「石渡写真クラブ月例会作品」カテゴリーアーカイブ

石渡写真クラブ月例会(3月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(3月)作品&講評
 作品&講評のHPアップは遅れましたが、早くも新年度4月です。例年にないスピードで花々が開花。運動公園の桜も見ごろ、写真になります。例年の一週間から10日早めといいます。
 桜前線が北上すると、新緑の季節。コロナも何となく収束へ向かいつつあります。感染予防に気を付けながら、野に山に、出かけましょう。(4月1日)

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【高山三良】

「あかり」(アクアウィング南)=2月22日
コメント:月と近くで明るく輝く二つの星(金星と木星)を撮りに出かけました。道路から月を狙うとヘッドライト、街灯、信号、月、星がデコレーションのように輝いていました。
講評:身近なところで題材は宇宙。想像、時空を超えた素材と、目の前の現実をうまく組み合わせました。そのキーワードが「光」。タイトルは「あかり(灯り)ですが、下部のヘッドライトが水平に、そして右下から左上に斜めに街灯を配し、その上の闇の部分に月と星。ロマンを感じさせてくれます。惜しむらくは、月が街灯の延長線上、つまりもう少し上だとバランスよくまとまったかと思います。
「月とカラス」(附属中学校北)=3月6日
コメント:カラスが木にとまっていました。逃げないでと祈りながら近づき月を絡めた写真を撮ることができました。山も入れたくて小さくなりました。
講評:「月落ち烏啼いて霜天に満つ。・・・」。古代中国の詩人が詠んだ漢詩を連想するかのような作品。樹木をシルエットに1羽のカラスと満月を隣り合わせて作画、シンプルにまとめました。月はもう少し左の方がよかったかな、とか、背景が朝焼けか夕焼けの淡いピンク色だともっと臨場感が出たかな、といろいろ欲が出てくる作品。もちろん、これはこれで「詩」を連想させる質素な感じが満点の作品です。
「啓蟄翌日」(運動公園)=3月7日
コメント:三月の満月をワームムーンと呼びます。日本では前日が啓蟄。虫が動き出すのは世界中一緒なんだなー。
講評:月がテーマの3作目ですが、ワーム(虫)を絡めた呼び方をすることは知りませんでした。ちょうど虫がはい出るころを差す「啓蟄」に合わせるかのように出た満月を、由来の意味を込めて撮影しました。志賀高原の横手山頂からやや左にあるのは坊寺(ぼうでら)山でしょうか、付近の山稜からポッコリ出た満月が迫力満点です。タイトルはそのものずばり「ワームムーン」の方がよかったかと・・・。

【中島弘】

「春開幕」(松本城)=2月28日
コメント:奥の常念岳はまだ深い雪の中、里は気温上昇と共に春が近づいている。スタッフの慌ただしさと客を迎えるワクワク感を捉えました。
講評:真っ青な空や公園内の樹木の雪つり、侍姿のお城の観光客を迎えるスタッフの動き、残雪の北ア常念岳。やってきた春を感じます。
「望郷」(安曇野市犀川)=2月27日
コメント:4カ月にも及ぶ越冬生活も終わりに近く、北帰行を控え故郷に思いを馳せる雰囲気を撮りました。
講評:長い冬を過ごし、ぼつぼつ故郷に帰る時季のコハクチョウ。故郷に帰ると大変な子育てが待っている。でも、いつまでもここの留まることは許せない。そんな想いを抱きながら、旅立ちのタイミングをじっと待つコハクチョウの思いが伝わってくるようです。

【広澤一由】

「北アルプスのぞき見」(千曲川右岸(村山橋鉄橋)の堤防)=2月9日(立春)
コメント:朝日山と葛山の谷間から北アルプスが見え、日本の屋根とのコントラストが絶景でした。
講評: 北アルプス、不帰の嶮から八方尾根の天頂部唐松岳の雪を抱いた稜線とわが故郷の善光寺盆地を手前に望遠レンズでうまくまとめました。左下には石渡区に隣接するアクアウイングを配し、親近感があります。撮影場所は千曲川右岸ですが、村山橋や屋島橋、小布施橋などの橋をつなぐ右岸沿いの堤防をぶらつくと手前の長野市街地の光景と北アを絡めたショットがいい感じで撮れます。これからは堤防沿いの果樹園や川沿いの野鳥、菜の花などなどほかの被写体も転がっています。春を堪能しながらカメラ片手に・・・。
「仲良く遊ぼう!」(吉田辰己池)=3月1日
コメント:辰巳池の野鳥を撮ろうと出掛けたが、なかなかシャッターチャンスに恵まれず・・・やっと撮れた1枚だった。不満足!!
講評:フォーカスが合ったアオサギは向こうへ飛来、後ろ姿。池の上のカモも少なくおっしゃる通り中途半端な一枚かと思います。確かに辰巳池の野鳥はいっぱいいるものの、カモ類は動きが単調。たまにカワウなんかもいることがありますが、これまた枯木の上でじっとしているだけ。時折、アオサギやカワセミなどが飛来しますが、なかなか遠かったり、このように反対方向に飛んでいったり。動物はいうことを聞きません。思うようなショットをものにするにはやや難解な被写体です。しかし、それだけに「やりがい(撮りがい)」があります。体力、気力と相談しながら早朝に行って見るとか、よく観察して鳥の習性をよく知り対応する事からスタートです。頑張ってください。その代償としていい写真が撮れた時の喜びは格別です。

【宮澤一成】

「春の予感」(安曇野市御宝田)=2月28日
コメント:山の雪解けも進み、春間近になっているのに、北帰行を始めないコハクチョウたち。
講評:のんびりとした風情のコハクチョウ越冬地旧明科町の犀川河川敷の「御宝田」。「春は名のみの風の寒さや・・・」の早春譜を思い起こす1枚です。写真は静止したものなので、風は写るべくもなく感じませんが・・・。北帰行の始まりはどうやって分かるかというと、朝一で毎日カウントする生息数がガクンと減り北帰行の始まりを認知するそうです。北方向へ飛んでいくので、春一番、つまり南風が吹いた夜中に群れが一つ、二つ・・・。人知れず去ってゆくとのことです。
「春の匂い」(富竹)=3月6日
コメント:畑にオオイヌノフグリが咲き始めました。そろそろ畑仕事の始まりです。
講評:日だまりで早くも咲き始めたオオイヌノフグリ。望遠系で右代表の花一輪を中央に配置した「日の丸」構図。周辺をぼかし視線を誘導する手法です。これから、ホトケノザやナズナ、スギナ、タンポポなど雑草と呼ばれる植物が数多く群生し花を付けます。昭和天皇は「雑草といってもちゃんと名がある」と慈しんだという雑草ですが、よく注意して観察、レンズ、アングルを工夫、朝露や昆虫を付加価値としてあしらうといいショットが撮れます。

【花の撮影】=以前の記事再掲です。
 花は撮影適期の情報を得て出掛けますが、早かったり、遅かったりすることもあります。タイミングよく満開であったとしても花の撮影は、花をいかに引き立たせるかが成功のカギです。群落なら花の周りの状況、さらに離れた山々、空、雲などの遠景。そして、一帯に差し込む陽光の状態、背景処理。もっといえば、霧や雨、水流なども格好の引き立て役となります。
 群落でなくても花には、昆虫や両生類などが寄ってきます。くれぐれも図鑑の説明調な写真にならないよう、自分の感性、想い、考え方を移入していきましょう。
 もう1つのキーポイントはレンズ選択と絞り。ズームレンズの中望遠系やマイクロ(マクロ)レンズ、あるいはほかのレンズでも絞りを開放値近くにすると、背景や前の物が微妙にぼけて写真(望遠レンズ、マイクロレンズ)ならではの世界を表出します。  
 花は美しいです。が、「ああ、きれいだなー」写真で終わるのではなく、自分なりに感じた、工夫したオリジナルな作品作りに挑戦してみてください。

【吉田幹男】

「さいたさいた」(自宅)=3月4日
コメント:一昨年の暮れに、正月飾りにと頂いたサクラの切り花が見事に咲きました。葉が落ちないので養生すると発根し、鉢に移すと今年も咲いてくれました。
講評:桜の花ですが、挿し木から根が出た鉢植えとのこと。室内でしょうか、まだ3月というのに早くも開花。たったの数輪ですが、このようになるまでの経過がコメントにあり、作者と共に生きてきた生命の不思議、喜びみたいなものが伝わってきます。写真的には、やや主題が小さめなのでトリミングしてみました=写真下。

