石渡写真クラブ月例会(10月)=文化祭作品
今回は、11月8日に石渡区公民館で行われた文化祭の展示作品を紹介します。原則この1年間に撮影、もしくは月例会に出品した作品で1人2点。サイズは四つ切り、ワイド四つで、プリントは写真表面が光沢よりさらに光った感じで見栄えのする「クリルタルプリント」。会場には20点が並びました。
ここに紹介する作品は、展示作品と少しトリミングが違うものもありますが大筋は同じです。会員一同が汗を流した力作を講評とともに鑑賞してください。
講評は、クラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
作品の中で、これまでの月例会に出品、「いしわた通信」の作品展で一度紹介した作品は、コメント、講評はだぶりますので省略します(HPの各例会を参照ください)。
写真をクリックすると拡大して見えます。
【吉池 安雄】「旅立ちの準備」(戸隠森林植物園)=8月例会作品と類似。
講評:8月作品はアサギマダラを横から見ていますが、しっかり蜜を吸う様子を後ろから捉えています。浅葱色と模様がはっきり分かっていいですね。
【宮澤 一成】「光の大地」(なばなの里・三重県桑名市)
コメント:国内最大級のイルミネーション!華やかな光の世界に包まれた感覚は、幻想的でまるで異次元の世界に迷い込んだ気分でした。
講評:コメントにあるように最大級のスケール感が、シルエットながら真ん中に横並びになった無数の人の波から想像できます。ぶれもなく、色彩を含め目の前の「異次元の世界」がそのまま素直に表現できました。
【広澤 一由】「左旋回した6地蔵」(栄村の国道117号沿い)
講評:栄村が地震に見舞われた際、ぐるりと回転して被災地を救ったとされるお地蔵様。当時は赤い装束と記憶してますが、白色に変わり、長い数珠もかけてもらい時の流れを感じます。地元に人たちの厚い信仰心が感じ取れます。
【早川 珠喜】「河川敷に咲く」(長野市村山)=4月例会作品と類似。
例会作品と同じ場所の撮影と思われます。桜の満開の様子がボリューム感たっぷりと表現できました。人物配置が4月は手前左で大きめですが、今回の作品は向こうにいます。ご覧の皆さんはどちらがいいいと感じますか?比べてみてください。
【中島 弘】「春のお告げ」(長野市大岡)
コメント:過去1年間の中から1枚を選択した。コロナ禍のなか、来年は穏やかな春が到来することを福寿草に願掛けた。
講評:4月の例会作品の撮影場所、大岡の日方と思われます。一斉に花を広げたフクジュソウを1点だけにフォーカスを絞り、後はぼかすという絞りを開けたテクニックで心象的に仕上げています。この作品も右上から左下に斜めに走らせた「斜め構図」がいいです。春を待ち咲き始めたフクジュソウの満開でないところがよく、これから・・・といった息吹き、生命力が表現できました。
【竹内 一郎】「霧の白駒」(北八ヶ岳・白駒の池)
コメント:この日はあいにく曇り空でした。紅葉の白駒の池を撮りたかった。紅葉も少し遅かったようで、霧のかかったのも印象的でした。
講評:曇り空で、撮りたかった紅葉も・・・。これにめげずにいたら、思わぬ霧が巻いて「これだ!」とカメラを向けたところがいいですね。ただし、霧は対岸のはるか向こうで、もう少し長いレンズで工夫をし霧の感じを出すともっと印象深い作品ができたと思います。
「初夏の釣り人」(飯山市の北竜湖)
コメント:前作は湖上にヤナギの作品でしたが、釣り人を入れた作品にしてみました。湖上に映る新緑が印象でした。
講評:北竜湖の定番素材は、菜の花とヤナギの木、ボート。この三つをどう組み合わせるかにカメラマンは知恵を絞りますが、どう撮ってもだいたいは似た感じの写真で、「どこかで見たことのあるような・・・」。その点を避け、以前とは別の感じの絵作りに挑戦した意欲がいいですね。釣り人を点景に新緑を映し出した水鏡から、湖の静かさが伝わってきます。
【高山 三良】「見上げたモンスター」(石渡八幡神社)=9月例会作品。
プリントサイズに合わせるため、9月例会作品とややトリミングが異なっています。比べてみてください。
【倉澤 利和】「レンズボールの中の桜」(長野運動公園)=3月例会作品。
講評:レンズボール使用の初発作品。4月にはチューリップ、8月にはミニトマトと対象物を変えて追いかけています。花なら花にこだわって、いつか組み写真にまとめると面白いかも知れません。花でなく、人物とか動物とか被写体をバラエティーにする方法、あるいは、どこか同じ場所で定点観測をし展開してみる方法、いろいろと考えられます。知恵を絞ってもう一歩前へ。
【池田 治雄】「白糸の滝」(山梨県富士吉田市)
コメント:「白糸の滝」と称する滝は、長野県軽井沢町をはじめ熊本県、福岡市に存在するらしい。山梨県の「白糸の滝」は、無水の糸を垂らしたような姿がとても美しい滝です。しかもその水の殆どが崖から直接流れ出している。落差約20メートル、幅が200メートル。その名の通り、白糸のカーテンによって優美な滝である。雪解け水の滝は絶えることなく流れ落ちている。
講評:てっきり軽井沢の「白糸の滝」とばかり思っていました。どこの滝も目の前にすると、スケールの大きさに圧倒されますが、部分をうまく切り取ってまとめています。写真は引き算というお手本作品です。今度は、スローシャッターで水を流してみましょう。違ったイメージが出るはずです。
「鉄道むすめ『朝陽さくら』」(信大付属中学裏)コメント:今年は何回か足を運び、長電車輌を撮りました。特急車輌として、2系統「スノーモンキー・元JR東日本253系成田エクスプレス」、「ゆけむり・元小田急電鉄10000型HiSE」、他に普通電車8500系元東急電鉄、3500・3600系元営団地下鉄がある。今回の写真は車輌の側面に長電の「鉄道むすめ・朝陽さくら」の巨大なイラストが描かれた8500系車両を稲の刈り入れ時期をねらって撮りました。
講評:「鉄ちゃん」ならではの知識と、地の利を生かした作品に仕上がりました。中島さんの「はぜ掛け」同様に、そのうちこの田園の光景も姿を消すかも知れません。貴重な記録写真です。
【増田 今雄】「揺蕩(たゆと)う」(須坂市の臥竜公園・竜ケ池)
コメント:週刊長野の動植物シリーズで臥竜山でシダ類の写真を撮影した帰り。池のほとりに出ると、折からの強風で水際にいっぱいの散り花が寄せられていた。桜が有名なこの池は、水面を一面に埋め尽くす散り花は多くのカメラマンの格好の被写体となってきたが、この八重桜はあまり目にしたことがない。池のほとりから、ローアングルで花が風でぶれないようにパチリ。