葉を切り取りました。赤い橋を点景に、全山紅葉とスケールのある作品です。ただ、日が差すともっと紅葉が輝きを増してくるはずです。そして、下の部分の手前の樹木は邪魔です。思い切って画面に入れないこと、ズーミングして紅葉部分をもっと目立つようにトリミングしましょう。来シーズン期待!

4.倉澤 利和

「平和な秋の日」(上田城址公園)
 普通は、ケヤキ、イチョウでしょうか、画面の上の黄色に染まった葉を入れて人物は控えめの点景として構成します。しかし、あえて人物を中心(主題)に作画したところがいいです。その人物配置が、あたかも映画のロケのように見事にバランスよく並びました。紅葉にカメラを向ける人、自撮りするカップルなどの一瞬を捉え、それぞれを見ていて飽きない作品です。

5.高山 三良

「樹間の紅葉」(大町市)
 一見、手入れした林のように見えますが、木立の奥行き感のある配置とほぼ横一列に点在する紅葉のバランスが抜群です。曇り空ですが、空の空間も入れて空気感漂う作品です。いい素材を発見しました。

6.竹内 一郎

「山間の赤い橋」(松川渓谷)               前述の萱津さんと同じアングルの被写体ですが、それぞれの狙いが表出していて写真のだいご味、面白みが味わえます。人それぞれに感じ方、表現の仕方が違って来るところがよく分かり、この作品は赤い橋に寄せた思いを中心に大きくしてまとめ、萱津さんは橋をアクセントとしてあしらい紅葉を主体にまとめています。真っ赤な橋が存在感をもって目に飛び込みますが、橋の上に車か、行楽客がいるとぐんとグレードアップ。

7.中島 弘

「コケ化粧」(白駒の池)                  標高2000㍍を超す北八ヶ岳の「白駒の池」。薄暗い原生林の中、びっしりとコケむした倒木が「三角構図」で迫ってきます。ほかの部分をアンダー気味に抑えたこと、望遠系レンズで中央部分のみに合ったピントが主題を強調しています。

8.早川 球喜

「晩秋の白糸」 (高山村)                志賀高原の潤満滝でしょうか。真っ盛りの紅葉が過ぎ初冬の趣が、渋い感じで仕上がりました。きれいな紅葉も一つの顔ですが、あえて最盛期の時期を少し外したり、別の季節を狙うとオリジナル作品が生まれてくる可能性がぐんとアップ。同じ位置から、同じ時期、時間帯に撮った「どこかで見たような・・・」作品とはひと味違った写真が撮れます。

9.広沢 一由

「紅葉に囲まれた大滝」(茅野市:横谷峡)
画面いっぱいに散りばめた紅葉の間からちらりと姿を見せる滝。主題(滝)の回りを何かで囲む「囲み構図」(もしくは「トンネル構図」)でまとめました。やや紅葉が強すぎて、滝が控えめに見えます。もう少し滝全体が見える位置があったかどうか・・・。左右の幹を対照的に配置、安定感が出ました。

10.吉池 安雄

雲シリーズ(10月の雲)(東和田運動公園)
「お、いい雲だ」。画面下の車の状況から運転中、信号などで停車中にふと見上げた雲にパチリ。雲は秋のいい雲ですが、上記の想定があたっているかどうかともかく、やや下の車が重い感じです。左右の並木の奥行き感はいい感じです。

 <HP掲載担当:広沢 一由>