平成29年7月月例会作品

<五十音順に掲載>講評は石渡写真クラブ:増田今雄講師

作品の下に、「タイトル」、<撮影場所>、(講評)の順に掲載

1.池田 治雄 (1点・組み写真)

「楽しみにしていた蓮の花が咲いた」 <善光寺大勧進の放生池> ハスをテーマに季節を追って撮影、3枚で組みました。枯れた茎が立ち並ぶ秋から冬、芽が出て葉が水面に浮かび始めた春、そして茎が伸び花が咲いた初夏と、組み写真を前提に主題を同じ位置から撮影した労作。組み写真の組み方はさまざまなバリエーションが無数にあります。効果的な並べ方を考えましょう。

2.笠原 美敬 (3点)                              「アジサイの共演」 <自宅庭> 
青色、空色、黄色の3色が肩を並べるように咲いたアジサイの様子を捉えました。ブルー系が2つでやや同系色なのが惜しいです。

「寂しく咲くアルストロメリア」 <自宅庭>  
葉っぱばかりが茂り、花がやや寂しいなと感じた通りに表現できました。よく見ると、花の下方から右下に散った花びらもあり、情感を助長しています。

「最後の力を振り絞るアッツ桜」 <自宅庭> 
にぎやかに咲いた花も終わりを迎え、「最後の力を・・・」とタイトルにもあるように自分の感じたものを素直に表現しています。きれいで、にぎやかな花ばかりが花ではなく、こんな時期もあるとの気付きがいいですね。もっとクローズアップして「げんなり」した感じが出るといいです。  

3.萱津 信子 (1点・組み写真)

「赤い宝石」 <中野市 さくらんぼ園> 
例会で出された3枚。池田さんと同じにサクランボを素材に3枚組みでまとめてみましょう。組む場合は、文章でよく言われる「起承転結」と同じです。アングルやレンズ、遠近、時間や季節差などを効果的に並べる表現手法です。気を付けたいのは、組んだものの伝えたい意味や効果がなくなってしまい、逆に組んだうちの一枚だけの方が力強いということがままあります。なぜ、複数(組み写真)にするのか、よく考えて取り組みましょう。

4.髙山 三良 (2点、内1点は組み写真)                              「田植え済んで」 <南堀地区>
調整区域でしょうか、住宅街に隣接した水田に苗が並ぶ。石渡地区でもそうだったように、市街地ではどんどん姿を消してゆき、やがて見られなくなり、貴重な歴史を刻んだひとコマになるかも知れません。さりげない風景でもシャッターを押し、記録に残し、大切に保存しましょう。場所と撮影年月日を忘れずに。畔の斜めのラインが流動感を演出、遠くの飯縄山も遠近感を出しています。

「梅雨に咲く」  <石渡各地>  
うっとうしい梅雨を吹き飛ばすようなカラフルな作品。同列に配置し、色、花の大小などをバランスよくまとめています。組み方はいろいろあります。先に述べたように一番印象的な花を思い切って大きくし、後は中、小とする。とか、「大きく」する場合でも縦長の通し、あるいは横長の通しとか・・・。自分の思いのまま自由に表現できる面白さがあります。想像力を膨らませ、オリジナルな組み写真に挑戦してみましょう。

5.中島 弘 (2点)                               「え!なに」 <長野市千曲川> 
セグロセキレイをいい場所で、いい瞬間で捉えています。振り返る様を擬人化しタイトルにも反映していて、主題が明確に伝わってきます。人工的な石組みも雪景色を連想、左の扇状、手前の斜めの植物も前後でぼけ効果を演出し、雰囲気を盛りたてています。

「雨飾山から」 <小谷村 雨飾山>
山頂付近の残雪を手前に、北アルプス北部の連山の遠景でスケールが出ました。やや右下がりのような気がしますが、北ア連山をほぼ水平に矯正すると、手前の雪が右から左に下降し、安定感が出たと思います。

6.早川 球喜 (2点)

「梅雨晴れの休日に遊ぶ」 <飯山市北竜湖>
北竜湖で殺風景な湖面にボートでしょうか、人物が乗った二隻を入れてアクセントを付加しました。下にある雑草が中途半端なので、もっと入れ込むか、逆に全部削ってください。上の松の枝も“おしゃれ”的な入れ方でいいですが、やや重い感じがします。

「山寺に咲く紫陽花」 <長野市若穂綿内蓮台寺>
前回の鐘楼の別アングルですが、アジサイの花をさりげなくあしらい、逆光をうまく生かし木々の葉が透けて見え際立ちました。六地蔵もポイントして浮かび上がりました。左の樹木の幹が中途半端で、もっと入れた方が安定感が出ます。

7.広沢 一由 (2点)                              「ドレスアップ奇麗でしょ!」 <石渡コインランドリー前歩道花壇>中央の園芸種の花3本。ドレスをまとったご婦人として見立て擬人化したセンスがいいですね。それだけでは単調なので、右にさりげなく花の終わった実だけの「ナガミヒナゲシ」(ポピーのようなオレンジ色の花の外来植物)を入れバランスを取ったところもいいです。

「梅雨の晴れ間に」 <自宅庭>
 近年、北信でも普通に見られ珍しくなくなった南方系のチュウ「ツマグロヒョウモン」の雌。自然界の動物を、椅子でしょうか人工的なオブジェとのコラボしたところが、都会的なあかぬけた作品になりました。

8.吉池 安雄 (2点)                              

「雲にいざなわれて」  <エムウエーブ>                 「雲」撮り名人の吉池さんならではの作品。主題の雲にエムウエーブをひっかけて撮影していますが、適度に空にばらけた雲の間隔がいいです。そして、左上の太陽を感じさせる明るい雲と、ほぼ対角線上にあるエムウエーブの銀屋根が光ったところがポイントになっています。

   「夏山」  <野沢温泉スキー場>
 ゲレンデの斜面、千曲川沿いの信越トレイルの峰々が折り重なるように続き、はるか向こうには妙高山も小さく顔を出しています。雄大な光景に仕上がりました。わらび採りの人たちが点景でいるとさらにスケール感が出たと思います。上部の雲の空間はこんなにいらないので、半分くらいカット。

以上 UP担当:広沢 一由