石渡写真クラブ月例会(7月)作品&講評

石渡写真クラブ月例会(7月)作品&講評
 戻り梅雨から大暑、土用丑の日も過ぎ間もなく8月。これからが、夏本番です。旧盆の行事、行楽地などコロナ感染が最多を更新する中、どんな動きをみせるでしょう。
 ほかの人にうつさない、自らもうつらないを徹底し頑張っていきましょう。
 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【吉田 幹男】

「スカシユリ」(飯綱町)=7月7日
コメント:自宅のユリは、まだ一本しか咲いてないのでこちらで撮影しました。
講評:執拗に?花を求めているところがすごいですね。一つの素材(テーマ)を追い求める手法は昔からあり、「子ども」、「お年寄り」、「お祭り」、「山岳」、「猫」、「動物」、「街中」、「風景」・・・とこのほかを含めいっぱいあります。一つの写真を続ける手立てですので、ぜひ集大成してみてください。もちろん花だけでなく、これはというものが目に止まったらシャッターです。
 で、作品ですが、中央に数輪の花を配置した「日の丸構図」ですが、花の咲いている向きなどを考慮して、この部分を右上に持って行きましょう。というのは、下と左下などにちらりと株があるので、これらをもっと取り入れるとバランスよくまとまった感じになるはずです。下にブルーの画面を想定したものをだぶらせてみました。ご参考に。

【宮澤 一成】

「こんにちは」(鬼無里白髭神社)=6月26日
コメント:花菖蒲の満開を期待して行ったのですが、まだ二分咲きでした。トリミングしてアップの写真にしました。
講評:2分咲きですとスケールのある群生写真のようにはならず、咲いている花のアップで仕上げるしかないですね。ちょうどいいタイミングでキチョウが止まっていて絡めました。が、やや画面の下で見落としそうです。生かすにはチョウの周りの空間をもっと入れることで、例えば縦位置にする手もあります。トリミングとのことですが、縦になるようなコマを選んで縦位置にしてみてください。
「旋回中デス」(同)
コメント:花菖蒲の撮影中、ふと空を見上げるとトビらしい鳥が気持ちよさそうに旋回していたので撮影しました。
講評:すかさずレンズを向けたところ、被写体を画角内に収めシャッターを切ったことがいいですね。トビも猛禽類ですが、大小さまざまな種類がいて紛らわしいですがトビですね。欲を言えば、山の稜線の上、空に浮くともっとふわりとした飛翔感が出てよかったです。

【廣澤 一由】

「欅並木を行く」(東和田運動公園欅並木)=7月6日
コメント:朝トレの男性が、早朝から強い日差しを避けて欅並木を涼しそうに行く姿が、すがすがしさを感じられて爽快であった!
講評:作品のデジタルデータの「プロパティー」から撮影時間は午前4時41分。早朝のひんやりとした雰囲気が伝わってきます。右下を起点に、車道の左右のケヤキ並木を斜めに配置、左上に放射状に広がる「放射構図」でリズム感を生み出しています。惜しむらくは、朝トレの男性がやや小さく、もう少し手前に大きく位置すると画面が引き立ちました。あるいは、もう一人後ろ姿で結構ですが、行き交う人がいると・・・。

【早川 球喜】

「お地蔵さんも花に囲まれ満足そう」(若穂綿内蓮台寺)=7月8日
コメント:蓮台寺にアジサイを撮りに行きました。朝早い境内には、人の姿はありませんでした。本堂につながる階段を上り、山門前の六地蔵もいつもの様に迎えてくれました。本堂下の脇道で花を眺めながら撮影しましたが、以前より花も少なくちょっと寂しさを感じました。帰り、脇の道なき道を下りて行きますと、山門の脇に花に囲まれたお地蔵さんに出会いました。朝日を受け、ほほ笑んでいるような感じをうけましたので、思わずシャッターを押しました。
講評:こちらも作品データの「プロパティー」から午前8時22分の撮影と判明。太陽が昇りきらない陽光が背景に感じられ、朝の境内の雰囲気が感じ取れます。アジサイの花に囲まれたお地蔵さんがぽつんとやや寂し気のようでもありますが、花に囲まれてご満悦の様子が表現されています。アジサイのほか、お地蔵さんの上の桜の木でしょうか、こんもりと垂れ下がっている樹の姿が「ひっそり感」を助長しています。

