石渡写真クラブ7月例会写真集

<五十音順に掲載>講評は石渡写真クラブ:増田今雄講師
作品の下に、「タイトル」、<撮影場所>、(講評)の順に掲載
*写真をクリックすると大きく鮮明に見れます。

1.池田 治雄

「ユリの花とゴンドラ」 <白馬 岩岳スキー場>
(白馬岩岳の高山植物園。カラフルなユリの花を手前に、真っ青な空に浮かぶゴンドラ。バランスよく配置され、人工的に植栽し観光客を呼び寄せる行楽地の一端を垣間見せてくれています。下の花のラインが真横、その向こうの林、ケーブルの斜めが画面に流れを盛り込んでいます。)

2.笠原 美敬

「地震よりすくった六地蔵」 <飯山市西大滝>
(東日本大震災の翌日、2011年3月12日栄村一帯を襲った県北部地震。飯山市の西大滝ダムの南、旧国道沿いにある六地蔵は、地震とともに被災地の安穏を願いみんな栄村の方角に向きを変えた。でも、一番左はどうして同じに向いていないか不思議だ。背景と溶け込んで少し分かりにくいが地蔵の頭上、空にあるぽっこりとした雲が6つあり、不思議さ、面白さが付加しています。右上の電線は邪魔なので、トリミングでカットするか、撮影時に工夫してください。)

3.倉澤 利和

「屋根のある橋」(鹿教湯温泉・五台橋)
(鹿教湯温泉の散策コースにある光景。川に架かった珍しい屋根付きの橋をモチーフに作画しました。手前左に大胆にカエデと思われる枝葉を入れた構図ですが、できれば橋の上に散歩を楽しむ人がいるとぐっとグレードアップ。そして、カエデが秋、真っ赤に染まっていると・・・。そんなころ、また挑戦してみてください)

4.高山 三良

「北アルプス夕景」 <須坂市・峰の原高原>
(須坂市から高山村、東の山塊で少し高度をあげ俯瞰した作品です。千曲川水系に沿って広がる盆地と西山の山々が重なり、その向こうには北アルプスの連山。複数のポイントがあり、少し足を延ばせば素晴らしい光景がすぐ間近で見えることは幸せ・・・。という感想を抱かせてくれる雄大な作品です。夕暮れ時の暮れゆく微妙な光の妙を印象的に表現しています。)

5.竹内 一郎

「金髪で左巻でーす」 <自宅庭先>
(クレマチス(鉄線)の花びらが落ちた後の光景ですが、くるくると回転した面白い様子に目を止めました。三つのクルクルを三角で結ぶ三角構図でまとめてあり効果的です。ただ、やや絞りすぎと思われますが、背景の葉がぼけてはいるものの少しくっきりとし過ぎで、よく言う「うるさい」感じです。マクロレンズか中望遠レンズで背景をぼかす(望遠系レンズの特性)か、このレンズなら絞りを開けてぼかすと主題のクルクルがもっと強烈に見る人の目を引き付けてくれます。)

6.中島 弘

「最北端への道」 <北海道> 
(北海道とのことですが、愛車(自転車)を携えての旅情が感じ取れます。この場合の作画は二通り考えられます。収れんしてゆく先を画面の左に持ってゆき道路などの線を斜めにする。もう一つは、先を画面の中央に持って行き左右対称のシンメトリック構図にする(ただし、中央分離帯がポジションとなるので交通事故に注意)。
広澤さんの作品でも触れますが、画面に安定感やリズム感、見る人の視線誘導などを効果的に表現する技に「構図」というものがあります。C、S、Zなどのアルファベット構図、前述した斜め構図、シンメトリック構図、主題を画面の中央に配置する日の丸構図などなどがあります。折に触れ解説していきたいと思いますが、自分の見つけた主題、それをいかに見る人に感動してもらうように仕上げるかというテクニックの一つです。)

7.早川 球喜

「古寺に紫陽花が咲く頃」 <若穂綿内・蓮台寺>
(草がきれいに刈り取られた長く続く石の階段はいかにも古い寺のイメージが出ています。アジサイの花は手前が白っぽく、その向こうはブルーの色ですが、白は半分くらいにしてブルーを強調すると画面が引き立ったと思います。)

8.広沢一由

「雄大な草原」 <美ヶ原高原>
(美ケ原台地のショットですが、高原の広々とした感じ、手が届くような空と雲、スケールある作品に仕上がりました。右側の柵の上部と草原の横線が重なり惜しい気がします。周りに脚立があるわけではありません。どうするか。ちょっと失礼?して手前左の柵の中段をお借りしてアングルをハイに。草原の広がりが画面に現れ、さらにスケール感がアップするはずです。欲を言えば、歩道がS字、もしくはC字などに湾曲、もしくは斜めになる構図にポジション取り、遊歩道に人物が入るとさらに、さらにスケール感が・・・。)

9.吉池 安雄

「盛夏」<東和田・長野運動公園>
(前回の「初夏の雲」に続く夏雲。うだるような猛暑、炎暑を忘れさせてくれるようなさわやかな空気感が漂ってきます。やや右下がりで公園(画面全体)が不安定、撮るときにはいつも水平、垂直をに留めるように心掛けてください。
 運動公園から見た雲を執拗に追いかける。いつか、何カットか集まったら個展を開くまでに集大成できるといいですね。次の例会には何を出そうかと迷う、何を撮ったらいいか分からない、そんな人には、こうした「テーマ」を決めて取り組むことをお勧めします。被写体を「子ども」とか「お年寄り」、「犬や猫」、「花」などに絞る方法とある一定の場所を選び、その場所の、四季折々の風情や人模様などさまざまな展開を撮りためてゆく方法などがあります。もちろん、これらを軸にしてほかの旅の光景や身近な家族のショットなどにレンズを向ける日々がそこにあることも忘れないでください。)

(HP掲載担当:広沢一由)