石渡写真クラブ月例会(2月)作品&講評


石渡写真クラブ月例会(2月)作品&講評
 まもなく弥生、3月。日差しが日を増すごとに強くなり、春がすぐそこまで来ている予感がします。まだ真冬並みの寒さの日もありますが、三寒四温を繰り返しながら徐々に暖かくなっていきます。前を向き頑張って行きましょう。
 早い所ではフクジュソウ、フキノトウが頭を持ち上げています。日だまりでは、オオイヌノフグリが寒さに耐えながら花を付けています。千曲市ではセツブンソウ、そして梅、森のアンズ、桜と春本番を迎えます。
 コロナも何となく下火と言えば下火?の感じです。でも油断は禁物。高齢者、基礎疾患持ちは引き続き要注意ですが、With CORONAでカメラ片手に出かけてみましょう。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【宮澤 一成】

「福よ、来い」(善光寺)=2月3日
コメント:3年ぶりに開催された善光寺節分会、私自身初めて拝見させていただきました。周りの方のお話では、人出は、前回の半分くらいとの事でした。ちなみに、福豆を4つ頂戴しました。
講評: 福豆をまく人、拾う人。久しぶりの節分会の様子がスケールいっぱいに表現できました。軒下の黒バックに散乱する福豆、拾おうとする手が続々と伸び臨場感がいっぱいです。危険ですが、脚立などに乗り少し高い所から撮影するともっと人々の表情や奥行き感が出たかと思います。が、自分も拾いながらなんでやはり危ない?かも。無理は禁物!

【広澤 一由】

「立春に春の訪れ」(自宅庭)=2月4日(立春)
コメント:暦で立春を待っていたかのように、今年も庭の福寿草が咲き始めた!季節の変り目を敏感に捉えて成長する生物の神秘を感じた!
講評:いち早く咲いたフクジュソウですが、満開とまでいかない何となく遠慮がちに少しだけ開いたところがいじらしいですね。上の株は横から、下は上から覗き込む感じでそれぞれが個性的なイメージでいいです。できれば、周りの土が雪だと季節の変わり目が盛りこめ、フクジュソウがもっと引き立ちます。
「寒中花が満開」(自宅)=1月29日
コメント:寒さに強いシャコバサボテンが、今年も満開となり、殺風景な部屋に彩りを添えた!
講評:大切に育ててきた鉢や庭木が花を付けると、誰かにも見てもらいたい。そんな気持ちは誰にもあるのではないでしょうか。しかし、いつまでも咲いていない、いちいち「おーい」と声がけをして多くの人を連れてくる訳にもいかない。そんな時に役立つのが「写真」ですね。事件事故や出来事を伝える報道写真はじめ、風景写真、動植物、スポーツと神羅万象が対象、分野は多岐に渡る写真の世界ですが、この手の分野もあるというお手本です。

【早川 球喜】

「寒に憩う鴨」(松代町佐久間象山神社)=2月2日
コメント:寒中の池でゆったり憩いでいる2羽の鴨を見ていると、何やら心も和んできます。病院での治療後、立ち寄って見ました。
講評:カルガモでしょうか、夫婦か親子か、兄弟かなど関係は分かりませんが何となく仲睦まじい「夫婦」が似つかわしい作品。特に右のカモは、水面に青空が写り込み、波紋が広がる様が動感を誘います。

【中島 弘】

「天地一色」(飯山市)=2月6日
コメント:濃い霧に包まれ一面白色に化した朝の田園を撮りました。
講評:秋口から早朝に出る霧。被写体として霧は格好のものですが、これが濃すぎると白一色となり霧しか写らず。逆に薄めだと効果的な雰囲気は薄れます。濃淡はその時の運ですが、それだけにほどよい霧に恵まれた時は「ラッキー!」。この作品は、やや濃すぎるかなという感じの霧ですが、うまく立ち木を日の丸構図でど真ん中に配置、幻想的なイメージに仕上がりました。よく見ると、右奥の里山の稜線、上部の太陽などがうっすらと垣間見えいい感じです。プリントする時は消えないよう、要注意です。
「霧氷スタンプ」(木島平村)=2月6日
コメント:真っ青な青空にスタンプを押したような霧氷を撮りました。
講評:まさに絵に描いたような作品となりました。その様がコメントにある「青空にスタンプを・・・」の通りに写し取りました。寒い雪の中、美しさに魅了されながらシャッターを切る作者の姿、感動が伝わってきます。
「生活道を守る」(飯山市)=2月6日
コメント:飯山地方では橋に「よしず」を取り付け、歩行者を風や雪から守っている。「綱切り橋」はビニールに変わってしまったが、「柏尾橋」にはヨシズが取り付けられていました。冬の風物詩の一コマを切り取りました。
講評:広い川面を容赦なく吹き付ける真冬の烈風から橋を渡る住民を守る「よしず張り」。すっかり奥信濃の冬の風物詩として定着していますが、近年、ビニールに変わったりして時代とともに姿形を変えているようですね。そのうち、地球温暖化が進むとこの光景も見られなくなるかも知れません。貴重な記録写真とならないことを願うばかりです。狙いをさらに定めるとすると、横殴りの降雪、よしずの脇を通過する住民がもっと大胆に入るとグレードアップ!

【高山 三良】

「いつも仲良し」(自宅)=2月
コメント:何年かぶりに来てくれました。でもいつも一緒のお連れがいない。具合が悪いのかなー、それとも・・・と思ったら次の日からは一緒でした。安心。3日から毎日来ています。
講評:コメントにあるように撮影の流れを上、下の順でうまく組み合わせました。背景の違いからも時系列が読み取れ、物語的な表現となりました。久々に訪れたお馴染みのお客さんに会えたうれしさが伝わってきます。
「立春前日」(附属小学校北)=2月3日
コメント:節分の日、西の空は夕焼けなのに東の空は明るく山と満月前の月が見えていました。このまま春に!
講評:広大な田畑が広がる附属小学校北の夕暮れ。雪に覆われた大地と空の部分を半々ずつにした二分割構図が安定感を醸し出しています。さらに、上部中央の少し左寄りに配置した月がアクセントとなり作品に“味”を添えています。

【倉澤 利和】

「一人で寂しいよ!」(東和田運動公園)=1月31日
コメント:夕方散歩中に目にとまりました。何となく寂しそうにしている姿が愛おしく思われました。
講評:運動公園サブトラックにポツンと雪だるま。散歩中に目に止め足を止め、写し取った心意気が素晴らしいですね。木の枝を利用した腕がアンバランスなところがユーモラスで目を引きます。広々とした背景の中、左に桜の木を入れてバランスを取り、うまくまとめました。ただ、右側がやや広めなので少しだけカットすると主題のだるまがぐんと引き立ちます。

石渡写真クラブ月例会(1月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(1月)作品&講評
 昨年暮れのクリスマス寒波の降雪以降、大した雪もなく比較的穏やかな年の初めが続いてきました。と思いきや、こうして原稿を書いている126日の前々日24日午後から、10年に一度という一線級の大寒波が襲い、経験したことのない横殴りのブリザード、26日朝は氷点下11℃を下回る極寒に見舞われました。
 地球温暖化のことを思えば、少しくらいは寒い方が・・・と思いますが、度を越した寒さ、暑さは御免ですね。でも、ほかの災害などをみても、それとなく、異常気象がひたひたと押し寄せている気がしてなりません。
 やっと到来してきた寒波に、霜や氷など厳冬の被写体も盛りだくさんですが、撮影に当たっては決して無理しないようにお願いします。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
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【高山三良】

「R5どんど焼き」(ホクト駐車場)=2023年1月9日
コメント:温かいどんど焼き。松飾りの数は少なめ、集まった区民は200人超え。新型コロナ早期終息を願った。
講評:写真上から始まる前、延焼、焼け落ちてお餅焼きーと時系列に三枚組でまとめました。視覚的にも、ワイド系のロング、セミロング、アップ気味と変化を付けてリズム感も出ました。

【中島弘】

「-5度の朝」(長野市千曲川)=2022年12月28日
コメント:寒い早朝の千曲川で撮りました。植物の生命力を感じました。
講評:サツキかツツジの葉にびっしりと付いた霜か霧氷。早朝の斜光線で“とげとげ”といいましょうか凍り付いた針状のものが浮かび上がって芸術的な世界を演出しています。厳しい寒さが感じ取れますが、その中にじっと耐える植物にも思いを馳せた早起きならではの労作。もう少し深度(深いF値)を稼ぎ、背景が単一な黒ベースなので左側をトリミングするともっと引き立ちます。
「冬の黄昏」(長野市南堀)=2023年1月8日
コメント:冬の夕暮れは暖を求め人影もなく寂しいが、夕日のオレンジ色は暖かさと明日への希望が感じられる。
講評: 三段構図で真ん中の葉を落とした木立を造形的に捉え、真冬の寂しさ、厳しさを表現しています。下の校舎をシルエットにし安定感が出て、空の淡い夕焼けもどことなく弱々しげで、主題(木立)を引き立てています。
「北向観音の正月」(上田市別所)=2023年1月11日
コメント:1月11日、北向観音に行ってみました。遅い正月でにぎわいはなく、静かな参拝ができました。
講評:別所温泉にある北向観音まで自宅から自転車、サイクリングの輪行と聞いてびっくりしました。正月が過ぎて、屋台も店じまい、参拝する人もまばらで静かな正月過ぎの神社の様子が出ています。交通事故、気を付けてください。

