石渡写真クラブ4月月例会作品

石渡写真クラブ4月月例会作品を紹介します。講評は、増田今雄(5常会)講師。

【吉池 安雄】

「朝ぼらけ」(運動公園)
 朝起きは三文の徳。とりわけ、朝夕にさまざまな表情を見せてくれる空。刻一刻と変わるので、忙しい瞬間です。運動公園の空をテーマに撮り続けている吉池さんならではの作品。重なり合う重々しい雲の表情が面白いです。人っ子一人いないと思ってよく見たら、左下にある中央のポール右に小さく1人いました。

【広澤 一由】

「春を待つ松本城」
      烏城とも呼ばれる松本城を植え込みの間から三角構図の中に入れまとめています。安定した画面となりました。タイトルにあるように左右は常緑ですが、真ん中の木が芽吹いてグリーンが入るとまた別の写真になったかと思います。

【早川 球喜】

「さくら咲く」(善光寺)
     善光寺東に咲き始めた枝垂れ桜。まだ早めといった感じですが、うまく本堂を背景に収めました。絞りを開けて、背景をもう少しぼかすと桜の花がもう少し目立ったと思います。

【中島 弘】

「春の知らせ」(松本市四賀)
     春を代表するフクジュソウの花。四賀の群生地は、うたい文句は万単位の株数ですが、行ってみると意外と花が小さく、点在していて絵になりにくいです。加えて、大岡村日方のように背景に残雪の北アルプスなどは見えなくて残念。さらに、天気が悪いと花が開かないなど結構難しい花です。その点、この作品は、一斉に鮮度よく咲いた密度のある群落をうまくまとめたと思います。斜めの斜面、向こうの点景人物や集落をぼかしたところもいいです。

【竹内 一郎】

「孫のおもちゃ」(自宅)
 懐かしいビー玉。面子と並び子どもの遊びの王様は今でも変わらないのでしょうか。色とりどりのビー玉にそっとアンズの花を添え作画した竹内さんの芸術心が読み取れます。ただ、ややアンダー気味なのと、光線具合を工夫し、もっとさまざまな色をカラフルに表現するともっとインパクトある写真になったかと思います。

【高山 三良】

「春待ちわびて」(自宅)
 ラッパスイセンの群生を狙ってみました。少し中央より上ですが3花の一番上の花にピントを合わせ、「日の丸構図」でまとめました。絞りを開けて手前の2枚と背景をもう少しぼかすと主題の一輪がぐっと引き立ってきます。それと、もう少しローアングルでさらに向こうの背景、環境(家並みなど)を盛り込むと遠近感が出てよかったかなと・・・。

【倉澤 利和】

「開花はまだまだ先です」(小布施橋下菜の花公園)
 春の代表的な花「菜の花」。河川敷を利用し、小布施町が公園に整備、春をまちわびた多くの花見客が訪れます。期待して行ったら、まだ花は少しだけ。絵にならずとあきらめずに、作画した倉沢さんのどん欲な心意気が伝わってきます。花がまばらなだけに、橋ばかりが目立ってしまいました。少しアングル(画角)を下げ空の空間を減らし、菜の花がまばらな大地を思い切って入れる(比率を多くする)と、タイトル通りの花がちょぼちょぼの菜の花畑が見る人の目に飛び込んできます。
「あっ!」といい素材を見つけたら、その主題を表現するのに、見る人の目に一目瞭然、分かってもらう写真にするために、どうしたらレベルアップになるか・・・。その一つにアングルがあります。主題に対し、自分の立ち位置を右、左、あるいは高いところ、低い所、はたまた、被写体によってはぐるりと背景を考えながらひと回り。すると、自分のいいなと感じた素材が一番輝く場所があるはずです。あれこれ考えてばかりいてシャッタスピード押さないと作品は生まれませんので、ベストアングルを見つけつつシャッターを押しながら進めてください。後で、パソコンで、撮影カットを見ながら、結果的にはどのアングルが一番か、見応えがするかを検証することもお忘れなく。

【萱津 信子】

「アンズの木と共存。ユリの苗」(千曲市森)
 有名な森のアンズ畑。通常は、果樹畑の中は、草ぼうぼう。時折、春先ともなればタンポポの群落が黄色の風景を演出するぐらい。そんな中、見かけない何かを感じ、すかさず作品に仕立てた感性がいいですね。手前右にあしらった古木も力強いです。農家のおじいさんに「これ何ですか?」。「ユリだよ」。そんな会話が聞こえてきそうな作品。ついでに?ひと休みする姿を点景に入れてアクセントになりました。

【笠原 美敬】

「青空に立ち向かうモクレン」(運動公園)
 真っ青な空に純白のモクレンの花が鮮やかです。構図的に、花の上を頂点に、左下、右下を結ぶ三角、つまり「三角構図」でまとめました。この構図は、作品に安定感を表出します。

【池田 治雄】

「麦畑」(千曲川河川敷)
 殺風景な春先に緑色の麦の列。構図的にはアルファベット構図の「C」構図の「逆C」ですが、流れを感じさせてくれます。このほか、「S」や「Z」などがあります。写真の中に一定の流れ、動きを表現してくれる構図です。