厳かに、さわやかに・・・石渡八幡神社で御柱祭

 石渡八幡神社の御柱祭が4月24日、神社境内で行われました。約80人の区民や氏子・区の役員などが見守る中、2本の大きな柱が無事に建立されました。
 新型コロナの感染が続いているなかでのお祭りになりました。感染を防ぐため、これまでの前夜祭や榊山巡行、御柱行列、そして各地区でのたくさんのお菓子の撒きものなどのイベントが中止になりました。
 御柱祭は午後2時、倉澤玄宮司の祝詞で始まりました。重さが250㎏、長さ8mの2本の御柱がクレーンでゆっくりと吊り上げられ、そろいの法被を着た祭典常会の3、4常会の区民が、柱の先端に取り付けたロープを引っ張りバランスをとりながら、約1時間かけて建立されました。副区長の竹内正男さん(1常会)と区会計の山崎典英さん(8常会)が「えいっ」と声を掛けながら、棒で柱の根元を突く「突き固め」の儀式を行いました。
 この間、八寿喜会の14人が「大手古」などの木やり歌を朗々と歌い上げ、神楽保存会が代々伝わる神楽を奉納、お祭りを盛り上げました。氏子総代の高山秀則さん(2常会)は「コロナ禍の影響で、中止になった行事もありましたが、みなさんおかげで無事にお祭りができました」とほっとした表情でした。

                        【文:水越渉 写真:増田今雄 石渡つうしん取材班】

【積み込み】受け入れ式(16日)で地蔵寺に安置されていた御柱を移動式クレーン車に積み込み=24日午前7時5分
【垂れ幕】クレーン車のサイドには、新調した紅白の垂れ幕が張られた
【出発】準備から30分ほどで積み込みが完了。車に搭載したまま地蔵寺から出発=7時27分
【区内通過】コロナ禍のため行列は省略。車はそのまま南進し運動公園通りへ
【運動公園通り】ケヤキの新緑がまばゆい運動公園通りを西へ
【石渡八幡神社境内へ】神社前に到着。鳥居脇からバックでゆっくりと境内へ
【建立場所前に】神社拝殿前、前の御柱が引き抜かれた場所に到着。早朝の部はこれにて=7時38分
【穴の水抜き】幅を広げ深く掘られた穴には水が溜まり、建立前にきれいに抜きとられた=午後1時33分
【コロナ感染対策】コロナ感染防止のため、発声が伴う木やり衆はフェイスシールドを装着して登場
【区役員ら】倉澤区長ら区役員が勢ぞろい、建立がいよいよ始まった=午後1時54分
【お魂入れ】建立前、倉澤玄宮司によって御柱に魂が入れられた=午後1時58分
【一旦降車】建てる前、2本の御柱は一旦穴の脇に降ろされた
【建つ】いよいよ建て御柱のクライマックス。クレーンで徐々に垂直にし北側の穴へ
【木やり歌】穴に向かう御柱を八寿喜会の「大手古」木やり歌が境内に響き渡った
【穴へ】ゆっくりと穴の中に沈められる御柱
【底を固める】柱が下まで納まると、棒でつつき固められた
【固定】掘削した土砂を実行委員が手際よく埋めて固定した
【2本目】同じ手順で2本目が南側に建てられた=午後2時48分
【見守る区民】建立の様子をマスク姿の区民が見守った
【バランス】先端で左右に分かれたロープを引っ張りバランスを取る実行委員の皆さん
【おかめの面】2本の御柱が真っすぐに建てられると、細長い棒の先に取り付けたおかめの面がそれぞれ取り付けられた=午後3時9分
【銘板】北側の柱には、今回の寄進者「奉納 石渡氏子」と書かれた銘板が取り付けられた
【突き固め】竹内副区長(左)と山崎区会計が突き固めの儀式=午後3時15分
【木やり】突き固めの儀式に合わせ、八寿喜会による木やりが再度歌われた
【お浄め】高山氏子総代がお神酒を注ぎ御柱を清めた=午後3時19分
【獅子舞神楽奉納】昨秋更新した御神楽が初登場、初演奏。石渡神楽保存会の皆さんがお囃子とともに獅子舞を奉納=午後3時22分
【神事】建立後、拝殿で御柱の無事建立、区の安寧などを報告、祈願する神事が執行された
【お祓い】神事では、倉澤宮司が御柱をお祓いした=午後3時52分
【拝礼】氏子総代や区長らが玉串を奉てん、拝礼して神事は終了=午後3時56分
【片付け】社殿や境内を飾った提灯や垂れ幕、幟旗などを片付け=午後4時18分。御柱祭はすべて終了

