石渡写真クラブ月例会(8月)作品

石渡写真クラブ月例会(8月)作品 
 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

【吉池 安雄】「旅立ちの準備」(戸隠森林植物園)
コメント:俳句仲間と戸隠高原へ吟行に行ってきました折に偶然にもアサギマダラ蝶に遭遇、句作そっちのけで蝶を追いかけてました。こんな機会めったにないものですから。
講評:はるか南方まで1000㌔単位の長旅をするチョウ、アサギマダラ。大型で,独特のアサギ色がきれいで、出会うとつい追いかけたくなるチョウです。句作そっちのけで追いかけた甲斐あり、ヨツバヒヨドリの花で旅の養分をたっぷりと吸う姿をしっかりと捉えています。吸っている間は瞬間的に飛翔も止まるのでシャッターチャンスですね。今度は、羽をバタバタやって飛んでいる瞬間にも挑戦してみてください。動感が出ます。でも、撮れたと喜んでいる作者の姿が思い浮かびますが、さて本題の句は?

ところで、写真と俳句をコラボした新アートがあります。
【フォト×俳句】
 かつて信毎で「フォト×俳句」という欄を設け、毎週作品を募集、上位作品を紙面掲載していたことがあります。写真作品に俳句を添え、ともどもに共鳴し合う新しいジャンルの芸術作品です。通常は写真説明(タイトル)が付きますが、この説明を俳句に置き換え、見る人に写真と俳句のイメージをコラボして鑑賞してもらうというものです。
 発表形態は、プリント写真の中に、うまく俳句が収まるスペースがあれば俳句を埋め込む。あるいは、写真とは別に俳額を写真額とともに並べるという手もあります。
 残念ながら10年ほどで、紙面掲載は終了しましたが、写真の延長線上にある芸術と思います。機会があったら挑戦してみましょう。

以下、信濃毎日新聞掲載の説明です。ご参考まで。
フォト×俳句とは
 写真と俳句を組み合わせて一つの作品として楽しむ新しいアートです。信濃毎日新聞では、「フォト×俳句(ふぉと・かける・はいく)」と名付け、2008年7月、全国の新聞に先駆けて投稿欄を新設しました。毎週木曜の「フォト×俳句」欄に作品を掲載しています。投稿は全国各地から寄せられ、愛好者の交流も徐々に広がっています。
 写真と俳句のコラボレーション作品は、「フォト×俳句」のほかにも、写真月刊誌「フォトコン」や下野新聞(栃木県)に連載中の「フォトハイ句」など、さまざまな呼び方がされています。季語が入らない五七五を使った作品もありますが、全国フォト×俳句選手権や信濃毎日新聞紙上では、写真と組み合わせるのは俳句に限り、季節感を大切にした作品づくりを広めています。

【宮澤 一成】「コロナ禍にまけず イザ ながの甲子園」(南長野運動公園)
コメント:新型コロナの影響で、夏の甲子園大会が中止となり、高校球児の無念さは、量り知れませんが、代替大会として長野県大会が開催されることとなりました。昨年度甲子園大会に初出場した飯山高校ナインの初戦に向かう様子を撮影しました。
講評:新型コロナも今後どう推移するか分かりませんが、この作品を何年か後に見た時、不思議な光景だなと思う人が少なからずいるはずです。なぜ、真夏の暑い時期に、風邪やインフルエンザ流行期の冬でもないのに全員がマスク?。コロナ禍を知らない人でも、何となく異様な光景に気付くはずです。そういう時代背景を盛り込んだ記録性のある1枚です。ただ、狙った瞬間、シーンとしては確かにコメント通りですが、やや説明的ですね。もっとアクションとか表情とか、高校生らしい球児らしいものなどが画面に出てくるとよかったのではと思います。少しずくがいりますが・・・。

【広澤 一由】「緑の涼しさ満喫」(菅平「唐沢の滝」)
コメント:根子岳西斜面を水源とした唐沢川の滝は、落差約1m、巾約10m。水しぶきがミストとなり、緑に囲まれた森の中の滝を見て、快い涼しさを満喫できました。猛暑の下界とは別世界!!
講評:道路から少し入るだけでこのシーンに遭遇できるお奨めのスポット。近づくと水しぶきが乾いた肌を心地よく潤し(長時間いると濡れてくるので注意)、まさに真夏にはうってつけの別天地です。時間によっては水しぶきに虹がかかり、周りの木々も春夏秋冬姿を変え絵になる滝です。作品は、もう少し周りの木々、緑を入れ込んで、滝はもっと小さく、右手前に流れてくる水流をもう少し入れるとスケール感が出ました。

