気になる光景

 先日、「地域と学校との連携懇談会」が開かれ出席しました。 参加したのは、朝陽地区とその周辺の8つの小学校や中学校、高校の校長や教頭、生徒指導の教師などで、地域からは住民自治協議会や各学校のPTAの役員などです。校長や生徒指導担当が、生徒の様子や学校が取り組んでいる課題などを報告しました。

 たとえば地域の関心の高い「いじめ」について、いじめ調査を年3回行っているが問題はないなどが報告され、生徒の様子については、服装の乱れもなく、各学年、学級はよくまとまり、前向きに仲間とのかかわり合いに取り組んでいるなど、ほとんどの学校から問題ないとの報告が出されました。

 「ほんとかな?」なんて聞いていると、ある光景が浮かんできました。7月初旬に行われた中学校の授業参観です。1時間の間に自由に各教室を回って見学していいとのことで、3つのクラスを回りました。驚いたことに、どの教室でも1人、もしくは2人の生徒が机に伏せて寝ています。ところがどの先生も注意もせず淡々と授業を進めています。中学生だった昔、居眠りしていると忍び寄ってきた先生に頭を殴られた経験がある私にとって違和感のある光景でした。

 なぜ叱らないのか。先生の気持ちを“忖度(そんたく)”してみました。「注意したり叱ったりすると教室が騒ぎになって授業が滞る。それならそっとしておいた方が他の大多数の生徒のためになる」。こんな心理なのかも知れません。それって事なかれ主義というのでは。連携懇談会での各学校の「特に問題はない」との報告も同じように事なかれ主義が背景にあるのではと感じました。でも、それはたぶん私の邪推なのでしょう。どの学校のどの先生も、真剣に生徒に向き合って日々努力されていると信じていますので…。

【石渡区長:水越渉】