石渡写真クラブ月例会(5月)作品&講評
梅雨入り前の爽やかな気候が続きます。暑くもなく、寒くもなく1年で1番過ごしやすい季節です。
今回は桜や桃、菜の花、チューリップなど春の花をモチーフにした作品が目立ちました。百花繚乱、花を楽しみながら写真を撮った思いが伝わってきます。
間もなくうっとおしい梅雨がやってきます。雨降りですと撮影が敬遠気味になりがちですが、雨降りならではの狙い方があります。気温、湿度が高い日があるかも知れません。熱中症と体調管理には十分注意し、カメラ片手に出かけましょう。
講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
写真をクリックすると拡大して見えます。
※作品・講評の順番は、会員の氏名を「あいうえお」順に、月ごとに逆にして紹介しています。
【倉澤 利和】
コメント:とある病院で開業時間待ちをしていました、ふとプランターに植えてある花が目に入りました。とたんにこの言葉がでました。
講評:一瞬の驚きというか、感動と言いましょうか、すかさずレンズを向けたところがいいですね。パンジーかビオラか、この種はヒマワリのように、花が一斉に同じ方向をく性質があります。群生すると圧巻でもあり面白くもあり、不思議でもあります。一輪の花をアップでみると、中央の黄色は鼻、左右に目、下が口、まるで人か犬のような顔にも見えますね。左右のしおれた花が開いているともっと迫力が出たかと。
コメント:ウォーキング途中、田植えの準備が始まる前の田んぼに「サギ」が目にはいりました。近づいたのですが、逃げる気配も感じなかったので撮ってみました。
講評:鳥の種類はアオサギですね。苗代で水が張った田んぼで餌探しでしょう。頭の中はそちらでいっぱい。よほどの大きな音とか刺激などがない限り逃げません。じっくり構えて餌をパクリとやるところが撮れるとよかったですね。でも、ゆっくりと歩くさまが前後に広がった脚に表現され、シャッタータイミング最高です。
【小池 公雄】
コメント:臥竜公園の夜桜を撮りに行ってみました。暮れ切らない空色とライトアップされた桜が湖面に反射してとても綺麗で幻想的雰囲気でした。
講評:強烈なライトに照らし出された左手前の桜が踊っているように見えます。躍動感たっぷりです。そして、そのつながりが向こうに延びて右側に曲がり、遠近感が出ました。まだ暮れ切らない「薄暮」とあって空のブルー、そして水面に映った反射の光景が幻想的です。
コメント:菜の花畑に行ってみました。手前の山の上に雲を従えた黒姫山が頼もしげに聳えていました。日ざしが強く、菜の花の黄色が目にしみるほど。堤の八重桜も満開です。
講評:手前から菜の花の黄色。すぐ向こう樹木の赤紫色。さらに向こうは桃畑のピンク色。左右の色濃い緑色は柳でしょうか。里山の丘陵の上には低い雲、そして残雪を抱いた黒姫山。早春の色とりどりの花をうまくまとめています。
コメント:足利フラワーパークに行きました。どこを向いても色とりどりの満開の花で、写真に収め切れません。人出がもの凄く多かったですが、「藤ソフト」美味しかったです。
講評:3色ほどのツツジ、白色のフジなど多彩な彩りに感動した様子が見事に再現できました。コメントにある通り、この写真の左右にもっと色々なものが広がっていたかと思いますが、写真は「切り取り」の世界です。その中で一番カラフルでいい部分をカットして見せることです。“収め切れない”とありますが、こんな感じで成功したかと思います。左上の青空空間も息抜きでいいですね。
【小島 真由美】
コメント:右奥に残雪が残る山があり手前には菜の花が天に向かって勢いよく咲き誇っています。冬から春へ、春の勢いを表現したくて撮った写真になります。
講評:やや奥の山塊が遠くて小さいと言えば小さいですが、手前の菜の花が主題なのでOKです。勢いを感じた菜の花をややローアングルで手前の数本を空に浮かした工夫が見て取れます。空の雲もアクセントになりました。
コメント:八重桜のトンネルです。全長4キロあるそうです。奥に続いている感じが表現できたかなと思っています。春らしいピンクとグリーンが気に入っています
講評:長いトンネルが主題ですが、アクセントにカメラを持った点景人物をあしらいひと味出しました。が、人物の向こうに小さくほかのグループが写っていますが、手前の人物と重なってしまい残念。となれば、人物はもう少し左にし、横位置で撮るともっとすっきりとし、にぎやかさ、ボリューム感が出たかも知れませんね。奥行き感は出ました。
【後藤 祥子】
コメント:車で走っていると素敵な公園を見つけました。思わず近くの駐車場に車を止め、木漏れ日の中に満開に咲いている沢山の桜に出会いました。その中の一枚です。太陽に照らされ温かい様子を写しました。
講評:1本の見事な満開の桜が目に留まり、車を止め、写真に収めようとした心意気が素晴らしいですね。その感動が写真にも表れています。手前の地面に投影した影から推定するとやや逆光気味の光線、その光の照らしあんばいで“温かな”感じが出ました。
コメント:当たり前の風景。各国で戦争が起き当たり前の安らぎは消えてしまうかもしれない事を教えてくれています。公民館の活動をしていると石渡神社に行く事が多くありますが、私が無くなってほしくない場所への思いを込め写真を撮りコメントを付けました。
講評:わが区内、地域のシンボル石渡八幡神社。多くの人に慕われ拠り所となってきた社に想いを込め、平和を願う思いでシャッターを押したところに共感します。今年も咲いた桜の花、守護神の狛犬などをあしらって作画しました。が、左の御柱、右の石碑、下の奉納の文字がやや中途半端で窮屈です。もう少しルーズ(広く)にしても雰囲気は十分伝わってきます。
【高山 三良】
コメント:髻山に登った帰りに寄りました。花霞で山はぼんやりでした。受粉作業でしょうか。広い畑に一人きり。熊は大丈夫?
