石渡写真クラブ月例会(3月)作品

石渡写真クラブ月例会(3月)作品を紹介します。
講評は、クラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
※写真をクリックするとサイズが拡大します。

 クラブ発足当時にともに写真を学んだ廣田美土里さんに代わり、クラブの紅一点萱津信子さんが今回限りで退会することになりました。
 お仲間になって早3年ですが、愛犬のほか、台風19号災害で活躍する自衛隊、幹線道路建設で道路下に眠る遺跡の発掘、若穂地区の道の分岐に立つ道祖神群、森のアンズの木の下の畑・・・。「あれ、何だろう」、「いつもと違う光景が」など何にでも好奇心を示し、レンズを向ける萱津さんの“目”はいつも新鮮で、豊かな感性はそのまま作品に現れ、例会で作品を見させていただくのが楽しみでした。積極的、行動的に素材を求めている姿がそのまま作品に現れていました。
 写真県展の審査員長の細江英公さんは、写真をやると齢をとらない、若返ると写真の効果を実証し一冊の本にまとめています。
 ①「何を撮ろうかな」と思考する(頭=頭脳を使う)。
 ②現場に行かなければ作品は生まれない(行動し身体を使う、動く)。
 ③仲間づくり、人とつながりができる(孤独にならない)。
などが効果的にできるとしています。
 ぜひ、無理することはありませんが、退会してもカメラを持ち歩くこと、興味を持つこと、レンズを向けることをお忘れにならないように。
 健康に留意され、創作活動を続けていかれますように。(増田)

【萱津 信子】「妙高山の雄姿」(信濃町)
 信濃町の野尻湖インター近くの道の駅から、目の前に残雪の雄姿を見せる妙高山に感動。下の樹林帯、山、青空の三段構図で安定感が出ました。主峰左は三田原山、右の山名が不明ですが、神奈山でしょうか。写真は山名ウオッチングも楽しみですね。花や木の名前、地名あらゆるものを知識として勉強できます。

【吉池 安雄】「ふくらむ桜の芽」(長野運動公園)
 運動公園、サブトラックを囲む桜の木。暗雲漂う早朝の雲を背に、ランニングする人物を点景に作画しました。「長い冬から早く桜の花咲く春に・・・」の期待がふくらむ作品です。

【早川 球喜】「雲間から朝日」(屋島橋)
 屋島橋のさらに東方、須坂、高山村の上部は志賀高原あたりでしょうか、山頂付近の雲間から顔をのぞかせた朝日が出た瞬間を捉えました。差し込んでふわーっと広がる黄色の太陽光線、橋の欄干を照らす朝の目覚めの瞬間を表現しています。中央の主要部分を中心にトリミングするともっと迫力が出ます。

【中島 弘】「今年の顔・芦の尻道祖神」(長野市大岡)
 「おらが村にはこんなにでっかい目、鼻、口を持った大きな・・・」と外からの疫病神を入れない、追い払うといわれる道祖神。そのユニークな顔にぐっと迫り、迫力が出ました。向こうの松の木でしょうか、神様の髪の毛のようにも見えさりげないアングル取りがいいです。

【高山 三良】「春眠所選ばず」(長野運動公園)
 運動公園サブトラック脇で春を告げる紅梅。まだ桜の花やケヤキの芽吹きには間があり、春を独り占めしている花の下、ベンチの上でこっくりしている人物を発見、すかさずパチリ。ちょうど樹木の根から枝分かれする起点に配し、一体感が出たように思います。顔の肌色が見えなければ分からない感じです。

【倉沢 利和】「レンズボールの中の桜」(長野運動公園)
 えっ、こんなガラスのオブジェがあった?奇想天外な発想がいいですね。コロナウイルスにめげず、今年も元気に咲いた桜ですが、どう撮っても「それだけ」の写真になってしまいます。綺麗は綺麗に写りますけどね。そこで、そこから一歩抜け出てみようとした心意気が感じ取れて好感が持てます。ただ、鏡とそこに写るものが画面の中にある場合、よくピントはどっちに?と迷います。作者の意図にもよりますが、普通は鏡の中に写る被写体に合わせます。鏡でもなく、実像でもありません。この作品は虚像に合ってはいますが、もう少し深度を深く(つまりF値を絞る)すると、背景の実像のぼけと分離しもっと印象深い作品にグレードが上がったと思います。

【笠原 美敬】早咲きの白梅」(地蔵寺)
 公民館の隣の地蔵寺境内でいち早く花を咲かせた白梅。ぱっと上に散らばるように咲いた花が青空に映えていいですね。アクセントに小さいながらカラスを写し込んだ(画面左)シャッターチャンスもいいです。できれば、もう少しお寺の屋根を入れるとよかった。

【池田 治雄】

「春が来た!」(自宅)
 我が家の庭先で見つけた春の花。春の代表的なサンシュユの木の花をメインに、色とりどりの植栽したものに加え、ツクシやオオイヌノフグリの野草も飛び入り、にぎやかな組み写真になりました。組み写真は大きさや並べ方を組み合わせると無限です。硬い頭を柔らかくし、効果的な組みに挑戦しましょう。奥は深いです。