【早川 珠喜】「真夏の陽光」(長野石渡神社)
コメント:石渡神社境内。大木が林立し、木々の間から青空がのぞき、夏の太陽光が燦燦(さんさん)と降り注いでいました。木々の青葉から覗く、夏の強い日差しを、体をぴったり木に寄せ、カメラを真上に向けて撮影しました。
講評:背景の木々の葉がほどよくつぶれ、陽光を引き立てるのに役立ちました。コメントにあるように葉の間からのぞいた空も見え、主題の陽光を注いでいる真夏の太陽を連想させてくれます。いろいろなものがそれぞれ適切な露出バランスで並び、陽光がまさに神々しく輝いて見えます。

【中島 弘】「岩陰の妖精」(湯の丸高原)
コメント:湯の丸高原、池の平湿原のコマクサを撮影しました。コマクサの群生が見事でしたが、岩陰に凛として咲くコマクサの姿を撮りました。拡大トリミングしました。
講評:構図的には典型的な「日の丸構図」です。主題を「日の丸」位置に置き、見る人の目を瞬時にそこに引き付ける効果があります。やや望遠系で、手前の岩を前ぼけで配置、向こうのぼけも相まって、主題に目線を誘導しています。背景処理もすっきりと、どこか創作したスタジオのようでシンプルです。拡大しトリミングとのことですが、遠くのものでもよく見つけまとめています。拡大を想定しデータ量をアップすれば、大伸ばしにも耐えられますね。そうしたら、トリミング方法ですが、背景を半分くらい減らし、下の部分をもう少し入れた感じ、つまり花をもう少し上にすると、ダイナミックさは落ちますが落ち着いた安定感が出てきます。お試しを。

【倉澤 利和】「美味しいかな?ミニトマト」(自宅畑)
コメント:ミニトマトがたくさんなっていましたので、ただ撮るのではなくレンズボールを通して撮ってみました。トマトの種類はわかりません。
講評:そうですね。鈴なりの見事なミニトマトを見せられても、タキイ種苗のPR写真?になってしまいますね。少しでも作品としてお披露目したいと考えた末、ひらめいたアイデアが恒例のレンズボール。何か風船に閉じ込められた別の世界のような雰囲気が出ました。逆さまというところも面白い。惜しむらくは、ボール内のどこかに、いつもの猫とか犬とか、母上とか、孫とか・・・点景を入れるとさらに面白味がアップしました。

【高山 三良】「助かった!怖かったね」(石渡貯水池)
コメント:7/21の豪雨で貯水池は満水。貯水池の柵が避難場所に。翌朝カメラを向けたが、怖かったのか身動きしなかった。
講評:貯水池の中の草むらが生活場所の生き物たち。突然の豪雨で避難、一カ所に集まった生物を発見、作画しました。小さなものをよく見つけました。よく見ると、イナゴ(バッタ?)のほかに右下にはアマガエル、上の方にはテントウムシもいて、まさに「ノアの箱舟」。2枚の組みですが、やや似ている感じでどちらか1枚の方でもよかったかも知れません。あるいは、1枚は虫のどアップとか、環境を分からせるような背景を取り入れたセミロングなど別カットにしたら組みの効果出たと思います。

【池田 治雄】「緑のカーテン」(自宅ベランダ)
コメント:今年も暑い夏がやって来ました。エアコンに頼ってしまいがちですが、夏を快適に過ごし電力消費や環境にも配慮したアイテムとして定着しつつあるのが、「緑のカーテン」です。植物の力を利用して夏の日差しや熱を防ぐことで室内の温度を下げる効果があるそうです。初めて、ゴーヤで「緑のカーテン」を作ってみました。
講評:涼し気な緑のカーテン。外側と内側から見た組み写真でまとめています。上右と下左のカットが似ていて、どっちか一枚。それと、内側からのカットは、例えば思い切って、斜光され涼しくなった?部屋の雰囲気を少し入れながら、生活感の出た1枚にするとアクセントが付いたかと思います。さらに、思い切って副産物の「ゴーヤチャンプル」などを取り入れたカットを遊び心で・・・という手もありかな?

