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石渡写真クラブ例会(10月)=区文化祭展示作品紹介

石渡写真クラブ月例会(10月)=文化祭作品
 今回は、118日に石渡区公民館で行われた文化祭の展示作品を紹介します。原則この1年間に撮影、もしくは月例会に出品した作品で12点。サイズは四つ切り、ワイド四つで、プリントは写真表面が光沢よりさらに光った感じで見栄えのする「クリルタルプリント」。会場には20点が並びました。
 ここに紹介する作品は、展示作品と少しトリミングが違うものもありますが大筋は同じです。会員一同が汗を流した力作を講評とともに鑑賞してください。
 講評は、クラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
作品の中で、これまでの月例会に出品、「いしわた通信」の作品展で一度紹介した作品は、コメント、講評はだぶりますので省略します(HPの各例会を参照ください)。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【吉池 安雄】「旅立ちの準備」(戸隠森林植物園)=8月例会作品と類似。
講評:8月作品はアサギマダラを横から見ていますが、しっかり蜜を吸う様子を後ろから捉えています。浅葱色と模様がはっきり分かっていいですね。

「幻の蝶」(自宅)=5月例会作品と類似。
講評:5月の作品と比べると、こちらの方がリラの花やアゲハチョウも背景と分離しすっきりとまとまっています。

【宮澤 一成】「光の大地」(なばなの里・三重県桑名市)
コメント:国内最大級のイルミネーション!華やかな光の世界に包まれた感覚は、幻想的でまるで異次元の世界に迷い込んだ気分でした。
講評:コメントにあるように最大級のスケール感が、シルエットながら真ん中に横並びになった無数の人の波から想像できます。ぶれもなく、色彩を含め目の前の「異次元の世界」がそのまま素直に表現できました。

「こどもの特権」(南長野運動公園)=9月例会作品。

【広澤 一由】「左旋回した6地蔵」(栄村の国道117号沿い)
講評:栄村が地震に見舞われた際、ぐるりと回転して被災地を救ったとされるお地蔵様。当時は赤い装束と記憶してますが、白色に変わり、長い数珠もかけてもらい時の流れを感じます。地元に人たちの厚い信仰心が感じ取れます。

「紅葉の雲場池」(軽井沢)
講評:木々の葉が散り、やや遅めの紅葉ですが、天地をほぼ中央で上と下に分け、2分割構図で安定感ある構図にまとめました。点景として水面の水鳥も効果的です。ただ、下部左から中央にあるショウブの葉でしょうか、シルエットながら苦になります。

【早川 珠喜】「河川敷に咲く」(長野市村山)=4月例会作品と類似。
 例会作品と同じ場所の撮影と思われます。桜の満開の様子がボリューム感たっぷりと表現できました。人物配置が4月は手前左で大きめですが、今回の作品は向こうにいます。ご覧の皆さんはどちらがいいいと感じますか?比べてみてください。

「真夏の太陽」(石渡八幡神社)=8月例会作品。

【中島 弘】「春のお告げ」(長野市大岡)
コメント:過去1年間の中から1枚を選択した。コロナ禍のなか、来年は穏やかな春が到来することを福寿草に願掛けた。
講評:4月の例会作品の撮影場所、大岡の日方と思われます。一斉に花を広げたフクジュソウを1点だけにフォーカスを絞り、後はぼかすという絞りを開けたテクニックで心象的に仕上げています。この作品も右上から左下に斜めに走らせた「斜め構図」がいいです。春を待ち咲き始めたフクジュソウの満開でないところがよく、これから・・・といった息吹き、生命力が表現できました。

「彼岸花の咲く頃」(中野市豊田)
コメント:めっきり少なくなってきた「はぜ掛け」に彼岸花で彩りを添えた。
講評:刈り取られた稲の株やはぜ掛けが左上から右下にかけてカーブ曲線を描き、画面に動き、リズム感を生み出しています。彼岸花も、あぜ道いっぱいでなく、まばらなところが現実感を感じさせてくれます。

【竹内 一郎】「霧の白駒」(北八ヶ岳・白駒の池)
コメント:この日はあいにく曇り空でした。紅葉の白駒の池を撮りたかった。紅葉も少し遅かったようで、霧のかかったのも印象的でした。
講評:曇り空で、撮りたかった紅葉も・・・。これにめげずにいたら、思わぬ霧が巻いて「これだ!」とカメラを向けたところがいいですね。ただし、霧は対岸のはるか向こうで、もう少し長いレンズで工夫をし霧の感じを出すともっと印象深い作品ができたと思います。

「初夏の釣り人」(飯山市の北竜湖)
コメント:前作は湖上にヤナギの作品でしたが、釣り人を入れた作品にしてみました。湖上に映る新緑が印象でした。
講評:北竜湖の定番素材は、菜の花とヤナギの木、ボート。この三つをどう組み合わせるかにカメラマンは知恵を絞りますが、どう撮ってもだいたいは似た感じの写真で、「どこかで見たことのあるような・・・」。その点を避け、以前とは別の感じの絵作りに挑戦した意欲がいいですね。釣り人を点景に新緑を映し出した水鏡から、湖の静かさが伝わってきます。

【高山 三良】「見上げたモンスター」(石渡八幡神社)=9月例会作品。
 プリントサイズに合わせるため、9月例会作品とややトリミングが異なっています。比べてみてください。

「助かった!怖かったね」(石渡貯水池)=8月例会作品。

【倉澤 利和】「レンズボールの中の桜」(長野運動公園)=3月例会作品。
講評:レンズボール使用の初発作品。4月にはチューリップ、8月にはミニトマトと対象物を変えて追いかけています。花なら花にこだわって、いつか組み写真にまとめると面白いかも知れません。花でなく、人物とか動物とか被写体をバラエティーにする方法、あるいは、どこか同じ場所で定点観測をし展開してみる方法、いろいろと考えられます。知恵を絞ってもう一歩前へ。

「富士山さいこう」(朝霧高原)=2月例会作品と類似。
講評:2月例会の出品作品のもう一枚。右に人物群がいる(2月作品)かいないかですが、いなければいないで、すっきりした感じでいいですね。

【池田 治雄】「白糸の滝」(山梨県富士吉田市)
コメント:「白糸の滝」と称する滝は、長野県軽井沢町をはじめ熊本県、福岡市に存在するらしい。山梨県の「白糸の滝」は、無水の糸を垂らしたような姿がとても美しい滝です。しかもその水の殆どが崖から直接流れ出している。落差約20メートル、幅が200メートル。その名の通り、白糸のカーテンによって優美な滝である。雪解け水の滝は絶えることなく流れ落ちている。
講評:てっきり軽井沢の「白糸の滝」とばかり思っていました。どこの滝も目の前にすると、スケールの大きさに圧倒されますが、部分をうまく切り取ってまとめています。写真は引き算というお手本作品です。今度は、スローシャッターで水を流してみましょう。違ったイメージが出るはずです。

「鉄道むすめ『朝陽さくら』」(信大付属中学裏)コメント:今年は何回か足を運び、長電車輌を撮りました。特急車輌として、2系統「スノーモンキー・元JR東日本253系成田エクスプレス」、「ゆけむり・元小田急電鉄10000型HiSE」、他に普通電車8500系元東急電鉄、3500・3600系元営団地下鉄がある。今回の写真は車輌の側面に長電の「鉄道むすめ・朝陽さくら」の巨大なイラストが描かれた8500系車両を稲の刈り入れ時期をねらって撮りました。
講評:「鉄ちゃん」ならではの知識と、地の利を生かした作品に仕上がりました。中島さんの「はぜ掛け」同様に、そのうちこの田園の光景も姿を消すかも知れません。貴重な記録写真です。

【増田 今雄】「揺蕩(たゆと)う」(須坂市の臥竜公園・竜ケ池)
コメント:週刊長野の動植物シリーズで臥竜山でシダ類の写真を撮影した帰り。池のほとりに出ると、折からの強風で水際にいっぱいの散り花が寄せられていた。桜が有名なこの池は、水面を一面に埋め尽くす散り花は多くのカメラマンの格好の被写体となってきたが、この八重桜はあまり目にしたことがない。池のほとりから、ローアングルで花が風でぶれないようにパチリ。

「蓮台傘下」(木島平村稲泉寺)
コメント:カルチャーの写真教室で行った撮影会。ハスの花は満開で丁度見ごろだったが、花だけ撮っても図鑑のカット。トンボも思うように止まらず、下にいたアマガエルを点景に作画してみました。蓮は仏教と密接に関わる植物で、花、カエルの「命」と絡めながらシャッターを押し、タイトルも考えました。