【早川球喜】

「朝陽に染まる北信の山々」(小布施町千曲川ふれあい公園)=2023年1月12日
コメント:東の空からの陽光が当たった飯縄山、戸隠山及び黒姫山を撮影して見ました。日の出の直前は紅色が増すのですが、太陽が覗くあたりに雲が架かり思った程の紅色が期待できませんでした。又、挑戦して見たいと思います。
講評:北信五岳の峰々が朝陽に当たり淡いピンク色に染まる。1日の始まりの森閑とした様子をドラマチックに捉えました。周りには誰もいない、夜明けの神秘さを独り占めにして感動しながらシャッターチャンスをうかがう早川さんの気持ち、状況が伝わってきます。よく見ると、下部の横に流れるのは千曲川でしょうか、柳の木かなんかもあって風情満点。上部の青空の面積が多いので、半分くらい削り、その分下の川筋の流れをもう少し入れると安定した画面構成になったと思います。

【広澤一由】

「役目は終わった!」(運動公園東側駐車場)=2023年1月9日
コメント:恒例のどんど焼きに題材を求めて参加、炎に包まれただるまを見て、短い一年の役目を終えて、運命のどんど焼きで果てていく姿が、愛おしく、悲しくもあり、共感した!
講評:いつもながらの光景が織りなす毎年の行事ですが、だるまに自分の思いを込めて作画したところ、作品に主張を持たせた点がいいですね。人々の願いを達成、厄を祓い、役目を終えて身を焼き尽くし生涯を終える姿に、自分を含めた人生模様を重ね合わせた思いが感じ取れます。望遠系レンズで無駄なものを廃し、だるまに焦点を絞った技法も主張を端的に表現できました。

【宮澤一成】

「とうとう雪が」(自宅)=2022年12月24日
コメント:クリスマス寒波で朝から雪降り、今シーズン初の積雪です。
講評:正月飾りに使われるナンテン。降り積もった雪景色を背景に凛とした感じが出ています。赤い実を右に配し、そこから画面を左に向かって伸びた枝葉がバランスよく表現されました。背景の建築物も望遠効果でぼけて、そんなにうるさくなく、庭先の様子が盛り込まれました。
「おっとっと」(⦅株⦆ホクト空き地)=2023年1月9日
コメント:石渡のどんど焼きで、舞い散った書き初めを慌てて拾う消防団員
講評:この瞬間には私もいましたが、よく撮りましたね。人はいい瞬間に出合っても(カメラを持っていたとしても)、目で見てしまうことが大半です。なかなか、そういう瞬間を捉えた写真はお目にかかることが少ないです。見事撮影に成功すると「よく撮ったね」となります。書き初めをどさっと投げ入れる瞬間は、その動作が予測できて私もシャッターを押したのですが(石渡つうしん「どんど焼き」に掲載)、次の瞬間、火の勢いで何枚かがふわっと舞い上がり・・・。私はカメラを向ける間もなく、そのシーンは一瞬で消えてしまいました。瞬時をよく捉えましたが、背景に燃え盛るやぐらが垣間見えると、状況が理解できて最高だったのですが、惜しまれます。

【吉田幹男】

「どうなる、どうする」(自宅)=2023年1月10日
コメント:実生から5年目ぐらいなる我が家のアボカド、どこまで大きくなるのか心配だ。
講評:だんだん大きくなってきたアボカドの木。5年ともなると家族同然ですね。暖地の植物なので、寒さにやられないよう室内で可愛がってもらい幸せそうです。今後、実がなり食べられるようになるまでにはどの位の年月?どの位成長しないといけない?・・・。行く末を案ずる思いがタイトルと共に伝わってきます。

石渡写真クラブ月例会(12月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(12月)作品&講評
 先月(11)の例会は新型コロナの感染により急きょ中止となりました。当クラブ始まって以来、初めてのお休みでした。
 その影響か、お休みの方もいましたが、作品なしでも例会には参加した会員もいて、無事再開できてほっとしているところです。
 今回、やや全体の作品数が少なく、1人数点出品された方についてはそのまま複数を紹介、講評させていただきました。
 今年も残すところあと少し。コロナ、戦争、物価高騰・・・とため息が出る材料ばかりですが、来る年は、せめてそこから一歩出て “前に”向かっていきましょう。カメラ片手に・・・。 
 一年ありがとうございました。
 来年もよろしくお願いします。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
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【宮澤 一成】

「威風凛々」(飯山市神戸)=2022年11月18日
コメント:県の天然記念物に指定されている神戸(ごうど)の大イチョウ。思った以上の迫力にビックリしました。                                    
講評:イチョウといえば連想する色は黄色。やや早めだったかと思われますが、いまいち黄色が足りなくて惜しい気がします。しかし、背景の里山の稜線、手前右の柿の木をあしらった工夫はいいと思います。そして、見物人が何人か見えますが、イチョウの木の大きさを対比的に表現でき、これもいいです。
「巨木の懐」(飯山市神戸)=2022年11月18日
コメント:神戸(ごうど)の大イチョウの中に入ってみたら、              余りの広さに驚かされました。
講評:根元を覆いかぶさるように垂れ下がった枝と一面の落ち葉。これも黄色味があるとぐんと迫力が増したかと思います。人物か何か上の作品のように対比物があるとよかったです。

【広澤 一由】

「夕焼けスライドショー」(長野運動公園)=2022年10月11日
コメント:うろこ雲(?)に、夕焼けが彩りを添えて素晴らしいスライドショーとなった!
講評:大スペクタルな夕焼けです。どこの光景かと撮影地を見れば「運動公園」で、ホクトの所有地西の植え込みではないですか。左下に特徴あるとんがりの給水塔も垣間見えます。市街地では往々にして建物や電柱、電線が邪魔になり、せっかくの自然の営みの出現を台無しにしてしまうのが大半です。夕焼け雲の空と下の部分の比率もよく、画面中央からやや左下の部分を起点にした四方八方、空いっぱいに広がってゆく放射状の雲が何より雄大でいいですね。
「苗場山天池展望台より鳥甲山の展望」(秘境秋山郷)=2022年10月28日
コメント:晩秋の秘境:秋山郷への途中で、紅葉の山々と青空に冴えた鳥甲山が素晴らしかった。
講評:「おー、あれが鳥甲山か」。青空の下、山容と共に裾野に広がる紅葉を堪能する人たち。その感動を一束にまとめた作品になりました。タイトルがやや長めです。

【早川 球喜】

「初冬の野尻湖」(信濃町)=2022年12月6日
コメント:何の変哲のない写真ですが、コメントで何かを見つけようしているのですが、今、頭に浮かばないので追って提出します。
講評:紅葉も終わり冬を迎えようとしている北信濃の風情が感じ取れます。青と黒、白の単色3つでシンプルにまとまっています。じっと凍てつくこれからの冬を待つ湖、黒姫、飯綱山が何かを語りかけているようです。何の変哲のある写真です。惜しむらくは、画面がやや右下がりなので水平に。

【中島 弘】

「小春日和の午後」(大町市霊松寺)=2022年10月31日
コメント:秋晴れの下、紅葉を求めて大町市の霊松寺を訪ねました。紅葉はイマイチでしたが多くの人が穏やかな日差しの中散策を楽しんでいる様子を撮りました。
講評:先般の区文化祭に展示の広澤一由さんの「霊松寺の紅葉」と同じ寺です。廣澤作品は、境内をやや見下ろす感じの高台からのショットですが、この作品は境内の中に潜り込んでの撮影。小生は一度も訪れたことはありませんが、この2枚で、大まかなお寺の概略がつかめました。写真とは、そこに行かなくても光景が共有できる、あるいは美しさやすごさなどの感動を味わうことができる素晴らしいものです。
「おつかれさん」(長野市大岡芦ノ尻道祖神)=2022年11月2日
コメント:正月7日に住民によって造られた道祖神の神面は間もなく1年の任期満了を迎えます。風格の中に住民を見守った安堵感と少し疲れた様子を捉えました。
講評:よく、造られる場面は新聞などでも紹介されお馴染みですが、1年間住民を守ったところに着眼し作画した点が素晴らしいですね。通常、日常の家内安全、無病息災に加え今年は収束の兆しの見えない新型コロナ、ウクライナ・ロシアの戦争、物価高騰と大変な年だったことに思いを巡らせ、表現した一枚になりました。
「オッ!釣れた」(千曲市聖湖)=2022年11月2日
コメント:柔らかい日差しを浴びながら糸を垂れ、静かに流れる時間を楽しむなか、ウキが沈む瞬間の緊張感を撮りました。
講評:人工とはいえ、左下の釣り人用の足場の曲がり具合が画面に変化、動きを感じさせてくれます。そこに釣り人が獲物をひっ掛けた瞬間を捉えたタイミングもいいですね。画面の中で占有する面積は少ないものの、釣り人のどきどきとした緊張感が伝わってきます。この後、魚が釣れたのかなーと連想する楽しさもあります。