講評:パラパラと散在する桃の木の花、地面を覆いつくす雑草の緑、遠く菜の花の黄色と春の訪れを感じさせてくれます。ハイアングル、左の点景人物も効果的です。霞んだ山をカットしていますが、プリントしてほんのりとでも出るようなら入れてみたらいかかでしょうか。もっとスケール感が出るかもしれません。元データにあるならこの作品と比較してみてください。
コメント:前日の写真が気に入らず、また出かけました。山は霞んでいましたが桃、タンポポ、菜の花、ハナモモが咲き競っていました。1枚には入りきれず、2枚組になりました。
講評:前日の作品の再撮影。「納得行くまで何度でも許す限り足を運ぶ」気構えがいいですね。前日とは違った別アングルで、今回はそれぞれ髻山、黒姫山を背景にし、組みにしたことで丹霞郷の全容が迫ってきます。
【竹内 一郎】

コメント:5月の連休に能生の海岸に行ってきました。天気も良く楽しい一日でした。
講評:中央にタイトルの「鐘」を鳴らすお嬢ちゃんが写っています。大型連休の行楽客でにぎわう喧噪ぶりが感じ取れます。ただ、主題の鐘を鳴らすお嬢ちゃんが小さいのと、背景の向こうにわずかに見える海が一目で見えず惜しいです。
【中島 弘】
コメント:土曜日の千曲川。4月20日の長野マラソンを控えて多くの市民ランナーが走っていました。ランナー、菜の花、麦の緑から動き出した春を感じました。
講評:右上から左下に斜めのラインで構成した「斜め構図」。まだ殺風景な景色の中で、堤防ののり面を埋める菜の花の黄色、伸び始めた麦畑の緑色が今年も巡ってきた春を演出しています。斜めラインの起点にランナーを点景として配置したこと、たまたまか赤いウエアも効果的です。
コメント:千曲川で小学生を亡くされたご両親が供養のため「救難地蔵尊」として昭和17年9月にまつったものだそうです。
講評:80有余年の歴史を重ねてきたお地蔵さん。ちょうど戦争が佳境に入るころでしょうか、脇には解説文が添えらえていたとか。その後から現在まで、住民らを護ってきたお地蔵さんの思いが伝わってくるようです。背景の満開の桜、左側のプレハブや人物が年年歳歳、刻んできた歴史を物語っているように見えます。
【廣澤 一由】
コメント:高山村「五大桜」の一つの「水中しだれ桜」を見に行くと、桜の大木が天を突くような立ち姿を見せてくれた!桜は少し早かったが歴史を感じる大木であった!
講評:主題のしだれ桜をドーンと真ん中に置いた「日の丸構図」。右側には、頭でっかちに見える針葉樹が対照的です。さらに左下には、桜をスマホ撮影する人物がほかの花見客と重ならず良い感じで点景となりました。
コメント:満開の桜と飯縄山周辺一帯に霧がかかり、春の爽やかな情景が印象的だった!
講評:満開の桜を手前にピンク色の桃の花、村山橋の向こうにたなびく雲を挟んだ重なる山並みとスケール満点です。ただ、手前右の車はあった方がいいかどうか、車でなく別の花見客など人物だったらどうか・・・。橋に長電の電車を入れた努力はいいものの、林に隠れてしまい惜しいです。
コメント:歴史ある「塩の道」を歩くイベントに参加した。街道をわらじを履いたり、昔の装束で歩く姿もあり楽しい祭りを演出した!
講評:道端にいっぱいのスイセン、木立に囲まれた塩の道が緩やかなS字カーブを描きリズム感を表出。にぎやかな日傘軍団が行進し、話し声が聞こえてくるようです。列中央の向かって左に、隊列からやや離れた男性が交差した足とともに存在感たっぷり、人目を引いています。いいシャッターチャンスです。
【牧内 二郎】

コメント:昨年チューリップ祭りで購入したチューリップが咲いたので撮りました。
品種ごとに開花時期が違うので、画像編集ソフト(GIMP)を使って組み写真にしました。
講評:色、形がさまざまなチューリップをモチーフに組みでまとめました。一輪一輪、周辺にぼかしを入れ幻想的なイメージに仕上がりました。もう一枚、これらの花が群生している感じ、環境が分かるカットをあしらうとよかったかと思います。
【宮澤 一成】
コメント:初めて訪れたこの公園には、山の斜面に約500本の桜が咲き乱れ、約8メートルの巨大な千曲天狗像が埋もれてしまう程でした。
講評:手前下の桜花が右から湾曲して伸びリズム感が出ました。コメント通り「埋もれてしまう」かのように仁王立ちする天狗が印象的です。左向こうの山並みも桜の枝の湾曲に呼応する感じでウエーブ感満杯、効果的です。細かなことですが、左下に男性、右下に女性の人物をさりげなく入れたところも工夫しました。
コメント:この日は桜も満開で、先には千曲川、温泉街、そして山なみを一望でき、メディア等でよく目にする絶景スポットですが、実際に見ると、それ以上の感動ものでした。
講評:桜を手前にした遠景でスケール大です。見た目の「感動もの」の気持ちがそのまま表現されていると思います。しかし、最初の「天狗も花見」の方が大胆な切り口で迫力があります。