石渡写真クラブ月例会(9月)作品

石渡写真クラブ月例会(9月)作品
 今回、クラブに新しく仲間入りした原芳幸さん(9常会)の作品が初出品されました。
 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。

 写真をクリックすると拡大して見えます。

【池田 治雄】「夜明け前」(長野運動公園)
コメント:台風10号が去った翌日、いつものように早朝からウオーキングに出かけた。片手にカメラを持ち運動公園のケヤキ通りを歩いていると、東の空が明るくなって日の出間近である。急いでカメラを構えてシャッターを押した。先日の講習会で得た知識を基にシャッター優先、絞り優先、Pオート、いろいろ操作を変えて撮っては見たが、構図、撮影タイミングが難しい。
講評:見事な朝焼けですね。早起きは三文の徳、ラッキーチャンスでした。講義で勉強したことを早速実地に生かしてもらいありがとうございます。何事もそうですが、頭の中では分かっていても、いざ目の前で実行しようとするとなかなか思うようにいかないのが常です。しかも、このようなシーンは刻一刻と変化して過ぎ去ってゆく。あれこれ悩んで、カメラをいじっているうちにタイムアウト。「あーあっ、またいつか巡り合えるさ」と自分を慰めつつ・・・。しかし、それでいいです。さまざまな反省点を洗い出し、今後に生かしてゆくことが大切です。
 作品は、下方にわずか手すりみたいなものが写っていますが、多分、空の景色の素晴らしさに対し、画面の中に入ってくる下の部分が、構築物や電柱などがあり、煩雑で邪魔なものだらけーと悩んだと思います。一層のこと切ってしまえと、フレーミングもぎりぎり、もしくはトリミングでカットした形跡がうかがわれますが、ポジション取りに四苦八苦したことが想定されます。究極の所、下の部分がやや窮屈で、せっかくの朝焼けを相殺してしまいました。そこに住む人々の住空間を盛り込むと、朝焼けの雰囲気が出てグレードアップ。
 場数を踏むことしかありません。めげずに多くの経験を積んでいきましょう。

【高山 三良】「見上げたモンスター」(石渡八幡神社)
コメント:神社での写真教室で大木を見上げる角度で撮りました。その中に「顔」を見つけ組んでみると正にモンスター。
講評: 歴史を重ねた神社に林立するケヤキやクヌギのご神木。普段見慣れているせいかそんなに気に留めない木々ですが、大木のすごさに気付いたところがいいですね。後で気が付いたか、よく見ると目玉に見えることを発見。ややシルエットに近い感じでトーンを抑え、そのままタイトルにも生かしました。社叢にふさわしい木々、畏敬の念を感じさせてくれる組み写真となりました。下の1枚だけでもインパクトがあったかも知れませんが、逆に見る人に分かりにくかった場合は単なる“お遊び”に陥る可能性もあり、悩むところです。

【竹内 一郎】「月光」(自宅)
コメント:窓に怪しげな光を感じた。網戸越しの月が十字に映った。外で見る限り普通に見えたが、網戸越しだとご覧の通り。
講評:寝てもカメラを離さない!?ふと、網戸越しに見る光が異様に映ったものを即撮影、作品にしたところがいいですね。網越しでないと普通のこの光景は、私も、自宅寝室から見る隣の富士通長野の構内の街灯が網目越しに散光する様を「不思議だな」と感じました。つい、最近です。しかし、カメラを向けることなく、この作品を見て「やられた!」。何でもそうですが、一番最初にものにして発表した人の勝ちです。それが評価され上位に入ると、寄ってたかってみんなが真似をし似たような作品が応募されます。二番煎じといいます。感じたものにカメラを向け作品化したこと、脱帽です。周りには、いっぱい絵になる被写体がありますね。気が付く目を養っていきましょう。

【中島 弘】「ダムに沈んだ渓谷」(群馬県・八ッ場ダム)
コメント:建設可否で話題となった「八ッ場(やんば)ダム」が今年3月竣工しました。ダム湖に沈んだ「吾妻渓谷」の過去の写真を組み合わせてみました。
講評:この春完成したばかりなので、上のダムえん堤の写真がニュースといえばニュースなので上の位置に大きくメインに、というのはうなずけます。が、かつて話題になったダムとはいえ、写真的にはほかのダムえん堤とあまり変わらない印象です。むしろ、タイトルにもあるように、左下の渓谷の写真をメインに、上の写真とひっくり返した方がインパクトある組みになったのではと思います。今は、湖底に沈む山紫水明の渓谷が、今ここによみがえる。時を刻む、正に写真の持つ特性の出番です。

【早川 珠喜】「裏見の滝」(高山村松川渓谷)
コメント:真っ青な空、真夏の太陽がギラギラと注ぐも、林間にそよぐ風は肌にやさしい涼を届けてくれます。渓谷の滝を撮ろうと再び雷滝を訪れました。昨年とほぼ同じ時期ですが、シャッタースピードを少し上げ、弾け落ちる滝を撮ってみました。
講評:昨年8月の月例会作品と同じ場所の滝の作品。ほぼ同じアングルからだが、今回の作品は滝一帯の雰囲気は出ているものの、後ろ姿のカップルが「主題」のようで滝が沈んでしまい、やや中途半端な感じがします。前回はもっと人物が小さく、水が白く流れ落ちる感じの作品でした。高速シャッターで弾け落ちる滝を狙ったとありますが、もっと滝に迫って流れを止め、水の迫力を見せた方がダイナミック。さらに、この滝の特徴でタイトルにもあるように、「裏側」から見た滝を表現するのも一手。

【原 芳幸】「蝶のGO TO?」(長野市東和田)
コメント:寒冷紗の中の蝶。この後、畑の地主さんが来て、ネットが外されました。めでたし。
講評:この世に生まれ、子孫を残すために産卵するチョウたち。卵からふ化した幼虫が成長するのに困らないように、チョウたちは長い進化の過程の中で、それぞれが独自の植物に産卵します。食草といいます。キャベツはモンシロチョウの食草で、放置するとどんどん幼虫に食べられ、穴だらけに。卵を産み付けないように張ったネットなのに、その中に複数のチョウがいるとは何とも滑稽。チョウが分かりにくいので、もう少しチョウのいる部分をアップにした方がよかった。

【広澤 一由】「初貯水した八ッ場ダムの夏」(八ッ場ダム)
コメント:ダム無用論等で政治的にも話題となった群馬県八ッ場ダムのダム湖を、二分割構図で広大な景観を撮影しました。
講評:貯水した静かなダムを見ると、過去の論争時の喧騒ぶりが嘘のようです。雄大なダム湖の安定した景観ですが、もう一ひねり。すべては湖底の中かと思われますが、1枚の単写真で表現するなら、何か当時のものがあればそれを引っかける(絡める)、とか前景でも背景でも何かを盛り込む手法があります。「そんなこと言ったって何にもなかった」かも知れませんが・・・。あるいは、写真家や新聞社なら過去のものを時系列でまとめて組み写真、あるいはドキュメント風に写真グラフにまとめるという手もあります。まあ、大上段に構えなくても、足元の地区や場所、家庭などのさりげない光景を写し止めておくこと。これが写真の持つ記録性で、後々に生きてきます。重く考えないで気軽にカメラ片手に撮りましょう。細かいことですが、タイトルと場所両方に「八ッ場」が出てきます。どちらかは不要です。シンプルにいきましょう。

【宮澤 一成】「こどもの特権」(南長野運動公園)
コメント:猛暑の中、無邪気に水浴びをする子供たちが、あまりにも気持ちよさそうなので、思わず撮影しました。私も一緒に入りたかったな。
講評:猛暑の中、水を浴び生き生きとした子どもの表情をシャッターチャンスよく止めました。「あまりにも気持ちよさそう」と感じた感性がそのまま出ています。笑顔、挙げた右腕、高速シャッターで静止した水、周りを廃しうまくトリミングしています。どんな場面でも言えることですが、この手の人物がらみの写真撮影では、人のちょっとした表情、目の動き、手や足の動き、周りの人物との関わり(絡み)、動感などによく注意してシャッターを押すことが肝要です。よく観察してください。そして、これはというチャンスがあったら、シャッターは惜しまず押しまくってください。そういうシャッターチャンス、場面、被写体を見つけ出す勘所を養うことが大切です。コロナ禍がまだ続きますが、イベントやお祭りなどが少し緩和、開催されるようになってきました。まず、ズクを出して足を運ぶことが大切です。

