石渡写真クラブ月例会(4月)作品&講評
1月の例会から、新型コロナウイルスの感染回避とともに時間を短縮し実施。4月には第4派の兆しが見え始め、細心の注意を払っての例会となりました。
今回は、例年になく早い開花となった桜を素材にした作品が多くを占めました。場所、狙い方など、それぞれに違いがあり個性がたっぷりです。
今回から新たに4常会の吉田幹男さんがお仲間に入り、作品初登場です。よろしくお願いします。
講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
写真をクリックすると拡大して見えます。
【倉沢 利和】
【高山 三良】
【竹内 一郎】
【中島 弘】
【早川 珠喜】
【広澤 一由】
【宮澤 一成】
【吉池 安雄】
【吉田 幹男】
「春到来」(長野運動公園)
講評:運動公園内を散策。桜やコブシ、レンギョウなど一斉に咲き始めた花の作品を寄せられました。手前にレンギョウの黄色を配置、左に桜並木、右から斜めに出た桜の木と画面全体をうまくまとめました。欲を言えば、青空の下の方に雲がありますが、もう少し空の真ん中にあるとバランスがよかった(自然現象なので仕方ないですが、画面をそつなくまとめるという意味合いです)ですね。やや画面全体が左下さがりで不安定なのが気になります。
<画面の傾き>
皆さんの作品を見せていただく時、さまざまな要素を基に講評させていただきますが、その1つに「傾き」があります。人間の目は、見たものを頭脳を通して「平衡」に調整して見てくれます。縦位置で真っすぐなものは真っすぐな垂直に。横位置で平行なものは一直線水平に。ところが、レンズを通したカメラというものには頭脳がありません。所詮機械の塊で、少し傾けるとそのようにしか写し取ってくれません。真っすぐな電柱や建物が傾いたり、水平のはずの湖沼や海の水面が傾いたりしてしまいます。そのまま作品になると、見る人(頭脳を持った人間)に不安定感を与えてしまいます。
特に、画面の中に電柱、あるいはそれに類するもの、建物などが入る場合は垂直、海、湖沼など水もの、建物でも横一直線のものなどは水平に気を付けてシャッターを押しましょう。三脚を使用する場合は、三脚に水平器が付いているものがありますし、デジカメのカメラ内に水平を表示する機能が付いているものもあり積極的に利用しましょう。また、最終のコマを選び、トリミングする場合も、傾きに細心の注意を払いましょう。万が一、気が付いたらPCソフト内で矯正しておきましょう。
ただし、あくまで作品(芸術)は自由でクリエイティブな世界でもあります。無理やりに傾けたり、思い切って天地を反転したりしてイメージを膨らませることもありますので、一概に上記のことを必須にする必要はありません。
が、まずは教科書通り、見る人に安定感を持って鑑賞していただく作品作りをマスターしましょう。(増田)