石渡写真クラブ(2019年12月)例会作品

講評は石渡写真クラブ講師の増田今雄さんです(5常会)

※写真をクリックすると大きく見えます

【池田 治雄】「冬景色」(北長池)
 
枯れススキを前景に、少しだけ雪に覆われた山並みと適度な雲が出た空をまとめすっきり感が出ました。ススキと山の間の田園風景の広がりを入れたら、遠近感がもっと助長されたのでは?「いや、邪魔な電柱や電線があってね、隠すためローアングルで・・・」。うまく隠しましたね。

【笠原 美敬】「晩秋の長野」(雲上殿)
 
雲上殿から南東方向、長野市街地と奇妙山、妙徳山などの山並みをモチーフに撮影。山頂付近を覆う冬特有の雲と抜けた青空。下の部分に紅葉の樹木がちらりと見えていますが、もう少し入れるともっとタイトルにふさわしい晩秋になったかなと思います。

【倉澤 利和】「冬はこれから」(戸隠神社奥社参道並木)
 杉並木を望遠レンズの「圧縮効果」(引き付け効果)で迫り、太い杉の幹が立ち並ぶ様子が迫力満点に表現されました。配置された人物も、幹の太さを比較するのに役立ちました。ただ、手持ち撮影でしょうか暗いためにシャッターが低速になり、ぶれが気になります。

【高山 三良】「師走の灯り」(長野市中央通り)
 イルミネーション輝く師走の長野市のメインストリート。ビル街もほどよい露出でイルミネーションとともに夕景に溶け込み、人の配置バランスと動きがいいです。中央にある信号の赤がまるでお月さんのようでユーモラスさを誘い出しています。

【竹内 一郎】「月下美人クジャクサボテン」(石渡)
 見事に咲いた花。その美しさを限りなく引き出そうとした作者の心意気が伝わってきます。撮影の場所選び、ライトを当てたライティングなど工夫の跡が見られます。部屋のあかりの作品より、こちらの方が作者の意図がストレートに伝わり幻想的です。

【中島 弘】「俺の時間」(麻績村・聖湖)
 聖高原の湖で釣り用の足場が鍵型に曲がった足場と湖面がバランスよくフレーミングできました。そこに糸を垂れるたった一人の釣り人、その向こうの足場左にいる水鳥が静かな山上の湖の静寂さを表現しています。この大自然を独り占めしているのは釣り人とともに作者自身ですね。

【早川 球喜】「落陽」(長野市城山公園)
  夕暮れ時の市街地。霞んだ山並みの向こうの空がかすかに茜色ですが、下のビル街がやや重たく中途半端な気がします。夕焼け狙いなら、下のビル群はもう少しカットし、空の面積を広く入れた方がすっきりします。

【広澤 一由】「秋で飾られたつつじ橋」(天竜峡温泉付近)
 
天竜峡に架かる吊り橋を覆うように周りの紅葉が包み込む。自然と人工物がうまくマッチした作品となりました。できれば、吊り橋の上にこの絶景を愛でる行楽客が点在すると作品がぐっと引き締まりました。

【吉池 安雄】「忍び寄る冬の影」(石渡運動公園)
 真っ黒な木の影に「冬」を感じ取った気持ちがそのまま表現できています。影が右下から左上の斜め構図が画面に流れを生み出しています。影とは別の樹木(左)の枝も青空に浮かんだ配置ですっきりまとまっています。