【吉池 安雄】「食事に夢中」(石渡の自宅)
講評:きれいなものには・・・。ガの幼虫と思われ、ネットにて検索しました。トビイロトラガの幼虫と思われます。スマホ撮影とのことですが、クローズアップに強い機能をうまく使いこなし撮りました。シャッターチャンスも、もぐもぐと葉を食べる口の動きがよく分かり、タイトル通り「夢中」の様子が捉えられています。ただし、大伸ばしプリントには、ピント、粒子など細心の注意を払い精査の上ラボに出してください。

 

石渡写真クラブ月例会(8月)作品

石渡写真クラブ月例会(8月)作品 
 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【吉池 安雄】「旅立ちの準備」(戸隠森林植物園)
コメント:俳句仲間と戸隠高原へ吟行に行ってきました折に偶然にもアサギマダラ蝶に遭遇、句作そっちのけで蝶を追いかけてました。こんな機会めったにないものですから。
講評:はるか南方まで1000㌔単位の長旅をするチョウ、アサギマダラ。大型で,独特のアサギ色がきれいで、出会うとつい追いかけたくなるチョウです。句作そっちのけで追いかけた甲斐あり、ヨツバヒヨドリの花で旅の養分をたっぷりと吸う姿をしっかりと捉えています。吸っている間は瞬間的に飛翔も止まるのでシャッターチャンスですね。今度は、羽をバタバタやって飛んでいる瞬間にも挑戦してみてください。動感が出ます。でも、撮れたと喜んでいる作者の姿が思い浮かびますが、さて本題の句は?

ところで、写真と俳句をコラボした新アートがあります。
【フォト×俳句】
 かつて信毎で「フォト×俳句」という欄を設け、毎週作品を募集、上位作品を紙面掲載していたことがあります。写真作品に俳句を添え、ともどもに共鳴し合う新しいジャンルの芸術作品です。通常は写真説明(タイトル)が付きますが、この説明を俳句に置き換え、見る人に写真と俳句のイメージをコラボして鑑賞してもらうというものです。
 発表形態は、プリント写真の中に、うまく俳句が収まるスペースがあれば俳句を埋め込む。あるいは、写真とは別に俳額を写真額とともに並べるという手もあります。
 残念ながら10年ほどで、紙面掲載は終了しましたが、写真の延長線上にある芸術と思います。機会があったら挑戦してみましょう。

以下、信濃毎日新聞掲載の説明です。ご参考まで。
フォト×俳句とは
 写真と俳句を組み合わせて一つの作品として楽しむ新しいアートです。信濃毎日新聞では、「フォト×俳句(ふぉと・かける・はいく)」と名付け、2008年7月、全国の新聞に先駆けて投稿欄を新設しました。毎週木曜の「フォト×俳句」欄に作品を掲載しています。投稿は全国各地から寄せられ、愛好者の交流も徐々に広がっています。
 写真と俳句のコラボレーション作品は、「フォト×俳句」のほかにも、写真月刊誌「フォトコン」や下野新聞(栃木県)に連載中の「フォトハイ句」など、さまざまな呼び方がされています。季語が入らない五七五を使った作品もありますが、全国フォト×俳句選手権や信濃毎日新聞紙上では、写真と組み合わせるのは俳句に限り、季節感を大切にした作品づくりを広めています。

【宮澤 一成】「コロナ禍にまけず イザ ながの甲子園」(南長野運動公園)
コメント:新型コロナの影響で、夏の甲子園大会が中止となり、高校球児の無念さは、量り知れませんが、代替大会として長野県大会が開催されることとなりました。昨年度甲子園大会に初出場した飯山高校ナインの初戦に向かう様子を撮影しました。
講評:新型コロナも今後どう推移するか分かりませんが、この作品を何年か後に見た時、不思議な光景だなと思う人が少なからずいるはずです。なぜ、真夏の暑い時期に、風邪やインフルエンザ流行期の冬でもないのに全員がマスク?。コロナ禍を知らない人でも、何となく異様な光景に気付くはずです。そういう時代背景を盛り込んだ記録性のある1枚です。ただ、狙った瞬間、シーンとしては確かにコメント通りですが、やや説明的ですね。もっとアクションとか表情とか、高校生らしい球児らしいものなどが画面に出てくるとよかったのではと思います。少しずくがいりますが・・・。

【広澤 一由】「緑の涼しさ満喫」(菅平「唐沢の滝」)
コメント:根子岳西斜面を水源とした唐沢川の滝は、落差約1m、巾約10m。水しぶきがミストとなり、緑に囲まれた森の中の滝を見て、快い涼しさを満喫できました。猛暑の下界とは別世界!!
講評:道路から少し入るだけでこのシーンに遭遇できるお奨めのスポット。近づくと水しぶきが乾いた肌を心地よく潤し(長時間いると濡れてくるので注意)、まさに真夏にはうってつけの別天地です。時間によっては水しぶきに虹がかかり、周りの木々も春夏秋冬姿を変え絵になる滝です。作品は、もう少し周りの木々、緑を入れ込んで、滝はもっと小さく、右手前に流れてくる水流をもう少し入れるとスケール感が出ました。

【早川 珠喜】「真夏の陽光」(長野石渡神社)
コメント:石渡神社境内。大木が林立し、木々の間から青空がのぞき、夏の太陽光が燦燦(さんさん)と降り注いでいました。木々の青葉から覗く、夏の強い日差しを、体をぴったり木に寄せ、カメラを真上に向けて撮影しました。
講評:背景の木々の葉がほどよくつぶれ、陽光を引き立てるのに役立ちました。コメントにあるように葉の間からのぞいた空も見え、主題の陽光を注いでいる真夏の太陽を連想させてくれます。いろいろなものがそれぞれ適切な露出バランスで並び、陽光がまさに神々しく輝いて見えます。

【中島 弘】「岩陰の妖精」(湯の丸高原)
コメント:湯の丸高原、池の平湿原のコマクサを撮影しました。コマクサの群生が見事でしたが、岩陰に凛として咲くコマクサの姿を撮りました。拡大トリミングしました。
講評:構図的には典型的な「日の丸構図」です。主題を「日の丸」位置に置き、見る人の目を瞬時にそこに引き付ける効果があります。やや望遠系で、手前の岩を前ぼけで配置、向こうのぼけも相まって、主題に目線を誘導しています。背景処理もすっきりと、どこか創作したスタジオのようでシンプルです。拡大しトリミングとのことですが、遠くのものでもよく見つけまとめています。拡大を想定しデータ量をアップすれば、大伸ばしにも耐えられますね。そうしたら、トリミング方法ですが、背景を半分くらい減らし、下の部分をもう少し入れた感じ、つまり花をもう少し上にすると、ダイナミックさは落ちますが落ち着いた安定感が出てきます。お試しを。

【倉澤 利和】「美味しいかな?ミニトマト」(自宅畑)
コメント:ミニトマトがたくさんなっていましたので、ただ撮るのではなくレンズボールを通して撮ってみました。トマトの種類はわかりません。
講評:そうですね。鈴なりの見事なミニトマトを見せられても、タキイ種苗のPR写真?になってしまいますね。少しでも作品としてお披露目したいと考えた末、ひらめいたアイデアが恒例のレンズボール。何か風船に閉じ込められた別の世界のような雰囲気が出ました。逆さまというところも面白い。惜しむらくは、ボール内のどこかに、いつもの猫とか犬とか、母上とか、孫とか・・・点景を入れるとさらに面白味がアップしました。

【高山 三良】「助かった!怖かったね」(石渡貯水池)
コメント:7/21の豪雨で貯水池は満水。貯水池の柵が避難場所に。翌朝カメラを向けたが、怖かったのか身動きしなかった。
講評:貯水池の中の草むらが生活場所の生き物たち。突然の豪雨で避難、一カ所に集まった生物を発見、作画しました。小さなものをよく見つけました。よく見ると、イナゴ(バッタ?)のほかに右下にはアマガエル、上の方にはテントウムシもいて、まさに「ノアの箱舟」。2枚の組みですが、やや似ている感じでどちらか1枚の方でもよかったかも知れません。あるいは、1枚は虫のどアップとか、環境を分からせるような背景を取り入れたセミロングなど別カットにしたら組みの効果出たと思います。

【池田 治雄】「緑のカーテン」(自宅ベランダ)
コメント:今年も暑い夏がやって来ました。エアコンに頼ってしまいがちですが、夏を快適に過ごし電力消費や環境にも配慮したアイテムとして定着しつつあるのが、「緑のカーテン」です。植物の力を利用して夏の日差しや熱を防ぐことで室内の温度を下げる効果があるそうです。初めて、ゴーヤで「緑のカーテン」を作ってみました。
講評:涼し気な緑のカーテン。外側と内側から見た組み写真でまとめています。上右と下左のカットが似ていて、どっちか一枚。それと、内側からのカットは、例えば思い切って、斜光され涼しくなった?部屋の雰囲気を少し入れながら、生活感の出た1枚にするとアクセントが付いたかと思います。さらに、思い切って副産物の「ゴーヤチャンプル」などを取り入れたカットを遊び心で・・・という手もありかな?