8常会「いこいの会」がスズムシを配りました

 8常会のボランティアグループ「いこいの会」が823日、会員が育てたスズムシを常会内の公園で配布しました。

 公園に賑わいを取り戻し、住民同士のつながりを深めたいと始めた事業で、今5年目になります。親子やお年寄りなど20人近くが訪れ、持参した飼育箱に10数匹のオスメスのつがいを分けてもらい、笑顔を見せていました。

 1常会の小山のぶ代さん(78)は「鳴き声がとても心をいやしてくれます。去年のスズムシの卵が孵化して鳴き始めました。今年のスズムシとの合唱が楽しみです」と話していました。隣の北尾張部から訪れた小学2年の中澤僚人君は「風鈴みたいな鳴き声が大好きです。大切に育てます」と話していました。

【文と写真:石渡区監査役 水越渉】

スズムシのペア。左がメス。お尻から太い産卵管が出ています

虫の好きな親子が訪れました。マスコミも取材に乗り出しました

額を寄せ合ってスズムシの飼い方を教えあう「いこいの会」のスタッフと来場者

 当日の模様が信濃毎日新聞に掲載されました。

 ※記事をクリックすると大きくできます。

 

 

石渡写真クラブ例会(7月)作品

石渡写真クラブ月例会(7月)作品
 講評はクラブ員で講師の増田今雄さん(5常会)です。
 写真をクリックすると拡大して見えます。

 今回(7月)は、4月から3カ月・3回のオンライン例会から久しぶりに一堂に会しての例会を開きました。
 新型コロナウイルスも、一旦は収束に向かうかなと思われましたが、「GO TO キャンペーン」に突入して徐々に勢力を盛り返しているようです。しかし、自粛ばかりでHOMEにこもりきりは、かえって心身に悪影響を及ぼすのではないかと私は考えます。その解消策にうってつけが写真です。団体での撮影会や人気の被写体にどっと集まる場合など要注意のケースもありますが、個人個人で独自の動きができるのが強みです。いずれにしろ、万全の予防策をし、外の空気を吸いながらシャッターを押しに出かけましょう。
 今回から、9常会の原芳幸さんが新しく仲間に加わりました。楽しくやっていきましょう。(増田)

【吉池 安雄】「令和元年の夏山」(飯綱山より)
講評:山頂近くから見下ろした長野市街地、続く東山の連山。そして、峰や空にたなびく雲。手前の笹の斜めのラインと向こうの連山の真横のラインが画面にリズム感を生み出し、雄大なスケール感が出ました。元気で登った吉池さんの感動が伝わってきます。

【宮澤 一成】「あじさい寺」(知識寺=千曲市上山田)
コメント:梅雨と言えば紫陽花ではないかと、安直な思いで撮影に出かけました。憂鬱な梅雨時に花を咲かせる紫陽花を見ると、気持ちが安らぎます。
講評:主題のアジサイを前景に、かやぶき屋根の寺、境内の灯ろう、上に覆いかぶさる樹木の緑と卒なく画面をまとめています。常套句ですが、参道に花見客とか、寺のお坊さん、犬、猫など何か点景が入るとよかったと思います。

【広澤 一由】「世界を航海したい!」(富山県射水市海王町)
コメント:かつて海底電話ケーブル設備部門に勤務したことがあり、4,000トンもある大きなケーブル布設船にて横浜から沖縄まで航海したことがあった。目の前で大きな船を見ると海への憧れが蘇った。
講評:仕事で乗った船への思い出、憧れからシャッターを押したとのことですが、その思いが伝わってくる気がします。斜張橋を背景に係留する帆船「海王丸」の雄姿が印象的です。奥の残雪を抱いた北アの峰々がくっきりと見えるとよかった。

【早川 球喜】「紫陽花の咲き誇る参道」(長野市若穂綿内蓮台寺)
コメント: 7月4日付けの市民新聞に〝浅川マレットゴルフ場のアジサイは今年も見事に咲き誇っています〟との記事を見て、さっそく蓮台寺に出掛けてみました。当日は、薄曇りでしたが、まずまずの天候でアジサイを見に来られた方もちらほら。たまたま撮影スポットに居られましたので、背景に撮影してみました。
講評: 古刹、蓮台寺の歴史を感じさせる参道の石段。そこを花見客の家族連れ、撮影に訪れたカメラマンを点景にまとめました。ただ、奥さんの表情が見えない、カメラマンの視線がカメラ目線とシャッターのタイミングが、もう一瞬この後の方がよかったのではと思います。フォーカスが点景人物にきているだけに、余計そう感じます。逆に、フォーカスが手前のアジサイだったとしたら、人物は添え物となるので、顔が見えなくても、こちらを向いていてもあまり苦になりません。

