石渡写真クラブ11月例会写真集

五十音逆順に掲載。講評は石渡写真クラブ増田今雄講師
作品の下に、「タイトル」、<撮影場所>、(講評)の順に掲載

 

【池田 治雄】

「真赤に映えるナナカマド」<吉田5丁目民家庭先>
(ナナカマドの真っ赤な紅葉を街中でよく見つけました。やや見上げ、上部が湾曲し垂れ下がっている樹形をバランスよく捉えています。向こうにある樹木、左にある民家などをさりげなく入れて深山のナナカマドではない状況説明もいいです)

「軒先に吊るした干し柿」<吉田5丁目民家軒先>
(干した人が読むと怒られるかもしれませんが、柿を整然と等間隔で吊るしたとは思いますが、写真のマジックでしょうか、ばらばらと見えるところ、アンバランスなところが面白いですね。鳥よけの網も無造作なのがいい。作者の素材の発見の勝ち!)

 

【笠原 美敬】

「 綺麗だなー」<若穂清水寺>
(見事に染まった紅葉を切り取りました。左右シンメトリックに構成し、点景人物の配置、大きさ、動きなどもいいです。やや上が窮屈なので、少し上を入れ、その分下をカットすると安定感が増します)

「 清水寺は雄大だ!」<若穂清水寺>
(同じ寺ですが、こちらは一本のカエデの紅葉を周辺のお寺の雰囲気を入れながらほぼ真ん中に配置、見る人の目をそこに誘導する強さがあります。さらに、周辺の囲まれた山が奥行き感を出しています。参道あたりに点景人物がほしかった)

 

【萱津 信子】

「静かな秋」<上高地>
(上高地の田代池ですね。私もこの一週間後に行きましたが、ここは散策路がどんづまりで、前にも左右にも行けず誰もが同じアングルで撮る光景です。でも、行ったことのない人がほとんどですので、気にしないで臆せずシャッターを切りましょう。向こうの山の上に霧がまいているので、もう少し稜線の上を入れましょう)

「梓川の清流」<上高地>
(この作品も、やはり上をもう少し入れてせっかくの霧の雰囲気を盛り込みましょう。下の石ころまで透けて見える清水が流れる梓川の迫力は十分です。左上のケショウヤナギでしょうか、枝がやや小さめです。もう少し入れるか、思い切って入れないとすっきりするかも知れません)

 

【倉沢 利和】

「最近子育てはどお?」<大町市霊松寺>
(「葉についた銀杏を拾うと幸福に・・・」で知られ、拾う人々の中でいいショットをものにしました。いいところに気がついた感性が表れた作品です。よく見ると、赤ちゃんの足がにゅっと二人のお母さんのお腹の脇から出ている。ここを強調してうまくまとめるとコンテストでも上位に食い込んだ素材です。臆せずレンズを向けてシャッターを押した努力賞!!)

「みくりが池」<立山町室堂>
(初雪を抱いた立山三山を背景に、池が静かにたたずむ初冬の作品。雲も何にもない青空は空気感があっていいですが、やや多いのでカット。それと、下の人工物は「ミク」の文字の片鱗が見えますが、作品として撮るなら必要なし。思い切って看板の手前まで近づいてはずすか、アングルを工夫してハイマツに隠すか。それにしても余計なものをこんないい風景の中に立てたものですね)

 

【高山 三良】

「鏡」<戸隠>
(戸隠高原の鏡池。いい紅葉と秋雲に恵まれました。四つ切り、半切、全紙など写真の企画サイズがほぼ四角に対し、パノラマに仕立て上げたことが違った感じ、新鮮な感じの作品に見えます)

「彩の朝」<運動公園>
(運動公園のケヤキ並木の紅葉を斜めのラインでまとめ流れを創出しました。朝の通勤の慌しい雰囲気も盛り込まれています。少し酷評となりますが、中央の自転車の男性はやや全体の雰囲気に不釣合いかなと思います。右向こうの、3匹の犬を連れた散歩の人物をあしらった方が周りの雰囲気にマッチしたのではと思います)

 

【竹内 一郎】

「笑い過ぎて」<自宅庭>
(自宅のザクロの実。熟してぱっくり口を開けたところが、人が笑いこけて口を開けたように見えたのでしょう。それにしても何と不ぞろい?な歯並び。「ワハハ・・・」と笑い声が聞こえてきそうな、また、見る人が思わず笑ってしまうユーモラスな作品です)

「遅咲きのバラ」<自宅庭>
(中心部にきちんと合ったフォーカス(ピント)。外に向かってぼけていき、静物写真としては成功です。が、タイトルにあるように、「遅咲き」というところをどこかに盛り込むとよかったと思います。例えば、花の周辺のぼけている背景に何か秋や初冬の色をあしらうとか・・・)

 

【中島 弘】

「小春日和」<長野市信級>
(やや盛りを過ぎたコスモスですが、逆光に浮かび上がらせ秋の柔らかな日差しが表現できました。左下の2輪にフォーカスを置き、後はぼかしたレンズ選択、絞りの使い方も適切です。ただ左上のスペースが単調。何かあったらよかったですね。トンボとか?)

「待ち人未だ来たらず」<聖湖>
(のんびりと釣りをする人が3人。時を忘れさせてくれるような作品です。人の動きもないところがそのことを助長しています。釣り場の曲がりくねった感じも自然の風景と溶け込み、右上の紅葉をアクセントに入れた工夫もいいです)

 

【早川 球喜】

「初冬の日向ぼっこ」<上田市>
(水面に投影したカモ。よく見ると二羽で、右下は石ですが、何か三羽いるように見えるところが面白いですね。カモが石を真似して丸まっているのか、石がカモの真似をして・・・?揺らいだ波紋もいい感じで、いい素材をいいシャッターチャンスで捉えました)

「晩秋の散策」<上田市>
(ハイアングルで迫りました。下に道があり人もいますが、よく見ないと分かりづらいです。邪魔な枝を切ってしまうわけにもいきませんし・・・。どうやっても、どうしようもない“箸にも棒にも”的な素材はあるものです。でも、何とかしよう、作品に仕立てようとあきらめないことも大切です)

 

【広澤 一由】

「ひと時の絶景」<白馬八方池>
(白馬三山を中央に、山腹に流れる雲、空の左側だけにある雲、目の前の絶景を楽しむ人、人、人・・・。そして、池を入れた絶景をパチリと撮る廣澤さんも、正に「ひと時の絶景」)

「山上の賑わい」<白馬八方池>
(よく見ると中高年が多い感じですが、家族連れ、カップルなど山を親しむ人たちの群像を捉えています。雄大な岸壁を大胆に入れた三分割構図で迫力満点)

 

【吉池 安雄】

「霜月の朝の雲」<運動公園>
( 朝の長い日差しがありますが、やや下の部分がアンダーな色調で重い感じがします。暗いので余計そう感じるかも知れませんが、主題が雲だとすると思い切って下をもう少しカットするともっと明るいイメージになったかも知れません)

「夕焼けを追っかける飛行機」<運動公園>
(だんだんと下火になり遠くなってゆく夕焼け。たまたま運よく飛行機が通過。しかも飛行機雲が左上から斜めの構図に、しかもその一端が赤く染まるというラッキーな瞬間に恵まれました。そこをすかさずシャッターを切った、構図を決めまとめたところがすごいです。「いつも何かないかなー」と観察して世の中を見つめている証拠ですね。感服!)

 

【掲示担当:石渡写真クラブ 廣澤一由】