家庭菜園

 定年退職した人の多くが始めるのが家庭菜園だといいます。私も始めて今年でちょうど10年。楽しい。いろいろな野菜を近所におすそ分けして「おいしかったよ」と言われた時のうれしさは格別です。これまで人から感謝されることがなかった私が、初めて感謝される喜びを知ったのは、家庭菜園のおかげだと思います。

 畑の場所は車で1時間かかる木島平村です。ここは以前、老夫婦がアスパラガスを栽培していました。しかし10数年前にご主人が亡くなり、同じころ、奥さんも脚の機能が低下して歩行できなくなりました。ご主人の息子さんと私が知り合いだった関係で畑を借りることになったのです。

 畑まで往復2時間もかかるのに10年間続いているのは、畑の環境の素晴らしさです。遠く妙高山を望む広々とした景観、空ではカラスとトビがなわばりを巡って空中戦を演じ、キジの親子が近くを散歩したり、草むらではヘビが…。

珍しいオニヤンマやギンヤンマも頭の上を飛び交います。すぐそばには豊富な水量を誇る清流があり、水不足の心配もありません。夏、小川で冷やした採れたばかりのトマトやキュウリをおかずに食べる弁当はおいしい!。持参したコーヒーを飲みながら休んでいると「生きててよかった」なんて実感が湧いてきます(少しオーバー?)。

今年はなかなか通う機会が少なく、例年より量も種類も減らしました。ポスト区長の来年には、思い切りたくさんの野菜をつくろうと今から計画しています。だって使っていいという畑の広さは、今の120坪の4倍も5倍もあるのですから…。

【石渡区長:水越渉】