石渡写真クラブ例会(7月)作品

石渡写真クラブ月例会(7月)作品
 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

 今回(7月)は、4月から3カ月・3回のオンライン例会から久しぶりに一堂に会しての例会を開きました。
 新型コロナウイルスも、一旦は収束に向かうかなと思われましたが、「GO TO キャンペーン」に突入して徐々に勢力を盛り返しているようです。しかし、自粛ばかりでHOMEにこもりきりは、かえって心身に悪影響を及ぼすのではないかと私は考えます。その解消策にうってつけが写真です。団体での撮影会や人気の被写体にどっと集まる場合など要注意のケースもありますが、個人個人で独自の動きができるのが強みです。いずれにしろ、万全の予防策をし、外の空気を吸いながらシャッターを押しに出かけましょう。
 今回から、9常会の原芳幸さんが新しく仲間に加わりました。楽しくやっていきましょう。(増田)

【吉池 安雄】「令和元年の夏山」(飯綱山より)
講評:山頂近くから見下ろした長野市街地、続く東山の連山。そして、峰や空にたなびく雲。手前の笹の斜めのラインと向こうの連山の真横のラインが画面にリズム感を生み出し、雄大なスケール感が出ました。元気で登った吉池さんの感動が伝わってきます。

【宮澤 一成】「あじさい寺」(知識寺=千曲市上山田)
コメント:梅雨と言えば紫陽花ではないかと、安直な思いで撮影に出かけました。憂鬱な梅雨時に花を咲かせる紫陽花を見ると、気持ちが安らぎます。
講評:主題のアジサイを前景に、かやぶき屋根の寺、境内の灯ろう、上に覆いかぶさる樹木の緑と卒なく画面をまとめています。常套句ですが、参道に花見客とか、寺のお坊さん、犬、猫など何か点景が入るとよかったと思います。

【広澤 一由】「世界を航海したい!」(富山県射水市海王町)
コメント:かつて海底電話ケーブル設備部門に勤務したことがあり、4,000トンもある大きなケーブル布設船にて横浜から沖縄まで航海したことがあった。目の前で大きな船を見ると海への憧れが蘇った。
講評:仕事で乗った船への思い出、憧れからシャッターを押したとのことですが、その思いが伝わってくる気がします。斜張橋を背景に係留する帆船「海王丸」の雄姿が印象的です。奥の残雪を抱いた北アの峰々がくっきりと見えるとよかった。

【早川 球喜】「紫陽花の咲き誇る参道」(長野市若穂綿内蓮台寺)
コメント: 7月4日付けの市民新聞に〝浅川マレットゴルフ場のアジサイは今年も見事に咲き誇っています〟との記事を見て、さっそく蓮台寺に出掛けてみました。当日は、薄曇りでしたが、まずまずの天候でアジサイを見に来られた方もちらほら。たまたま撮影スポットに居られましたので、背景に撮影してみました。
講評: 古刹、蓮台寺の歴史を感じさせる参道の石段。そこを花見客の家族連れ、撮影に訪れたカメラマンを点景にまとめました。ただ、奥さんの表情が見えない、カメラマンの視線がカメラ目線とシャッターのタイミングが、もう一瞬この後の方がよかったのではと思います。フォーカスが点景人物にきているだけに、余計そう感じます。逆に、フォーカスが手前のアジサイだったとしたら、人物は添え物となるので、顔が見えなくても、こちらを向いていてもあまり苦になりません。

【中島 弘】「先が見えた」(白馬村白沢洞門)
コメント:トンネルの先の光景を、コロナ禍の自粛規制で閉塞感漂う気持ちに重ねてみた。
講評: 画面の中に被写体をどこに置くか、またどう構築するか・・・など鑑賞する人に効果的に物(被写体)を配置することを「構図」といいます。日の丸構図、斜め構図、アルファベット構図、三角構図など基本的な構図がいろいろとありますが、その中に「トンネル構図」OR「囲み構図」というのがあります。見てもらいたい、強調したい被写体を、この作品のようにまさにトンネルで囲むもので、見る人を即被写体に引き込んでゆく(目線を誘導する)という効果があります。また、トンネルのこっちは現実で、その向こうは理想郷といいますか夢の世界といいましょうか、そんな二つの世界を連想、連結させる効果もあります。
さて本題。コメントにある通り、もやもやとした抜ける道が見つからない自粛から、パッと開けたその向こうに一縷(いちる)の希望といっていい、明るい世界を感じた作者の心情がそのまま表現されていると思います。暗から明へ、的確に感じたものを即作品にした感性がいいです。ただ、少しトンネルの暗い部分が多めでもう少し削ってもいいかなと思います。それに、白馬連峰の大自然に対しポツンとある車は邪魔のような気がします。

【竹内 一郎】

「スイッチバック」(姥捨駅)
コメント:姥捨といえば冠着山のスイッチバックを思い出す。駅舎だけでも?
講評:駅舎の写真ですが、タイトルの「スイッチバック」とやや結びつきが希薄のような気がします。作者の思い出はコメントからよく理解できますが、写真の場合はより具体的にその思い出に合った、あるいは連想させるものを探し写真に盛り込むことが大切です。が、それには手間暇がかかりますね。では、どうしたらいいかですが、目の前にある駅舎を撮ったとすると、それに沿ったタイトルを考えてみたらいかがでしょうか。「姥捨」はスイッチバックのほか、数々の俳句、棚田などを連想させてくれます。

【高山 三良】「こびとの園」(吉田)
コメント:居住者不在と思われる家の庭にもほうき草が成長しマリーゴールド、コスモスも加わってメルヘンチック。
講評:手前のほうき草が印象的ですね。やや望遠系レンズの効果でぼけ具合がいい感じで、おとぎ話の中の子どもたちがそこにいるような作品になりました。「何かを目の前にした時に、“何か”を感じる感性を養うよう心掛けましょう」という写真をやる人のお手本の作品です。

【倉澤 利和】「咲きましたアサガオ・元気でいます、我が家のペット。(犬-ソラ・猫-カイ)」(自宅)
コメント:久々のペットの登場です。夏日差し除けに植えたアサガオの向こうに二匹のペットがいたものでカメラに収めました。
講評:久々にあか抜けた都会っぽいムードの作品に出会えた気がします。画面内にうまく分割したネット、3つの赤い花の位置、そしてよく見ると向こうにペットが・・・。身近なところにあった被写体をうまくまとめ、生活感たっぷりに表現できました。しかし、タイトルが長過ぎます。作品を最大限生かす、もう少しコンパクトな、気の効いたものを。

【池田 治雄】「薔薇と庭の花」(自宅)
コメント:4月になると薔薇の芽吹きが始まります。今年も綺麗に咲かせるために、早朝から消毒をしました。5月、6月に渡り見事に咲きました。また、薔薇の他にも綺麗な花が咲きました。何百回とシャッターを切りましたが、なかなか満足する写真が撮れないです。今回は、我が家の花の紹介になりました。
講評:♪♪バーラが咲いたー、バーラが咲いたー、真っ赤なバーラがー♪♪フォークソングの草創期、マイク真木の歌を思い出します。前回に続いて、バラをモチーフにした組み写真です。コメントにある通り、消毒をし手塩にかけただけに生きのいいバラがずらりと並びましたね。色バランスも考えて並べてありますが、追加?の下の方の花々は組み写真としてはやや統一感に欠けると思います。バラだけで、サイズや並べ方、花の数やアングルなど工夫をして組み写真にするとすっきりとまとまり感が出ると思います。バラとじっくりお話をしてみてください。

 

石渡写真クラブ月例会(6月)作品

石渡写真クラブ月例会(6月)作品
 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

 今回(6月)も新型コロナウイルス感染の状況判断から例会は中止。中島弘クラブ長さんが作品データを各位から収集、講師にメール送信、講評などを添付した作品を区の「石渡つうしん」にアップするオンライン例会です。3回目となります。
 非常事態宣言も解除、さまざまな場所で様子を見ながら徐々に元に戻す動きが加速しています。しかし、東京で再度盛り返しを見せ、収束への道は険しいことを実感します。
 腰を引いているばかりではなく、最大限、新しい様式を取り入れながら「WITH コロナ」、前向きに取り組んでいきましょう。

