石渡写真クラブ6月例会写真集

<五十音逆順に掲載>講評は石渡写真クラブ:増田今雄講師
作品の下に、「タイトル」、<撮影場所>、(講評)の順に掲載
*写真をクリックすると大きく鮮明に見れます。

1.吉池 安雄「雲シリーズ初夏」 <東和田運動公園>
(朝早くでしょうか、いい雲に出合いましたね。画面の大半に主題の雲を入れ、下に樹木をシルエットにあしらって作画。雲の斜めなのがリズム感を演出しています。)


2.広澤 一由

「勇壮なる法善寺」 <麻績>
(この手(建築写真全般)の作品は、垂直や平行、傾きなどをいかに調整するかきちんとするかが問われ、結構面倒なジャンルです。歪みをどうするか、光線状態まで加わるとさらに難しくなります。三脚をたて、ファインダーの中は方眼マット(縦線、横線がいっぱいあるモード)仕様に。きりきりとシャープさを求めるため絞り込みは必須です。 という面倒なことはさておき、この作品は左右、上下きちんとほぼ平均的に計算したように整っています。門を「囲み構図」の囲みとして使い、主題の向こうの寺を引き立てています。ただ、厳密に見ると寺の中心線がやや右寄り、屋根が欠けてしまい惜しまれます。)

3.早川 球喜

「誰もいない湖」<飯縄・霊仙寺湖>
(霊仙寺湖のにぎやかな夏シーズン到来前の光景。今は静かなたたずまいが伝わってきます。二分割構図でほぼ画面を上下に分けた構図ですが、やや中途半端な感じがします。空が曇り空で印象が薄く、こんなにはいらないです。空の半分ぐらいを切った分画角を下げ、下の黄色のドラム缶のようなものを大胆に入れ込むと画面が安定します。色彩もボート類の空色や赤色にドラム缶の黄色が加わり、にぎやかになります。)

4.中島 弘

「若葉萌ゆ」 <鬼無里>
(新緑の芽吹き。樹種によりさまざまな色彩が織りなす光景を切り取りました。自分の目を付けた感動(主題)を適切なレンズを選択、望遠レンズで周りを廃しています。色彩も鮮やかな原色でなく淡い調子がいい感じで再現できています。少しピントが甘い気がします。望遠系は特にぶれが生じやすいので高速シャッターを切るか、この手の風景ものは三脚使用必須です。前後コマを探してみてください。)


5.竹内 一郎

「新緑の滝」 <山田温泉>
高山村の雷滝、別名「裏見の滝」。裏を見た後歩を進めると、大昔はなかった道が下り加減であり、滝の対岸へ行けるようになりました。目の前に轟音を立てて落ちる水、御身にふりかかるしぶき、迫力満点です。作品もその迫力を存分に表現できています。左上の空空間(そらくうかん)を少し入れたことも空気感を出し、スローシャッターで水を流し目では確認できない瞬間を見せています。ただ、手前下にある危険防止の柵(手すり)は邪魔なのでカットした方が主題をすっきりと見せてくれます。
勢いよく落ちる水は、三脚なしでも流れるように写ります。滝のほか渓谷の水の流れなど動くものを低速シャッターでぶらす方法です。三脚にカメラを装着し画角を決めたらフォーカスを合わせ、シャッターを切ります。モード設定は「S」(シャッター優先)にし、シャッタースピードを順次変えながらコマを進めましょう。液晶で水のブレ具合を確認しながら、適切なカットが得られるまでシャッタースピードを変え、いろいろ撮ってみることが大事です。さらに、極端にスローにしたり、逆に超高速などで撮ってみたらどうでしょう。意外なショットが撮れるかもしれません。遊び心と挑戦する気持ちが大切です。

6.高山 三良

「田植えすぐカモ」 <南堀>
(信大付属中学の北に広がる田園地帯。田植え前の田んぼをテーマに2枚組みで迫りました。自分の立ち位置から飯綱山を背景にした東方向、やや逆光気味ですが夕暮れ時の雰囲気が醸し出され、今度は逆に志賀高原方面の山(よく見えませんが)を背景に東方向を対峙させています。それぞれに共通の田んぼを手前に、カモ、電車をアクセントに作画。対照的な組みで見せたアイデアが読み取れます。)

7.倉沢 利和

「玉ねぎ頭」(ホワイトリング)<綿内・尼山より>
(尼山山頂からのショットでとのことですが、手前の千曲川、中央の犀川、その間に囲まれた市街地、さらに向こうには長野市の中心部のビル群。その中央に長野冬季五輪の会場となったホワイトリングがぽっかり。まるでタマネギの形を連想したところがタイトルとともに面白いと思います。画面が微妙に左下がりなのが苦になります。

8.笠原 美敬

「あ~疲れた」 <上田市・前山寺>
(信州の鎌倉、塩田平の前山寺。境内のショットですが木々に囲まれた静かなたたずまいが感じ取れます。左右ギリギリの石灯ろうはもう少し入れてもよかった。全体にズーミングをルーズ(広く)すると門柱の向こうの左右にある樹木の上部も入りスケール感が出たのではと思います。左にちらっと見える六地蔵をうまくあしらって作画する手もあったかと思います。)


9.池田 治雄 

「繁殖期を迎えた野鳥」<屋島橋周辺> 
(近年増えているアオサギですが、集団営巣地(コロニー)が屋島橋下流右岸や立ケ花、千曲市などにあります。鳴き声やふん害などで住民とのトラブルが報告されますが、大型できれいな鳥です。営巣地は樹木の高い場所に枝を運んで巣を作り産卵、子育てをします。作品はその初期段階と思われますが、できれば枝を運んできたところとか、巣の中に子どもがいて親がえさを与えているなどのアクションが加わるといいですね。)

【担当:石渡写真クラブ 廣澤一由】