石渡写真クラブ5月例会写真集

<五十音順に掲載>講評は石渡写真クラブ:増田今雄講師
作品の下に、「タイトル」、<撮影場所>、(講評)の順に掲載
*写真をクリックすると大きく鮮明に見れます。

1.池田 治雄

「ピンクが鮮やか桃畑」<村山橋から>
(ややワイドのフレーミングで広がり感を出しています。堤防の上からハイアングルで、メーンの桃畑を手前に、向こうに点在する様子を奥行き感を出して表現できました。
四つ切り、半切、全紙の定まった寸法はほぼ四角に近いですが、定格寸法にとらわれることなく、常に目の前の被写体と対峙した時、どういうフレーミングでまとめたらより効果的になるか考えてシャッターを切りましょう。もちろん、旧来の四角っぽいものがよくないということではありません。四角の方が、よりよくまとまるものだってあるはずです。頭を柔らかく、ボケ防止、認知症予防にひと役です。)

2.倉沢 利和

「我が家の新しい仲間(カイ雄猫)」<自宅>
(前からの住人のワンちゃんは、目をつむりでんと構えた感じ。それに対し、新参顔の猫ちゃんはクリっとした目をしてやや緊張気味。それぞれの表情がタイトルとともによく分かるように表現されています。窓の向こうからの外光に被写体がつぶれ気味になりがちですが、露出も適切で明るく撮影できました。)

3.高山 三良

「花鳥?月」<市内各所>
(古来より、日本のさまざまな芸術に取り入れられてきた花鳥風月。そのものを一つずつ絵解きで表現、組み合わせています。ミズバショウ、鳥、タンポポの綿毛、ブルームーン、それぞれが洗練されていて気品があります。
写真の表現には、このように「主題」や「テーマ」を決め、それに合わせて絵作りをしてゆく手法と逆に目の前に現れる現象や出来事、感じたものをまず撮ってから「タイトル」、「主題」などを後から付加してゆく方法があります。どちらを選ぶかは、自由であまり深く考える必要はありません。そういう手法があるということを念頭に絵作り、撮影の一助にしてください。)

4.竹内 一郎
「雨滴(うてき)のアケビ花」<自宅>
(雨上がりか雨が降っている最中か分かりませんが、葉に付いた水滴がしっとり感を表しています。いいタイミングで素材を見つけたこと、ローアングルで花を見上げて撮ったこと、絞りが適度で本来はうるさくなる柵がぼけて、アケビの主題を引き立てています。ただし、ピントが花の右側にきていますが、見る人がスーッと目が行くところのポイント、つまり「左下に出た房」にくるとグレードがさらにアップしました。)

5.中島 弘

「春うらら」<阿智村白川温泉>
(カラフルな色とりどりの色彩のハナモモがアーチのように囲まれた場所を見つけ、選定したところがこの作品のよさです。中央の通り抜けの道の左側にいすが並んでいますが、ここに花見見物の人たちがいて表情やしぐさが入るともっと主題が引き立ったと思います。人物がいることにはいますが少し遠くて、何をやっているのか分からず残念です。即、肖像権が頭をよぎりますが、多くのカメラマンが押し寄せ、撮影している場所なので、そう苦にしなくて遠慮なくシャッターを切りましょう。特に点景としての人物ならいいと思いますが、もし、気持ちの中にひっかかるものがあれば、撮影の前でも後でも構いません。“ひと言作戦”にて声がけを。「あのー、すいません。あまりにきれいな花のトンネルだったもんで一枚撮りたいんですが、引き立たせるためにどうしてもアクセントというか点景のものがほしいんですが・・・。」)

6.早川 球喜

「天空の里ー下栗」 <飯田市下栗の里>
(下伊那、遠山郷の下栗。日本のチロルと異名をとる急傾斜地の集落ですが、山腹に立ち込めた霧がアクセントになり、山あいに囲まれた集落の雰囲気が出ています。やや全体の諧調が柔らか(フラット)なので、少しコントラストを上げて処理すると霧がもっと強調されるかもしれません。)

7.広澤 一由

「夫婦獅子舞」<長野市中央通り>
(男獅子の勇壮感と女獅子のおとなしそうな感じを対比的にタイミングよく捉えています。演出場所の背景がややうるさい感じがしなくもないですが、街中を往来する人たちの人模様、獅子舞をほとんどの人が見ていないところが面白いと言えば面白いです。さもなければ、獅子舞に見入る見物人の表情などを入れると主題との関連性が出て、まとまりある作品になったのではと思います。)

8.吉池 安雄

「初夏」(東和田運動公園)
(大きな木を左右に配置し、その向こうにグリーンの草地、家並があり、さらに段々と重なる雲が浮かぶ大空。見る人の視線を手前から奥へと誘導すること奥行きが出ました。手前左の木の幹が右の幹に比べ少し物足りないので、もう少し幹を入れるとバランスよくなります。)

<HP掲載担当:広沢一由>