【高山 三良】

「皆既月食」(長野運動公園)=2022年11月8日
コメント: 月食最大から40分後、下と右に星があります。下が天王星で突入(天王星食)寸前。
講評:私も運動公園で撮っていました。サブトラック西の築山のてっぺんでした。ちょうど東の空が開けて見え、昨年の皆既の時もここでした。機材や加工、トリミングの違いはあれ、ほぼ同じ色、大きさです。普通の満月では月の明るさで見えない天王星もくっきり。惑星食は442年ぶり、織田信長も見たかも知れないという時空を越え、この次は322年ぶりとか。右の星は私のカメラでは写りませんでした。何という星?
 以下、タイトルなしですが出品されましたので紹介します。地附山の紅葉全景と登山最初の登り口のショットですが、紅葉がきれいですね。もう1枚は霧が這う山里の光景ですが、もう少しアップに切り取ると迫力が増したかと思います。

石渡写真クラブ月例会(10月)作品&講評=文化祭出品作品紹介

石渡写真クラブ月例会(10月)作品&講評=石渡区文化祭展示作品紹介
 コロナ下、今回も演芸大会なしで展示のみの文化祭となりました。写真クラブでは講師を含む会員10人の作品20点を出品しました。昨年秋から今年にかけて撮影した未発表作品ばかりで、元気に山登りした時の写真や行楽地、善光寺、近くの運動公園など個性にあふれた力作が並びました。
 多くの作品は、毎月公民館で実施の月例会に持ち寄り、みんなで鑑賞しながら写真技術向上に向け勉強したものです。毎月、区のホームページに講評ととともに紹介していますので、だぶった作品のコメント、講評は割愛します。興味のある方は、パソコンかスマホにて「石渡つうしん」をご覧ください。
(トップページ左側の「公民館」→「クラブ紹介」→「写真クラブ」→「月例会作品」を順次クリック)

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【倉澤 利和】

「いつか空へ」(破風岳毛無峠)=8月11日
講評:9月例会の作品「トレッキングには最高の破風岳(1,999㍍))」(高山村)と同じ山行時の作品。コメントは「好天に恵まれて清々しい気分になりました」でした。峠から見た山稜の上に広がる青空に一条の飛行機雲でしょうか、上に登る(下にくだる?)雲をすかさず捉えたところがグーです。ぽっかりと浮かぶ雲と共演、空気感のある(スケールのある)作品となりました。自分も「いつかは・・・」という憧れも感じ取れました。
「鮮やかな紅葉」(若穂綿内清水寺)
講評:多くのカメラマンが狙い、実に多くの写真が登場してきた清水寺の紅葉ですが、どれもきれいですね。同じく、そのきれいさ(鮮やかさ)に浸った様子が作品、タイトルから伝わってきます。ただし、「きれい」という横並びの作品群から抜け出すには、何か付加価値を足さないといけません。まあ、そんな屁理屈や技術論はどうでもいいという逆の考え方もあります。きれいなものはきれいに撮れて、単純に「あーよかった」も写真の持つ一面ですね。

【高山 三良】

「綿になるまで」(自宅)=8月~9月
コメント:柔らかな花をつけ、花の色を変え、硬い実となりはじけて綿になる。神秘さえ感じます。
講評:以前、信濃毎日新聞で取り上げられたこともある綿の木と花ですが、花の色が変化するとは驚きでした。その様子を含め、成長過程を組み写真にまとめた報道写真。事実を伝えるという写真の持つ特性で、変化を分かりやすくまとめました。
「コスモス園」黒姫高原=9月16日
コメント:黒姫高原のコスモス園をリフト上から撮りました。地上では見られない景色がありました。
講評:スケールのあるものはハイアングルから撮りたいところですが、なかなか市街地のように隣接したビルの屋上など高い所がありません。せいぜい脚立の出番ですが、10尺程度(農家で使う三脚脚立)で限度があります。それでも、身長の高さよりは少しでも高い所から撮ると感じが違ってきます。ヘリを登場するまでもなく、近年ではドローンと言う手もありますが・・・。そこでハタと考えましたね。リフトを利用しての撮影。広がりのある作品となり、人物も適度に配置され花を楽しむ様子が分かります。

【竹内 一郎】

「雪炎」(善光寺)=1月例会作品
「俺もやりたい」(自宅)=2月例会作品

【中島 弘】

「生きる」(飯山市)=2月例会作品
「灼熱の恵み」(中野市豊田)=7月例会作品

【早川 球喜】

「咲き誇る菜の花」(飯山市菜の花公園)=5月例会作品
「咲き誇る菜の花」(飯山市菜の花公「鯉の乱舞」(野尻湖)=8月例会作品

【広澤 一由】

「霊松寺の紅葉」(大町市)=2021年11月例会作品
「鬼(木)門を過ぎて頂上へ」(新潟県米山)=6月例会作品

【宮澤 一成】

「負けないぞ」(飯山市北竜湖)=8月例会作品
「幽影」(善光寺)=1月例会作品
※例会の作品タイトルは「青色に包まれて」です。

【吉池 安雄】

「公園の四季・秋の雲その1」(長野運動公園)
「公園の四季・秋の雲その2」(長野運動公園)
講評:吉池さんのフィールド、運動公園から見た秋雲2題。1枚はサブトラックから南方向、もう1枚は築山から西南方向ですが、いずれもウロコ雲状の波打つ雲に太陽をあしらいながら撮影しています。空気感が素晴らしい作品となりました。この秋の雲をはじめ、春夏秋冬の公園の様子を撮りため、個展までこぎつけるべく頑張っていきましょう。

【吉田 幹男】

「レンギョウと桜」(長野運動公園)=4月例会作品
「登りづらい石段」(小布施町浄光寺)
コメント:ブドウを見に須坂市高畑に行き、小布施町浄光寺に寄りました。歴史を感じる石段は、石が不揃いで登りづらかったです。
講評:私も一度行ったことのある寺で、確かに登りづらかった記憶があります。不揃いで、時の経過とともに崩れたりし登りづらいことこの上ない石段でした。でも、檀信徒が協力して作ったものでしょうか、往年の歴史を感じさせてくれます。

【増田 今雄】

「山葵田(わさびだ)の春」(安曇野市穂高)
 県カルチャーセンター「たのしい写真教室」で、安曇野市の光城山へ桜の撮影会の帰りに立ち寄った大王わさび農場近くの湧水の川です。川沿いに小さな山葵田、桜の花と白花はナシの花か?ちょうど向こうに安曇野を代表する有明山も見え、春本番でした。

「わが家」(長野市妻科)
 所用で行った妻科神社近くの民家の庭先。植え込みの葉の間に直径数センチのクモの巣があり、よく見ると何とも波状というか、ひと言で表現できない模様がらせん状に渦巻いていました。そして、その中央にご本尊様が・・・。クローズアップが得意のコンパクトデジカメで撮ったものの結果は深度が浅くどうも気に入らない。再度一眼デジカメ、55㎜マクロレンズで挑戦。三脚を立てたりいろいろ前段の仕掛けをしているうちに、「わが家」を支える外側の糸が切れ始め、三脚をそっと撤去し手持ちで撮影しました。