【中島 弘】「先が見えた」(白馬村白沢洞門)
コメント:トンネルの先の光景を、コロナ禍の自粛規制で閉塞感漂う気持ちに重ねてみた。
講評: 画面の中に被写体をどこに置くか、またどう構築するか・・・など鑑賞する人に効果的に物(被写体)を配置することを「構図」といいます。日の丸構図、斜め構図、アルファベット構図、三角構図など基本的な構図がいろいろとありますが、その中に「トンネル構図」OR「囲み構図」というのがあります。見てもらいたい、強調したい被写体を、この作品のようにまさにトンネルで囲むもので、見る人を即被写体に引き込んでゆく(目線を誘導する)という効果があります。また、トンネルのこっちは現実で、その向こうは理想郷といいますか夢の世界といいましょうか、そんな二つの世界を連想、連結させる効果もあります。
さて本題。コメントにある通り、もやもやとした抜ける道が見つからない自粛から、パッと開けたその向こうに一縷(いちる)の希望といっていい、明るい世界を感じた作者の心情がそのまま表現されていると思います。暗から明へ、的確に感じたものを即作品にした感性がいいです。ただ、少しトンネルの暗い部分が多めでもう少し削ってもいいかなと思います。それに、白馬連峰の大自然に対しポツンとある車は邪魔のような気がします。

【竹内 一郎】

「スイッチバック」(姥捨駅)
コメント:姥捨といえば冠着山のスイッチバックを思い出す。駅舎だけでも?
講評:駅舎の写真ですが、タイトルの「スイッチバック」とやや結びつきが希薄のような気がします。作者の思い出はコメントからよく理解できますが、写真の場合はより具体的にその思い出に合った、あるいは連想させるものを探し写真に盛り込むことが大切です。が、それには手間暇がかかりますね。では、どうしたらいいかですが、目の前にある駅舎を撮ったとすると、それに沿ったタイトルを考えてみたらいかがでしょうか。「姥捨」はスイッチバックのほか、数々の俳句、棚田などを連想させてくれます。

【高山 三良】「こびとの園」(吉田)
コメント:居住者不在と思われる家の庭にもほうき草が成長しマリーゴールド、コスモスも加わってメルヘンチック。
講評:手前のほうき草が印象的ですね。やや望遠系レンズの効果でぼけ具合がいい感じで、おとぎ話の中の子どもたちがそこにいるような作品になりました。「何かを目の前にした時に、“何か”を感じる感性を養うよう心掛けましょう」という写真をやる人のお手本の作品です。

【倉澤 利和】「咲きましたアサガオ・元気でいます、我が家のペット。(犬-ソラ・猫-カイ)」(自宅)
コメント:久々のペットの登場です。夏日差し除けに植えたアサガオの向こうに二匹のペットがいたものでカメラに収めました。
講評:久々にあか抜けた都会っぽいムードの作品に出会えた気がします。画面内にうまく分割したネット、3つの赤い花の位置、そしてよく見ると向こうにペットが・・・。身近なところにあった被写体をうまくまとめ、生活感たっぷりに表現できました。しかし、タイトルが長過ぎます。作品を最大限生かす、もう少しコンパクトな、気の効いたものを。

【池田 治雄】「薔薇と庭の花」(自宅)
コメント:4月になると薔薇の芽吹きが始まります。今年も綺麗に咲かせるために、早朝から消毒をしました。5月、6月に渡り見事に咲きました。また、薔薇の他にも綺麗な花が咲きました。何百回とシャッターを切りましたが、なかなか満足する写真が撮れないです。今回は、我が家の花の紹介になりました。
講評:♪♪バーラが咲いたー、バーラが咲いたー、真っ赤なバーラがー♪♪フォークソングの草創期、マイク真木の歌を思い出します。前回に続いて、バラをモチーフにした組み写真です。コメントにある通り、消毒をし手塩にかけただけに生きのいいバラがずらりと並びましたね。色バランスも考えて並べてありますが、追加?の下の方の花々は組み写真としてはやや統一感に欠けると思います。バラだけで、サイズや並べ方、花の数やアングルなど工夫をして組み写真にするとすっきりとまとまり感が出ると思います。バラとじっくりお話をしてみてください。