福祉は私の居場所・・・峯村 佳子さん
「名は体を表す」といわれる。が、それ以上に「顔はその人の心のありようを表す」と思う。左の写真を見てほしい。4常会の峯村佳子(みねむら・よしこ)さん。59歳。柔和でゆったりとした表情は、峯村さんの内面を表しているようだ。そんな心で長い間、福祉と関わっている。峯村さんは「これまでもこれからも、福祉という世界に身を置いていくつもりです。福祉は私の居場所」と話す。
出合い
石渡の生まれ育ち。高校1年の時に長野市内のボランティアサークルに入った。国際障害者年を記念して長野市民会館でわたぼうしコンサートが開かれた。長野駅前でチラシを配ったり、街頭で歌を歌ってキャンペーンを手伝ったのが福祉との出合いだった。その後、美術専門学校で学びデザイン事務所に就職した。その後結婚して子育てに取り組む中、福祉と関わる気持ちは絶えず心の中に生きていた。
「ささえ愛あさひ通信」
主に取り組んでいる活動に、2か月に1回発行している「ささえ愛あさひ通信」がある。令和2年に、地域の力を育てたいと、峯村さんを含む6人の編集委員がこんな願いを込めて立ち上げた。内容は、だれでも集える朝陽地区の居場所の紹介や、講演会や会議のお知らせ、ちょっといい話などなど。峯村さんが力を発揮しているのが紙面を豊富に飾るイラストだ。似顔絵や地図、挿し絵、そしてクイズの創作。たとえば「そうじが好きな鳥って?」「よく転ぶ虫って?」など。峯村さんが脂汗をかきながら考えてイラストにまとめた作品だ。若いころ、美術専門学校で学んだスキルをフルに生かしている。
「ボラセン」との付き合い
長野市ボランティアセンター(ボラセン)内にあるかわらばん編集委員会のメンバーでもある。ここが発行している「ボランティアかわらばん」は、市内のボランティア団体の活動報告や居場所の紹介、講演会のお知らせなど8ページにわたって福祉に関する情報を豊富に掲載している冊子。毎月1回発行している。峯村さんは10数年前に参加したが途中でいったん中断、最近カムバックして、表紙のユーモアある似顔絵や中身のイラストをはじめ、レイアウトも担当、グンと親しみやすい紙面になったとの評判だ。
おとなの祭
毎月、石渡公民館に大勢の人が集まって童謡や唱歌、歌謡曲などを一緒に歌って楽しんでいる「童心に帰る夢賛歌」。コロナ禍以後、自宅に閉じこもりがちな高齢者などの交流の場を作ろうと、5常会の関保雄さんが呼びかけて実行委員会を発足させた。峯村さんは6人の実行委員の1人。毎月のお知らせ回覧のイラストやレイアウトに取り組んでいる。当日はもちろん椅子を出したり片づけたりもする。「おなかの中から声を出して、みんなと一緒に歌うのって楽しい。タイトルの通り童心に帰ります」と笑う。
民生児童委員
令和4年12月に請われて就いた。一人暮らしのお年寄りや障害のある人などの訪問や相談、見守り。そして子どもへの声掛けなどが仕事。1年に数回から月に2回訪問している。
福祉の原点、それは人を想うこと
定期的に公民館で開いている「元気はつらつ体操」「お茶のみサロン」など関わっているボランティア活動は多い。「やっていることは大変といえば大変。でもやりがいはあります。人と人とのお付き合いが好きだし、相手を思いやることが大切だと思っています」。峯村さんの話と行動は、福祉の原点とは人を想うこと、と教えてくれている。
(了)