【池田 治雄】「ツツジと薔薇」(自宅)
コメント:我が家の庭に、ツツジの花が4月中旬から咲き始め、GWの頃に見頃を迎えました。薔薇には、①四季咲性(1年を通して繰り返して咲く)②繰り咲き性(繰り返し咲くことが有る)③1季咲き性(1年に1度5~6月に咲く)と)と3タイプがあります。四季咲き性品種は、花を繰り返し楽しむことができます。通年花を咲かせるためには、その分、肥料の回数や剪定回数が多くなり、こまめな病虫害対策が必要ですが、毎朝、見事に咲いた薔薇の花を見るのが楽しみの一つとなっています。
講評:ひと言、カラフルですね。丹精した花々は、歌の文句ではありませんがそれぞれが個性的で、その表情が色とともに表現されています。別格ツツジをメインにバラは同格でほぼ同じサイズで並べ、作者のバラへの「平等感」が感じられます。どのカットも、庭を感じさせるものが皆無で工夫の跡が感じられます。

【倉澤 利和】「美味しい蜜の味(3密ではありません)」(真光寺ループ橋下)
コメント:新型コロナの影響で撮影に行く気分になれず? 先月同様に過去の写真より選びました。コロナの早めの終結を祈り色々な蜜を吸いに行きたいです。 洒落で、美味しい[蜜]の味(3[密]ではありません)としました。
講評:人間界のコロナウイルス騒動、どこ吹く風?きれいに咲いた花に蜜を吸いにきた蜂に、思いを寄せた作品。過去の写真と、今の心境を織り交ぜての出品で、こんなご時世ならではの作品。早く、みんなで蜜を吸いに行きたいですね。

【高山 三良】「整列っ!!」(南堀附属中学北)
コメント:敷き詰めた畳表を止める金具の先の「ダイダイ」が茄子の畝とともに整列していました。真ん中の直立したスコップが司令官のよう。
講評:面白い素材を見つけました。野菜作りは雑草との 闘いですね。廃物の畳表とナスの畝がいっぱい並んで見事。それにしても、並べて、舞わないようにオレンジ色の金具で止め、ご苦労様ですね。コメント通り、スコップ=人、みたいに思え、人がいないのにいるようで、その労苦がしのばれます。

【竹内 一郎】「初夏の湖」(野沢北竜湖)
コメント:スマホで長野の撮影スポットの中に北竜湖があり行ってみた。すごく良かった!鏡に映る場面を撮りたかった。風が出るとさざ波になり釣り人も入った写真を撮ってみたが、ポイントとして入れた方がいいのかな?
講評:「すごく良かった!撮りたかった」というコメント通り、作者の感動がそのまま素直に表現できました。山紫水明と言われる言葉そのもの、湖のみずみずしさや水鏡に映し出された様子が無風状態を物語っています。静寂さを見る人に訴える作品となりました。湖上の左のヤナギの木もアクセントとしていいです。ただ、左上と右上あるちょっとだけの木の枝が邪魔といえば邪魔。入れない方がすっきりします。コメントにある質問ですが、さざ波の場合は逆に「静寂」から「動」に転じます。従って釣り人とかボートなど点景を入れた方がいいですね。

【中島 弘】「青空に身をまかせ」(戸狩)
コメント:人間社会のコロナ騒動をしり目に淡々と咲く小菊(?)に心を癒された。カメラを買い替えチルト式モニターでローアングルが撮りやすくなりローアングルから青空に映えるよう狙ってみた。
講評:マーガレットでしょうか、真っ青な空に映える白色が印象的です。本来なら、小さいものをローアングルで“見上げる”には、地べたに這いつくばってファインダーを覗きながらの撮影となり大変です。先日も、高さ20㌢ほどのトキソウを撮りにいきましたが、ビニールシート持参です。便利になりましたが、液晶画面でのピント合わせ(かと思いますが)、早く慣れてしっかりとしたピントを忘れずにお願いします。この作品がピント悪しではありません。

【早川 球喜】「夏にかまくら?」(飯綱町霊仙寺湖)
コメント: 撮影地を探していましたら「かまくら」の様な白いテント群を見つけました。ここは、霊山寺湖の隣にあるゴルフコースのゲストハウスの庭。(以上前段のコメント。以下、修正) 先日お送りしましたコメントが私の勘違いで間違っておりました。6月19日付け信毎の地域欄に、「宿泊やアウトドア体験を楽しめる〞グランピンク〟施設とのことです。
講評:いやはや、勘違いとはいえ面白い素材を見つけ、すかさずシャッターを押したところが評価されます。写真を撮る前に、「いいなー」、「素晴らしい」的な感動がありますが、ほかに「あれ、何だろう」、「見たこともない」的なものもあります。いずれも、写真に撮って第三者に伝えることは同じですが・・・。昔、白い装束を身にまとった変な集団が新聞をにぎわせたことがありましたが、それをふと思い出しました。渋いトーンの仕上がりに、何か別世界のものを見ている気がします。

【広澤 一由】「“ど根性つつじ”今年も咲いた!」(石渡区内・ころぽっくる南の市道脇)
コメント:コロナ禍で落ち込んでいる世間を励ますがごとく咲いた“ど根性ツツジ“。
講評:長~い筒の上のわずかな光を求めて何年かかったことでしょうか。やっと出口に到達し花を咲かせることができました。そして今年も。「私も頑張った。だから、みんなも(コロナに)負けないで・・・」と感じた作者の思いが伝わってきます。が、せっかくの花がやや目立たないのが残念。ワイド系レンズでぐっと近づいてデフォルメして強調するか、この画面のままだと少しトリミングして周りをカットするといいと思います。(先日、植え込みの剪定が実施。行ってみたら、間から伸びたわずかな枝もぎりぎり切られていました。花はありませんが、24-85ミリレンズの24㎜で近づいてみた作例を並べてみました。ご参考に)

(講師作例)

【宮澤 一成】「自粛!自粛!」(善光寺山門)
コメント:「こつがいちょう」。6月7日(日)、亡き父の供養(骨開帳)のため善光寺を訪れた際、あまりの人出の少なさにビックリして写真を撮りました。 緊急事態宣言解除後、2度目の日曜日なのでもう少し参拝客がいるのではないかと思っていました。宣言が解除されたとはいえ、皆さん「自粛」を心がけていらっしゃるのでしょうか。私も皆さんを見習って「新しい生活様式」を心がけ、生活していきたいと思っています。そして、一日も早く元の状態に戻って、再来年の「善光寺御開帳」が盛大に催されることを楽しみにしたいと思います。
講評:善光寺へ納骨、ご尊霊を極楽浄土へと導くとの「骨開帳」。仏事とはいえ初めて知った言葉で、ひとつ勉強になりました。

<写真力>
写真をやっていると、さまざまな風景、光景に出合えることのほか、このようにいろいろな事を知る、勉強できるという利点があります。それは撮影者本人は当然ですが、撮影した作品を見た人にも波及しますので写真の持つ力だと思います。大いに脳活性化、認知症予防にも役立ててください。

 さて作品ですが、訪れた善光寺で、こんなコロナ禍の最中に出合ったいつもと違う光景を目の当たりにし、その光景を一枚の写真に記録した貴重な歴史的なひとコマ、報道写真といえます。きちんと撮影年月日、場所、撮影者名、簡単な説明を添え保存しておいてください。右の一団が全員マスクだともっと価値が出ました。

【吉池 安雄】「箱入り娘の逃避行」(梅園団地北尾張部)
コメント:
講評: コメントもなく、写真とタイトルを合わせて考えましたが・・・。コンクリートの向こうが我が家で、そこには目に入れても痛くない娘が。親はそれはそれは溺愛という言葉がふさわしいほどに大事に育てていましたが・・・。こんな筋書きで勝手なストーリーを組み立ててみました。想像力をたくましくしてくれる物語り的な作品です。

石渡写真クラブ例会(5月)作品

石渡写真クラブ月例会(5月)作品
 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

 今回(5月)も新型コロナウイルス感染の状況判断から例会は中止。中島弘クラブ長さんが作品データを各位から収集、講師にメール送信、講評を添付し区のHP「石渡つうしん」を仲介のオンライン例会です。
 今回から、新しく第7常会の宮澤一成さんがクラブに参入、写真活動をスタートしました。ともに、写真を通して楽しくやっていきましょう。
 コロナ禍は非常事態宣言が解除されましたが長引きそうです。新しい生活の中に、写真(撮影)も取り入れ工夫しながらコロナもびっくりする作品を作り上げて参りましょう。(増田)