 

近づく御柱祭を前に御柱の受け入れ式が行われました

 

 4月24日の御柱祭本祭りを前に16日、石渡公民館北の地蔵寺で御柱の受け入れ式が行われました。氏子総代や区長など15人が参加、2本の御柱を前に全員で祭りの無事を祈願しました。
 本祭りの建御柱に使われるのはスギの木で、いずれも長さ8メートル、直径30センチ。信州新町の山林から伐採して、境内に運び入れてありました。
 氏子総代の高山秀則さん(2常会)が「コロナ禍の影響で新しい形の御柱祭になりましたが、みなさんの協力で無事に終わらせたい」とあいさつ。区長の倉澤利和さん(2常会)も「コロナ禍ではありますが、お祭りができてうれしい」とあいさつしました。
 受け入れ式に先立ち、会場になる石渡八幡神社では午前6時から大勢の区民が出て境内の草取りなどの掃除をしました。祭典当番常会の3、4常会の約50人が中心になり、本殿や拝殿の掃除や飾りつけ、幟竿の設置をしました。最後に、7常会の宮澤一恵さん(故人)が前回(平成28年)寄贈して建立された御柱2本を、クレーンを使って引き抜き境内に安置、祭りの準備が整いました。
【文:水越渉 写真:増田今雄 いずれも石渡つうしん取材班】

柏手をうって拝礼、厳かに今回の御柱の受け入れ式が執行
今回の御柱奉納者「石渡氏子」と記した銘板とともに安置された御柱(地蔵寺)
御柱をお浄めする高山秀則氏子総代
祝辞を述べる倉澤利和区長
落下した桜の花の下、早朝から神社境内の草取り
神社の内外を雑巾がけ
拝殿前に注連飾りを取り付ける祭典当番3,4常会の皆さん
境内にある石碑にはしめ縄、紙垂(しで)が飾られた
平成28年に建てられた御柱の撤去にあたり、魂抜きの拝礼
前回の寄進者(宮澤一恵さん)を記した銘板を御柱から取り外した
銘板は氏子総代から宮澤さんの家族(右)に渡された
引き抜く前に、御柱の周りの土砂を手作業で掘削
クレーンで一気に引き抜かれた御柱
地中はおよそ1㍍半。たっぷり水気を含み腐敗していなかった
2本の御柱は、移動式クレーン車に積まれ運ばれた
抜かれた後の穴は深さ、幅とも広げられ、24日に建立される御柱を待つ

                              (了)

新体制石渡区がスタート ~令和4年度石渡区定期総会開催~

コロナ下3年目、石渡区が船出
~令和4年度石渡区定期総会開催~

 石渡公民館の桜も開花、汗ばむ陽気にまで気温が上昇した410日、令和4年度石渡区定期総会が公民館で行われました。新任の倉澤利和区長はじめ区三役、西脇かおる顧問、各部部長、氏子、用水、育成会、長寿会らの役員のほか30人余の区民が出席、昨年度の実績報告や今年度の予算、計画などを話し合い、新体制の1年がスタートしました。
 冒頭で倉澤区長は「コロナ感染者が増える中、総会の中止も考えましたが承認事項を採決していただかないと行政が始まらない。健全で明るく元気な区であるよう努めたい」とあいさつ。議事は、一般会計、石渡区神社運営、公民館それぞれの昨年度決算、今年度予算が報告され質疑応答、推薦委員選任と合わせ、出席者の拍手を持って承認、議決されました。
 このほか、住民自治協議会の活動報告に続き、用水組合からは「六ケ郷用水の止まっていた水が先月から復旧」、公民館部会からは「昭和54年建立の公民館が老朽化、修繕や改修、建替えを見据えた積立金八百万円を計上した」などの報告がありました。
 区民からは「コロナ禍、さまざまな代替イベントを試みた公民館の趣旨は賛同、止めることなく取り組んでほしい」、「児童が通う道路が危険。早期整備を」などの意見や要望が出されました。
 引き続き長寿会、育成会から報告、最後に口頭で退任役員紹介をして閉会しました。新型コロナ禍で出口が見えない中で3年目がスタートしましたが、新役員ともども区民総出で安心、安全な石渡区を目指し頑張りましょう。
     【写真と文 石渡つうしん取材班 増田今雄】

 

あいさつする倉澤利和新区長(左は高山三良相談役、右は竹内正男副区長)
あいさつする西脇かおる顧問
収入支出状況を監査報告する小山美好監査役
決算、予算を承認、事業計画など1年の方針が議決された定期総会(4月10日、公民館)

