石渡写真クラブ月例会(6月)、作品&講評

石渡写真クラブ月例会(6月)、作品&講評
 クラブの仲間だった笠原美敬さんがお亡くなりになりました。悲しく、寂しい気持ちでいっぱいです。昨年の5月まで例会に元気で出席、自宅の庭に咲いたテッセンの花、その前月には運動公園サブトラックの桜と作品をお持ちになり、みんなで楽しく写真の勉強をしていた姿が忘れられません。
 このころからコロナ禍で月1回の例会も公民館集合からデータをパソコンのメールなどでやりとりする「WEB例会」に切り替わり、クラブ員同士の連絡はスマホのラインメールで取り合いました。当時のクラブ長、中島弘さんの諸連絡メールに応え、昨年暮れの12月6日付けで「笠原です。いつもお世話様です。通知確認しました。本年は6月より体調を崩しクラブ活動に関わることが出来ず寂しさと情けなさが募るばかりです。年明けは皆様に追いつくよう頑張ってやろうと思います。今後共宜しくお願い致します。」(原文のまま)と記録に残ります。
 クラブでは1回だけですが、1昨年5月、飯綱高原から戸隠へ撮影会に行きました。この時も、元気でいいづなリゾートスキー場脇にある水芭蕉園、鏡池、霊仙寺湖畔などを元気に歩かれ撮影したことを思い出します。
     回復し、一緒に写真をどんなにか撮りたかったか心中を察すると無念さばかりが込み上げて参ります。
 心よりご冥福をお祈り申し上げます。(増田)

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【高山 三良】

「ツユクサと蜜蜂」(自宅)
コメント:自宅のツユクサをマクロ撮影。蜜蜂がやってきてくれました。
講評:身近な小さな花をクローズアップ、花芯がシャープで鮮明に表現されています。微細などこからとも分からない光とともに、薄いブルーが何とも言えない雰囲気を醸し出しています。それだけで十分ですが、そこにミツバチがやってきてひと味違った物語性が組み込まれました。

【中島 弘】

「午後の美術館」(長野県立美術館)
コメント:コロナ禍のなか、スーパークローン展で心の平穏を取り戻したひと時、「霧の彫刻」を楽しむ情景を撮りました。
講評:新装、オープンした県立美術館。これまでは、作品を展示、見せるだけの美術館でしたが、展示以外に訪れた人自身が楽しめる工夫があちこちに施された美術館。庭先の水辺空間に霧が立ち込めた瞬間をすかさず切り取りました。濡れないように着た合羽姿、その右上の二人連れの姿が特に象徴的で、どこかアラブ系?の外国にいるような光景になり意表を突きます。ほどよい霧、群像の配置バランス、ハイアングルとシャッターチャンスよくまとまりました。

【早川 球喜】

「天空~二つとない景色~」(長野市飯綱高原)
講評:須坂市から高山村にかけた千曲川沿いの市街地と山並みが適度な雲とともに描かれ雄大な風景となりました。上部の青空スペースがやや多すぎる感がします。左右はそのままにして、青空を半分ぐらいカットし、超横長のパノラマ写真にすると見映え抜群となります。

【広澤 一由】

「二輪草の小径」(飯綱高原大谷地湿原)
コメント:二輪草の花が咲き誇る小径を行くカップルが似合っていたのでシャッターチャンスとして撮りました。
講評: 右上にある根元から枝分かれした樹木が「ここの主は俺だ!」と言わんばかりに存在感たっぷりです。その根元に控えめに咲いたニリンソウの群落と「C」構図にカーブした小径が流れを創出、点景人物もほど良い位置、大きさで入れたところは正にシャッターチャンスでしたね。ただ、こっちに向かってくる逆だとなお良かったです。

【宮澤 一成】

「ど迫力!」(長野市茶臼山動物園)
コメント:迫力は感じますが、どことなく可愛らしくも思え、トラ猫みたいです。
講評:網目越し、あるいはおりの鉄格子越しか、邪魔なものを画面内から除くため深度(絞り)を開けて撮影。そのせいか深度が浅く、フォーカスが鼻から目あたりに、ほかはぼけて逆に主題が浮き出て効果的でした。とするなら、もっと開放値(絞りを最大限開ける=絞り値の数字が少ない方)まで開けると、もっとぼけ効果が強調されたかも知れません。猫のような目として感じたままが表現されていますが、できれば、もっとトローンとした目つきだと面白かった。

【吉池 安雄】

「高原の初夏」(戸隠森林植物園)
講評: 歩き始めてすぐの「みどりが池」。雲をうまくあしらうことの上手な作者だけに、うまく水面に投影できるアングルを選びました。手前と左右の草木、池のほとりの樹林帯と奥行き感も出て、初夏のさわやかな情景が表現できました。

【吉田 幹男】

「自宅のバラ」(自宅)
コメント:ほかに山などを撮影しましたが・・・。自宅のバラになりました。
講評:きれいなバラですね。前回のボタンの白と違ってバラ特有のピンク色が鮮やかです。自宅という事ですが、建物や道路、フェンス、周辺の花木など雑物を除外、数輪の花とつぼみをうまくまとめました。そこでもう一歩。主題の中央の花を真ん中に配置した「日の丸構図」ですが、この花を「黄金分割点」、つまりやや右下に置いてみたらどうでしょう。そして、花が向いている前方を開け、その先にこの花の次を担うつぼみがあるというイメージです=下写真。ぐんと見栄えが増したと思いますが、いかがでしょう。