2月月例会作品

<今回は五十音逆順掲載>講評は石渡写真クラブの増田今雄講師、作品の下に「タイトル」<撮影場所>(講評)の順に掲載

1.吉池 安雄 (3点)

そりあそび「そりあそび」 <飯山雪祭り>
(飯山の雪祭りの一コマとのことですが、作られた雪の滑り台を滑る幼児の足を上げた格好を何ともいいチャンスで止めました。周りの人たちの配置、背景の雪の無い黒っぽい家並みもお祭りの会場の雰囲気、その時の状況を物語っています。)

冬の朝「冬の朝」 <東和田運動公園>
(だんだら模様の雪の地面とどんよりとした雲り空を二分割構図でシンメトリックにまとめ安定感を出しました、左右にあしらった木の枝もいい配置です。、)

雲に向かって「雲に向かって」 <東和田運動公園>
(雲をモチーフに追いかける吉池さんならではの作品。いい雲が出たのを見て、「さて、何をひっかけようか?」昔からある円盤投げの銅像を見つけ、投げる選手と雲をうまくまとめました。タイトルも狙い通りです。下のコンクリートの塊はやや重たい感じになり、せっかくの主題の空と雲を相殺してしまっていますのでいらないか、もう少し削ってください。)

 

2.広沢 一由 (3点)

冬の松本城「冬の松本城」 <松本城>
(上のレンズ雲のような大きな雲の塊、中央の松本城、下の赤い欄干の橋を三段構図で迫りました。それぞれの段にあるモチーフがお互いに連携し合って画面全体が隙なくまとめられています。)

凍てつく朝の太陽「凍てつく朝の太陽」 <長野道・姥捨てSA>
(まぶしさとともに昇ってきた太陽を真正面から捉えています。露出も適正で、「NDフィルター(光を少なく取り入れるフィルター)」を使わずに作品になったことは今様のデジタルカメラのなせる技か?昇った直後なので空の上の空間があるのは仕方ないですが、やや空き過ぎなので少しトリミングしましょう。)

揚がったアー「揚がったアー」 <東和田運動公園> 
(無風の中?懸命に走ってやっと揚がった「凧」を動感を出し捉えています。ピントが「たこ」に合ってしまいましたが、主題は何といっても何度も走ってやっと揚がった「たこ」を喜ぶお嬢さん。こちらにピントを合わせるには、AFのフォーカスゾーンをどう操作したらいいか?「とりせつ」(取り扱い説明書)をひも解き、カメラを駆使し、修練を。)

 

3.早川 球喜 (3点)

DSC_0827「長野灯明まつり、寒い夜の山門」 <善光寺>
(長野冬季五輪を記念したイベント「長野灯明まつり」。五輪なので色は五色の原色で、普通は鮮やかな色で彩られる善光寺本堂や山門です。この作品は山門と、わさわさと動く見物人が落ち着いた色調でまとめられています。)

DSC_0833「参道に浮かぶミニ灯り絵」 <善光寺>
(石畳に並ぶ灯ろうと夜景に浮かぶ門前町の様子がいい露出で捉えています。中央のクロスした光源がひと際目立ちます。やや左下がりが苦になります。)

DSC_0834「赤く染まる善光寺本堂」 <善光寺>
(真っ赤な善光寺本堂と反射光を拾ってでしょうか人物や松の木、雪まで真っ赤に写り、面白い感じに撮れました。この手の写真は、三脚を使って、深度やぶれに注意しながら撮りましょう。ほかのカメラマンに、三脚を蹴飛ばされないように )

 

4.中島 弘 (2点)

01_春よこい_17Y_0312「春よこい」 <塩田平>
(田起しした水田の融け始めた雪と土が微妙なトーンで広がり、はるか向こうの煙を吐いた浅間山と連山、青空が奥行きと広がりを見せスケールのある作品となりました。)

03_願いは?_17Y_0281「願いは?」 <別所の北向き観音>
(別所の北向き観音の本堂。参拝するカップルがおみくじでしょうか何かを手渡そうとしているしぐさを捉えています。手前の左右におびただしい数のおみくじを入れ、人の動きが作者に「願い」を連想させたのでしょう。瞬時にシャッターを切らせたと思います。いい素材が詰まった場所、タイミング、主題を生かすために思い切って削った上部屋根の構図などすべてが整った一枚です。本堂奥の赤色の提灯や灯ろうの明かりもアクセントとなっています。)

 

5.倉澤 利和 (3枚)