【なぜ展示するか】
 「写真」を一連の流れで追うと、撮影から始まり最終的に「展示」で終止符を打つものと考えます。

 そもそも写真の役割の中に「伝える」ことがあります。報道写真のように、今現実に起きていること(起こった事)を画像で第三者に伝える。見た人は「なるほど」と確か起こったことを確実なものとして認識します。報道カメラマンが撮影した写真は、読者に見ていただき完結します。
 では、私たちの写真はどうか。
 撮影した作品は、撮った人の思いや感動などが盛りこまれます。「朝焼けは雄大でしたよ」、「小さな子どもの表情が何ともかわいらしい」、「ひと昔前にタイムスリップしたような懐かしい路地裏の光景」などなど作品が見た人に語りかける、訴えるものがそこに存在します。
 シャッターを押すという行為は、その場面をもう一度誰かに再現して見てもらいたい、自分が思ったことや感動を味わってもらいたいという気持ちがあるからと思います。撮った写真を、自分だけで見て満足し終わりという人は少ないと思います。
 自分の味わった感動や思いを見た人にも共有していただくこと。それが展示(写真展)です。写真展に足を運ぶ人たちの中には、写真を志す仲間はもちろんですが、写真を自らやらない人も来ます。作品を見て、作者と同じ感動、思いを追体験して帰ります。
 展示(写真展)は、写真を通し人と人とがつながってゆく場(機会)と捉えましょう。
    (県カルチャーセンター「たのしい写真教室」講義より、増田)

 

石渡写真クラブ月例会(9月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(9月)作品&講評
 台風一過、急に寒く?なったかと思いきや暖かくなったり体調管理が大変です。標高の高い山からは紅葉の便りも届き、秋本番を迎えつつあります。
 コロナも手のひらを返したように大人しくなった昨年秋以降とまでは行きませんが、何となく元気がなくなってきた感じです。このまま収束に向かってくれるといいなと期待を寄せますが、感染すると高齢者には怖い病気。これまで身に着けた手洗い、マスク、換気、人ごみ回避などを徹底し、撮影に励みましょう。
 間もなく運動公園のケヤキが染まります。身近では千曲川沿いで霧、霜なども発生、志賀高原や鍋倉高原などでブナ林やダケカンバが徐々に姿を変えます。
 区の文化祭も展示のみは決定とのこと。最終的に「(人様に)観てもらってなんぼ」の写真の世界。頑張って写真クラブの展示に向け準備しましょう。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【吉田 幹男】「出番」(自宅)=8月29日
コメント:ノウゼンカズラの花が、今月下旬遅れて一枝咲いたので撮りました。七月にも撮ったのですが、作品にならず九月の発表になりました。まるで自分の出番を待っていたようです。
講評:わが松本の実家の生垣にもありますが、盛夏のころ、ほかの樹木を覆い隠すようにわが物顔に大群の花を付けます。群生のイメージが強い植物ですが、理由はともかく遅咲きに固まってぽつんと咲くのも味な物ですね。背景、周りの葉はヤツデでしょうか。

【宮澤 一成】「犬?猫?それとも・・・」(長野市民病院南)=8月6日
コメント:車を走らせていると、東の空に変な雲を発見スマホで撮影しました。皆さんは、何に見えますか?
講評:北アルプスや南アルプスなどに姿を現す雪形と同じで、雲の形もさまざまな姿に見えることがあります。しかし、雪形も雲も、誰が見てもその形に見える確率が高い物から、見る人によっては分かりにくい物もあります。それだけに、古より農業の作業開始の目安となったり、想像力をたくましくし楽しむ魅力はあります。さて、自分は犬か猫のように見えるが、あなたは・・・?と問いかける素材を提供するのも写真の「伝える」という特徴の一つですね。
さて?

「雲を釣るぞ」(長野市民病院南側)=同
コメント:現在市民病院では増築工事中、伸びたクレーンが長い釣り竿のように見えました。
講評:上の作品の雲が含まれますが、クレーンを釣り竿に、獲物を雲に見立てた擬人化作品。着眼点はいいですが、下の市民病院や里の光景が中途半端かと思います。もう少し入れるか、さもなければ思い切ってカットしてクレーンと雲だけで単純化してまとめてみる手もあったかと。

【広澤 一由】「夜明け直前」(長野運動公園)=9月1日
コメント:大型台風11号の影響か?朝焼けが幻想的、宗教的な色彩に輝いた防災の日の夜明け直前であった!
講評:お天道さんが出る前ですが、朝焼けした雲が印象的です。運動公園サブトラックの西にあるポールが辛うじて見える下部分ですが、暗くつぶれて画面全体が重たい感じになってしまいました。カメラのアングルを少し上に向け下のアンダー部を削り、その分空を入れると雲の印象が強くなったと思います。

【早川 球喜】「初秋の里山」(木島平村の国道403号線(糖塚?)から望む)=9月7日
コメント: 写真撮影に向かった日は、長野を出る頃はまだ曇りでしたが、飯山市、木島平村へさしかかる頃雨模様に。それでも秋を撮るために「やまびこの丘公園」に向かいました。公園の辺りは雨でかすみ、初めて訪れたこともあり、自分の場所すら確認することができません。高原の木々は、まだ緑で、秋を感じさる色はありませんでした。仕方がなく秋を探しながらの家路へ。飯山に入る直前に黄色にたわわに実っている稲穂を見て、山里を背景に2~3枚撮影しました(はっきりしませんが「糖塚」辺りかもしれません)。
講評:霧雨というか雨模様のしっとり感が出た作品。山里の裾野まで霧が立ち込め、山里の丘陵地帯に点在する家々・・・。その手前に広がる、黄金色に実った稲刈り前の田んぼが見え隠れしますが、手前の雑草(オオブタクサ)に隠れてしまい残念です。やや高い立ち位置か脚立を使用、田んぼの広がりがもっと出せると里山の印象がもっと盛り込めたと思います。

【中島 弘】「食べちゃうぞ」(破風岳毛無峠)=8月11日
コメント:破風岳に登ってきました。登山口の毛無峠から小串鉱山跡へ続く林道から見上げると草原にへばりついている大きな岩を襲うような雲が現れ自然が創り出す造形の面白さを撮りました。
講評:失礼ながら「犬も歩けば・・・」ではありませんが、写真は外に出なければ撮れません。その意味で、破風岳方面へ撮影に出かけた際に見つけた素材を、そこにある岩を絡めて作品化しました。雲の怪獣が、岩を食べようとした瞬間に見立て擬人化、タイトルと共に楽しい感じに仕上げました。

【素材を発見したらとにかくシャッターを】
写真は目的地方面に出掛けたらいかに「絵になる」、「今までに見たことのない」オリジナルな素材を探し出すことが勝負どころです。そして、見つけたら次にカメラという機材を通していかに切り取るか。レンズの選択、ズーミング、アングル、角度、露出や絞りなどカメラの設定と予め準備している項目もありますが忙しいです。最後にパシャリですが、素早く行動しないと、モノによってはどんどん変化し場合によっては無くなってしまうこともあります。「帰りに(後で)撮ればいいやー」は禁物です。その場でその時に撮ること、シャッターを押しておくことを心掛けましょう。多くの場合、帰りには、最初に発見した時の状態は無くなっているか、光線状態も変わってしまい、時には無くなってしまうことも。「さっき撮っておけばよかった」という経験を幾度となくしている私の経験からひと言。

「一緒に飛びたいな」(破風岳毛無峠)=同
コメント:破風岳登山口の毛無峠は上昇気流が良いのか多くのグライダーマニアが愛機を飛ばしていました。赤いグライダーが本物のジェット機の飛行機雲を追うように飛行しているところを捉えました。
講評:飛行機雲は自然のものとはいえ、飛行機が生み出した産物。その飛行機雲と、同じ仲間の飛行体「グライダー」とのコラボが面白いですね。それと、飛行機雲がやや斜めに下降しているのに対し、グライダーはやや右上方向、斜めに傾いているバランスもいいですね。さらに空の青、雲の白、グライダーの赤のシンプルな3色がすっきり感を助長しています。

 
「秋の気配」(千曲市姥捨の棚田)=8月29日
コメント:自転車で姨捨の棚田を訪ねました。猛暑の最中夏の気分でいたが、季節は確実に秋に向かっている情景を撮りました。
講評:やや高台から棚田、集落の家並み、川筋、そしてはるか遠方の市街地、山並み、締めくくるように秋の空と雲。遠近が出てスケールある作品になりました。稲刈りをする一群とか案山子とかの点景があるともっと臨場感が出ました。

