石渡写真クラブ10月例会 (石渡文化祭出展作品)

<五十音逆順に掲載>講評は石渡写真クラブ:増田今雄講師
作品の下に、「タイトル」、<撮影場所>、講評の順に掲載
*写真をクリックすると大きく鮮明に見れます。

1.吉池 安雄

「天国の花」 <木島平村・稲泉寺>
下の方に時期が終わった花を置き、これから花開くつぼみを主題に、天国ならぬ天空に向かって伸びた様子を捉えました。仏像が座る蓮台はハス。タイトルとともに作者の気持ちが分かる作品です。

「むつまじきかな」 <長野運動公園>
よく逃げずに撮れました。用水の深い底の感じ、そこにたたずむカモをうまく切り取っています。右上に上から垂れ下がったエノコログサの枯れ枝一本が微妙なアクセントとなりました。

2.広沢 一由

「ひと時の絶景」 <白馬八方池>=2017年11月月例会作品
眼前に迫る北ア山塊と八方池。池と山を二分割構図でまとめ安定感が出ました。山並みが隠れない程度に沸き立つ霧が動感を演出、その光景を満喫する登山者の列がアクセントとなり効果的です。右上の向こうの青空と雲の空間で奥行き感が出ました。

「優雅に飛び立つダイサギ」<北八幡川>=3月月例会作品
画面いっぱいに、ピントもシャープに飛翔するダイサギの動きを見事に止めています。この手の動きのあるものは「シャッター優先モード」で高速シャッターを切ることが必須。ISO感度を少しあげる手もあります。     

3.早川 球喜

「早春の峰々」<飯綱町平出>
残雪の黒姫山や妙高を背景に、目覚め前の果樹園をモチーフに作画しました。躍動前の大地の静かさが感じ取れます。また、芽吹き、花、結実の季節にも足を運んでみましょう。

「奥社の参道にて」 <戸隠>
随神門を過ぎたあたりでしょうか、樹齢数百年の杉並木を望遠レンズ系で引き付け、にぎやかな感じに仕上がりました。人物配置もポイントとなりました。

4.中島 弘

「旅の朝」 <長野市>
 旅先で、「これは」と思ったらシャッターを切るのは当たり前です。が、慌ただしい旅立ちの朝、きれいな早朝の雲に遭遇。だいたいは、忙しいし時間もないので「きれいだが、いいとするか・・・」。いい被写体を目の前に、面倒がらずにシャッターを切ったこと、作品に仕上げたことに脱帽です。

「オーイ、きもちイイカ」 <上越市>=9月月例会作品
 上越の水族館とのことですが、イカの群れでしょうかブルーが印象的で並びもバランスよく、右上から左下へ斜めの構図がいいです。アクセントになったシルエットの子どもの揚げた腕、斜めの身体も躍動感を表現しています。ただ、イカの調子がややハイキー過ぎなので、もう少し調子を出した方がいいと思います。

5.竹内 一郎

「南の花」 <鹿児島県指宿>
 真っ赤なハイビスカスの南国の花を素材に選び作画しました。大胆に花をど真ん中に置いた日の丸構図で安定感が出ました。その中で、花全体の向きが左上方向に向かい、花芯から伸びた雄しべ雌しべも同じ方向で、動きも感じさせてくれます。

「甕と桜島」 <鹿児島県桜島>
 おびただしい数の甕がずらり。見慣れない光景が見る人の目を引き付け、興味をそそります。桜島を背景に、日本の南という状況が分かります。少し上の空のスペースが広すぎるので、半分ぐらいカットし、その分、下の甕をもっと入れると「ずらり」という感じがもっと迫力がでました。

6.高山 三良

「みんなモニュメント」<長野運動公園>=4月月例会作品
 先月の「みんなモニュメント」に続く季節を変えた第二弾の意欲作。最初に見つけた人の勝ち!の斬新なアングルから、さらに今回は手前に満開のレンギョウの花をあしらい、点景人物をモニュメントの間に入れる工夫をしました。前回は、それはそれで面白く、今回はまた一味違った作品として見られます。秋、冬と違った様相が見られるかも。また、狙ってみてください。こういう狙い方を「定点観測」といいます。一つの場所を決めて、季節の違いとか通過するひと模様とか、同じ時間帯で狙うとか・・・・。どこの場所でどういう手法で撮るかがかぎです。