石渡写真クラブ月例会(3月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(3月)作品&講評
 3月の例会は年度最後の例会ということで、3カ月ぶりに感染対策を厳守、公民館に集まりクラブ総会を兼ねて実施しました。寒い冬とあって、やや撮影行動が減退気味だったかと思われますが、月1回の例会には何か用意しなければ・・・と外に出てシャッターを押した意欲作が並びました。
 これからは春本番です。花だけでもフクジュソウやカタクリから始まり、桜、アンズ、菜の花・・・と次々と咲き競い、新緑へと移ります。「コロナに負けるな!」、「こんな時代だからこそ」と北信では善光寺御開帳、諏訪では御柱も始まりました。当地区でも御柱が予定されています。
 選択に困るほど素材が盛りだくさんです。コロナに負けず、頑張り過ぎないように、野に山に里に出かけましょう。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。
※今回、撮影者、タイトル、場所のほかに撮影日を明記しました。季節の変わり目の作品が多く、「いつごろ?」の疑問に答えるためです。

【吉池 安雄】「雪のいたずら」(長野運動公園)=12月18日
講評:雪が積もった運動公園の野球場と陸上競技場の駐車場広場。車が走り去った後のわだち跡に目を付けました。いい素材を発見しすかさずカメラに収めたところがいいですね。ただし目線位置なので、わだち跡が目立ちません。脚立か、いす程度でも高い位置(ハイアングル)から撮ると跡がもう少し分かるようになったかと。そして、画面構成が上と下が半々の二分割構図になってしまい、主題を弱めています。上の空は思い切ってカット、主題のわだち跡の部分が三分の二ぐらい占める三分割構図にすると、もっと「おっ、面白いな」が強調、作品としてグレードアップしました。参考までに、この作品も、上をカットしてみましょう(写真下)。

 

【宮澤 一成】「春の目覚め」(自宅=3月7日)
コメント:庭先に蕗のトウがやっと顔を出しました。花咲く春は、もうすぐそこですね。
講評:朽ちた落ち葉の広がる大地からぬっと顔を持ち上げたフキノトウ。力強さ、生命力を感じます。長い冬を耐え、ぱっと開ける春が到来した自分の想いと重ね合わせて作画した心情が読み取れます。複数のフキノトウをバランスよく配置、向こうにスイセンがある構図はいいと思います。が、別の手法として左手前の株にもっと大胆に近づき、ローアングルで狙い、向こうに宮澤家の片鱗が・・・。もちろん一つのフキノトウ(主題)だけにフォーカス、ほかはぼかす・・・。

【広澤 一由】「ロッククライマー」(長野運動公園=2月10日)
コメント:ロッククライマーにでも変身するがごとく、スズメが岩に飛び降りてきた!何をするのだろう?・・・・何か餌に見間違えたかな?!
講評:前々回から続く野鳥シリーズ第三弾。段々と春めいた感じが盛り込まれ、躍動感あふれるスズメの姿態をシャッターチャンスよく捉えています。急な岩壁で脚を踏ん張って静止。ややぶれた感じが、かえって動感が出ましたね。なお、すぐ右にある、小さな木の実でしょうか、餌?に見立てたところは細かい所までよく観察しています。餌を狙って近づいたか、あるいは近くで餌をついばんでここで食べようとしたらくちばしからはじけ飛んだか・・・?いろいろと連想させてくれます。

【早川 球喜】「春浅き久米慈峡」(久米路峡=3月8日)
コメント:信州新町の久米路峡は、名勝名鏡と知られ、多くの文人墨客が訪れ、「信濃の国」の作詞者浅井冽も訪れ、「心して行け久米路橋」と詠っています。又この橋は、悲しい民話が語り継がれております。この民話を題材に地元出身の能楽師・永島充師が創作されたとの報道に接し、凄く興味を抱きました。能の「井筒」を参考したとのことで、伊勢物語の恋愛ものからどう物語が展開するのか興味のあるところです。
講評:信州新町の町を少しはずれた犀川に架かる久米路橋。現在の国道はショートカットのトンネルを通過してしまうので、車窓からちらりとしか見えません。古事にちなむ橋は、おそらくこの橋ではないと思われますが、橋をはさんだ一帯の峡谷にはさまざまな伝説や著名人が来歴、そんな過去に想いをはせながらの撮影意図が伝わってきます。ただ、写真的には画面がやや右下がりです。水面や橋が微妙に傾き、橋のふもとにある電柱も傾いて見えるだけに苦にし始めると苦になります。補正しましょう。