【高山 三良】「待ちわびて」(知人宅)=8月31日
コメント:「3年目にようやく咲きました!スマホ撮影です。夜8時ころから開きだして徹夜の見守り。朝にはしぼんでいました。寝不足が続きました。」と撮影者。開く度に香りが漂うそうです。一生懸命開こうとしている姿に優しい穏やかな気持ちで見守ったとも。その感激を感じて組み写真としました。
講評:ご存知「月下美人」の花。月下に一夜だけの開花を去れる幻の花。我が家でも先の中秋の名月の9月10日、つぼみが大きく膨らみタイミングよく咲くかと期待しましたが、3日後でした。月と花の撮影でコメントと同じく寝不足に。さて、作品の上半分に全体、よく見ると右からこれから咲くつぼみ(上向き)、中央は開き終わってしぼんだところ、左に開いた花と3様がうまく入りました。そして、下写真は開花の真正面とやや斜めから角度を違えて大輪の姿を見せています。知人がスマホ撮影したものを組み写真に仕立てたとのことですが、ライティング(光の当て方)が、スマホなのでレンズと同軸で正面からなので、幾重にも重なる花びらの立体感が薄れてしまい惜しまれます。ちなみに小生は、カメラから延長コードでストロボをやや離し、斜め上方から照射してみました。それと、花の色が純白なので、露出をマイナス補正してやらないと「白飛び」と言って露出オーバーになりますので注意が必要です。

【倉澤 利和】「トレッキングには最高の破風岳(1,999㍍))」(高山村)=8月11日
コメント:好天に恵まれて清々しい気分になりました。
講評: 破風岳の山容に雲浮かぶ青空、手前に大きな岩を入れてスケール感ある作品になりました。同好のお仲間たちの人や車も点景として入れ、人の気配を感じます。タイトルがやや長いですね。例えば「清々しい1,999㍍」(高山村破風岳)とか「真夏の山稜」(高山村破風岳)など。破風岳は地名なので、タイトルに併設する場所の方に移動するとその分短くなります。

石渡写真クラブ月例会(8月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(8月)作品&講評
 「暑さも峠を越え・・・」とされる処暑(823日)を過ぎ、文字通り朝夕はめっきり涼しくなりました。とはいえ、残暑本番はこれからです。
 でも、虫の声や天高くウロコ雲、ススキなどが秋を感じさせてくれます。標高の高い山の上から紅葉が始まります。そして足元の運動公園のケヤキ並木が最も彩りを放つ季節がもうすぐです。                  
 一向に収束をみせない新型コロナですが、自衛策を徹底し頑張っていきましょう。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【倉澤利和】

「入道雲と志賀山(いざ志賀山へ)」(志賀高原)=7月29日
コメント: おじさん(爺さん)達と志賀山に登りました。天気に恵まれました。日頃の行いの賜物です。
講評:タイトル通り、夏の代名詞「入道雲」が青空にバランスよく出た瞬間を切り取っています。志賀山は中央奥のピークでしょうか?高原の夏が生き生きと表現されています。ただ、せっかく点景としてあしらった右下の“爺さん”たちは、あまりに端っこ過ぎてギリギリです。もう少し余裕をもたせるとよかったですね。これから目指す山との関連がもっと濃厚に出てきます。
「夏の志賀高原渋池」(志賀高原)
コメント:志賀山に登った帰り道 癒してくれた渋池でした。
講評:高原の池塘に営々と長い時を経て堆積した泥炭の塊と水面が静寂さを語りかけています。癒された気持ちが伝わってきます。小さくて分かりづらいですが、水辺で育まれたトンボが左上の林の上に1匹、いいですねー。

【高山 三良】

「どちらもヒロイン。」(自宅)=8月3日
コメント: 百日紅と百合が競艶、どちらも引きません!
講評:サルスベリのピンク、コオニユリのオレンジ色が鮮やかです。花の色のほか形などにも違いはありますが、それなりにどちらもきれい、すばらしい。その点をお互いに認め合い、同じ場所、同じ時期に共存しているところに悠久の平和というか真理というか・・・。不穏な世の中だけに争いのない幸せみたいなものまで感じさせてくれます。左下から右上へ、右下から左上に交差するように伸びた双方の枝や茎も効果的です。

【竹内 一郎】

「長い間煙にいぶされて真っ黒だよ。」(善光寺)=7月28日
コメント:今回もスマホです。御開帳も終わり今善光寺はどうなっているだろうか?まだ前立本尊の柱は有りました。来た記念に線香を入れる香炉?の上の獅子?の吠える姿が誇らしげに見えました。
講評:香炉の獅子が主題。3カットの作品が寄せられましたが、まず縦位置のカット(1番上)は、空の空間がやや広すぎて、主題を弱めています。獅子が一番大きめのカット(上から2番目)は、ややローアングルで迫っていますが、背景の本堂と重なりごちゃごちゃとした感じ。その点少しひいたカットが本堂との重なりもなく、空のスペースも適度で推奨作品(3番目)。ただし、下の屋根を左右対照に、さらに主題の獅子に目線を誘導するために空を少しだけカットしトリミングしてみました=下写真。

【中島 弘】

「ポツンと一輪」(木島平村稲泉寺)=8月1日
コメント:開花時期は過ぎているだろうと思いながら訪ねてみた。真夏の静寂のなか遅ればせながらマイペースで咲く1輪を撮りました。
講評:大きな葉に囲まれたピンクの蓮の花を左下に、寺を右上に少しだけ入れて、向こうには青空に浮かぶ夏の入道雲。素材を絶妙の配置で組み立て遠近感も巧妙に出ました。どこからか、せみ時雨が聞こえてくるようです。

【早川 球喜】

「鯉の乱舞」(野尻湖)=8月3日
コメント:子供たちが餌らしきものを湖面に播いていたので、何だろうと思って覗いて見たら、鯉が右往左往絡み合うように泳いでいました。野尻湖で鯉を見たのは、初めての体験でした。
講評:餌を奪い合う鯉の群れ。ぱっくりと大きな口を開けた光景、人面に似た鯉はよく素材に採用されます。望遠レンズで切り取っていますが 、やや小さめで、開けた口や白い鯉、口は見えねど背中が競りあがった鯉などを左下から右上に対角線上に並ぶようにしてトリミングしてみました=下写真。

【広澤 一由】

「珍客出現!」(自宅庭)=7月16日
コメント: 突然、庭に蛇が出現!何十年ぶりに蛇とご対面、ニョロニョロと逃げて自転車の奥の物陰に入ってしまったが、数時間後に出てきたところを偶然に撮影できました!希少写真となりました。金運が付くとか?!
講評:自転車の車輪のスポークをくぐり抜け、地面に這うように進む蛇。おそらくシマヘビと思われますが、マムシならスマホでこれだけ近づくと危険でした。自転車だけで、我が家の庭という状況説明は十分ですが、できればさらにローアングルで迫り蛇の目線で撮れるとよかったですね。金運に恵まれること間違いありません。

【宮澤 一成】

「負けないぞ」(飯山市北竜湖)=7月29日
コメント:カヌー教室に来たのでしょうか、先生の「集合」の合図で一斉に漕ぎ始めた子供たち。
講評:6艘のカヌーが一斉に並び、それぞれが漕ぐオールに躍動感が出ました。 配置バランスもよく、背景にある柳の葉が半逆光に映えきれいです。

【吉田 幹男】

「我が家の源平カズラ」(自宅)=7月17日
コメント:今年、源平カズラの花が咲いたので撮りました。七月の例会では、作品にならず八月の発表になりました。名前は、源氏の白旗(ガク)と平家の赤旗(花)から来ています。
講評:養分を蓄えた盛りだくさんの葉にちょこんと花を咲かせたカズラ。史実に因んだ花だけに、咲いた花をレンズに収めた吉田さんの思いが伝わってきます。葉が多くボリューム感があり過ぎ、せっかくの花が小さめなので少し葉を少なめにトリミングしてみました=下写真。

 

 

石渡写真クラブ月例会(7月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(7月)作品&講評
 戻り梅雨から大暑、土用丑の日も過ぎ間もなく8月。これからが、夏本番です。旧盆の行事、行楽地などコロナ感染が最多を更新する中、どんな動きをみせるでしょう。
 ほかの人にうつさない、自らもうつらないを徹底し頑張っていきましょう。
 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【吉田 幹男】

「スカシユリ」(飯綱町)=7月7日
コメント:自宅のユリは、まだ一本しか咲いてないのでこちらで撮影しました。
講評:執拗に?花を求めているところがすごいですね。一つの素材(テーマ)を追い求める手法は昔からあり、「子ども」、「お年寄り」、「お祭り」、「山岳」、「猫」、「動物」、「街中」、「風景」・・・とこのほかを含めいっぱいあります。一つの写真を続ける手立てですので、ぜひ集大成してみてください。もちろん花だけでなく、これはというものが目に止まったらシャッターです。
 で、作品ですが、中央に数輪の花を配置した「日の丸構図」ですが、花の咲いている向きなどを考慮して、この部分を右上に持って行きましょう。というのは、下と左下などにちらりと株があるので、これらをもっと取り入れるとバランスよくまとまった感じになるはずです。下にブルーの画面を想定したものをだぶらせてみました。ご参考に。