ふきのとお「春はもうすぐ」 <自宅の庭>
(早春にいち早く芽を出すフキノトウを上にある雪で季節を表現。数はいっぱいありますが、やや散漫で分かりにくいです。狙いを1つか2つにし、クローズアップレンズで雪の間から頭を持ち上げたフキノトウを大きめに迫るか、ワイド系レンズで最短距離まで近づきデフォルメして背景を入れるという手法もあり、いずれにしろもっとアップで迫ってみよう。)

ホクト文化会館N01「冬晴れ」 <ホクト文化会館の公園>
(冬晴れの公園のさりげない風景ですが、園内の曲線を描く道をアクセントに樹木が青空の背景に浮かんでいます。一人散歩の人がいますが、位置を工夫するともっと分かりやすくなり存在感が出ました。)

ホクト文化会館N02「おじいさんと一緒」 <ホクト文化会館の公園>
(お孫さんをそりに乗せて引っ張る男性を前面に出して作画しました。お断りしたので肖像権は問題ないですが、カメラの目線でやや動きが止まってしまったのが惜しまれます。さりげなく公園の中の雪原を横切る自然の感じを捉えるには、この前後がシャッターチャンスです。撮影の前後で話し掛けましょう。)

 

6.萱津 信子 (3点)

IMG_0089「あーア 散ってしまった」 <池田町>
(先月の作品の池田町の真っ盛りの紅葉が葉を落とした光景。行ってみたら散っていたが、あきらめずにシャッターを押し、放射線状に根元から広がる樹形を見事に表現しています。写真は常に「何か絵に(写真に)なるものはないか」と観察することに、貧欲にシャッターを切ることです。)

IMG_0123「秋はロマンチック」
(フォーカスがわんちゃんの顔でなくやや後ピンですが、一面の落ち葉を背景に思い切って最短距離ぎりぎり近くまで近付き、人懐っこそうな犬の目線が印象的です。わずかですが落ち葉の向こうに明るい空間も奥行き感が出ました。)

IMG_2014「犬の雪遊び」
(一切の周辺を廃し、白一色の雪の中でボール遊びをしている光景をシャッターチャンスよく捉えました。ぐっと前のめりになってボールを足で押さえ、曲がった身体全体の格好がいいです。)

 

7.笠原 美敬 (2点)

IMG_0083
「何を考えているのか?」 <桜新町・八幡川>
(桜新町の用水にいたカモをモチーフに、春めいた雰囲気を醸し出しています。川べりに残った雪、カーブ曲線を描いた川がアクセントとなっています。カモの適度な間隔、みんな右を向いたところがおかしさを誘います。)

IMG_0069 団体行動は嫌だ!
「団体行動は嫌だ! 」 <桜新町・八幡川>
(今度の川は直線ですが、群れから離れた2羽のカモを「団体行動は嫌い」と擬人化、作者の狙いが明確に伝わってくる一枚です。)

 

8.池田 治雄 (4点)


「降ったなあ」 <石渡神社>
(折れんばかりにたわわにしなった境内の桜の枝の重なり、灯ろうにこんもりと三角状に積もった雪、参拝者のために誰かが雪かきをした参道。夜中にどさっと降った雪景色を足元の八幡神社にモチーフを求め、作品に仕立て上げています。参道の奥の方に点景人物がいるともっとグレードアップ。


「雪がこんこん」 <自宅ベランダから>
(降りしきる雪の中でもシャッターを押し作品に仕上げた労作。雨降りとか雪降りはよほどの事がない限り撮影はお休みするカメラマンが普通です。自宅ベランダからとはいえ、降りしきる雪を撮ってみようとカメラを持ち出しシャッターを切ったところがすごい。その成果が、どんよりとした雪曇りの空に、ぽっかりと太陽が見え、不思議な光景となりました。送電線を画面全体に配したアイデアもよく、下に小さいながらテレビアンテナがちょこっと見えるのも生活感が出ました。)

「雪のトンネル」 <自宅ベランダ>
(構図の中にある「三角構図」で、三角の向こうに見える景色に視線を誘導する効果的な構図です。いっぱい積もった三角の雪の向こうは、やはり雪景色。雪をこれでもかと見せつける印象的な作品となりました。)

「大丈夫かな」 <自宅前道路>
(雪かきをする女性が通りかかった手押し車のお年寄りを振り向いた瞬間をものにしました。多分、おぼつかない雪道を危なげなく通って行った経過を作者も見ていたことでしょう。作者の思いが伝わってくる作品。もう少し、周りをトリミングし人物を大きめにするともっと迫力が出たと思います。)


【担当:広澤一由】