【宮澤 一成】

「丹霞郷からの黒姫山・妙高山」(丹霞郷)
コメント:初めての出品です。宜しくお願い致します。
講評:桃の花のタイミングよく、天気にも恵まれ空気感のある作品になりました。が、画面がほぼ上下半分に割れてしまい何となく印象を弱めています。いい雲にも恵まれましたが、その上の青空部分が多いので半分ぐらいカット、その分下の桃を入れましょう。すると、比率がやや下の方に重きが行き安定感が増してきます。そして、タイトルと場所ですが、「丹霞郷」がだぶっています。どちらかを落とす工夫をしてみてください。

【吉池 安雄】

「五月の天使」(石渡=自宅)
コメント:全く偶然に美しい揚羽蝶が我が家の満開のリラの花を訪れてくれ、コロナ禍も吹き飛びました。
講評:うまく花に止まったところをタイミングよく撮りましたね。リラの密集した花もボリューム感があり、向こうの陰になった部分とワン、ツーできれいです。ただ、(辛口評になりますが)、少し拡大してみるとフォーカス(ピント)はリラの花の下の辺に合っていて主題のアゲハに来ていません。四つ切りぐらいにプリントすると・・・。スマホですか?絶好のチャンスだっただけに惜しまれます。でも、懲りずにこの瞬間を見つけた感覚、感動は忘れずに、次に生かしましょう。

<常に感動する心を。常にカメラを>
 よく「あっ」という瞬間が、写真をやっているとあるものです。そんな時に限って「写すカメラがない」、「遠すぎた」、「ぶれちまった」です。写真は、瞬間のものもあれば、じっくりと静止した流れのものもありますが、何より「あっ」という感動、思いがまず大切ですね。その次に、その感動をものにする機材(カメラ)がなければ話になりません。常に何かいいものが目の前に現れるかなという頭の中のソフト面、そして、それを形にするカメラの携行を心掛けましょう。

【広澤 一由】

「桜満開なのに!新型コロナの春」(長野運動公園)
コメント:新型コロナウイルスで閑散とした桜満開の運動公園、例年とは違い、寂しい限りでした!!
講評: 寂しいサブグラウンドですが、地球規模の騒動をよそに満開になった桜。「植物界はコロナなんて関係ありませんね」と言っているようです。青空部分に右下から斜めに幹を置いた構図は満点ですが、午後の日差しでしょうか、やや桜の花が陰になり冴えない感じです。この距離ですと一発ストロボという手もあったかなと思います。カメラのポップアップの小型でも効果が出ることがあります。いろいろと試してみましょう。

【早川 球喜】

「青空に向かって咲く」(飯綱町地蔵久保)
コメント:先日、用事があって生家にいったとき、帰りに桜が綺麗に咲いていましたので、撮りました。全国的には、ソメイヨシノが多く、花が垂れているように咲きます。(知識不足で違いかもしれません)この桜は、空に向かって咲く「地蔵久保のオオヤマザクラ」で、平成17年3月に「長野県天然記念物」に指定されています。
講評:今から40数年前でしょうか、この3倍以上の枝ぶり、満開ぶりで新聞にもモノクロですがどこかに掲載されているはずです。「地蔵久保のオオヤマザクラ」です。昔の姿を知るだけに、万物に永久はない、栄枯盛衰を感じさせてくれます。それでも、頑張って巡る今年も見事な色の花を付けた老木の現実の姿を見事に捉えています。左下にあるイチイの木から右上に斜めに上りあがる構図がリズム感を演出。右下にある向こうの樹木もさりげなく、上がった頂点から右下へ目線を誘い効果的です。

【中島 弘】

「たんぽぽジュータン」(飯山市郊外)
コメント:タンポポの群生に遭遇し、ボリューム感と広がりを出せればとローアングルで狙ってみました。      
講評: 繁殖力旺盛なおそらくセイヨウタンポポと思われます。在来のシナノタンポポはいつの間にか侵略され、里山にひっそりと生き残っています。セイヨウタンポポの繁殖力のすごさを感じさせてくれます。立った目線位置だと説明的になってしまいますが、しゃがんで工夫したところがいいですね。タンポポの形が分かる手前から、その向こうの群生の重なった黄色、さらに場所の環境と青空・・・。遠近が効果的に出たと思います。今度は、綿毛の飛び立つ頃、一斉に青空一面に綿毛がふわーっと舞い上がる瞬間の作品が見たいですね。タイミング、風向き、天気具合と難しいテーマですが・・・。

【竹内 一郎】

「裸体?」(自宅の松の木)
コメント:なにげなくカメラを向けたら女性の体にみえた!
講評:うーん。下から太もも、くびれた腰、腕、そして・・・。見えてきました。世の中、神羅万象、すべてが擬人化は不可能と思いますが、想像、予測などは人間の持つ特権かも知れませんね。そこを作品化することも、写真芸術のジャンルです。見る人を、「うーん」とうならせるのに十分な被写体でした。我が家の松の木、ばんざい。

【高山 三良】  

「藤のころ」(長野運動公園)
コメント:ストリートボールを楽しむ休校中の学生を藤棚の中から撮影。
講評:今年もきれいに花を咲かせたフジの花。フジの花の色を再現するのは結構難しいですが、うまく向こうのケヤキの新緑の緑と組み合わせ季節感とともにいい感じです。点景として新型コロナ禍でお休みの?子どもたちを入れましたが、ソーシャルディスタンスならぬ間隔が適度にあり、ゴールの瞬間のシャッタータイミング、子どもの格好も躍動感があっていいです。

【倉澤 利和】

「魅惑の小鳥ケ池」(戸隠高原)
コメント:昨年度撮影会時の作品。
講評:思い出しますね。昨年の撮影会「戸隠」の新緑の小鳥ケ池。手前のさざ波が初夏の季節感を存分に表現しています。さざ波と静止した水面、岸辺の新緑を三段構図でシンプルにまとめています。やや、色調がアンダー気味で新緑の緑色が冴えていません。もう少し明るめに加工してみましょう。

【笠原 美敬】

「初夏を思わせるクレマチス」(我が家の庭)
コメント:例年より暖かい日が続き、我が家の庭にクレマチスの花が咲いていたので、思わずシャッターを切りました。
講評:別名テッセン。いずれも、ヨーロッパからの園芸種ですが、実はこの植物の原種は日本。その名は「カザグルマ」といって、南信の山地で撮影しました。余談が先走りましたが、庭先での撮影なのでこのような撮り方でいいと思います。が、右端のシラカバ?の木が中途半端なので、思い切って入れるか、入れないのか、どちらかに。もっと近づいて花をアップに仕立てる方法もありますが、図鑑ぽくなってしまいあまり推奨できません。

石渡写真クラブ月例会(4月)作品

石渡写真クラブ月例会(4月)作品
 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 ※写真をクリックすると拡大して見えます。
 今回(4月)は新型コロナウイルス感染拡大に伴い例会は中止。今年度、クラブの部長役の中島弘さんがメールにて作品データを各位から収集、講師にメール送信のオンライン例会となりました。今後も予断を許さない状況ですが、感染に留意、運動不足解消を兼ねて作品作りに取り組んでください。(増田)

【笠原 美敬】「春爛漫」(長野運動公園)
講評:満開の桜の中をランニングする人たち。桜の向こうの家並みが、状況を説明しているといえば言えますが、ややうるさくも感じます。桜を浮き立たせるには、もっと接近して、背景を空にしてすっきりさせる(アングル選び)。または、絞りを開け深度を浅くするか、望遠系レンズを使ってうるさい感じの背景(家並み)をぼかす方法などがあります。
 少しワイド系で遠い感じなので、無駄と思われる部分をカット、トリミングしてみました(下写真参照)。今度撮る時は、場面や被写体が違っても、このように主題に近づくなり、望遠レンズで引っ張り込んでぼかす方法も試してみてください。

 

【倉沢 利和】「新型コロナウイルス感染拡大の中でも咲きます」(長野運動公園)
講評:レンズボール第2弾。今度は中の花がチューリップですが、前回よりピントがよく写り込みました。新型コロナは、人間は死に至るほどに苦しんでいますが、ほかの動植物には感染しないのでしょうか。そんな今どきの世相を盛り込んだタイトルですが、その思いを作品として表現することは難しいですかね?逆さに写っていて見る人に意表を突かせて面白いですが、第3弾は中の被写体が変わっただけではなく、そこから一歩違った作品になるよう工夫してみてください。
 
ボールを持つ指が何ともリアル過ぎなのと写り込みと実像がだぶる感じなので思い切ってトリミングしてみました(下写真参照)。

 