【宮澤 一成】

「こんにちは」(鬼無里白髭神社)=6月26日
コメント:花菖蒲の満開を期待して行ったのですが、まだ二分咲きでした。トリミングしてアップの写真にしました。
講評:2分咲きですとスケールのある群生写真のようにはならず、咲いている花のアップで仕上げるしかないですね。ちょうどいいタイミングでキチョウが止まっていて絡めました。が、やや画面の下で見落としそうです。生かすにはチョウの周りの空間をもっと入れることで、例えば縦位置にする手もあります。トリミングとのことですが、縦になるようなコマを選んで縦位置にしてみてください。
「旋回中デス」(同)
コメント:花菖蒲の撮影中、ふと空を見上げるとトビらしい鳥が気持ちよさそうに旋回していたので撮影しました。
講評:すかさずレンズを向けたところ、被写体を画角内に収めシャッターを切ったことがいいですね。トビも猛禽類ですが、大小さまざまな種類がいて紛らわしいですがトビですね。欲を言えば、山の稜線の上、空に浮くともっとふわりとした飛翔感が出てよかったです。

【廣澤 一由】

「欅並木を行く」(東和田運動公園欅並木)=7月6日
コメント:朝トレの男性が、早朝から強い日差しを避けて欅並木を涼しそうに行く姿が、すがすがしさを感じられて爽快であった!
講評:作品のデジタルデータの「プロパティー」から撮影時間は午前4時41分。早朝のひんやりとした雰囲気が伝わってきます。右下を起点に、車道の左右のケヤキ並木を斜めに配置、左上に放射状に広がる「放射構図」でリズム感を生み出しています。惜しむらくは、朝トレの男性がやや小さく、もう少し手前に大きく位置すると画面が引き立ちました。あるいは、もう一人後ろ姿で結構ですが、行き交う人がいると・・・。

【早川 球喜】

「お地蔵さんも花に囲まれ満足そう」(若穂綿内蓮台寺)=7月8日
コメント:蓮台寺にアジサイを撮りに行きました。朝早い境内には、人の姿はありませんでした。本堂につながる階段を上り、山門前の六地蔵もいつもの様に迎えてくれました。本堂下の脇道で花を眺めながら撮影しましたが、以前より花も少なくちょっと寂しさを感じました。帰り、脇の道なき道を下りて行きますと、山門の脇に花に囲まれたお地蔵さんに出会いました。朝日を受け、ほほ笑んでいるような感じをうけましたので、思わずシャッターを押しました。
講評:こちらも作品データの「プロパティー」から午前8時22分の撮影と判明。太陽が昇りきらない陽光が背景に感じられ、朝の境内の雰囲気が感じ取れます。アジサイの花に囲まれたお地蔵さんがぽつんとやや寂し気のようでもありますが、花に囲まれてご満悦の様子が表現されています。アジサイのほか、お地蔵さんの上の桜の木でしょうか、こんもりと垂れ下がっている樹の姿が「ひっそり感」を助長しています。

【中島 弘】

「灼熱の恵み」(中野市豊田)=7月8日
コメント:梅雨明けの猛暑で参っている人間とは対照的に灼熱の太陽を楽しんでいるように見えるタチアオイを撮りました。ちなみに花言葉は「灼熱の愛」だそうです。
講評:何と芸術的というか絵画的というか、美しくまとめました。逆光の光を巧みに使い、自然環境の中ながらも背景をシンプルに黒バックに設定したところが成功のカギ。そして右の花の向きの先(左上)には黒バックとはいえやや明るいトーンの光明があり、花と太陽が会話しているようでもあります。
「旅に出たいな」(中野市豊田)=7月8日
コメント:コロナ禍で遠出が制限されている中、高速を爆走し知らない街を旅する日が早く戻ることを願いながらシャッターを切りました。
講評:ご存知、作詞家高野辰之の生地、豊田村。合併して中野市となりましたが、まだ「かの川」、「かの山」などが残る農山村。小川を手前に水田の中にそびえ立つ高架橋。この情景を高野辰之は何と詠むか知る由もありませんが、高架橋の上を通過する大型車を点景にあしらい、高速を使って旅する日が早く来るよう・・・と思いを馳せた撮影意図がよく読み取れます。

【花の撮影】
 今回はこの作品のほか、中島さん、吉田さんからも花を素材にした作品が寄せられ、過去にも多くの花を題材にした作品が多数あります。
 花は撮影適期の情報を得て出掛けますが、早かったり、遅かったりすることもあります。タイミングよく満開であったとしても花の撮影は、花をいかに引き立たせるかが成功のカギです。群落なら花の周りの状況、さらに離れた山々、空、雲などの遠景。そして、一帯に差し込む陽光の状態、背景処理。もっといえば、霧や雨、水流なども格好の引き立て役となります。
 群落でなくても花には、昆虫や両生類などが寄ってきます。くれぐれも図鑑の説明調な写真にならないよう、自分の感性、想い、考え方を移入していきましょう。
 もう1つのキーポイントはレンズ選択と絞り。ズームレンズの中望遠系やマイクロ(マクロ)レンズ、あるいはほかのレンズでも絞りを開放値近くにすると、背景や前の物が微妙にぼけて写真(望遠レンズ、マイクロレンズ)ならではの世界を表出します。
 花は美しいです。が、「ああ、きれいだなー」写真でなく、自分なりに感じた、工夫したオな作品作りに挑戦してみてください。

【高山 三良】

「夕暮れの積乱雲」(南堀)=7月1日
コメント:夕暮れなのに東の空に積乱雲がモクモク。
講評:信大附属の北、朝陽病院の東の田園地帯から東の山並みを背景にした夕暮れの光景。本来なら積乱雲(入道雲)は昼間、日中にモクモクと発達し夕暮れ時には夕立のパターンですが、このところの異常気象のせいでしょうか、少しずれて出現したたところに着目した作品。夕焼けに染まる雲と田んぼに映る情景が印象的です。

【倉澤 利和】

「おかしな胡瓜」(自宅の畑)=7月14日
コメント:今年の胡瓜の形が変です! 形の良い胡瓜は数本です。気象が関係してますか?
講評:身近で面白い素材を発見しましたね。形が変だということを人様に伝えるのに言葉、あるいは文字では大変ですが、写真だと一発で分かります。写真というものが持つ特性です。ただし作品的には、曲がったキュウリが向こうにもう一本あり、にぎやかになりましたが、上の部分が切れてしまい惜しいですね。むしろ縦位置で撮ると存在感が増し、バランスよくまとまったかと思います。
ところで原因はと言うと、暑さと暑さから来る水不足がありますが、ほかに肥料不足、病気、害虫なども考えられます。が、自前の野菜は曲がっていてもうまい!
「頑張れパルセイロ」(長野運動公園)=7月14日
コメント: 長野パルセイロの練習風景が目に入りました。思わずシャッターをおしました。
講評:パルセイロの選手を入れ、競技場、給水塔、山並みをそつなくまとめた構図です。選手の動きの中に、どこかインパクトのある動き(一群)があると画面が引き締まったかと思います。J3で7位。応援の力でさらに上位へという作者の思いが伝わってきます。

石渡写真クラブ月例会(6月)作品紹介&講評

石渡写真クラブ月例会(6月)作品&講評

 一旦落ち着きを取り戻したかにみえたコロナ感染者数も、再び増加に転じしたたかさを顕示。いつになったら・・・と気が重くもなります。が、時はどんどん経っていきます。めげていては何も前に進みません。感染予防対策をきちんと励行し、ワクチンを切れ目なく、頑張って行きましょう。
 例年になく早い梅雨明けで熱中症も加わり大変ですが、無理なき範囲で撮影に挑んでください。

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【高山三良】

「私がヒロイン!」(南堀)=5月22日
コメント:蜘蛛と薔薇が主役を競っている、妖艶でもあり可愛くもありシャッターを押しました。
講評:幾重にも花びらを咲かせた真紅のバラ。その花びらの片すみに1匹のクモが・・・。写真はまず主題があり、その主題をフォローといいますか、手助け、引き立てる脇役として「点景」が盛り込まれることがあります。あくまで、主従の関係は崩れません。しかし、この作品はどちらが「主題」?かと問うたところに作者の意図が汲み取れて面白いというか意味深長です。生き物としてこの世に存在し、どちらも主人公!どちらもヒロイン!

