石渡写真クラブ9月例会写真集

<五十音順に掲載>講評は石渡写真クラブの増田今雄講師
作品の下に、「タイトル」<撮影場所>(講評)の順に記載

1.池田 治雄(2点)

「どうか、お願いします!」 <善光寺大勧進 前池>
(仏教と関わりの深いハス。汚い泥の中からきれいな花を咲かせ、やがて結実。実は悟りの世界を意味するといわれます。その“悟り”が葉の間から垣間見え、大きなお椀状の葉の中心にはお賽銭が・・・。人はいませんが、人の想いを感じさせる作品です。)

「朝日と共に、山の中に月が!」 <長野運動公園>
(尼飾り山でしょうか、日が昇る瞬間を美しく捉えました。山並みはシルエットですが、向こうの黒っぽい重厚な雲と手前に迫ってくる陽に染まった2種類の雲が効果的に配置されています。まだ、眠りの中の街の中に輝く2、3の屋根も雰囲気を助長しています。)

2.笠原 美敬(2点)

「年よりも頑張っています!」 <Mウェーブ>
(身近な催しを自分も参加しながら作品作りに挑戦、意欲を感じます。ボールをのけぞって渡す「腰伸ばし?」ゲームの一瞬を止めています。欲をいえば、目線位置なので、いすとかミニ脚立を使い少しだけでもハイアングルだと2列目、3列目の人たちも入ってにぎやかさや奥行きが出ました。

「一輪ずつ咲き誇るハイビスカス」 <自宅>
(「やっと私の番」と真っ赤な一輪の花をモチーフに作画しました。鉢植え、自宅という状況ですが、背景もさりげなくその雰囲気を醸し出し、作者の一輪に寄せる想いが伝わってきます。

3.萱津 信子(3点)

「長閑な里山風景」 <飯綱町>
(丘陵が広がる里山をスケールいっぱいに表現しています。水田が多くを閉める中で点景に入れたソバ畑の花の白色がアクセントになりました。点在する集落と霞んでいますが向こうに見える山も長閑(のどか)さを感じさせてくれます。)

「よこ亭のソバになります」 <飯綱町>
(ソバ畑の花が主題です。数本が抜き出るように咲いていますが、もっと大胆に空に浮かすとか、向こうの山をうまく配置すると印象が違ってきます。)

「つまんないな~」 <自宅庭にて>
(のんびりと体を休めている愛犬の想いを代弁した作品。長年培った主とワンちゃんとの信頼、親近感などが感じ取れます。)

4.倉澤 利和(2点)

「雲海の向こうに白馬山」 <北安曇郡白馬村>
(素晴らしい雲海に出会えた感激がそのまま作品に盛り込まれました。白馬三山を中心に広がる峰々が雄大なパノラマとなりました。上の空の雲がややアクセントに欠けるので、雲の部分を半分くらいカットし横長にトリミング「パノラマ写真」にしてみましょう。)

「百日紅の丘」 <長野市若穂保科>
(本数が多くある百日紅(サルスベリ)の中で、紅白のバランスのいい素材を見つけてまとめています。背景の里山のこんもりとした山の配置もいいです。行楽客など人物を点景に入れると感じが変わった作品になったかも知れません。)

5.高山 三良(3点)

「〇雲」 <長野運動公園>
(夕暮れの秋空でしょうか、放射状に広がる秋の雲を適切な露出で迫っています。中央にある車をアンダーな露出でシルエットにし隠し、さらにエノコログサを数本、空に浮かせて秋の風情をさりげなくアクセントとして入れ画面をキュッと引き締めています。)

「山門から」 <善光寺>
(盆踊りの舞台に集まる提灯が放射状に並び、その向こうに善光寺本堂。踊り手は動くのでぶれて動感を表していいですが、提灯が全体にぶれた感じになってしまい残念。風が強かったですか?山門からのハイアングルであまり見たことのない作品だけに、来季再挑戦してみてください。)

「真剣!」 <区運動会>
(区の運動会。主題を「スタート」に絞って意欲的に作品作りをしています。 かけっこ、ミニマラソン、常会対抗リレーなどのスタートを切り取り、組み写真にまとめました。よく見ると各人各様のスタートがあり、面白く見させてくれる作品です。)

6.中島 弘(2点)

「重ねた風雪」 <唐松岳>
(自然が創り出した造形を主題に作画しました。雪の重みに耐え長い間かかって成長してきた樹木に感動した作者の気持ちが伝わってきます。大胆に根元から曲がった幹、広がる枝をほぼ中央にまとめ安定感が出ました。)

「晩夏に咲く」 <木島平村>
(素材はコスモスですが、花の散らばり方のいい株を選び、ほぼ半円形にまとめ、さらに向こうの雲も同じような形になりました。さらに向こうの雲が遠近感を表現しています。)

7.早川 球喜(2点)

「蓮池より山門を望む」 <善光寺>
(善光寺大勧進の放生池のハス。一時、カメの食害で激減したものの、見事、再生した大賀ハスですが、前出の池田さんの作品はぎゅっと主題を絞ったものですが、ハス全景と背景の山門が威容を誇っているように見えます。画面全体がやや左下がり、左上の角にあるぼやっとしたものが苦になります。)

「城山よりの遠望」 <長野市城山>
(いかにも周りが緑で囲まれた自然豊かな善光寺平ということがよく分かる作品です。左上の枝の部分はもっと入れるとボリューム感が出て、さらに“囲まれた”感じが増します。)

8.広沢 一由(3点)

「お花畑と下界」 <白馬岩岳>
(俯瞰したアングルがいいですね。下がってゆくユリ畑の下の丘陵に広がる水田や畑・・・。すべてを共生する人々が暮らす生活圏が続く。非常にスケールが出た作品となりました。)

「ハンモックの姉妹」 <白馬岩岳>
(2人の少女、姉妹がハンモックの中でスマホでしょうか、何かを一心にいじくっている。昔から営々と続くキャンプの中に、最新の文明の利器が重なり「今」を切り取っています。できれば、もう少しスマホが分かるといいですね。手前のぼけた草も花か何かだったらもっといいですね。(咲いてないもの、無理ですよね)。)

「霧の金角湾と黄金橋」 <ウラジオストク>
(橋と港湾の外国の町が霧に煙り、斜長橋の上も隠れてしまっています。S字に曲がる道が流れを作りだし、霧の雰囲気を伝える調子もいい感じです。)

9.吉池 安雄(2点)

「秋の久尾」 <運動公園>
(お馴染のフィールド、運動公園陸上競技場をモチーフに秋の雲を表現しています。主題の空、雲の露出がややハイキ―で残念。主題の空以外はアンダーにしてつぶしてもいいので、空の測光に合わせる工夫してみてください。)

「秋の夕暮れ」 <運動公園>
こちらの作品は、主題の雲の露出を測り、明確な作品となりました。看板や電柱がシルエットになりましたが、照明が当たりそれぞれの内容が読み取れるとさりげなく歴史を盛り込んだ作品になったかもしれませんね。)

(HP掲載担当:広沢一由)