【中島 弘】

「灼熱の恵み」(中野市豊田)=7月8日
コメント:梅雨明けの猛暑で参っている人間とは対照的に灼熱の太陽を楽しんでいるように見えるタチアオイを撮りました。ちなみに花言葉は「灼熱の愛」だそうです。
講評:何と芸術的というか絵画的というか、美しくまとめました。逆光の光を巧みに使い、自然環境の中ながらも背景をシンプルに黒バックに設定したところが成功のカギ。そして右の花の向きの先(左上)には黒バックとはいえやや明るいトーンの光明があり、花と太陽が会話しているようでもあります。
「旅に出たいな」(中野市豊田)=7月8日
コメント:コロナ禍で遠出が制限されている中、高速を爆走し知らない街を旅する日が早く戻ることを願いながらシャッターを切りました。
講評:ご存知、作詞家高野辰之の生地、豊田村。合併して中野市となりましたが、まだ「かの川」、「かの山」などが残る農山村。小川を手前に水田の中にそびえ立つ高架橋。この情景を高野辰之は何と詠むか知る由もありませんが、高架橋の上を通過する大型車を点景にあしらい、高速を使って旅する日が早く来るよう・・・と思いを馳せた撮影意図がよく読み取れます。

【花の撮影】
 今回はこの作品のほか、中島さん、吉田さんからも花を素材にした作品が寄せられ、過去にも多くの花を題材にした作品が多数あります。
 花は撮影適期の情報を得て出掛けますが、早かったり、遅かったりすることもあります。タイミングよく満開であったとしても花の撮影は、花をいかに引き立たせるかが成功のカギです。群落なら花の周りの状況、さらに離れた山々、空、雲などの遠景。そして、一帯に差し込む陽光の状態、背景処理。もっといえば、霧や雨、水流なども格好の引き立て役となります。
 群落でなくても花には、昆虫や両生類などが寄ってきます。くれぐれも図鑑の説明調な写真にならないよう、自分の感性、想い、考え方を移入していきましょう。
 もう1つのキーポイントはレンズ選択と絞り。ズームレンズの中望遠系やマイクロ(マクロ)レンズ、あるいはほかのレンズでも絞りを開放値近くにすると、背景や前の物が微妙にぼけて写真(望遠レンズ、マイクロレンズ)ならではの世界を表出します。
 花は美しいです。が、「ああ、きれいだなー」写真でなく、自分なりに感じた、工夫したオな作品作りに挑戦してみてください。

【高山 三良】

「夕暮れの積乱雲」(南堀)=7月1日
コメント:夕暮れなのに東の空に積乱雲がモクモク。
講評:信大附属の北、朝陽病院の東の田園地帯から東の山並みを背景にした夕暮れの光景。本来なら積乱雲(入道雲)は昼間、日中にモクモクと発達し夕暮れ時には夕立のパターンですが、このところの異常気象のせいでしょうか、少しずれて出現したたところに着目した作品。夕焼けに染まる雲と田んぼに映る情景が印象的です。

【倉澤 利和】

「おかしな胡瓜」(自宅の畑)=7月14日
コメント:今年の胡瓜の形が変です! 形の良い胡瓜は数本です。気象が関係してますか?
講評:身近で面白い素材を発見しましたね。形が変だということを人様に伝えるのに言葉、あるいは文字では大変ですが、写真だと一発で分かります。写真というものが持つ特性です。ただし作品的には、曲がったキュウリが向こうにもう一本あり、にぎやかになりましたが、上の部分が切れてしまい惜しいですね。むしろ縦位置で撮ると存在感が増し、バランスよくまとまったかと思います。
ところで原因はと言うと、暑さと暑さから来る水不足がありますが、ほかに肥料不足、病気、害虫なども考えられます。が、自前の野菜は曲がっていてもうまい!
「頑張れパルセイロ」(長野運動公園)=7月14日
コメント: 長野パルセイロの練習風景が目に入りました。思わずシャッターをおしました。
講評:パルセイロの選手を入れ、競技場、給水塔、山並みをそつなくまとめた構図です。選手の動きの中に、どこかインパクトのある動き(一群)があると画面が引き締まったかと思います。J3で7位。応援の力でさらに上位へという作者の思いが伝わってきます。