【竹内一郎】

「湖畔の花嫁」(軽井沢塩沢湖)=5月
コメント:目が覚めたらテレビに雲場池中継があり早速行きました。が、駐車場がなくゆっくり撮っている暇がなく塩沢湖に行きいろいろと撮りました。離れ島にウエディングドレスの花嫁さんが記念撮影をしており湖に映る姿が印象的でした。
講評:有名な撮影ポイントは、近年、カメラマンだらけ。場所取りが大変ですが、酷評すると「出てくる作品は大同小異、みんな同じ」となります。みんなと同じ写真を撮って満足感を味わうのも、それはそれで否定するものではありませんが、できれば、オリジナルな作品を狙った方がいいかと。で、塩沢湖に矛先を変えたところ、いい素材に巡り合えてよかったですね。ただ、「印象的だった」花嫁さんがやや小さくて残念ですね。対岸からだと超望遠レンズが必要ですが、再度挑戦をしてみてください。対岸でなく、そのものずばりお断りして目の前で撮影する手もあります。(参考までに、花嫁さんが分かるように拡大トリミングしてみました。東山魁夷の「白馬の森」みたいになりました)

【中島弘】

「道端に咲く」(長野市真島付近)=5月30日
コメント:普段見過ごしていた野草の花が見事だったので撮りました。クローズアップレンズを装着しマニュアルフォーカスで狙ってみました。花の名前は知りません。
講評:いやはや、見事な色の花を見かけ、よくぞ車を止め写真に収めました。近年、河川に近い堤防や炉端で猛威を振るっている外来種ナヨクサフジと思われます。サツキなどの低木街路樹を覆い尽くし、薄紫色の大群落は「見事」です。マメ科で幾つもの花が集合していますが、ロング、セミロングで撮ると意外と見事さが出てきません。そこで、クローズアップで表現したところがいいですね。背景のぼけも、薄紫がありそれとなく群生の様子が汲み取れます。
(参考までに、屋島橋近くの河川敷内に群生したナヨクサフジがありましたので掲載します。白花も混在していました=2020年6月2日)

【早川球喜】

「飯縄山」(戸隠栃原大昌寺付近)=5月24日
コメント:飯縄山をその山麓から撮影しました。障害物もなく目の前に飯縄山を見ることができました。
講評:善光寺平市民から親しまれ、どこから見ても絵になる飯縄山。ですが、いざ写真に収めようとすると意外と難しい。つまり、手前にくるものが今いちしっくりこないことが大半です。いい広がりを持った、コメント通り「障害物」もないいいポジションを見つけました。田園近くにある集落、よく見ると田植え?でしょうか軽トラとトラクター、手前の木々、空の雲も効果的にまとめました。

【広澤一由】

「鬼(木)門を通過して頂上目指す」(上越市と柏崎市境の米山・993m(登山道)=5月18日
コメント:登山道の途中に何とも言いようのない奇妙なカタチの大木に巡り会い、鬼門?の様に、不気味さもあり印象的だった。
講評:何とも存在感のあるブナの木に巡り合えましたね。鍋倉山のコブ太郎ほどコブコブではありませんが、大量の雪の中で何百年と生き抜いてきた力強さがあふれています。斜めの構図、向こうに登山に出発する人を点景に入れ木の太さ、大きさがよく分かります。惜しむらくは、左端にちらっと幹が見えますが、この幹は根の部分を共有しているとすればもう少し入れた方がさらに迫力が増したのではと思います。前後コマを探し、比較検討してみてください。

【宮澤一成】

「新緑を求めて」(妙高高原いもり池)=5月29日
コメント:立夏も過ぎ、新緑が鮮やかな季節になりました。
講評:残雪の妙高山を仰ぎ見る、妙高高原のいもり池。二分割構図で池に投影した山塊が青空とともに爽やかに広がり、空気感を漂わせた作品です。池の手前 左に浮かぶヒツジグサでしょうか、もっと色が鮮やかに出ると存在感が増しポイントとなりましたが惜しいですね。その左下の岸辺のシダ類を入れたことで画面が安定感を持って迫ってきます。

【吉田幹男】

「梅花ウツギ」(自宅)
コメント:白くて、大きく八重に咲くウツギを撮りました。今年の春先に背丈を揃えて収まりを良くしようとしましたが、撮ってみると発表できるものになりません。マニュアルでF値を大きくして見ました。
講評:カラーでありながら、モノトーンの色調というかかつてのモノクロ写真の世界に引きずり込まれるような魅力を感じます。背景の黒バックも主題「ウツギ」を浮き立たせてくれました。白花なので光がダイレクトに当たると飛んでしまいますが、適度に“日影”部分があり花芯のデティールが表現されました。F値を大きくしたのは正解で、キリキリと花にピントがきていて爽やかです。

 

石渡写真クラブ月例会(5月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(5月)作品&講評

 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。

 写真をクリックすると拡大して見えます。

【吉田 幹男】

「青空とオオデマリ」(自宅)
コメント:今年は、花つきがよく青空に輝くオオデマリの白を撮りました。
講評:大胆な斜め構図が躍動感を演出しました。コメント通り、花の白と空の青を対比させ、すっきりとまとめました。ただ、空のブルーの空間が大き過ぎます。花の近くに少しだけ雲が見えますが、花を連想させるような雲がもう2つ、3つあるともっといい感じになりました。そんなこと言っても、ないものはないし、出てこないものは出てこないと言われそうですが、講評はあくまで理想を求めて評価ということですので悪しからず、ご勘弁のほど。

【宮澤 一成】

「八重桜の下で」(小布施町桜堤=4月7日)
コメント:躾(しつけ)がよくされているワンちゃんたち、撮影が終わるまでおとなしくしていました。                     
講評:八重桜の下で見つけた素材にすかさずレンズを向けた点がいいですね。籠の中に整然と並ぶ犬たちが何ともかわいらしく、飼い主と思われる左側にいる女性たちが立ち膝状態で2人、何をしているか分からない所が想像を掻き立ててくれます。1人はカメラを持ってインスタ映え狙い?もう1人は犬たちをあやしている?桜の枝を少しだけ入れ、地面に広がる草地の上で広げられたドラマを見ているようです。背景のフェンスが無粋と言えば無粋で、深度を浅くして、あるいは望遠系レンズでぼかすと主題が一層引き立ったかと思います。

【広澤 一由】

「御柱祭奉納獅子舞」(石渡八幡神社境内)
コメント:コロナ禍での御柱祭はいつもと違い観客が少なく、若干寂しい建立ではあったが、奉納獅子舞も厳粛に執り行なわれた!
講評:やや控えめな後ろからのポジションですが、功を奏しブランコや樹木などに囲まれた神社境内という感じが出ました。さらに、手前の氏子の法被、向こうの区役らだけが見守るコロナ禍で行われた今日性を盛り込んだ記録写真となりました。

【早川 球喜】

「咲き誇る菜の花」(飯山市菜の花公園=5月7日)
コメント:見頃を迎えた千曲川河川敷にある菜の花公園の菜の花。撮影日は素晴らしい天候に恵まれ、ちょっと汗ばむほどでした。
講評:青空の下、河川敷一面に広がる菜の花畑。ブルー、黄色の色彩の鮮やかなコントラストが目に飛び込んできます。よく見ると中央に人影がありますが、点景としてはもう少し大きめに、動きを入れてあしらうと画面がもっと引き立ったと思います。

【中島 弘】

「花もいいけど」(千曲市森=4月8日)
コメント:杏の花の下で非日常の時を楽しむカップル。
講評:24㎜のワイドレンズで特徴のデフォルメ効果をうまく使いました。ぐっと目いっぱい近づいたアンズの枝と花が大胆に存在感を持って迫ってきます。左上に伸びた枝を青空に浮かし山と重ならないように配置した気配りもよく、点景に人物を入れたことで作品がランクアップ、お花見、春の雰囲気を物語る1枚になりました。

【高山 三良】

「春耕」(飯綱町=5月5日)
コメント:新緑に菜の花が映える中、春耕が盛ん。
講評:一瞬、えらく手前から奥まで広がりのある田園風景を見つけたもんだ・・・と思いきや、中央で分離した2枚組み作品でした。上の写真には空を入れ耕運機を点景としてあしらい、下に似たような感じの光景を境目(縁取り)を設けず巧妙に組み合わせました。上の写真1枚だけでも作品として成立するかなとも思いますが、組むことでにぎやかさが一層増しました。

【倉澤 利和】

「Mウエーブ内に咲いた八重桜」(エムウエーブ)
コメント: Mウエーブ 内ジョキング中、いままでは気にしていなかったのですが、八重桜が咲きほこっていたのでタンポポを入れて、スマホで撮りました。
講評:超横長の八重桜が一斉に花を咲かせ春らんまん。右に収れんさせて流れを作り出しています。そして上は常緑のシラカシでしょうか、下の草地の間に挟まれサンドイッチのような感じが面白いです。