石渡写真クラブ2月例会写真集

<五十音逆順に掲載>講評は石渡写真クラブ:増田今雄講師
作品の下に、「タイトル」、<撮影場所>、(講評)の順に掲載
*写真をクリックすると大きく鮮明に見れます。

1.吉池 安雄


「一階の軒を脅かす」(飯山市)
(二階の屋根にたんまりとたまった雪。はしごが掛ったままで雪下ろしもままならないお年寄り家庭なのか、家の中からの温もりで溶けた雪が巨大なつららを形成、高齢化社会が抱える問題を象徴しているようです。)


「早く遊びたいよう」<飯山市・雪祭り>
(飯山のかまくら村での一コマ。かまくらの横の田んぼには人工のそりのスロープがあり、早く滑りたくておねだりしている子どもの表情をうまく捉えています。背景の集落が見えますが、やや窮屈でもう少し入れてもよかった。)

 

2.広沢 一由


「躍動するコーナリング」<M-Wave タイムトライアル>
(平昌五輪前にエムウエーブで調整する日本の男子スケート陣。コーナーを回る選手をハイアングル、流し撮りで捉えています。やや前のめりの感がありますが、かえってスピード感が助長されている気がします。)


「一糸乱れぬパシュート連走」<M-Wave タイムトライアル>
(TV観戦の金メダル獲得の感動も冷めやらぬパシュート。選手は違いますが、そろった滑りをする主題を画面中央に配置した日の丸構図で、安定した画面に仕上がっています。)

 

3.早川 球喜

「仁王門ゆめ常夜灯」 <善光寺灯明まつり>
(灯明祭りでライトアップされた仁王門が幻想的に浮かび上がりました。日中は明暗の関係で見えにくい仁王像もよく分かっていいですね。三脚使用で、静止した建物に対し人がぶれて、さわさわと行き交う動き、躍動感を感じます。門の天頂部がやや左下がりなのが苦になります。)


「参道のゆめ灯り絵」<善光寺灯明まつり>
(こちらも、しっかりと三脚を使ってスローシャッターで動きのあるもののぶれと静止を対比した作品。同じくやや左下がりなので不安定なのと手前の空間が空きすぎでもったいないですね。思い切ってカットするか、ズーミングでもう少し灯ろうを画面の下ぎりぎりに持ってくるかですね。)

 

4.中島 弘

「コハクチョウの飛来」<中野市>
(中野市・小布施町の延徳田んぼに飛来したコハクチョウを望遠レンズでしっかり捉えています。田んぼの向こうの山腹や集落を背景に、野鳥にとっては大敵の送電線が危機感を誘います。)


「根気比べ」 <飯綱町霊仙寺湖>
(黒姫山、妙高山を背景にした霊仙寺湖でワカサギの穴釣りのテントがずらり。冬季はひと休みしている遊覧船を前景に、中央と右寄りにいる人物が動きとともに温もりを感じさせてくれます。)

 

5.竹内 一郎


「ブルームーン?」<自宅>
(先の皆既月食は「スーパーブルーブラッドムーン」でした。その時の月ではないとのことですが、満月をモチーフに作画したところ、画面に変なものが写りこみました。おそらく、月の光が真逆行でレンズの屈折のいたずらと思われますが、たまにはこういう“遊び”があっていいと思います。写真って楽しいなあという幅の広い心でいきましょう。)

「後は頼むね」<長野市ゴミ処理センター>
(完成間近の新しいごみ処理センターの様子を林立するクレーンで象徴的に表現した、今の時代を切り取ったニュース作品といえます。惜しむらくは、新しい煙突がクレーンに隠れてしまったのと、見え始めた新しい建物が少し削り過ぎでもう少し見えてもよかったと思います。)

 

6.高山 三良

「ツララ溶ける」<自宅>
(春の日に溶けるつららの滴をうまく使ってリズム感ある作品に仕立てました。あたかも数本のつららがあるようにした合成写真ですが、一瞬、それぞれに落ちる滴をうまいシャッタータイミングで撮ったものだと思いました。自分のイメージを見事に一枚の写真に凝縮しています。写真県展の応募には「合成」のあるなしの欄があるので、「合成」と明記を。)


「平和に」<善光寺灯明まつり>
(この作品も、まんまとだまされました。いい写真は「今まで見たことがない」、「こんな光景初めて」といったことが基準で選ばれますが、その条件にピタリ。よく見ると、上の善光寺と、下は門前町の灯ろうの上下二枚組でした。境に白線があり、だまそうという意図は毛頭あるわけではないですね。これも県展では「組み写真の部」出品ですね。)

 

7.倉澤 利和


「さあ元気よく歌おう」<長野駅東口>
(背景に横断幕があり、イベントでの一コマ。一連の流れの中で何かを感じた瞬間にシャッターを切ったと思いますが、歌が始まる前の、どことなくみんなが遠慮がちでもじもじしている雰囲気が伝わってきます。右側にいるマイクを持った女の子の声が聞こえてきそうです。)

「久々の休日」<若里公園>
(人物が小さめで、アクションも抑え気味。普通なら、「もっと人物に迫って!」、「もっと動きを大胆に!」、「表情を・・・」という評になりますが、まあ、こういう何となく雪の休日にでかけて雪遊びを楽しむ一家ののんびりとした雰囲気を捉えた作品もありかなと思います。)

 

8.笠原 美敬


「青空に浮かぶ横手山」
(重なる山並みの向こうに横手山山頂と、近くの笠ヶ岳(左)の頂上が少しだけ顔を出す。超望遠系レンズで圧縮効果を発揮した作品。朝焼けとか夕焼けの光線でピンク色に染まった瞬間だともっとグレードアップ。)

「スキー場がかすかに見える飯縄山」
(こちらも単純にぐっと引っ張り込んだ飯縄山。山ろく左にスキー場がちらりと見えますが、手前を横切る電線がかすかに映り込み苦になるといえば苦になります。先の作品とともに、右下の撮影年月日は作品プリントには不要ですので、削除してください。)

 

9.池田 治雄

「寒さに耐える野鳥達」<吉田辰巳池>
(辰巳池の冬の表情ですが、凍ったところにたたずむカモと凍らない水辺にいるカモが対比でき、面白いですね。一面の白で殺風景になりがちな手前の氷にガマの穂をあしらったところは芸術的。)

「雄大なる飯縄山」
 前月に続き飯縄山ですが、前景を球場から陸上競技場・総合体育館に変えました。点景で、どこかに人物がいるといいですね。

 

【担当:石渡写真クラブ 廣澤一由】