【中島 弘】「北帰行」(安曇野市の犀川白鳥湖=2月28日)
コメント:北へ帰る時期を狙っての飛翔訓練なのか。昨年の台風で例年の越冬地を失い、違う場所での越冬をそろそろ切り上げ、厳しかった今年の信州の冬に別れを惜しんでいるようだ。
講評:昨年11月の例会作品「今年もやってきました」の続報で、長い冬を信州で過ごし北方シベリヤへ帰る「北帰行」です。数は少ないものの、背景に残雪を抱いた常念岳を入れ込むことに成功、ばっちりですね。空気感、スケールが出ました。
 前回の講評に、越冬ハクチョウの作品は多くの写真が世に出ているが、まずはそこに追いつく挑戦を!と書かせてもらいましたが、そこに到達しましたね。今後、もう少し数を増やしてにぎやかにしよう、常念岳でなく別の山塊、夕焼けとか朝焼けとか、などなど少しずつこれまでの作品から抜け出し、オリジナルな方向に志向してゆくことと思います。

【高山 三良】「月あそび」(運動公園=令和3年10月と令和4年2月)
コメント:月と何かを絡めて撮りたいと探しました。何でしょうか?
講評:さて、何でしょう?謎解きの作品ですが、見る人にあれこれ考えさせ、想像力を掻き立てる味のある作品となりました。そして、月の形もほぼ半月と満月を意識的に変え、なお位置も微妙にずらした点も変化に富み飽きさせませんね。
例会で、答えをお聞きしましたが、あえて書きません。皆さん、ヒントは撮影場所の運動公園。考えてみましょう。(答えは次回)

<絡める>
 写真は、そのものずばりを撮ることがあります。この作品のように「月」なら、月そのものだけを画面内に写すことと言えます。ほかに余計なものは写し込みません。それはそれでいいですが、写真の手法としては、そのもののほかに何かを写し込む(絡める)と一風違った雰囲気に変わっていきます。この作品のように月の手前に何かを配置していますが、手前でなく月の向こうに何かを写し込むこともあります。そうすることにより、手前から奥へと見る人の視線を誘導し、奥行き感(遠近感)を感じさせてくれる効果があります。
ちなみに「月」は作者が1番表現し伝えたかったもので「主題」とも言います。手前のぼけたものは、主題を助ける(盛り立てる)脇役。主題の向こうに何かある場合は「背景」ともいいます。主題を意図的に浮き立たせるために背景を暗い感じのトーンを選んだり、ぼかしたりします。適切な背景処理は作品をグレードアップします。
 さらに、作品の中に「何か人物とかがあれば・・・」とよく言いますね。人物でも犬でも猫でも何でもいいですが、これを「点景」と言います。これも「主題」を引き立てる役目を持ちます。
 「あっ」と思ったもの、シーンを人様にも見てもらいたい、伝えたいという感動をより効果を高める作品にする手立てとして“何かを「絡める」”というお話でした。

長寿会が総会を開きました

 令和3年度最後の日の331日、石渡長寿会が総会を石渡公民館で開きました。約60人が参加しました。

 冒頭、昨年亡くなった3人の会員を悼んで、全員が黙とうを捧げ、会場は静かな雰囲気に包まれました。

 大日方清会長(3常会)が「コロナ禍で十分な事業ができませんでしたが、社会奉仕活動など積極的に取り組みました。会員のみなさまの協力のおかげです」とあいさつ。続いて来賓を代表して高山三良区長(2常会)が「コロナ禍の中ですが、御柱祭で元気な一年にしましょう」と話しました。令和3年度の事業報告や会計報告があり、若干の質疑のあと承認されました。

 最後に令和4年度役員の紹介があり、会長に廣澤一由さん(9常会)、副会長に小池公雄さん(8常会)、相談役に大日方清さん(3常会)、顧問に倉澤良貞さん(2常会)、そして8人の班長さんが承認され、新体制がスタートしました。

【文と写真:石渡つうしん取材班 水越 渉】

亡くなった3人の会員を悼んで全員で黙とうしました

あいさつする大日方清会長。無事に大任を終え会員に感謝しました

来賓を代表してあいさつする高山三良区長

総会には約60人の会員が参加しました

事業報告などの説明に聞き入る会員のみなさん

令和4年度の会長に就いた廣澤一由さん。「コロナ禍ではありますが、できる限り積極的に事業に取り組んでいきたい。みんなで明るく、楽しく、元気で」と力強くあいさつしました

久しぶりに登場した石渡長寿会のシンボルの旗。顧問の西脇かおるさん(6常会)も「立派ですね」と感心していました