【高山 三良】「アネモネあらら?」(石渡)
コメント:アネモネの鉢植えです。上から見下ろす角度ですが、西日が手伝ってくれました。壁面に影が映り、どの花の影かわかりちょっと不思議です。
講評:そうですね。西日の斜光をうまく使って作画しました。いい写真の要素の一つが「光線」です。不思議な感動が上部に表現されていますが、さらに強い感じにするには思い切って「影」を中心にフレーミング(画角設定)してみると、また別の世界のような作品になります。下にトリミングしたものを添付しました。比べてみてください。

 

【竹内 一郎】「春風を腹いっぱいに」(野尻湖インター付近)
講評:前回、萱津さんの作品「妙高山の雄姿」とほぼ同じ場所、アングルですね。萱津作品は残雪を抱いた妙高山が主題でしたが、この作品は山は背景、主題は風をはらんで泳ぐ鯉のぼり。動感、スケール感たっぷりに表現できました。ガードレールをちゃっかり借りてポールをたてたところがユーモラスで目を引きます。
 このトリミングでもいいですが、下の道路がやや自然感からは離れ無粋な感じなのでカット、トリミングしてみました(下写真参照)。

 

【中島 弘】春の知らせ」(長野市大岡日方)
講評:思い切ってローアングルで迫り、残雪の北アルプスを背景に奥行き感も出ました。手前の雑草、背景をぼかした深度、レンズの使い方もよく主題のフクジュソウが強調できました。ただ、フクジュソウと背景の比率が画面半分で割れてしまい、主題を弱めています。左を少し詰め、フクジュソウを7割ぐらいに配置すると主題がもっと強くなります(下写真のトリミング参照)。

 

【早川 球麿】「花見」(長野市村山)
コメント:撮影したところは、村山橋千曲川下流左岸の河川敷です。去年の10月の台風19号で津野地区で、堤防が決壊して大きな被害を受けたさほど遠くない所です。こんな所に10数本(数えた訳ではありません)の老木の桜の木があるとは、思いませんでした。昨年の被害がなかったように美しく華やかに咲いていました。
講評:ボリュームたっぷりに咲き誇る桜が画面の中の大半を占め、早川さんの感動、表現意図が見る人に伝わってきます。桜と点景人物との絡みもすっとリンクし、それぞれの人の動きもシャッタータイミングがいいです。何かを広げるご婦人方、もう座っている男性、腰をかがめてのぞくようなしぐさの人。左の枯れたやぶも、いち早く咲いた桜を引き立てて効果的です。

 

【広沢 一由】「堤防改修急ピッチ」(千曲川堤防・長沼)
講評:まだ表土が埋もれたままのリンゴ畑を前景に、その向こうで堤防の改修が進む。クレーンがその動きを端的に表し、左下にある菜の花で季節感、時の流れを表現しています。空の空間が多いのでトリミングしてみました(下写真参照)。

 

【吉池 安雄】「春の雪」(石渡区内)
講評:ぼつぼつ開こうかなと膨らみ始めた杏のつぼみに無粋な雪。斜めの幹の配置が画面にリズム感を生み出し、その太さとは対照的に小さく控えめに顔を出した数輪のつぼみがかわいらしく印象的です。背景の雨戸のようなものが苦になると言えば苦になりますが、「庭先ですよ」という環境を盛り込んだといえばそれまでです。が、少し深度を浅くしてもう少しぼかせば、環境を盛り込みつつ、主題を強調できたと思います。やや全体にアンダーなので、もう少し明るく、コントラストをアップ。

石渡写真クラブ月例会(3月)作品

石渡写真クラブ月例会(3月)作品を紹介します。
講評は、クラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
※写真をクリックするとサイズが拡大します。

 クラブ発足当時にともに写真を学んだ廣田美土里さんに代わり、クラブの紅一点萱津信子さんが今回限りで退会することになりました。
 お仲間になって早3年ですが、愛犬のほか、台風19号災害で活躍する自衛隊、幹線道路建設で道路下に眠る遺跡の発掘、若穂地区の道の分岐に立つ道祖神群、森のアンズの木の下の畑・・・。「あれ、何だろう」、「いつもと違う光景が」など何にでも好奇心を示し、レンズを向ける萱津さんの“目”はいつも新鮮で、豊かな感性はそのまま作品に現れ、例会で作品を見させていただくのが楽しみでした。積極的、行動的に素材を求めている姿がそのまま作品に現れていました。
 写真県展の審査員長の細江英公さんは、写真をやると齢をとらない、若返ると写真の効果を実証し一冊の本にまとめています。
 ①「何を撮ろうかな」と思考する(頭=頭脳を使う)。
 ②現場に行かなければ作品は生まれない(行動し身体を使う、動く)。
 ③仲間づくり、人とつながりができる(孤独にならない)。
などが効果的にできるとしています。
 ぜひ、無理することはありませんが、退会してもカメラを持ち歩くこと、興味を持つこと、レンズを向けることをお忘れにならないように。
 健康に留意され、創作活動を続けていかれますように。(増田)

【萱津 信子】「妙高山の雄姿」(信濃町)
 信濃町の野尻湖インター近くの道の駅から、目の前に残雪の雄姿を見せる妙高山に感動。下の樹林帯、山、青空の三段構図で安定感が出ました。主峰左は三田原山、右の山名が不明ですが、神奈山でしょうか。写真は山名ウオッチングも楽しみですね。花や木の名前、地名あらゆるものを知識として勉強できます。

【吉池 安雄】「ふくらむ桜の芽」(長野運動公園)
 運動公園、サブトラックを囲む桜の木。暗雲漂う早朝の雲を背に、ランニングする人物を点景に作画しました。「長い冬から早く桜の花咲く春に・・・」の期待がふくらむ作品です。

【早川 球喜】「雲間から朝日」(屋島橋)
 屋島橋のさらに東方、須坂、高山村の上部は志賀高原あたりでしょうか、山頂付近の雲間から顔をのぞかせた朝日が出た瞬間を捉えました。差し込んでふわーっと広がる黄色の太陽光線、橋の欄干を照らす朝の目覚めの瞬間を表現しています。中央の主要部分を中心にトリミングするともっと迫力が出ます。

【中島 弘】「今年の顔・芦の尻道祖神」(長野市大岡)
 「おらが村にはこんなにでっかい目、鼻、口を持った大きな・・・」と外からの疫病神を入れない、追い払うといわれる道祖神。そのユニークな顔にぐっと迫り、迫力が出ました。向こうの松の木でしょうか、神様の髪の毛のようにも見えさりげないアングル取りがいいです。

【高山 三良】「春眠所選ばず」(長野運動公園)
 運動公園サブトラック脇で春を告げる紅梅。まだ桜の花やケヤキの芽吹きには間があり、春を独り占めしている花の下、ベンチの上でこっくりしている人物を発見、すかさずパチリ。ちょうど樹木の根から枝分かれする起点に配し、一体感が出たように思います。顔の肌色が見えなければ分からない感じです。

【倉沢 利和】「レンズボールの中の桜」(長野運動公園)
 えっ、こんなガラスのオブジェがあった?奇想天外な発想がいいですね。コロナウイルスにめげず、今年も元気に咲いた桜ですが、どう撮っても「それだけ」の写真になってしまいます。綺麗は綺麗に写りますけどね。そこで、そこから一歩抜け出てみようとした心意気が感じ取れて好感が持てます。ただ、鏡とそこに写るものが画面の中にある場合、よくピントはどっちに?と迷います。作者の意図にもよりますが、普通は鏡の中に写る被写体に合わせます。鏡でもなく、実像でもありません。この作品は虚像に合ってはいますが、もう少し深度を深く(つまりF値を絞る)すると、背景の実像のぼけと分離しもっと印象深い作品にグレードが上がったと思います。

【笠原 美敬】早咲きの白梅」(地蔵寺)
 公民館の隣の地蔵寺境内でいち早く花を咲かせた白梅。ぱっと上に散らばるように咲いた花が青空に映えていいですね。アクセントに小さいながらカラスを写し込んだ(画面左)シャッターチャンスもいいです。できれば、もう少しお寺の屋根を入れるとよかった。

【池田 治雄】

「春が来た!」(自宅)
 我が家の庭先で見つけた春の花。春の代表的なサンシュユの木の花をメインに、色とりどりの植栽したものに加え、ツクシやオオイヌノフグリの野草も飛び入り、にぎやかな組み写真になりました。組み写真は大きさや並べ方を組み合わせると無限です。硬い頭を柔らかくし、効果的な組みに挑戦しましょう。奥は深いです。

