石渡写真クラブ月例会(3月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(3月)作品
 1月の例会から、新型コロナウイルスの感染回避とともに時間を短縮し実施。3回目の例会です。
 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。

 写真をクリックすると拡大して見えます。

【吉池 安雄】「春の訪れ」(千曲市戸倉)
講評:千曲市キティーパークのセツブンソウ。よく、足を運び、一足早い春を楽しんでこられたかと思います。そして、いっぱい咲いている中で、選んだのは「だんご三兄弟」。斜めに仲良く花を開いた3株ですが、ピントが後ピンで惜しまれます。スマホではフォーカスゾーンがありませんが、最近、「画面の中のピントを合わせたい所をタップすると、そこにピントが合ってシャッターが切れる」とか。機種によるかも知れませんが・・・。一眼レフのマクロ以上に接近には強い捨てたものではありません。大伸ばしに耐えるようデータ量を大きくするとか、手ぶれしやすいのでシャッターはソフトに。いろいろと工夫、お試しを。

【宮澤 一成】「小さい春 み~つけた」(大王わさび農場=安曇野市)
コメント:春まだ浅い様子を表現したく、撮影しました。
講評:こちらは、この後の広澤さんの紅梅の仲間でしょうか、花びらがすっきりとしています。開花した花一輪に春を感じフォーカスを合わせていますが、ややはじっこ過ぎカ・・・。もう少しわずか右だと黄金分割点に位置し安定し訴求力がぐんと増します。右下向こうのぼけた枝もにぎやかさという面でいいのですが、やや間が空きすぎか・・・。それには、立ち一をわずか左に寄せ、画角を少し左に振ると上記の指摘が解決、狙いが明確な作品になります。

【広澤 一由】「寒そうな梅の雪化粧」(長野市運動公園)
コメント:咲き始めた紅梅に無情の雪が降り積もり、待ちわびた春の息吹が遠のいた感であったが、青空に映えた梅と雪の塊の競演が美しかった!
講評:春と寒さが共存した撮影意図が読み取れる作品です。場面を想定し足を運んだ労作ですが、咲いた花が少なくやや散漫な感じがします。フォーカスのある左下から右に延びる枝を中心にトリミングをしてみました(下写真参照)。

【早川 珠喜】「薄暮の梅」(長野市城山公園)
コメント:長野市城山公園、この度新長野県立美術館が完成し、近代的容姿が姿を現しました。ここは花見の名所で花見時は小屋が立ち並び賑わうのですが、今年はコロナ禍で中止とか。桜の蕾はまだ固いのですが、新美術館の傍らに2本の梅が今が盛りと咲いておりました。
講評:いち早く咲く梅の花。私もかつて取材、新聞に掲載したことがあり懐かしく拝見させていただきました。大分昔の事で、健在ぶりにほっとしました。背景は新装なった美術館の屋根でしょうか、ちょうど中央に横線状に入り花が主題とはいえ、画面を二分しているように見えます。もう少し下げるか逆に上げて青空を少しにすると、花が映えてきます。

【中島 弘】「北帰行の準備」(安曇野市ハクチョウ湖)
コメント:今年は白鳥の南下が多いと聞き、安曇野で撮ってきました。背景にアルプスを入れたかったが曇り日で残念な結果となりました。
講評:撮影するポジション、角度、加えてコハクチョウの飛ぶ方向などなど結構思うように撮れないのが現実です。一回、二回で気に入ったカットが撮れれば最高ですが・・・。コハクチョウが群れで飛び立つショットですが、ほぼ完ぺきな後ろ姿で残念。再挑戦といきましょう。

【先ずは真似る。そしてオリジナルに挑戦】
 一月例会の宮澤さんのコハクチョウの評でも触れましたが、コハクチョウはプロ、アマ問わず多くのカメラマンの被写体になってきた野鳥です。大型で、冬の間信州に滞在する渡り鳥で多くのロマンも持っている魅力的な鳥です。雪を抱いた北アルプスを背景に飛翔、離発着など迫力ある素晴らしい作品が数多く生まれています。先ずは、そんな写真に挑戦、追いつくことかと思います。
それには、大変ですが何回も通い、飛び立つ時間や方向などよく観察することから始まります。当然どんどんシャッターを押しながらの行動になります。そのうちに、「背景にアルプスを・・・」掲げた目標の先が見え、近づいていきます。達成した時の喜びは格別、それが写真をやる醍醐味でもあり楽しみでもあります。
それでも、苦労して撮ってみても(繰り返しになりますが)「どこかで見た写真だなー」。そこからが大切です。勝負です。それまで培った観察眼や失敗などのデータを基に、誰も撮ったことのないオリジナルな写真を求めてゆくことが始まります。
写真は時として偶然性の瞬間もあります。その一瞬を捉える力量を日ごろから養うことです。手間も暇も掛かりますが、やってゆくと奥が深い世界です。

【高山 三良】「花鳥幻日月」(石渡近辺)
コメント:どんど焼きの日の幻日、上弦の月に現れた月面「X」、二月の満月SnowMoonに花鳥を添えました。
講評:「花鳥風月」。万葉の昔から、日本人が慣れ親しんだ生活の中で目にするものを連歌や俳句、日本画などで表現する日本独特の文化。各々の写真が完成度高く、お互いが共鳴し合ったシンプルな組み写真となりました。背景、線など黒色を基調とした中に一枚だけブルーという背景も効果的ですね。

【倉沢 利和】「『UFO』みたい?」(飯綱町霊泉寺湖)
コメント:天気が良いので出かけました。湖畔から見た景色がUFOに見えたのでシャッターを押しました。(GLAMPROOK飯綱高原)
講評:雪景色の中、「かまくら」か?面白い素材を発見しましたね。コロナ禍の中で出現した、感染回避を徹底したホテルとか。時代の流れを写し止めた記録写真でもあります。今度は、中の様子を見てみたいですね。