石渡写真クラブ例会(9月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(9月)作品、講評
 コロナの感染も第5波が下降線をたどり非常事態宣言などが解除、何となく飽きあきとしていた気持ちがやや上向きにといった今日この頃です。紅葉が高い山の上から始まり、運動公園のケヤキも天頂部が少しだけ色づき秋の気配が漂い始めました。
 コロナも下降線とはいえ、もうしばらくは感染対策を怠ることなく、徐々に元に戻してゆくことが求められています。間もなく区の文化祭です。感染に細心の注意を払いながら、撮影、展示と一つ一つ前へ進めて行きましょう。
 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【吉田 幹男】「西洋朝顔ヘブンリーブルー」(自宅)
コメント:今年は種まきが遅れ、今日は2輪目を撮影しました。9月8日に1輪咲いたのですが、風が強く撮影が駄目でした。
講評:この後に広澤さんの作品に同じ朝顔が登場しますが、数は少ないもののそれなりにうまくまとめています。支柱に這いあがり咲いた一輪を主題に、背景の木立をぼかして遠近感が出ました。ただ、ぼけてはいるものの左後方にある電信柱が無粋で、立ち位置をやや左に寄り画面から外すとすっきりしました。

【吉池 安雄】「秋の雲」(長野運動公園)
講評:何ときれいで絵にかいたような雲に遭遇しましたね。大胆に画面いっぱいに、下の給水塔をシンボル的に入れた運動公園の配分(率)もいい感じです。いつか、運動公園の雲を中心に、花、集う人などなど四季折々の表情をまとめて個展でも開けるように、少し変わった被写体も狙いましょう。

【宮澤 一成】「突然の遭遇」(上越市名立)
コメント:夏の海が見たくなり、「うみてらす名立」へ行きました。海を撮影していたところ、突然目の前に海鳥たちが現れ、思わずシャッターを切りました。
講評:海原の様子から結構風が強い感じで、その強風に立ち向かうカモメが数羽。突然の撮影とのことですが、ぶれもなくピントもシャープでいいですね。ただ、中央部分が抜けていて、ここにもう1羽いるとバランスが取れたかなと思います。

【広沢 一由】 

「夏を惜しんで秋空に咲く」(自宅)
コメント:初秋の青空の下、夏を惜しんで咲く朝顔が涼しさを呼んでくれている!
講評:先月に続き、ご自宅に咲いた朝顔「ヘブンリーブルー」の第2弾。例会に持ち込まれた作品は、ややアップ過ぎて花の図解写真のようになってしましました=一番上写真。「もう少し周りの雰囲気がほしいですね」の講評に例会後、別カットを寄せてくれました=真ん中。が、今度はややロング過ぎで花が沈みがちです。そこで、少しトリミングをしてみました=下写真。ちょっとしたフレーミングで違ってくる写真って面白いですね。

【原 芳幸】「静かな浅間山」(黒斑山・2,404㍍より)
コメント:久々の登山です。5年ぶり位に友と一緒に山行。写真は一般的な風景ですが、天気が良く(蒸暑)、見えるのは前掛山ですが、奥に浅間山(小さく暗い)。一瞬、日差しに照らされたのだが、残念。
講評:アオモリトドマツでしょうか、手前左の樹木は幹を入れ、右は枝だけをあしらい変化付け、その向こうに浅間山。前景処理が適切で、遠近感のあるスケールの大きい作品となりました。「天気が良く」とありますが、天頂上の雲、山腹の陰が写真的には画面の中のアクセントとなり、単調さから抜け出した1枚となりました。

【早川 球麿】去り行く夏・牧場の景色」(高山村山田牧場)
コメント:当日は朝から小雨が降ったりやんだりしていました。牧場に着いたのはお昼前で、辺りは人の気配はなくロッジというかお店の前に繋がれた犬が一匹。また、景色は霞が覆い幻想的な情景を醸し出していました。1時間ほど経ったでしょうか、1人、1人と散策する人々が現れ、そのひとコマを撮影してみました。
講評:牧場の草原に適度な間隔で並ぶ木立、牛もいて霧も立ち込め正に幻想的な光景ですね。そこに行楽客が現れ絶好のシャッターチャンス。でも、冬のスキー用リフトの人工的な塊が牧場という自然の中で、気にし始めると邪魔といえば邪魔に感じてしまいます。「だって、そこにあるものは仕方ない」と怒られそうですが、どかすわけにはいかないし・・・。真を写すから「写真」ですが、いろいろと考えさせてくれる作品です。

【中島 弘】「秋そば」(飯山市)
コメント:昨年撮影した作品です。秋の原風景風に撮ってみました。
講評:満開の真っ白なソバ畑を大胆に取り入れた構図がどっしりと安定感を持って迫ってきます。よく見ると茎の高いものがありますが、これをややローアングルで空に数本浮かしてみる、あるいはスローシャッターでぶらして「風」を感じさせるように撮る・・・。何かひと工夫を付加させると作品に“味”が生まれグレードアップします。

【高山 三良】「襲来に挑む!」(長野市小島)
コメント:雲に勢いがあり、未知の襲来を感じた。立ち向かう一人の勇者がいた。
講評:暗雲漂う彼方、山の上方に何かが襲ってくるような感覚を持ったところをすかさず写真に表現したところが素晴らしいですね。そこにちょうど1人の人が立ち向かう様に感じ、パシャリ。暗いトーンの中に白いランニングシャツが浮かび上がり効果的です。物語性を感じさせる作品です。

<感性が身に付く写真>
写真をやっていると、こうした観察力がつき、何気ない事象や異変などに敏感に気づくことができるようになります。気づいたら後はどうやってその感じを残すか、カメラワークが待っています。