 

 

 

 

 

石渡写真クラブ月例会(2月)作品

石渡写真クラブ月例会(2月)の作品です。
講評は、クラブ員講師増田今雄(5常会)さんです。

※クリックすると写真が大きく見えます。

【池田 治雄】

「北信州ローカル線が走る」(信大附属中学駅前付近)
 東の山を背景に、長電の列車を普通、スノーモンキーなど3つの特徴ある車両を組み写真でまとめました。ほぼ同一の位置からの撮影で、列車の種類、通過時間を調べ、足を運んだ労作。それぞれに色や形などの違いがあって興味深いです。

【笠原 美敬】「冬景色の雄大な富士山」(朝霧高原)
 三角錐の富士山を望遠系レンズで引き付けて撮影。スケールのある山が手前の冬枯れの樹木とともにシンプルにまとまっています。空のスペースが多めなので、少しアングルを下げ(カメラを下に向け)、樹木の下を入れるともっと安定感が増しました。さらに欲を言えば、少し高台から撮ると、樹木の影に隠れてしまった横の雲が見えてアクセントになったと思います。

【萱津 信子】「もう咲いたの!福寿草」(自宅)
 画像から読み取れる「ファイル情報」によると撮影は2月4日。暖冬で積雪もほとんどなかった今冬、春は一カ月ほど?早めに到来。春一番に咲き春を告げるフクジュソウも敏感に感じ取り咲きました。グリーンの苔と、黄色が鮮やかです。

【倉澤 利和】「富士山さいこう」(朝霧高原)
 笠原さんと同行の朝霧公園からの富士山のショット。ほぼ同じアングルの作品が2点寄せられましたが、1点はやや富士山が小さく、手前の公園が主体になってしまい、富士山が大きめで迫力あるこちらを選びました。左の赤い太鼓橋や点景人物がアクセントになりました。やや画面が左下がり?で苦にし始めると苦になります。

【高山 三良】「金色の装い」(善光寺)
 普段はほぼ黒系の国宝善光寺。ライトアップされて化粧、真っ暗な夜空に浮かび上がった別の善光寺を見せてくれます。左の松のブルーも小さいながら金色とともに色彩効果が出ました。

【中島 弘】「食足りて世は平らか」(安曇野市、白鳥湖)
 昼間、安曇野の田んぼなどで落穂などをあさったコハクチョウが夕刻とともに、白鳥湖に戻ってくる。隊列を組んで、着水の直前をピントよく捉えています。鳥たちも重なることなくバランスよく並びました。次なるは、着水の瞬間や背景を残雪の北アなど角度、アングル、鳥の大きさなどを考えて挑戦しましょう。

【早川 球喜】「黄金に輝く」(善光寺)
 高山さんの作品と類似していますが、ライトアップの光線に写り込んだ雪が幻想的です。下部分がやや多いので、もっと角度を上げ、上の部分(雪模様)を入れたらグレードアップしました。 

【広澤 一由】「お堀が消えて記念撮影!」(松本城)
 スマホを片手に自撮りする女性。この作品からは、タイトルの「お堀が消えて」見えますが、彼女が撮ったアングルからは、お堀はどう映ったか?消えたかどうか、気になるところですね。城とスマホの女性一人と過去と現在が交錯、シンプルですっきりまとまりました。

【吉池 安雄】「春の曙」(長野運動公園)
 運動公園の1本の木を素材に作画。春早朝の日の出前後。東の空を背景に、樹木をシルエットにし樹形の面白さを浮かび上がらせました。雲の下に山並みを配したことで安定感が出ました。

 

 

 

石渡写真クラブ月例会(1月)作品

石渡写真クラブ1月の月例会作品です。
 今回、区のどんど焼きの作品が複数寄せられました。撮影した人の顔が違うように、作品にも各位の個性が色濃く出ています。どの作品がいい悪いというのでなく、その人の見方、考え方、テクニックなどが表出され、同じものが二つと出てこない写真の面白さが分かります。タイトルとともに、じっくりと見比べてみてください。

 講評は、クラブ講師 増田今雄(5常会)さんです。

※写真をクリックすると拡大して見れます。

【吉池 安雄】「夜明けの彩り」(長野運動公園)
 
日の出前、東の空に浮かぶ雲がうっすらと朱色に染まる。派手な焼け方でないだけに、控えめな、落ち着いた雰囲気が漂っています。手前に枝をシルエットに、向こうに横並びに樹木を配し遠近感が出ました。下の陸上競技場のグラウンドはもう少し入れてもよかった。安定感が出ます。

【広澤 一由】「あの世での十王の裁き『カツ!』」(石渡公民館裏)
 足元にある石仏を素材に選んだところ、気が付いたところがいいです。並ぶ十王の中の一番怖そう?というかインパクトある石仏を中心に、うまくまとめました。全景でなく思い切って近づき、深度を浅く(F値=絞りを開け)し、口を開けたカツの部分を強調できたテクニックもいいです。真後ろの仏と重なってしまったのが残念。

【早川 球喜】「どんど焼き」(石渡区どんど焼き)
 めらめらと燃え盛る炎を望遠レンズでぐっと引き付け迫っています。炎の周りのかげろうのようなものまで写し取り、「火」がまるで生き物のようにも見えます。主題の炎を活かすため、もっと大胆に炎を大きく、背景の人物を整理すると狙いが明確になります。

【中島 弘】「人波が去って」(奥蓼科・御射鹿池)
 畔の木々に立ち込めた霧をいいタイミングで捉えました。流れる霧は、濃すぎるとそこにあるものが見えなくなり、薄すぎると物足りず結構適度な濃さは難しいものです。二分割構図で水面にシンメトリックに投影させ、幻想的に仕上がりました。渋いイメージをそのままプリントに活かしてください。点景に白馬がいると、巨匠東山魁夷画伯の絵画より上を行く?作品になったかも。

【竹内 一郎】「驚かしてごめんね」(新幹線車両基地付近)
 何百羽、何千羽・・・の数のスズメが果樹園の支柱線に。だいたい、この手の鳥は近づくとパッと飛び立ってしまい望遠系レンズでもなかなか難しいものです。よく見つけ、よく撮りました。少しのスズメが宙に舞っている感じも動きがあって躍動感を感じさせます。

【高山 三良】「役目を終えて」(石渡区どんど焼き)
 一年間、病気や災難から護ってきたお札やだるま。正月飾りとともに、どんど焼きで御焚き上げし感謝。その残り火で繭玉やおもちを焼き、食べ、今年の無病息災を祈念する。そんな思いを込めてシャッターを押した作者の気持ちが伝わってきます。二基の配列、周りの人物配置、背景のアクアウイングなどバランスもいいです。

【倉澤 利和】「見守ります。今年こそいい年であります様に・・・」(石渡区どんど焼き)
 身近で水害がおこった昨年。安穏な日々を願う気持ちを込めシャッターを押しました。スマホ撮影とのことですが、真っ四角なサイズが新鮮な感じです。主題を中央に置いた「日の丸構図」が安定的。にぎやかなはずですが、人物が4人というタイミングもかえって主題を強調している感じで面白いです。

※スマホ撮影
 スマホの写真設定のサイズを見ると、横長ワイドとか四角、普通などいろいろとあります。データ量もさまざまなものが選ぶことができます。クローズアップ撮影も一眼レフのマクロ撮影以上のアップで撮ることも可能です。軽いのでぶれに注意して、どんどん挑戦してみましょう。

【萱津 信子】「メタセコイヤ通り」(長野運動公園)
 運動公園に太古の「生きた化石」と称される樹木が並ぶ。枯れ葉でよく分かりませんが、散策道が「C」のアルファベッド構図で流れを作り、合い向かいにはヒマラヤスギでしょうか、葉を付けたままの常緑樹を対称的に配置した構図はいいですね。マレットゴルフに興じる人たちか、散歩する人物を点景に欲しかった。

【笠原 美敬】「2019年厄除 新年無病息災」(石渡区どんど焼き)
 燃え盛るクライマックスの炎、適度に垣間見えるだるま、消防の動きなどシャッタータイミングがいいです。ややアングルが下向き過ぎで中央のシンボルのだるまが欠けてしましました。少しレンズを上向きにし地面を半分ほど削り上を入れてみたらよかったですね。

【池田 治雄】「北八幡川の主」(桜新町神社脇の用水)
 ぬーっと現れたコイ。ややシアン系の水の中にぼーっといる姿が印象的です。ややもすると単調になりがちが水面ですが、上と左、右上にある影のようなものが揺れているところがアクセントとなり、主題を強調しているように見えます。