「獅子フェスタ」 <中央通り>
 3枚組みの組み写真でまとめました。下をパノラマにして「道中囃子」の笛、太鼓を一枚の中にまとめ、上左は「獅子舞」、右は「道中囃子」の後ろ姿。全体を見た時、視覚的にみんな同じ大きさが並んだように見えます。ロング、セミロング、アップを組み合わせ、右上のカットは例えばギャラリーの表情写真とか、笛、太鼓などの奏者の表情アップなどにするとガラッと変わります。

7.倉澤 利和

「我が家の新しい仲間(カイ雄猫)」<自宅>=5月月例会作品
 前からの住人のワンちゃんは、目をつむりでんと構えた感じ。それに対し、新参顔の猫ちゃんはクリっとした目をしてやや緊張気味。それぞれの表情がタイトルとともによく分かるように表現されています。窓の向こうからの外光に被写体がつぶれ気味になりがちですが、露出も適切で明るく撮影できました。

「最近子育てはどお」<大町市霊松寺>=2017年11月月例会作品
「葉についた銀杏を拾うと幸福に・・・」で知られ、拾う人々の中でいいショットをものにしました。いいところに気がついた感性が表れた作品です。よく見ると、赤ちゃんの足がにゅっと二人のお母さんのお腹の脇から出ている。ここを強調してうまくまとめるとコンテストでも上位に食い込んだ素材です。臆せずレンズを向けてシャッターを押した努力賞!!

8.萱津 信子

「鏡池に映る戸隠連峰」 <戸隠鏡池>
 名の由来の鏡となる池、戸隠連峰を半々づつにした二分割構図で安定感が出ました。欲を言えば、鏡のように無風の状態の水面にシンメトリックに映る山、
山には新雪、染まった紅葉・・・。来期を期待します。

 「初秋の八方池」 <白馬八方池>
 森林限界近くのこの辺は染まる広葉樹が乏しく、池の向こうに少しあるだけのわずかな紅葉が、ロングでまとめた作品の中で存在感を演出しています。冬将軍を迎える前の何となく寂し気な雰囲気が漂います。

9.笠原 美敬

「初秋を走る」<南堀>
 お馴染みの長野電鉄が走る光景です。タイトルにある「初秋」は、校舎手前にあるセイタカアワダチソウの黄色から読み取れます。スノーモンキーの車両でもないごく普通に日常走っている電車ですが、平成の最後に走っていたという貴重な記録写真。奇をねらった写真でなく、こうしたさりげない日常にカメラを向け記録を残しておく心構えこそ報道写真の原点です。

「見え隠れする北ア連山」<白馬・八方尾根>
 手前の八方尾根から、中間は岩岳スキー場の尾根でしょうか、主題の北ア連山はさらにその向こう。沸き立つ雲に見え隠れし、すかっと見えないながら、シャッターを押した作者のその時の気持ちがタイトルとともに伝わってきます。

10.池田 治雄

「夕暮れ時の千曲川」<村山橋>=9月月例会作品
 きらきらと一面に光る水面を前景に、河川敷内の樹林、重なる山々の向こうに姨捨山。遠近法で奥行きを表現しています。ワイド四つ程度に横長ですが、加工方法は2点。一つはさらに天地をもう少し詰めてパノラマ風にトリミング。もう一つは、幾重にも重なる山々を中心にアップ気味にトリミング。それぞれがこの作品と比べると別の感じを見る人に与えます。

「日の出」<村山橋>=4月月例会作品
 横手山の右下がりから出た日の出をタイミングよく捉えました。千曲川の川べりにある柳の木がシルエットになり、オレンジ色のトーンの中で印象的です。早起きは三文の徳。写真活動もそうです。皆さん早起きしましょう!

以上です。(担当:広沢 一由)